成果は現場にあり！

「よろしくね、美少女探偵アリスちゃん！」
「決まりね。行きましょう助手壱号……そして、弐号！」
黒いマントをなびかせる、少女。その横にはツナギで身を包んだ巨漢の熊。
いつの時代でも名探偵と助手というものはちぐはぐなことが多く、それがかえって好まれる。
ハロウィン会場に置かれたテーブルの上に、夢のように綺麗に飾り付けられた「謎」があった。
身の丈ほどあるマントを翻し、少女は一歩また一歩、目の前に並べられているそれらへと向かう。
右手にもつカトラリーが光を浴び銀色に美しく輝き、少女の瞳にはその夢のような謎を食べつくしてやろうという欲が溢れかえる。
助手壱号もまた、目の前の謎たちに興味津々なのだろう、興奮気味に呪文のような言葉を呟いている。
「バターナッツっていうかぼちゃは濃厚な味わいでケーキ作りに適しているもので、なんといってもねっとりとした触感が特徴的で栄養素も豊富なんだ。食物繊維、ビタミンC、マンガン――」
――この迷コンビにかかれば、どんな謎もたちまち夢のように解けてしまうことだろう。