竜虎同盟

Last-modified: 2024-04-09 (火) 17:16:20

中日ファンと阪神ファンがお互いに得になるように同盟を組むこと。類義語に「とらドラ」*1「タイガー&ドラゴン」*2がある。
中日は親会社が同業*3、阪神は東京と大阪の都市同士の対抗意識*4と、どちらも巨人を最大の敵と位置付けている為、いわゆる「敵の敵は味方」という関係となる。
当然だが実際に両球団が手を組んでいるということではなく*5、たまたま両球団の同日の勝敗や個人成績がいい感じにかみ合ったのを上記事情からネタとして同盟に例えているものであり、もちろん年によってはWin-Winにならなかった例もある。

 

2011年シーズンの場合

竜虎同盟 ・・・ 阪神がヤクルト、中日が巨人を抑えることでそれぞれが得をする相互的な同盟関係。似たような関係として、楽西同盟がある。

竜虎同体 ・・・ 阪神がヤクルトを叩くことで中日が優勝する
=つまり中日の優勝は阪神のおかげ
阪神が優勝したようなもの
竜虎は一心同体やという考えで誕生した理論。

同盟はあくまで個対個、しかし同体だと共有するわけだから阪神は実質単独首位と言える。

巨人とのCS進出を争っていた阪神が、中日との優勝争い中だったヤクルトを叩き、逆に中日が巨人を抑え、阪神のCS進出を手助けするという同盟。結果は阪神が約束通りヤクルトに勝ち越したことで中日は優勝。しかし中日は巨人に負け越し、巨人のCS進出が確定した。さらに同盟を反故にされた阪神は中日に負け越し、4位で終戦。

2019年シーズンの場合

中日は広島を叩いて3位から転落させ阪神がCSに行く*6代わりに、阪神は大野雄大の最優秀防御率獲得を手助けする*7同盟。

  • 9月27日 広島VS中日(マツダスタジアム)
    広島はこの最終戦に勝利すればCS確定。大野と最優秀防御率を争っていたクリス・ジョンソンを先発に立てて臨んだが、1-1で迎えた7回表に堂上直倫に2ランを被弾するなど3失点。結局これが決勝点になり、ジョンソンの防御率が悪化した上に広島は敗戦。
    これにより大野のタイトル獲得チャンスが広がり、阪神は残り3試合を全勝した場合のみ*8という条件で自力CSが復活する。
  • 9月30日 阪神VS中日(甲子園)
    阪神が2連勝して迎えたシーズン最終戦。中日は対阪神の防御率1点台の大野が3回1/3をパーフェクトピッチングでジョンソンの防御率を抜いた直後に降板しタイトルを確定、阪神は後続を打って3-0で勝利し、CS進出を確定。無事お互いの目的を達成した。
    これによりなんJではもちろんのこと、SNSでも話題になり竜虎同盟がトレンドワードに。さらにはヤフーニュースでこのような記事も出て、なんJの内外で同盟関係が大きくクローズアップされた。
    ただ展開が展開だけに広島ファンのダメージは相当大きく*9、ネット上では失点に関わった三ツ間卓也や山本拓実、加藤匠馬らへ罵声が飛んだ*10他、首脳陣*11による八百長を疑う声*12までもが上がってしまった。

2022年シーズンの場合

中日がジャリエル・ロドリゲスを温存する事で阪神の湯浅京己と最優秀中継ぎのタイトルを分け合う代わりに、阪神は中日のライデル・マルティネスと最多セーブを争っていたヤクルトのスコット・マクガフのセーブを阻止するという同盟。

この年はロドリゲスと湯浅が最優秀中継ぎのタイトルを争っていたが、両軍シーズン最終戦のみを残してロドリゲスが1HP差でリードしており、この時点でロドリゲスはタイトルが確定。
一方の湯浅は最終戦となる10月2日のヤクルト戦で0-0の4回表に登板してホールドを記録し、45HPでロドリゲスと並ぶ。同時刻に行われていた中日の最終戦では中日が広島を相手に終盤まで2-0でリードしており、ホールドの上積みは可能な状況ではあったが中日ベンチはロドリゲスを登板させず。これにより湯浅もタイトル獲得を決めた。
また9回裏に登板したマルティネスがセーブを挙げて39Sとし、マクガフに1差をつけて単独トップに立った。

