仕様については、H.264 でまとめています。
A
- AC, Alternate Current, 交流
- Access Unit, アクセスユニット
- 少なくとも1つのピクチャをデコードするのに必要な情報を含んだデータ単位。アクセスユニットデリミタ―が挿入されたビットストリームであれば、デリミタ―区切りがアクセスユニットとなる。アクセスユニットデリミタ―がない場合、いくつかの情報から類推する(詳細は規格書の「7.4.1.2.3 Order of NAL units and coded pictures and association to access units」)。
- Amendment
- 改定規格のこと。
- Amendment 1
- 2006年6月に規格化された改定規格のこと。
- Amendment 2
- 2007年4月に規格化された改定規格のこと。
- Annex
- 付録のこと。
- ARIB, Japanese Association of Radio Industries and Business
- ASO, Arbitray Slice Order
- AU, Access Unit, アクセスユニット
- AUD, Access Unit Delimiter
- 非VCL-NALに含まれ、圧縮ビデオの展開に必要な補助情報を含む。
- AVC, Advanced Video Coding
B
- Bi-directinoal prediction, 双方向予測
- Bi-predictive prediction, 双予測
- Block-based coding, ブロック符号化
- 画素を一定のブロック(グループ)に分けて符号化する圧縮方式。
- Bumping process, バンピング処理
- DPBからピクチャを押し出す際の処理。規格書のAnnex C.4.5.3 に規定される。最もPOCの小さなピクチャ、つまり表示順で最も古いピクチャが押し出される。そのピクチャがフィールド構造であった場合、ペアとなるフィールドも同時に押し出される。
C
- CABAC, Context-based Adaptive Binary Arithmetic Coding
- エントロピー符号化ツールのひとつ。
- CAT, Causal Arrival Time
- CAVLC, Context-based Adaptive Variable Length Coding
- エントロピー符号化ツールのひとつ。
- CD, Committee Draft, 委員会草案
- 2002年5月に作成された最初の規格草案のこと。
- CfC, Call for Comments
- CfE, Call for Evidence
- CIF, Common Intermediate Format, 共通中間フォーマット
- Code Book, コードブック
- Coded field, 符号化フィールド
- 符号化されたフィールド。
- Coded frame, 符号化フレーム
- 符号化されたフレーム。
- Coded picture, 符号化フレーム
- 符号化フィールドまたは符号化フレームから構成されるピクチャ。
- Coding, 符号化
- 圧縮すること。冗長度を排除し、本質的なデータだけを残すこと。
- Common Test Condition, 共通実験条件
- CPB, Coded picture buffer, 符号化ピクチャバッファ
- 符号化ピクチャを格納しておくFIFO型のバッファ。
D
- DC, Direct Current, 直流
- DCT, Discrete Cosine Transform, 離散コサイン変換
- ブロック符号化の1つ。1980年代に実用化された圧縮技術。通常、ブロック単位
- DID, dependency_id
- DMB, Digital Multimedia Broadcasting
- DPB, Decoded picture buffer, 復号ピクチャバッファ
- 復号ピクチャを格納しておくFIFO型のバッファ。デコードしたピクチャが格納される。格納されたピクチャは他ピクチャのデコードによって参照されたり、表示順を入れ替えるために使用される。IDRピクチャが到着するとバッファ量は0にリセットされる。DPBに新たなピクチャを入れる際にバッファが不足している場合、バンピング処理が行われる。
- DPCM, Differential PCM, 差分PCM
- 画素符号化の1つ。
- DVB, Digital Video Broadcasting
E
- EBSP
F
- FDCT, Forward DCT, Forward Discrete Cosine Transform, 順方向DCT
- FGS, Fine Grain Scalability
- Field, フィールド
- フレームの奇数行だけを集めたもの、あるいは偶数行だけ集めたもの。「奇数行」や「偶数行」という表現は、行数を0始まりで数えるかどうかで揺れるので、「トップフィールド」または「ボトムフィールド」という名前で表現する。符号化した際にトップフィールドが先に格納されるか、ボトムフィールドが先に格納されるかはエンコーダが自由に選べる。
- Field macroblock, フィールドマクロブロック
- マクロブロック単位でフィールド分割したもの。
- FMO, Flexible Macroblock Ordering
- Frame, フレーム
- FRExt, Fidelity Range Extensions, 高忠実度化規格
- 2005年2月に規格化された改定規格のこと。
G
- GOP, Group of Pictures
H
- HHI, ハインリヒ・ヘルツ研究所
- 参照ソフトウェアを提供している研究所。
- HRD,Hypothetical Reference Decoder, 仮想標準復号器
- 規格書のAnnex Cで規定されている。
- HSS, Hypothetical Stream Scheduler, 仮想ストリームスケジューラ
- HVC, High-performance Video Coding, 高能率符号化
- Hybrid Coding, ハイブリッド符号化, 混成符号化
- いくつかの符号化を組み合わせる圧縮方式。H.264においては、MC+DCT、MC+VQ。
I
- IDCT, Inverse DCT, Inverser Discrete Cosine Transform, 逆方向DCT, 逆離散コサイン変換
- IDP, Instantaneous Decoding Process
- IDR,Instantaneous Decoder Refresh
- Interlace, インタレース, 飛び越し走査
- IPR, Intellectually Property Rights, 知的財産権
- IQ, Inverse Quantization, 逆量子化
J
- JM, Joint Model, 参照ソフトウェア
- JVT, Joint Video Team, 合同ビデオチーム
K
L
M
- Macroblock, マクロブロック
