30分で身につける鳴き

Last-modified: 2017-08-31 (木) 19:14:47

前提

鳴きを有効活用できるようになるには、役を覚えていることが必要です。
役満はともかくとして、二翻役くらいまでは一通り覚えていることをおすすめします。

鳴きについて

いわゆる「ポン」「チー」「カン」です。
「ロン」も鳴きと言えば鳴きですが、主に「ポン」「チー」「カン」について扱います。

「鳴き」とは

一言で言えば、欲しい牌を他家の捨て牌からもらってくることです。
その代わり、それで完成させる順子や刻子、槓子を表に向けて、置かなければなりません。

チー

順子を作ることが出来る場合に「チー」することができますが、
チーは上家(自分の左手側、自分の前の番の人)からしかできません。

ポン

刻子を作ることが出来る場合に「ポン」することができます。
ポンはどの家からでもすることができます。

ポンとチーが同時に起きた場合、ポンが優先されます。

カン

槓子を作ることが出来る(=刻子を持っている)場合に「カン」することができます。
ただしポンした牌に対して他家の捨て牌からカンすることはできません。
自分で引いてきた牌でポンに1枚加えてカンすることは可能です。

カンをするとドラ牌が1枚めくられ、ドラおよび裏ドラが1枚ずつ増えます。
カンすると手牌が1枚足りなくなるため、ドラ表示牌の左側の嶺上牌から1枚補充します。
この補充した牌で上がると嶺上開花となります。

槓子は得点計算に使う「符」が高いため、
単純に点数を引き上げることもできますが、
ドラが増えるため、相手の手を上げてしまうことにもなりかねません。
もちろん自分の手が上がる可能性もあるにはあるのですが。

ドラが増えるという性質上、親がリーチをかけているときに、
策無しで安易にカンする(符が上がるからというだけでカンする)のは、あまり好まれません。

「鳴き」のメリット・デメリット

鳴きは、面前で手を進めることと比較してメリット・デメリットがあります。

メリット

鳴きのメリットは単純です。
手が進みます。(順子や刻子、槓子を完成させられます)
一歩上がりに近づけるというわけです。

デメリット

鳴きは基本的にデメリットの方が多いです。

  • 鳴いてできた順子や刻子、槓子は形を変えることはできません。

    (たとえば、ポンして222と出来ていたときに、1と3を足して、123の順子と22の対子とみなすことはできません)

  • 相手に手が進んだことを知らせてしまいます。

    高そうな手だと警戒されやすいです。

  • 鳴いてできた組は捨て牌として使用することができなくなります。

    誰かがリーチをかけたときに降りようと思っても、幅広く降りることができません。

  • 相手に役が予想されやすいです。

    字牌を鳴いた後の鳴きが脈絡無ければ、役牌のみ、

    ヤオ九牌を含む組ばかりだと、チャンタ系、

    同じ種類の数牌ばかり鳴いていれば、混一色や清一色の気配…といった具合です。

    一色系の場合は、河(捨て牌)でもわかりやすいですけどね。

  • 面前で組を作るより点が下がりやすい

    刻子や槓子は面前の刻子(暗刻)や槓子(暗槓)よりも得点計算で使う「符」が半分になります。

  • 面前役が成立しなくなります

    面前清自模和はもとより、一盃口や二盃口、喰いタンなしのときの断ヤオなどなど

    面前役が使えなくなります。

  • リーチできなくなる

    今までのデメリットは、上がりへ近づくというメリットに比べれば、それでも比較的小さい方ですが、

    リーチできなくなるのは、特に初心者にとって「鳴き」の使い方を覚える上で重要です。

    リーチできないということは、手牌で役を1つ作らなければ上がれないということです。

ご利用は計画的に

鳴きのポイントは、役が必要になることに尽きます。
役を見据えての「鳴き」これができないと、なかなか有効に使うことは難しいです。

三六荘も含め、最近は後付けありルールが主流ですが、
これにあぐらをかいて、役が確定しない形で安易に鳴き、
テンパイしてしまい役が無い形が完成しまうと、
手を崩さないとフリテンとなってしまいます。
(たとえば役牌の対子を残した形でテンパイの形となり、役牌の対子が頭になり役が無い場合や、
断ヤオ狙いで鳴いていき、23や78といった1や9が来ると断ヤオが成立しない待ちになったときに、
1や9を引くといった場合です。)
※フリテンとは、自分が既に捨てた牌が当たり牌に含まれる場合、ツモ上がりしかできなくなることです。

