MAN SD200・SD202

Last-modified: 2023-04-10 (月) 19:10:55
車種路線
扉数2
後部ドア自動開閉
IBIS標準1992年式のみIBIS2
チケットプリンター標準
トランスミッションATVoith製3速AT
リペイント付属リペイントというよりラッピング
OMSI2対応
日本語ロケール
導入に作業×

解説

ドイツ・MAN社製のダブルデッカー路線バス。1973年に製造開始され、途中でモデルチェンジを挟みながら1992年まで製造された。1986年式からモデルチェンジが行われて車型が変化しており、1973年式~1985年式がSD200・1986年式~1992年式がSD202として区分されている。

なお、実車のうち85年式以前のSD200は2003年までに全車両が引退し、残るSD202も2010年頃にBVGからは全車両が引退し過去帳入りしている。

年式毎の差異

便宜上、以下のように区分する。なお、データ選択時においてはチケットプリンターの有無を選択できる(SD77を除く)。

・1977年式・1980年式 → タイプⅠ
・1981年式~1983年式 → タイプⅡ
・1984年式・1985年式 → タイプⅢ
・1986年式~1991年式 → タイプⅣ
・1992年式 → タイプⅤ

タイプⅠ

最も古式なモデル。以降の代との大きな違いは運転席のインパネとハンドルで、スピードメーター上部の表示灯が電球となっているほか、メーターの右側に大型のパーキングブレーキハンドルが装着されている。また、ステアリングホイールがいかにも古式な細く丸いものになっている。以下は細かいモデル毎の差異。

・SD77はアッパーデッキへの階段が1ヶ所のみとなっているほか、側面の行先表示器が後付け(側窓内部に設置)となっている。また、ギアのセレクトボタンの形態が以降の代と大きく違い、操作にクセがある(詳しくはマニュアル参照)。この代はチケットプリンター設置車は未実装。
なお、この代から81年式までの行先表示器は系統幕は自動で制御できず(クランクに棒を差して回すタイプ)、また行先幕は自動ではあるが一コマずつしか送ることができない仕様になっている。

・SD80はアッパーデッキへの階段が2ヶ所に増え、側面の行先表示器は前扉上の車内に埋め込まれている。ギアボックスはこの年式からZF標準のセレクトボタンになる。

タイプⅡ

81年式からVöV(ドイツ運輸連合)のガイドラインに沿う形でマイナーチェンジされたモデル。インパネの表示灯が電球からピクトグラムを多用したライトに変わったほか、パーキングブレーキが小型のレバー状に変更された上で運転席の右側から左側に移設されている。ステアリングホイールは真ん中が五角形になった大きなものに変更された。また、細かい点として座席の形状が変更されたり、リアの灯具類が丸形から角形に変更されたりしている。

・SD82ではマトリクスタイプの行先表示機が初めて実装された。ただし以降の代と違い、この代は文字の表示色が白色である。

・SD83ではマトリクスと幕の両方の仕様が並行で導入された。いずれも以前のものと比べて細かい変更がなされており、マトリクス仕様では文字の表示色が視認性に難があったためか白→緑に変更されたほか、幕仕様は系統幕・行先幕とも一括制御できるようになり一度に複数コマを回せるようになった。

タイプⅢ

84年式からエンジンが変更された。これに伴い走行音などが大きく変化している。また、ギアのセレクトボタン上部のスイッチの配置・形状が変更され、この部分もピクトグラムが使用されたものになっている。この世代は何故かテープレコーダーが装備されている(詳細後述)。SD202への過渡期といえる仕様。

・SD84にはBerlin City Tour仕様(即ち市内観光バス)に改造された車があり、そのリペイントが用意されている。

・SD85では排気ブレーキのシステムが改良され、以前と比べて作動域が広がっている。

タイプⅣ

86年式からモデルチェンジしたSD202が導入された。車体や灯具などが全般的に角張った仕様になったほか、車内ではインパネ周りのスイッチ類がさらに一ヶ所に集約されている。
この車種はノンステップ化が図られており、途中の代からは車いす対応車として認定される。

・D86・87はドアエンジンが空気式で、開閉音が非常に大きい。

・D88から正式に車いす適合のバリアフリー車として認定され、前面には車いすマークが付く。この年式からドアエンジンが電気式に変更され、開閉音が小さくなっているほか、車内の手すりが赤色に変更されている。

・D89からウィンカーレバーが大型化され、ワイパーの制御部分と一体化された。

・D90では再びドアエンジンが変更され、閉扉時にドアパッキンが密着するように制御されるようになった。

・D91では翌年導入の車内案内表示機の設置準備工事が施されているほか、フォグランプが追加されている。

タイプⅤ

92年式では大きな変更点としてIBISの更新と車内LEDの設置が挙げられる(これに伴い、これまで運転士の肉声放送だった次停留所アナウンスが音源放送になった)。チケットプリンターもこの年式から新製時からの標準装備となっている(旧車にも順次取付)。
足回りではABS・ASRが実装されたほか、前進ギアの「1」「2」ボタンが廃され「D」レンジのみとなった。これに伴い変速タイミングが微妙に変化している(2速であまり回らなくなった)。また、リターダーが常時ONになった。

Tips

謎のテープレコーダー

タイプⅢにはインパネの右側にテープレコーダーが設置されているのだが、これの左側のボタンのうち一番大きいボタンを押すと大音量で音楽が流れ始める。どうやらPCがインターネット未接続時だと何も流れないためインターネットラジオからの音楽を流せる仕様になっているものと思われるが、かなり喧しいので使用しないのが吉。

異音車

タイプⅡでは異音車のデータがあり、これがロードされる事がある。異音車はアイドリング時にエンジン音と明らかに違う高い音を発するほか、低速域での加速音が異なる。なお、走行性能などには大差はない。
なお、異音ではないが、タイプⅠ・Ⅱでは車によってQキーを押した時にエンジン音が放送に入り込んで反響する車としない車がある。

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