基礎トレーニング

Last-modified: 2017-04-29 (土) 04:20:58

準備

声を出す前、トレーニングを行う前、演技をする前には必ず準備をするよう心がけよう
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基礎

呼吸法

呼吸をするためには、肺が拡がる空間を肉体の中に確保する必要がある。そのため比較的肺に近い筋肉をほぐしておくことは開放にとって重要である。呼吸法には『肩式』 『胸式』 『腹式』 『背式』 とそれらを複合的に使う『全体式』とがある。
呼吸をするためには、肺が拡がる空間を肉体の中に確保する必要がある。
そのため比較的肺に近い筋肉をほぐしておくことは開放にとって重要である。
呼吸法には『肩式』 『胸式』 『腹式』 『背式』 とそれらを複合的に使う『全体式』とがある。➡呼吸に使う筋肉

  • 肩式呼吸
    激しい運動を行った際などに、肩で息をした経験はないだろうか?肩式呼吸は肉体が疲労し他の筋肉による呼吸が難しい場合でも呼吸を可能とする方法である。肩を上下に動かすことにより、小胸筋、上後鋸筋、胸鎖乳突筋、前・中・後斜角筋が稼働し吸気を行う。しかしながら、駆動範囲が狭いことから、吸うことができる量も微々たるものである。呼吸法としては、発声器官である咽に近いこともあり、余分な力が入りやすいことから通常演技にもちいる方法としては適しているとはいい難い。アクションシーンや息アドリブなどに用法が限られてくるであろう。
  • 胸式呼吸
    日常的に使用されているのがこの呼吸法であろう。呼吸は比較的浅いところに留まり、また肋骨があるためその範囲を超えての吸気は難しくなる。横隔膜をあまり下げず、内・外肋間筋が吸気によって拡げられる呼吸法。
    とはいえ、不随意筋を使っての呼吸法なので意識的に行おうと思うとなかなか難度が高い。見かけよりも吸気量が少ないため長いセンテンスの科白を扱う際などは、息が足りなくなるなどの問題が出てくるだろう。またこの呼吸法も発声器官に比較的近いため、余分な力が入りやすい。力が入るということは疲弊し易いということでもある。長時間の科白や収録には不向きであろう。
  • 腹式呼吸
    臍の下10㎝ほどのところにある、臍下丹田を意識し横隔膜を下げて内臓を押し拡げることによって行う呼吸法。内臓は柔らかく横隔膜によって身体の前部や側部に移動し空間をつくる。肺はそれにあわせて膨らむ。ただし、横隔膜を下げ続けないと肺の容積は減少していってしまうため、意識的に下げ続けられるようトレーニングが必要となる。この支えを作るところが臍下丹田なのである。発声器官からは遠い所で力を入れることになるため、それにかかる負担は上記二つと比較すると少なく、また内臓を動かして肺を拡げるため、吸気量も多い。演技で用いる場合はこの腹式呼吸を重点的に使えるようトレーニングしよう。
  • 背式呼吸
    腹式での呼吸法は確かに吸気量も多く、呼吸のイメージも行いやすいがしっかりと支えを作らないと途端に肺の容量は少なくなってしまう。また、常に内臓を押し下げることになるため腰の負担が大きい。その際、支えの十分でない腹部は呼吸の都度動くということが起こる。この状態は、横隔膜を下げ続けている状態とは言い難いため音圧が安定しない。そこで、内臓を下ではなく側面や背中側へと動かす背式呼吸である。腹ではなく、背中側の下後鋸筋で支えるイメージを持つとよい。これが背式呼吸である。もちろん背式呼吸を意識したとしても臍下丹田の支えを作らない状態では横隔膜は戻ってしまうので注意。
  • 全体式呼吸
    人間の活動は絶えず、呼吸を伴っている。そしてこの呼吸は体の動きと密接な関係がある。
    体が動くと、筋肉が動く、骨格が動く。そうすると一箇所のみを使う呼吸法は逆に不自然なものとなる。
    腹式や背式を基本としながらも演技によって、胸式、肩式も使いこなせる全体式を修めねばなるまい。

自然体

よくトレーニング本等で、自然体とさも当たり前のように書かれていたりするが、そもそも自然体とは何だろうか?身体の力が抜けリラックスしている状態?余分な力が入らない飾らない自分のこと?いや、違う。
ヒントは『自然』だ。ありのままの原風景、それを見て「自然はいいなぁ」と思うのは人間の頭だ。しかし当の自然はどうだろうか?自然体とは単に無駄な力が抜けている状態のことではない。いつでも動作に移れる状態のことを示す。過酷な環境でも生き抜こうとする。必死になる。それこそが自然である。大地にしっかりと根を張り、暴風にさらされる樹木が倒れないように、あたたかな陽光を受けすぐさま光合成をすることができる枝葉のように。自然に存在する事とは、困難に抗い生きるということに他ならない。実演する際も同じようなことが言える。楽を選ばず、求め抗うこと、これこそが自然体の極意である。


  • 大地に根を張る大樹のように、しっかりと指を開き地を掴む事。
    地に足がつくという言葉があるが、地に足がついてこそ無駄な力が身体にかからなくなる。
  • 身体(腰下
    第一に臍下丹田の支えを意識すること。腰という漢字のつくりをみても、腰は身体の要である事がわかる。腰を支えるのは、脚であり尻だ。これらの部位には力が入ってもかまわない。
  • 身体(胸
    胸郭に力がはいってしまうと、どうしても呼吸が浅くなってしまう。浅くなった呼吸は息継ぎを沢山必要としてしまうし、咽に負担がかかりやすくなる。胸上半身、特に胸の部分には余分な力が入らないよう心掛けること。

  • 腕はどれだけ力がはいってしまっても構わない。むしろ、拳から肘までの部分には力がかかった方が上半身の力みが感じられなくなるだろう。

  • 可能な限り、力みを排除するのが望ましい。ただでさえ、発声部分に近いこともあり力みやすくなっている。折を見てマッサージをするなど開放を心掛けること。

  • 力むのとは少し異なるが、上方向に引き上げるイメージを持つことで咽への負担を軽くすることができる。

発音

  • 支え・当て
    • 腹式・背式による発音
      呼吸の項でも触れたが、腹式呼吸、背式呼吸は肺の容積率の変動が少ない呼吸法である。呼吸のたびに肺の容積が変化していたのでは共鳴が変化してしまう。意図的に距離感を変える、心情変化により変化が伴う場合などを除き、腹式や背式を使用するのを心がけると良いだろう。
    • 口音
      調音の場所により、音に変化がある。軟口蓋のある口の奥の方で喋れば音は柔らかくなるし、硬口蓋のある口の前部で喋れば音は硬くなる。調音点も関係してくるので意識する程度に留めて置くのが良いかと思うが、息を出す速度など調節しながら適切な音の出し方を模索するのを心がけよう。
    • 鼻音
      鼻腔共鳴を利用しての当て方。鼻にかかったような、耳障りな甘ったるい、媚びたような音になる。無論、調音の仕方や音色の選び方によっては立派な当て方となるのでトレーニングしてみて損はない。
    • 半鼻音
  • 音(オン)
    • 連母音
    • 連音練習
  • 距離・範囲
    • ゼロのポジション
    • ゼロの声
    • 人ひとりぶん
    • 気楽な声
    • 独音・内音
    • 対話音
    • 空間音

発声

  • 感情音
    • 感情音方向
    • 感情の種類
    • 感情階層
  • 滑舌
    • 難読音
    • 畳言葉集
  • 音色(ネイロ)
    • 直音
    • 花音
    • 幼音
    • 枯音
    • 青音