バルディリス契約

Last-modified: 2023-09-27 (水) 01:28:35

本人の同意なしに二軍に落とせない契約」を指す。DeNA時代ののアーロム・バルディリスに対する中畑清監督(当時)の発言が由来。
「不調にも関わらず起用される」「(試合に出ずとも)一軍登録枠を圧迫する」等の理由でチームにマイナスの影響を及ぼすため、広義の死刑囚契約とも言える。

【目次】


概要

外国人選手がNPBに移籍する理由の多くは、MLBでの出番が見込めないことを背景とした「出場機会の追求」である。したがって「一軍確約条項」を契約に盛り込む事例は有り得る。
かねてより上記条項の存在は知られていた*1が、なんJにおいては2014年7月18日の下記記事を発端として広く知られるようになった。


記事

Deブラ勝負の4番勝負!外国人枠争い(『デイリースポーツ』2014年7月18日付)
https://www.daily.co.jp/baseball/2014/07/18/0007154941.shtml


 DeNAのトニ・ブランコ内野手(33)に、4試合の“お試し期間”が設けられる。左太もも裏肉離れから、球宴出場を目標に調整中。中畑監督は外国人枠もにらんで「(1軍で)4試合使ってみてその後を決めたい」と話した。
 
 16日の広島戦(マツダ)で左脇腹を痛めたグリエルは19日に精密検査を受ける。その結果、離脱となれば外国人枠は空くが、軽傷だった場合は1軍には欠かせない戦力。さらに「バルディリスは契約上の理由で落とせない」(中畑監督)という事情もあり、2枠をモスコーソ、ソトと争う。
 
 モスコーソは先発予定の後半戦5試合目のヤクルト戦(26日・神宮)に出場選手登録される。それまでの4試合がブランコにとって勝負になる。


経緯

「バルディリス契約」の誕生

バルディリスはオリックス在籍中の4年間(2010~2013年)でいずれの年も打率.260・10本塁打以上と安定した成績を残していたが、2013年オフの残留交渉が難航。オリックスを退団しDeNAと2年契約を締結した。

DeNA初年度の2014年シーズン序盤は好調を維持し、5月13日の中日戦で8号本塁打を放つ等、全試合スタメン出場で期待通りの活躍を見せていた(当該試合終了時点で打率.267・8本塁打・25打点)。
しかし以降は調子を落とし、6月12日にシーズン初のスタメン落ちを喫すると、7月はオールスター前の12試合中8試合でベンチスタート。2ヶ月にわたり本塁打0本とどん底の不調にあえいでいた。加えて故障離脱中だったトニ・ブランコの復帰も重なり、7月18日に上述の中畑の発言が飛び出すに至った。


その後

当該発言以降は徐々に復調し、7月26日のヤクルト戦で本塁打を放つと翌27日にはスタメン復帰。最終的に打率.255・17本塁打・52打点と、オリックス時代と同等の成績を残した。

翌2015年も正三塁手としてシーズンを完走するが、新戦力としてジェイミー・ロマック獲得の目処が立ったことを理由に本シーズン限りでDeNAを退団。バルディリス契約は終了した。

関連項目



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*1 公然と明るみになった(恐らく)初のケースは1999年の阪神におけるマイク・ブロワーズと思われる。