湯浅が無事に役目を果たした阪神は6回裏に1点を先制。そのまま9回表を迎えるが、この回に登板したカイル・ケラーが乱調で3失点し逆転を許してしまう。
こうしてマクガフにセーブ機会が転がり込むこととなり、竜虎同盟は反故にされたか…と思いきやこの日はマクガフも乱調。
阪神は一死1、2塁のチャンスを作ると梅野隆太郎のタイムリーで得点。さらに二死からこの日がプロ初打席の代打・榮枝裕貴が初安打初打点となるタイムリーを放って土壇場で同点に追いつき、マクガフはセーブ失敗。
ヤクルトはこの試合の翌日に最終戦のDeNA戦を残していたが、仮に最終戦でマクガフがセーブを記録しても39Sで並ぶためこの時点でマルティネスの最多セーブが確定し、中日と阪神は両者の目的を無事に達成した。*13

関連項目


*1 竹宮ゆゆこ原作のライトノベル『とらドラ!』より。奇しくも阪神と中日がCSファーストステージで対決した2008年10月から半年間アニメが放送されていた。
*2 クレイジーケンバンドのシングル曲で、かつてこのタイトルのドラマがTBSで放送されていた。
*3 星野仙一によれば、「フロント、OB、ファン方々から『優勝できなくてもいいから巨人だけには勝ってくれ』と声を掛けられる」というほど敵意は露骨な模様。実際セ5チームの中で中日は対巨人の成績が最も優れているものの、この姿勢が仇となって下位相手に取りこぼすことがしばしばあり、「巨人には勝ち越したが、2位止まり」のシーズンが多かった。また優勝できたとしても日本シリーズであっけなく敗退することが多い(2勝8敗)のも「巨人に勝って優勝してしまえば日本シリーズなんてどうでもいい」という考えが染み付いている事が原因とする声もファンやOBから多い。実際に前述を証言した星野本人も選手時代に優勝した1974年に発言していた。
*4 対立起源は江戸時代初期の大坂の陣とされる。戦闘終結後も街の歴史としては大阪の方が古いため、大阪の人は自らを「上方(かみがた、かみかた)」と名乗るなど潜在的に「自分達が上」という意識は強い。
*5 仮に本当に同盟関係に基づいて試合の勝敗を左右した場合、プロ野球協約に定められた不正行為(いわゆる八百長)に抵触するおそれがある。
*6 この年のセ・リーグ終盤戦は2~5位が大混戦だった上に当時4位だった中日も9月は首位巨人と2位DeNAを立て続けに3タテするなど好調で、残り6試合だった9/22の試合前時点では「3位広島との直接対決2試合にいずれも勝利した上で残り4試合で2勝、もしくは広島との直接対決で1勝かつ残り4試合で全勝」という条件でCS進出の可能性があった。一方で阪神はこの結果次第で残り5試合を全勝してもCSに進出できない可能性を残しており、この時点では阪神よりも中日がCSに進出する可能性の方が高かった。しかし、阪神が22日のDeNA戦と24日の巨人戦にいずれも勝利する一方で中日は23日の広島戦と24日のDeNA戦で連敗を喫して5位に転落し、結果として阪神有利になる代わりに中日はCS進出の望みが絶たれていた。
*7 9月14日には大野が阪神からセ・リーグでは令和初のノーヒットノーランを挙げており、最終戦以前からの「貢献」となっている。
*8 2勝1分だと勝率は同じ.500だが、セ・リーグの順位決定方式が「同率の場合は勝ち数が多い方がシーズン順位が上」であるため(この場合、阪神が68勝、広島が70勝となり、広島が3位となる)。ちなみにパ・リーグの順位決定方式を適用した場合では「直接対決の成績次第」であるため、13勝12敗と広島に勝ち越した阪神が上位になる。
*9 この試合での真の被害者は球団初のCS本拠地開催権を得て直前まで対広島前提で準備をしていたのに結果として散々な対戦成績である阪神戦となってしまったDeNAであるとも言われた。もっとも、28日の直接対決で勝っていればその時点で阪神のCS出場を消滅させることが出来た。
*10 この日の阪神の得点のうち2点がバッテリーエラーによるものだった。
*11 阪神監督の矢野燿大と中日監督の与田剛は中日でプロ入りし、最後は阪神で現役生活を終えているという共通点がある。矢野がプロ入りした1991年から与田がロッテに移籍する1996年6月までは中日で、与田が日本ハムを経て阪神に移籍した2000年は阪神でチームメイトだった(与田は同年限りで引退)。
*12 RCCの石田充アナが八百長を疑うような内容を述べた上で広島ファンに同意を求めるようなツイートを投稿し大炎上。当の広島ファンにさえ「カープファンの評判を落とすな」と大顰蹙を買い、投稿の削除と謝罪に追い込まれた(ソース)。
*13 その後最終戦にマクガフはベンチ入りせず、マルティネスは単独での最多セーブ獲得となった。