Bat.-Chatillon 25 t

ビドレョーン

車両概要

・今まで踏んだり蹴ったりだったフランスLTルートの終着点　しかし区分はMT
・SPGのほうにも似たような名前の歌舞伎役者が居る
・今までよくもやってくれたなアメリカリボルバー共め！死ねぇ！
・略さずに書くと「Char Batignolles-Chatillon」　シャール バティニョールｰシャッティヨンと読むらしい　めんどくさいしョンでいいよね
・ガルァー

誕生秘話

昔々ある所に、Lorriane40tという可愛らしい名前の女の子が居ました。
彼女はフランスのリボルバー家という高貴な家の生まれで、素早い連射能力と早い足を兼ね備えた優等生…
すらっとした砲身、曲線も麗しい揺動砲塔は、それはそれは息を呑むような美しさだったと言います。
しかしそんな彼女にもただひとつ、大変な悩みがありました。
その名前に反して彼女は大変な―――デブだったのです。

リボルバー家の生まれとはいえ、当然普段は普通の戦車たちと同じように学校には通わなくてはなりません。
彼女が通うのはワールドオブタンクス学園でしたが、そこにはスリムで、グラマラスで、キュートな戦車が沢山居ました。
自分の体系にコンプレックスを抱えるLorrianeにとって、毎日学校に通うのは苦痛の日々でした…

「ねぇAMX50、私ってそんなに太ってるのかな」
休み時間、教室の一角で机に突っ伏しながら、Lorrianeは隣の席のAMX50 120ちゃんに呟きました。
AMX50 120ちゃんは同じtier9学年のお友達です。tier9に上がって以来、同じフランス出身でリボルバーを持つもの同士であるAMX50ちゃんはLorrianeちゃんのよき相談相手であり、気の許せる唯一の相手でした。クラスはHTとMTとで違いますが、間違いなく最高の友人です。
AMX50は砲塔をこちらに向け、Lorrianeを元気付けるように明るい表情で、
「何？また誰かに何か言われたの？」
「うん…今日の朝、E 50君がね、私のことLTのできそこないだって」
AMX50ちゃんは、ちっ、と舌打ちし、
「また、あいつ？自分もクソデブのくせしやがって」
「LTとして見れば車体デカすぎるし旋回性能も無いし、MTとしては旋回性能も無いって…」
「やめなよ、やめやめ。気にしないのあんなやつの言うことは」
「うん…でも…」
「あいつ、tier9になって調子に乗ってるんだよ。tier7の頃は毎日苛められて泣いてたくせして」
「うん…」
「後で私が4連腹パン炎上させといてやるから安心しな。相手するだけ無駄だよ」
「ありがとう…でも自動消火器積んでると思うよ、たぶん」
弱々しげに笑ってそう言うと、Lorrianeはまた砲塔を机に突っ伏してため息をつきました。それを見てAMX50もまた、大きなため息をつきました。

最近というもの、Lorrianeはこうして塞ぎ込んでばかり。

tier9に進級してからというもの、周りの戦車たちが成績優秀者ばかりになってきたせいもあるのでしょうか。毎日誰かしらから悪口、軽口を叩かれてはこうして落ち込んでいるのです。
「高tierになったら車体が大きくなるのなんて、普通だって。気にしないの」
AMX50はその度にこう言って元気付けているのですが、Lorrianeは聞く耳を持ちません。無理も無いでしょう―――フランスLTといえばスリムなボディ、軽やかな曲線美が代名詞。tier8までは彼女もそれを誇りにしていました。それが…突然あのような、四角く、醜く、大きく太った体になっては、コンプレックスを抱いてしまうのも当然です。
（しっかし、このままじゃまずいよなぁ）
AMX50は、そう思います。せっかく良い機動力、良いリボルバー砲を持っているのにこれでは元々の魅力が台無しです。xvm試験にもいい影響は出ないでしょう。ただでさえ競争の激しいMTクラスで、tier10に進級するための200,000expを稼ぐためには落ち込んでいる暇は無いはずなのです。たとえSPGに一撃HE貫通爆殺されようとも。
なんとか元気付けてあげたい、同じフランス戦車のよしみとしてAMX50はそう考えるのです。でもどうやって？

