16打席14四死球

Last-modified: 2023-11-14 (火) 23:46:52

アレックス・カブレラが2002年に55本塁打を放った後の打席結果……とされる嘘のコピペ

内容

「カブレラがシーズン本塁打数のタイ記録・55号(当時)に並んだ後、執拗な敬遠・四球責めを受けた」「空気を読まずに外野に打球を飛ばしたため故意死球を受けた」「謎の人物O氏が黒幕」などというエピソードと共に語られる、なんJに古くから流通している怪文書の1つである。

1 四球四球三ゴ四球
2 四球四球四球四球
3 四球四球四球四球
4 四球四球右飛死球

以降骨折で出場なし

公式記録

このコピペはなんJ民による捏造であり、実際の成績は23打席5四死球である。
また「2002年のシーズン終盤に骨折」も大嘘で、シーズン最終戦まで出場・同年の日本シリーズにも4番打者としてスタメン出場している。

91: 風吹けば名無し 2013/08/15(木) 23:27:46.62 ID:1ntEEchi
10月2日近鉄戦(西武ドーム)死球 敬遠 二飛 左本(55号)
10月5日ダイエー戦(西武ドーム)四球 中安 四球 死球 三振
10月6日日本ハム戦(東京ドーム)一飛 三邪 中安 四球
10月9日オリックス戦(神戸)三振 左2 二飛 三振 敬遠
10月10日オリックス戦(神戸)右飛 右飛 三振 左安 三振
10月14日ロッテ戦(千葉)一飛 右飛 左安 三振

コピペが生まれた背景

O氏ネタがこの頃には定着したことも影響している。
公式記録におけるカブレラの四死球は23打席5四死球である。これはプロ野球選手としては多い部類に属するが、強打者の四死球が増えるのは当たり前であり、この年のカブレラはシーズン通算で559打席111四死球を記録しているため、シーズン終盤になって割合が激増したわけではない。しかし、O氏の所属球団であるダイエー戦に限れば5打席3四死球と高い四死球率を記録しており、O氏の圧力が囁かれるようになったのも残念だが当然である。

3試合で10四球以上を記録したのはバリー・ボンズ(2003)とブライス・ハーパー(2016)だけであるが、この話が作られた頃のカブレラは彼らのように突出した成績を残していたというのも信憑性に拍車をかけたのかもしれない。

夕刊フジ

2013年、ヤクルト・バレンティンが記録更新ペースで本塁打を量産していたことに対し、なんJをソースに記事を書く論ずるに値しない夕刊紙として有名な夕刊フジが、大胆にもO氏の圧力に言及した記事「バレ、このペースなら・・・ “世界の王”の記録「55本の聖域」また超えさせないのか」を公開。その中で
 
バレ、このペースなら・・・ “世界の王”の記録「55本の聖域」また超えさせないのか (2/2ページ)
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20130815/bbl1308150738000-n2.htm修正前のリンク

1985年のシーズン最終盤。阪神のランディ・バースが54号を打ち、残る2試合の相手は王監督が率いる巨人だった。結果は9打席で6四球。王監督は敬遠を命じなかったとされるが、最終戦では「ストライクを投げたら、1球につき罰金1000ドルを投手コーチが課した」と、当時在籍した外国人投手が後に自著で暴露している。バースが試合前に発した「記録達成は無理だろう。私はガイジンだから」という予言は的中した。

その16年後、タイ記録を達成したのは外国人のローズだった。新記録の可能性を残し残り3試合で迎えたダイエー(現ソフトバンク)戦で、敵軍の指揮官はまたも王監督。ローズは4打席18球のうち2球しかストライクがなく、2打数無安打2四球に終わった。王監督が不在のミーティングでバッテリーコーチが「王さんは記録に残らなければいけない人。外国人に抜かれるのは嫌だ」と敬遠を指示したとも伝えられている。ローズは試合後「日本プロ野球に失望した」とコメントしている。

翌年にカブレラがタイ記録をマークした時点では、まだ7試合が残っていた。だがその後は16打席で14四死球とやはり勝負してもらえず、新記録はならなかった。

本紙評論家の金森栄治氏は当時西武の打撃コーチ。「50本を過ぎると、メディアや球界がざわざわして、本人も緊張しだした」と振り返る。

相手投手も不名誉な形で名前を残したくないから、まともにストライクが投げられなくなる。だが金森氏は「日本人にはないパワーを求め、本塁打を打ってもらうために獲ってきながら、いざとなったら“外国人に本塁打記録を破られるのはイヤ”では筋が通らない」という指摘はまさに正論だ。

須藤氏も「王の当時の苦労を知っているから、本心では不滅の記録であってほしいとも思う。でも四球で逃げて記録を守ったところで、日本野球の進歩はない。野手がメジャーでまたはね返されるだけだ。もっと“骨太”にならないといけないね」と奮起を促す。

今年更新されると「飛ぶ球になったから」とケチもつくだろう。しかし、記録は破られるためにある。バレンティンはシーズン終盤、まともな勝負を挑んでもらえるだろうか。

と前記コピペの成績に言及。このことがなんJで話題になると、記事の該当部分は何らかの理由により削除された。ちなみに記事内の太文字(+赤文字)部分が削除された箇所である。修正前修正後で比較すると判別可能。

実際に合った四球攻め

カブレラのそれは作り話だが、稀に本当にこのような露骨な四球攻めをされる場合も存在する。
2021年の大谷翔平が分かりやすい例で、大谷はこの年打率.257・46本塁打・100打点という成績を残し、ア・リーグの本塁打王争いに絡んでいた。一方で後続の打者であるフィル・ゴセリンは打率.261・7本塁打・47打点と、大谷と比較すると明らかに迫力がなく、その他の打撃陣も不甲斐ないことから、9月23日のHOU戦から25日のSEA戦までの3試合15打席で申告敬遠を含む11四球と露骨に勝負を避けられた。


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