松実玄

Last-modified: 2014-04-12 (土) 22:25:53

『龍の檻』
すべてのドラが集まる能力。
 
能力詳細
 
・ドラが集まる。
ドラとして指定された牌が配牌かツモに必ずあるため、巡が進むごとにドラが手に溜まっていく。
非常に攻撃力が高く、和了した時の打点は赤ドラも踏まえると軽く跳満を超える。
また、他家にドラをツモらせない能力でもあるため、必然的に他家の打点は上がりにくくなる。
よって一見攻撃主体の能力に見えるが、防御の側面も持っていると言える。
 
ただし、一度でもドラを切るとある一定回数麻雀を打たない限りドラがまったく来なくなるという欠点がある。
そのため普段はドラ以外の牌を切らざるを得ず、ドラを切ったほうが手としてはいい場合でも、彼女はドラを切らない。
 
・赤ドラが集まる。
ドラのみでなく、赤ドラも集まってしまう。
五筒二枚と五索五萬各一枚が必ず手にやって来るので、これらの牌を使う前提で牌を切らなければならない。
これらの牌を使って手を構成する場合、必然的に染め手、チャンタ手が使えなくなる。
1289の数牌をほぼ捨てることになり、136枚中48枚の牌が不要牌と化す。
他家にドラが渡らない、和了った時の打点が高いことを考慮に入れても、この制限は非常に厳しい。
 
・槓ドラが集まる。
槓によって新たに増えた槓ドラも、手牌かツモに必ずあるため、槓ドラも手に溜まっていく。
この槓ドラすら来てしまう能力のため、彼女は槓が出来ない。
槓をすると、赤ドラ、ドラ、槓ドラの計12枚が手を占領するので、こうなった時点で和了は絶望的になる。
よって自ら槓をすることはないのだが、他家はお構いなしに槓が出来るため、一度でも槓をされると彼女はドラで手があふれかえった状態でツモ切りを繰り返すしかない。
 
また以上の理由から、字牌がドラになった場合、彼女はほとんど和了りを放棄せざるを得ない。
ドラは四枚来てしまうため、字牌だと最後は槓をしないと面子として利用することが出来ないが、槓が出来ない以上、四枚目のドラが来ると聴牌出来ないのである。
最終的にドラがすべて集まるというだけで、ドラが集まり切る前に和了ることも可能であるため、字牌も暗刻の状態でなら面子として利用可能ではあるが、難易度は高い。
 
ドラが来ること自体は攻防一体で優秀な能力だが、ドラを切ることが出来ないという欠点を踏まえると、とたんに扱いづらくピーキーな能力となってしまう。
 
・『龍の檻』では和了れない役
 
混全帯么九
混老頭
小三元
混一色
純全帯么九
清一色
国士無双
大三元
字一色
小四喜
大四喜
緑一色
清老頭
九蓮宝燈
 
これらの役はドラを切らないと作れない手なので、和了ることが出来ない。
ただし天和や地和など、ドラを切る間もなく和了った場合はこの限りではないが、配牌の時点でドラが数枚来る能力なので、ほとんど確実に和了りは不可能である。
 
主なデメリット
 
・リーチが出来ない 
彼女の戦法は、ドラが集まり切る前に和了るか、ドラが集まりきった状態で和了りを放棄するかのほぼ二択である。
ドラが集まり切ると、彼女は余程のことがない限り和了りを放棄せざるを得ない。
ドラをすべて使った場合、簡単には和了形にならないためである。
つまりドラが集まり切る前に和了るしかほぼ手がないのだが、仮に聴牌まで辿り着いたとしても、リーチは出来ない。
リーチ後も新たなドラは来るので、このドラが来る前に和了らないと、ドラを切ってしまうためである。
聴牌したあとも、和了れずに新たなドラが来たら手を崩してドラを抱える必要があるため、彼女はリーチが出来ないのである。
 
リーチは通常もう少し翻数が欲しい時に、聴牌宣言とツモ切りを条件に行うものであるため、手がドラで溢れかえる彼女にはほとんど必要がない役である。
しかしリーチにはもう一つの使い方があり、彼女にはこちらの使い方が出来ないことが大きなデメリットとなっている。
『龍の檻』で作られる和了形はほとんど役なしのため、それを解消するためにリーチを掛けたいのだが、リーチが出来ないので出和了りが出来ないのである。
つまりほぼツモのみに賭けるため、ただでさえ聴牌したあと自ら手を崩すことが多いのに、更に他家の和了牌を見逃す必要があり、リーチを掛けられないことがこの能力の和了り難さに拍車をかけている。
 
・手が読まれやすい
ドラをほとんど抱えざるを得ないため、必然的に手の形が限られ、更に河を見ることによって、九割方手の内容が分かってしまうのである。
 
5.??w5.??s5.5.pDDDD?
(Dはドラ)
 
彼女の手牌はおおよそこの形になる。
ドラが一枚少なかったり、赤ドラが一枚足りなかったりもすることも多く、必ずしもこうはならないが、究極的にはこの形になる。
五萬と五索の左右に手が伸びて面子が二つ出来、五筒二枚を雀頭とし、ドラが暗刻となり、更に残ったドラを含めて面子がもう一つ。これがドラをすべて使った聴牌形で、『龍の檻』の理想と言える。
ただし通常このようにはいかず、例えば五筒を暗刻にし、五索か五萬を雀頭にして残った赤ドラを面子にし、ドラを暗刻として持って、残りはドラが絡まない面子とするなどの変則形も十分あり得る。
しかし手のバリエーションは狭く、まず赤ドラが固定であるため、手には34567を使ったの面子がほぼ確実に複数出来てしまう。
ドラはほぼ暗刻にせざるを得ず、四枚目が来ると槓が出来ないので四枚使いの面子となり、この時の面子は赤ドラよりも遥かに読みやすい。
 
手に使われる牌構成は丸裸であり、配牌の時点で使われる牌はすべて看破されてしまう。
そして捨牌から使われなかった牌も分かるので、残りの手牌は逆算が可能であり、終盤は待ちを含めて完全に見切られることも珍しくない。
麻雀において待ちが看破されることは心臓を差し出すも同然であり、使われる牌が対局開始から把握されるということは、全裸で戦いに臨んでいるようなものである。