石戸霞

Last-modified: 2014-04-12 (土) 23:56:12

『孤独に染まる手』
手に数牌が一種類しか来なくなる能力。
 
能力詳細
 
・配牌とツモに数牌が一種類しか来なくなる。
萬子、索子、筒子のどれか一種類のみが配牌とツモに来るようになる。
つまり染め手のみの手となる能力。
字牌は普通に配牌やツモに来るので、清一色のみでなく混一色も視野に入る。
ただし、混一色は清一色よりも三翻低いため意図して作る理由はさほどなく、基本的には清一色のみで和了る能力となる。
 
この能力の強さは清一色という高い役を作れることの他に、他家の手を安く遅くすることが挙げられる。
一種類の数牌を独占するため、他家は必然的に絶一門を強制されるので、まず基本役の一つ三色同順が使えなくなる。
また、一種類の数牌のみを使う人間よりも、二種類の数牌を使うほうが聴牌が遅くなるため、速度においても勝ることになる。
速度と火力において大きな差が出来てしまうので、これだけで基本的に負けることがなくなる。
 
ただしこの絶一門は局の終盤に必ず崩れることになる。
麻雀牌は数牌が一種類につき36枚あり、一人でこれを使い切ることはほぼ不可能である。
配牌が13枚、ツモが約17枚、計約30枚が一局一人当たりの牌の使用枚数であり、およそ6枚余るのである。
更に『孤独に染まる手』は字牌もツモるため、字牌28枚のうちの仮に7枚がツモや配牌に来るとして、彼女は43枚の牌を一局で使いきらなければならないことになるが、これは完全に不可能である。
つまり余り牌が約13枚発生することになるが、彼女はこの牌をツモ山の外、王牌に押しやることが出来ない。
王牌は14枚あるので、王牌にこの余剰牌をすべて押しやれれば、絶一門を最後まで維持出来るのだが、彼女の支配は王牌にまでは及ばないのである。
ドラ表示牌や、槓ドラ表示牌、嶺上牌が彼女の独占する色ではないことが作中で示されており、つまり彼女の牌の支配は、配牌からツモ山の終わりまでしかないことが伺える。
王牌を除いた牌の中から、特定の数牌を自身のツモと配牌に送り、余ってしまった牌はツモ山の終わりの方に固めていると思われる。
そのため終盤になると独占していた色が全員に出回ることになる。
 
『孤独に染まる手』には攻撃と同時に防御においても優秀な面があり、それは直撃を回避できるというものである。
他家は自分とは違う色を使って手を作っているので、必然的に待ちはその色か字牌となるのだが、この色を自分が切ることがない以上、字牌以外では絶対に振り込まないのである。
字牌に関しても、どうしても直撃を回避したいのであれば、数牌を切っていけば刺さりようがないので安全と言える。
そもそも序盤に字牌は切ってしまうため、手の揃い切らないうちに処理してしまえば当たり牌にはなり得ず、後半にツモる字牌も大概は三枚切られているので、そうそう当たり牌にはならない。
また字牌で待つ場合聴牌が遅くなるので、相手が張る前にこちらが和了る可能性が高く、さらにタンヤオや平和を捨てている手なので、翻数は低く危険度は低めである。
十重二十重に安全策が講じられているため、この防御を突破するのは非常に困難となっている。
 
しかしデメリットもないとは言えず、例えば相手が混一色を目指す場合、一つの色は絶たれているので効率が良くなっているのである。
混一色は字牌で待つことも出来、翻数もやや高めで『孤独に染まる手』を相手にする場合は、およそベストの選択と言えるが、これに対する対抗策はほぼ存在しない。
数牌を切ることで降りられるが、相手にはツモも残されており、『孤独に染まる手』はツモ和了りを防ぐ手段を持ち合わせていない。
 
また二盃口に関しても効率を上げており、二つの色しかツモらない他家は一盃口を作りつつ、二盃口を目指すことで高い手を和了ることが不可能ではなくなっている。
メンタンピン二盃口にドラを絡めれば跳満倍満もあり得るのである。

重い手の撃ち合いになりやすいこの能力は、早さと高さがある分まだ有利だが、防御を狙った戦術には使いにくいと言える。