PMBOKとは?
様々なプロジェクト管理に関する知識を体系的にまとめたものです。ピンボックと発音します。
正式には「PMBOK® Guide」で、Project Management Institute(プロジェクトマネジメント協会)が出版している書籍です。
年会費を払うことで、下記のサイトで閲覧することができます。
https://www.pmi.org/pmbok-guide-standards/foundational/pmbok
なお、本ページにそのすべてを紹介しているわけではありません。(紹介しちゃうと、商売の邪魔をしてしまうので)
あくまでも、PMBOKガイドを読むにあたっての全体感の説明と、IPAのプロジェクトマネージャ試験を合格するために必要な知識を説明します。より詳細に知りたい場合は、PMBOKガイドを買いましょう。
知識エリアとプロセス群の役割
知識エリア - Knowledge Areas
一言に「プロジェクト管理」とはいっても、単純な進行管理から人員管理、コスト管理など様々な側面で管理することが必要です。
PMBOK では、これを「知識エリア(Knowledge Areas)」と総称して、10個に分類しています。
No. | 名称 | 英語 |
1 | プロジェクト・統合・マネジメント | Project Integration Management |
2 | プロジェクト・スコープ・マネジメント | Project Scope Management |
3 | プロジェクト・タイム・マネジメント | Project Time Management |
4 | プロジェクト・コスト・マネジメント | Project Cost Management |
5 | プロジェクト・品質・マネジメント | Project Quality Management |
6 | プロジェクト・人的資源・マネジメント | Project Human Management |
7 | プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント | Project Communications Management |
8 | プロジェクト・リスク・マネジメント | Project Risk Management |
9 | プロジェクト・調達・マネジメント | Project Procurement Management |
10 | プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント | Project Stakeholder Management |
これらは言わば「プロジェクト管理者が知るべきこと」と言えます。
PMBOKでは「プロジェクト管理者はこれらの知識エリアに着目して考えることで上手くプロジェクトを完了させることができる」ということを提示しているのです。
プロセス群 - Process Groups
次に「プロセス群」という概念もあります。ざっと一覧すると次表の通りです。
No. | 名称 | 英語 |
1 | 立上げ | Initiating |
2 | 計画 | Planning |
3 | 実行 | Executing |
4 | 監視・コントロール | Monitoring and Controlling |
5 | 終結 | Closing |
この「プロセス群」は、見ての通り「プロジェクト管理者の行動」を示します。
つまりプロジェクト管理者は、人的管理について、計画し、実行することが重要になります。
知識エリアの詳細
知識エリア「プロジェクト統合マネジメント」
他の9つの知識エリアを統合する知識エリアです。プロジェクトの最初から最後まで着目し続ける知識エリアで、各プロセス群には次表のようなプロセスが定義されます。
No. | プロセス群 | プロセス |
1 | 立上げ | プロジェクト憲章作成 (Develop Project Charter) |
2 | 計画 | プロジェクトマネジメント計画書作成 (Develop Project Management Plan) |
3 | 実行 | プロジェクト作業の指揮・マネジメント (Direct and Manage Project Work) |
4 | 監視・コントロール | プロジェクト作業の監視・コントロール (Monitor and Control Project Work) 統合変更管理 (Perform Integrated Change Control) |
5 | 終結 | プロジェクトやフェーズの終結 (Close Project or Phase) |
それぞれのプロセスは基本的には順に実行されるようなイメージです。
ただし計画して実行して、監視していれば、上手くいかないものを見直す必要がでてきます。
その際には、再度計画して実行していくことになります。
またプロジェクトの全体を通して行うわけですので、長期間にわたるプロジェクトではそもそも最初の段階では、あまり詳細化せずに最初に行うべきものだけを詳細化します。こうすることで要求仕様の変更があった場合でも事前に行った詳細化が無駄になることを防げます。