鳴きはデメリットがいろいろあるので、あまり慣れていない人には使いこなすのは難しいです。
鳴きを有効に使うには、習うより慣れろだと思います。
鳴きを有効に使えるようになると攻め方の幅を広げることにもなります。
役を作る必要があることを意識しながら、鳴きを使っていきましょう。

役牌の鳴き

役牌は鳴いてでも刻子を作れば役確定で、あとはどう鳴こうがフリテン以外は上がることができます。
ですので、とりあえずとにかく上がりたいとき(自分が親で連荘したい、他家の連荘を止めたい)といったときには、
役牌は即鳴きでも悪くはありません。

とはいえ、役牌のみでは子1,000点、親1,500点なんてこともザラ。
役牌を鳴いた後の伸ばしも考えましょう

  • 役牌+混一色

    オーソドックスな伸ばしです。手牌の数牌が1種類だけ極端に多いときに狙いやすい。

  • 役牌+混全帯ヤオ九

    これも視野に入れられると伸ばしの幅が広がります。

    手牌にヤオ九牌が絡みそうな塔子や対子、ヤオ九牌を含む刻子や順子が多いときはこれを狙えます。

  • 役牌+混老頭

    これはなかなか難しいですが、ヤオ九牌の対子や刻子が多いときは、

    混全帯ヤオ九だけでなく混老頭を視野に入れておくのも良いです。

  • 役牌+対々和

    こっちの場合は、最初から対々和狙いなことが多いかもですが、

    手牌に対子、刻子が多いときはこっちへのばすことが出来ます。

チー

チーを絡められる役というのは結構多くないのが実情です。

  • (喰いタンありのときの)断ヤオ九

    とにかく鳴く感じのときです。1や9は使えないので気をつけないといけません。

  • 一気通貫

    123 456 789という組になるように順子の組み合わせを間違えないようにしましょう。

    一気通貫自体、面前でおよそ出来上がっているときに狙うタイプの役だと思うので、

    中盤~終盤で、テンパイの気配が無い状態で、一気通貫に絡むときにチーするイメージ。

  • 三色同順

    これもまた狙って鳴いていくのは難しいです。

    123や789のように変化しない並びなら良いですが、そうでない場合は危険です。

    2~8牌の順子で狙う場合、既に2種類は順子が出来ていて、残り1種をチーする、といった使い方になると思います。

  • 清一色/混一色

    あまりたくさん鳴くと相手にバレバレになって警戒されてしまいます。

    一方で、同じ種類であれば、ガンガン鳴けるので、ここまでの役より鳴きやすいのかも。

    清一色は鳴いても満貫確定で高いですし、リターンは小さくありません。

  • 純全帯ヤオ九/混全帯ヤオ九

    1つくらいの鳴きなら、読みにくいですが、3つくらいまで鳴くと

    さすがに警戒されるようになります。

ポン

ポンを絡める役もまた多くないかも。
その代わりポンだけで進めていけば確実に役にはなるので、チーよりついつい鳴き安い?

  • 役牌+ドラ3

    これは即鳴きで良いレベルです。

    これだけで満貫確定、他家を警戒させることができます。

  • (喰いタンありのときの)断ヤオ九

    とにかく鳴く感じのときです。1や9は使えないので気をつけないといけません。

  • 対々和

    全部ポンしていっても、最悪、この役にたどり着きます。

    手牌に対子が多いときに、2,3個鳴いて…なんて使い方も多いです。

  • 清老頭/混老頭

    手牌にヤオ九牌ばっか、しかも対子や刻子多いってときにはここ。

    2、3、7、8あたりの数牌も残しておけば清全帯ヤオ九/混全帯ヤオ九に切り替えることもできるかもしれません。

  • その他、小三元や大三元、小四喜、大四喜、字一色などの字牌系の役満役

    手牌には四風牌(東南西北)や三元牌(白發中)の刻子や対子がたくさんあるってときは

    この辺を目指すこともできます。

    この場合鳴いて行ければ相手を警戒させることもできます。

カン

三槓子や四槓子狙い以外では、あまり使わないかも。

  • ドラ狙い

    槓ドラ狙いです。が、これは当然他家にも関係するのでハイリスクハイリターン。

    特に自分がリーチしているだけのときは良いですが、

    他家がリーチしているときは、裏ドラも増えますから恐ろしいです。

    あまり好まれるカンの仕方ではありません。

  • 嶺上開花狙い

    狙ってできるわけじゃないですが、カンするときはせめてこれを狙ってみましょう。

  • 三槓子、四槓子狙い

    手牌に早い段階で刻子がたくさんあるときは行けるかも?

ということでカンは安易には使わないのです。