どんなに弱いチームでも3割は勝つ

Last-modified: 2024-05-06 (月) 17:27:11

ニンテンドーDSのゲームソフト『パワプロクンポケット11』にて発せられた台詞。
なんJにおいては、シーズン序盤に負けが込んで極めて低い勝率を推移するチームに対して用いられる。


概要

サクセス開始1年目、新規参入球団ナマーズのオーナーを務める神条紫杏が、ライバル球団のホッパーズとの開幕戦で初勝利した後の発言。

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勝率3割を切った例(2リーグ制以降)

野球はプロスポーツの中では戦力差が出にくく、最終的に勝率が3割を切るケースはほとんど無い*1。2リーグ制以降は下記の9例のみである。

チーム名試合勝率備考
広島カープ195013841961.299球団ワーストタイの13連敗を記録。
松竹ロビンス195212034842.288この年のセ・リーグは「勝率が3割未満のチームには
何らかの処罰が与えられる」という取り決めがあった*2
シーズン終了後、大洋ホエールズと合併。
近鉄パールス195210830780.278
洋松ロビンス195413032962.250シーズン終了後、松竹が球団経営から撤退。
大洋ホエールズ195513031990.238歴代最低勝率タイセ・リーグ最多敗戦記録。
近鉄パールス195813029974.238歴代最低勝率タイ、当時の引き分けは0.5勝0.5敗扱い。
現在の計算方法では.230単独ワースト記録
近鉄バファロー*31961140361031.261NPB最多敗戦記録かつ、唯一のシーズン100敗以上
ヤクルトアトムズ197013033925.264歴代2位タイの16連敗を記録。
東北楽天
ゴールデンイーグルス
200513638970.281平成唯一の勝率3割未満。
  • チーム名の赤字:参戦初年度、青字:参戦から10年以内*4

勝率が3割を切る要因

  1. ドラフト制度導入前(~1964年)で戦力均衡ができていない。
    →9例中7つが1961年以前。
  2. 新規参入した球団の戦力が不十分。
    →9例中6つが参戦から10年以内、2つが参戦初年度。
  3. そもそも勝とうとしていなかった(一時期のMLBにおいて問題化した、ドラフト指名順を有利にするために意図的に勝率を下げる行為。「タンキング」と呼ばれる。本記事の主旨から逸れるため詳細は割愛)。

セイバーメトリクスの観点からの考察

セイバーメトリクスで用いられる指標「WAR」で定義される「代替可能選手(=一軍向けに二軍からの昇格やトレードなどですぐに用意できる選手)」だけで1シーズン*5を戦った場合の想定勝率は.294とされており、セイバーメトリクス的には「どんなに弱いチームでも2割9分4厘は勝つ」と考えられている、とも言える(なお前述の3割切りの例のうち広島以外は.294も切っている)。

(参考)1リーグ制時代の記録

  • 最低勝率(公式):.214(1937年春、後楽園イーグルス、12勝44敗0分)参考
  • 最低勝率(非公式):.000(1936年春夏、大東京軍、0勝13敗1分)※春のリーグ戦×3回と夏のトーナメント戦×3回の合算。参考1参考2

詳細は割愛するが、2リーグ時代より戦力差が大きく試合数も少ないため、勝率3割以下は多数発生している。

関連項目


*1 サッカー等他競技の国内トップリーグでは、試合数の違いや引き分けの多さ、チーム間の戦力差の開きから、下位チームの勝率が3割、時には1割を切ることも珍しくない。
*2 ブービー(6位、当時は7球団)だった広島は勝率.316で、紙一重で回避。
*3 1959~61年の球団愛称。
*4 洋松ロビンスは大洋ホエールズ基準。
*5 MLB方式の162試合。