- MBAFF, Macroblock Adaptive Frame-Frame
- インタレースエンコードにおいて、マクロブロック単位でフレーム符号化するかフィールド符号化するかを判断し、適応的に、つまりよりビット量を抑えられる方を採用して符号化すること。
- MC, Motion Compensated, 動き補償
- 画素符号化の1つ。
- MCP, Motion Compensated interframe Prediction, 動き補償フレーム間予測
- MCU, Multipoint Control Unit, 多地点接続装置
- ME, Motion Estimation, 動き推定
- Motion Vector, 動きベクトル
- MPEG, Moving Picture Experts Group
- Multiple Leaky Buffer Model, マルチプル・リーキー・バッファ・モデル
- H.264で採用している仮想デコーダーのモデル。
- MVC, Multiview Video Coding, 多視点映像符号化
N
- NAL,Network Abstraction Layer,ネットワーク抽象レイヤー
- H.264データを効率良く配信するための役割を持った階層のこと。
- NAL Unit Header, NALユニットヘッダー
- NALユニットのヘッダー情報のこと。
- NAL Unit, NALユニット
- NALのデータ単位。
- nal_ref_idc
- NALヘッダーの要素で、NALユニット内に参照ピクチャを含んでいるかどうかを示す情報。
- nal_unit_type
- NALユニットに含まれる情報の種別を表す情報。
- NTSC, National Television Standard Committee
O
P
- PAFF, Picture-AFF, Picture Adaptive Frame-Field
- インタレースエンコードにおいて、ピクチャ単位でフレーム符号化するかフィールド符号化するかを判断し、適応的に、つまりよりビット量を抑えられる方を採用して符号化すること。
- PAL, Phase Alternation by Line
- Payload, ペイロード
- 和訳するなら「積荷」といった感じ。データ、コンテンツ、などなどと言っても差し障りないかと思うが。
- PCM, Pulse Code Modulation, パルス符号変調
- 画素符号化の1つ。
- POC, Picture Order Count, ピクチャ順序カウント
- ピクチャの表示順でカウントした値。H.264ではストリームへの格納順と表示順序が異なることがある。このためデコード時にはピクチャの表示順序を知るためにPOCを用いる。POCはIDR区切りで0リセットされるが、IDRピクチャのPOCが0であることは限らない。ストリーム上、IDRピクチャの後ろに配置されたピクチャがIDRピクチャよりも小さなPOCを持ち、早く表示するデータである可能性がある。
- Progressive, プログレッシブ, 順次走査
- PPS,Picture Parameter Set
- 非VCL-NALに含まれ、圧縮ビデオの展開に必要な補助情報を含む。
- PSNR, Peak Signal to Noise Ratio, 信号対雑音比
Q
- Q, Quantization, 量子化
- QID, quality_id
- QP, Quantization Parameter, 量子化パラメータ
R
- RAND, Reasonable Term and Non Discriminative
- RBSP, Raw Byte Sequence Payload
- NAL層のバイト単位のデータ列(ペイロード)。
- RBSP trailing bits
- RBSPデータ列を8ビットの倍数にそろえるために付加するビット列。
- RD, Rate-Distortion Curve, レート-歪曲線
- 圧縮効率を比較する際に使用する理論。不可逆圧縮した際の「歪み(Distortion)」を縦軸に、ビットレートを横軸にとって得られるカーブを使用して圧縮効率を比較する。ある圧縮手法や同じ手法で別々のソフトウェアがあるときに、同じビットレートでも異なる「歪み」となる。このとき2つのカーブが出来あがるため、そのカーブを比較することで、圧縮効率を比較できる。単純には「どちらが優れているか」だが、「レートが低くなった時にはA手法が有利だが、レートの高い場合はB手法が有利」といった結果になることもある。圧縮に限らず利用可能。「歪み」自体の評価には、PSNRなどを用いる。
- RS, Redundant Slice, 冗長スライス
S
- SEI,Supplemental Enhancement Information
- 非VCL-NALに含まれ、圧縮ビデオの展開に必要な補助情報を含む。
- Simple interframe prediction, 単純フレーム間予測符号化
- 画像符号化の1つ。
- SNC, Signal to Noise Ratio, 信号対雑音比, S/N比
- SODB, String Of Data Bits, データビット記号列
- SPS,Sequence Parameter Set
- 非VCL-NALに含まれ、圧縮ビデオの展開に必要な補助情報を含む。H.264のプロファイルやレベル、ビデオの解像度といった情報を含む。
- SVC, Scalable Video Coding, スケーラブル映像符号化
T
- Terms of Reference
- TID, temporal_id
- Type I bitstream
- 規格書のAnnex Cで規定されるビットストリーム。VCL NALユニットとfiller data NALユニットしか持たない。
- Type II bitstream
- 規格書のAnnex Cで規定されるビットストリーム。Type Iに追加で様々な非VLC NALユニットを持て、Annex B.で規定される leading_zero_8bitsなどを持てる。
U
V
- VBV, Video Buffering Verifier
- VCEG, Video Coding Experts Group
- VCL,Video Coding Layer,映像符号化層
- 圧縮ビデオデータを扱う層で、NALに含まれる。VCL-NALとも。
- VLC, Variable Length Coding, 可変符号化
- VLD, Variable Length Decoding, 可変長復号
- VQ, Vector Quantization, ベクトル量子化
- ブロック符号化の1つ。
- VUI,Video Usability Information
W
- WP, Weighted Prediction, 重み付き予測
- 主に徐々に明るさが変化するシーンで明るさを重みとして予測を一定に保ち圧縮性能を改善する。重み付き予測がないと明るさが変化したために異なるものと推測してしまい、予測が出来ず圧縮率が低下し、画質も低下していた。
- WPP, wave-front parallel processing
- 並列化手法のひとつ。