キャラノベル一覧

Last-modified: 2018-08-03 (金) 20:44:56






星5


「ああ、何故、何故、何故。私には理解できない、いや理解なんてしたくなかった」

彼女はただ煌びやかな歌の世界に憧れるだけの存在だった。
オペラ座の地下に居を構え、オペラ座の怪人・ファントムの噂が流れる頃――女は運命の天使に出会ってしまう。
悲劇の引き金を引いたのは誰だったか。その答えを、怪物に成り果てた女は誰よりも知っている。




「人間という生き物は、救いようのないほどに醜く、愚かでつまらない存在だ」

全ては観客の為に。演劇に魅了され、リアリティを追求し続けた男の末路は悲惨の一言に尽きる。
失意のうちに死に、数百年経って現代に召喚されたシェイクスピアが出会ったのは、童話作家・アンデルセンと劇団員たちだった。
これは真の真心を求めてやまない彼と、ある正直者たちのお話。







「私は今、ようやく人間に近づくことができた気がする」

「ジャンヌ・ダルク」は、過去から現在に至るまで様々に解釈される存在である。
剣で導く「ジャンヌ・ダルク」の象徴は、国と神に殉じ、また見放された聖なる戦士としての人間性。
神の声を聴く者と、自身の声に気がついた者。二人のジャンヌ・ダルクは、再度互いの武器を取った。




「さよなら、わたし。そして――ようこそ。ロビン・フッド!」

ロビン・フッドの次女は、避難所から連れ去られた子供を救うべく相棒のオートバイを走らせていた。
開けた視界に見えるあの時代と変わらない太陽は、彼女にどこまでも広がる草原と昔の記憶を連想させる。
遠い昔、新たな土地で名無しの三姉妹が聞いたのはある英雄のおとぎ話だった。




「乙女は答えず、ただ微笑むばかり。大理石の聖母像のように、清く、美しく、ことさら冷たく」

「ジャンヌ・ダルク」は、過去から現在に至るまで様々に解釈される存在である。
銃を携えた「ジャンヌ・ダルク」の象徴は、敵軍や味方にすら恐れられた、誰の理解も及ばない苛烈な狂性。
いつの時代も戦争は惨劇の一言に尽きる。惨劇の中で微笑む彼女が『魔女』と呼ばれるのは必然だったのだろう。




「あのままドンレミ村にいたら平凡な人生を送って、戦争なんて他人事だとしか思えませんでした。でも私は——」

「ジャンヌ・ダルク」は、過去から現在に至るまで様々に解釈される存在である。
杖を掲げる「ジャンヌ・ダルク」の象徴は、何時如何なる時も隣にいてくれた、神聖な存在への純粋な信仰。






星4





「『助けてほしい』と願う人を守ることのできる人になる」

ヒカリたちの頼れる兄貴分、伊庭俊明の学生時代。
やりたいことも夢も特に無かった高校生の時分。腕っ節が立とうが運動神経が良かろうが、どの選択肢もいまいちしっくりと来なかった。
ある日相対した「高架下の幽霊」は、そんな伊庭少年にあるアドバイスを贈った。




「今日も明日も明後日も、美也が芽衣の親友で、芽衣が美也の親友であることには、ほんの些細な変わりもないのだ」

私、里崎美也の親友は魔法少女に憧れている。ちなみに私は声優に憧れてる。
いい歳して二次元なんて、だって? 別にいいじゃん、私たちは自分の趣味をとことん楽しみたいのよ。
それは置いといて、いやさ、芽衣ちゃんが突飛でおっとりしてるのなんて知ってるよ?
でもなんで突然レスキュー隊!? 漫画家と声優になるって誓い合ったじゃない! というより魔法少女は!?




「今の自分の姿は、彼の目に果たしてどう映るのだろうか」

耳が聞こえない。テレビの音量を上げても届くのは静寂ばかりだ。酒に溺れて眠って、そんな風に無為に日々を過ごしていた。
これはダニー・フィアレスが契約者になる5年前——FBIを辞めることになった時の話。
情けなくただ蹲ってた彼がもう一度、今度は自分のだけじゃない、「あいつ」の夢も背負って一歩踏み出すまでの話である。