「なぁLorriane、思い切ってダイエットでも、してみる？」
ある日の休み時間、AMX50は思い切って言ってみました。
Lorrianeは砲も上げず、やる気のなさそうな声で一言、
「…ダイエット？」
「そうだよ。太ってるのが嫌でバカにされるなら、痩せればいいんだよ」
Lorrianeはため息をつきました。
「無理だよ。知ってるでしょ、私の体重。tier7のときは15.2トン、tier8でも14.8トンだったのに、今38.73トンもあるんだよ」
「そんなに」
「2倍近くになってるんだから…もう、痩せるなんてできっこないよ。私はtier10になってもずっとこのままなんだ」
「それは…でもやってみないと分かんないじゃん。いらない装甲部分を誰かに押し付けるとかさ―――」
自分言ってから、はたとAMX50は気づきました。そうだ！

「私に装甲を分けてくれたらいいんだ！」

驚いて、Lorrianeは砲塔を上げました。いきなり何を言い出すのかという顔をしています。
「分ける、って―――」
「ほら、私って一応HTでしょ。火力はリボルバーだし十分なんだけど、装甲がちょい不安で…だから、Lorrianeのいらない装甲を私に分けてくれたらきっとお互い良い感じになるんじゃないかって思うわけ」
確かに、その通りです。AMX50 120の正面装甲は僅か100mm。いくら機動力に優れるとはいえこれではHT詐欺もいいところ。tier10に上がるにあたって装甲を得ることはきっと無駄にはならないでしょう。
一方でLorrianeの38トンというのも、軽MTとしては明らかに重過ぎる部類です。高速化著しいtier10MTに対抗するためにも、高火力化著しいtier10HTに対抗するためにも、双方のバランスを考えると魅力的な提案に思えました。
「でも、そんな、大丈夫かな…機動力が落ちたりしない？」
「なーに、ちょっとくらい平気平気。tier10になったらエンジン出力も上がるんだしそう簡単に機動力なんて落ちないよ」
「そうかなぁ」
「そうだよ。それに、あくまで私らの強みはリボルバーだから。ここさえしっかりしてりゃ、大丈夫だよ」
「うーん…」
簡単な決断ではありませんでした。Lorrianeにとって軽量化は願っても無いこと。しかし、tier7や8での彼女は軽量・高速・しかしパンチ力不足であったのも事実です。果たしてtier9から10というこの転換期にあってそこまで大幅な方向転換を行って良いものでしょうか。
でも、今の窮地を脱するためなら。あのいじわるなE 50を見返してやるためなら。
Lorrianeは迷った挙句、提案に乗ることにしました。

そして月日は流れ、400戦後。

長い長いexp稼ぎを終え、とうとうtier10への進級のときがやってきました。
tier9ではあんなに威張り散らしていたE-50君が、E-50Mと名を変えた途端にどこかおどおどとしています。Foch君は念願かなってリボルバーを手に入れ、早くもHTを苛め始めています。むこうでMTに囲まれてボコボコにされているのはまうまうでしょうか。ああ、T57 Heavy Tank君の容赦ないリボルバー・ジツでT110E5君が卒倒してしまいました。ここはワールドオブタンクス学園の終着点であるtier10！まさに、悲喜交々の光景です。泣いても笑ってもここが最後、この先にtierはなく、ここでの性能が全てを決するのです。

そしてそんな中で、Lorriane、彼女はどうなったかというと―――

「ねえAMX50！見て！私、最強のtier10MTになれたよ！Bat Chatillon 25tになれたんだよ！
出力比が28.48hp/tもあって、リボルバーの総攻撃力は1950、旋回性能も良好、視界も隠蔽率も良好、クランウォーズからもお誘いが来てるんだ！
もう同格MTの誰にも…ううん、HTにも、TDにだって負けない！どんなマップでもLTとしても、MTとしても、どんな働きだってできる万能戦車になれた！
これもAMX50が重量を引き受けてくれたおかげだよ！軽量化できたから私、こんなに強くなれたんだよ！
…AMX50？どうしたの？ねえ返事してよ、

AMX50？」

こうして世に一輌の強車両と、一輌の産廃が生まれた。
とてつもない強車両はその名をBat Chatillon 25tといい、とてつもない産廃はその名をAMX 50 Bといった。

ｴｰﾝﾀｰｴｰﾝﾀｰﾐｯｼｮｰﾝ　ﾊﾔｸｰｺｺﾆｵｲﾃﾞｰ

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