前作のストーリー/パラサイト・イヴ2

Last-modified: 2011-01-03 (月) 08:40:03

参照:ストーリーを教えてもらうスレ暫定wiki
※ネタバレ注意


設定

  • ミトコンドリア
    体内にいる奴。理科とかで習ったJARO。
    あれが実は知能を持ってたり進化したりして、
    前作では㌧でもない事件が起こった。
  • ミトコンドリア生物
    前作の悪の親玉、eveによって
    体内のミトコンドリアが暴走して怪物になった生物のこと。
    ネオミトコンドリアクリーチャー(NMC)とも言う。
  • パラサイトエナジー(PE)
    アヤは何故かeveによるミトコンドリアの暴走を受け付けない。
    それどころか逆にミトコンドリアを利用し、
    他のゲームでいう魔法みたいに使うことが出来る。
  • マンハッタン封鎖事件
    前作。
  • M.I.S.T.
    前作で頑張ったけど、まだ残ってるNMCを撲滅させる為の組織。
    世間には、FBIみたいな位置づけ。
  • ネオテニー計画
    第一次と第二次があり、第一次は人間の死体を使って人造人間を作ろうとした計画。
    第二次は資源不足を乗り切る為に新人類を作る事を目的とした計画。
    人類同士を共食いさせて人類だけで食物連鎖を閉じる「人類食物環論」と言う、
    ちょっとラリった理論を根底に敷いて第二次ネオテニー計画は起こされた。
  • N.M.C (Neo Mitochondrion Creature)
    ネオミトコンドリアの暴走により、身体を乗っ取られて異形と化した動物・昆虫達の総称。
    前作で大暴れしたが、PE2では雑魚的扱い。
  • A.N.M.C (Artificial Neo Mitochondrion Creature)
    第二次ネオテニー計画で量産された、人間を元にして人工的に作られたNMC。
    環境適応の為に様々なバリエーションが作られた。生成方法は本文で語られているので割愛。
    身体に色々と無茶な負担がかかるので、人工器官を取り付けている事が多い。
    (この人工器官が後にアヤによってM.I.S.Tに持ち帰られる
     
    進化の過程において異常が発生する事もままあったようで、ミュータントも数多くいる。
    脂肪の獲得に失敗して干からびてしまった者や、首だけの者、胴と片腕・頭部だけの者、
    頭が三つくっついてしまった赤ん坊など、能力は低いが視覚的に強烈な奴が多い。
  • ゴーレム
    人間の死体を元に作り出された人造人間。封印されていたがNo.9によって凍結を解除された。
    超人的な能力を有し、戦闘兵士として運用される。(というかこんなゾンビに家事とかされても困る)
    用途に応じてコードネームが異なり、チェスの駒の名を割り振られている。
    ゲーム中最も多く見る拠点警備用の「ポーン」に始まり、
    夜間偵察用の「ナイト」、特殊工作用の「ビショップ」、白兵戦用の「ルーク」がいる。
    死体と言うことでタフな上に即死攻撃を持っているので、ゲームとしても非常にいやらしい敵。
     
    これら量産型の他にプロトタイプの「キング」がいるが、No.9は実はこのキングゴーレムの一体。
    No.9は生きたまま被験体に志願し、結果唯一自我を持つゴーレムとなった。
  • イヴ
    ゴーレムではないが、便宜上、作中でチェスの駒の名で「クィーン」と呼ばれているイヴ。
    その正体はマンハッタン封鎖事件の際に流出したアヤのDNAから作り出されたクローン。
    アヤによく似ているのも当然で、生物学上の分類では同一人物になる。

キャラクター設定

  • アヤ・ブレア 27歳 女
    前作から引き続き、本作の主人公。
    ミトコンドリア生物でも、人間でもない謎な生き物になってしまった
    カワイソスな女性。今はNMCハンター。
  • カイル・マディガン 29歳 男
    私立探偵を名乗る謎の人物。どこか憎めない。
  • ピアース・キャラダイン 31歳 男
    M.I.S.T.所属、情報処理担当捜査官。元プロのハッカー。
    一日中PCに向かってる為か、暗く思われがちで友達はアヤぐらい。
  • ルパート・プロドリック 37歳 男
    M.I.S.T.所属、アヤと同じくNMCハンター。
    前作の事件で妻と娘を失い、NMCを狩ることが生きがい。
  • ギャリー・ダグラス 56歳 男
    ドライフィールド(砂漠)で廃車解体業をしている。
  • ジョディ・ブーケ 24歳 女
    M.I.S.T.所属、火器管制担当官。天然。
  • エリック・ボールドウィン 50歳 男
    M.I.S.T.所属、上級特別捜査官。アヤ達の上司。
    いつも冷静沈着なので、皆から皮肉と尊敬交じりでHAL(コンピューター)と陰で呼ばれる。

1日目

前作の事件から3年。アヤはどこか空虚な日々を送っていた。
マンハッタン事件後、彼女は市警を辞めFBIの特殊機関、
通称「M.I.S.T.」へ異動しNMCハンターとして活動している。
だがアヤに芽生えたネオミトコンドリアの能力は彼女を孤独にしていった。

 

ある日同僚のピアースと射撃訓練をしている最中、
上司であるボールドウィン(通称HAL)に呼び出される。
何でもアクロポリスタワーにNMCが出たらしく既にSWATも出動しているという。
アヤは愛車のセダンに乗り込み現場へ出動する。

 

タワーに到着すると既に大量のパトカーや救急車で現場は慌しくなっていた。
エントランスへ向う途中アヤは担架に横たわる、
何か鋭利な物で引き裂かれたSWAT隊員を目にする。

 

タワー内に潜入するとロビーは屈強なSWAT隊員の死体で溢れ返っていた。
周囲を偵察しているとカフェテリアには人らしき姿が。
生き残ったSWAT隊員から鍵を入手し、佇む女性に話しかけると…突如NMCと化した。
それは以前オペラ歌手がEveへ変貌を遂げた姿の再現であった。
アヤはそのNMCを倒し、頭部を探ると小さな機械を埋め込まれているのを見つける。
回収した後、外へ出ようとする。するとNMCが起き上がって再びアヤに襲い掛かる。
そこへ強面の同僚ルパートが現れてマグナムを叩き込む。
ところがキッチンからも新たなNMCが現れ、アヤらは数に押され始める。
これでは手に負えないと一旦アヤはルパートと別れ、電話で応援を呼びに。

 

ロビーに戻りM.I.S.Tへ応援を要請するアヤ。だがHALは応援は出せないと言う。
後退しようにもエレベーターホールに通じる扉は何者かにロックされ出られない。
アヤは他の脱出ルートを探し始める。
退路を探しながら事件の調査を進めていると、
施設内の教会でルパートが謎の男に襲われている場面に出くわす。
彼を救い、逃げた大男を追って奥へと向かうアヤ。
追跡の途中、監視カメラの映像に爆弾をしかけるSWAT隊員を目撃し、
自分の置かれた危機的状況に唖然とする。
アヤは隊員が落としたであろう黒いカードを拾い、足を速めた。

 

やがて逃げた大男を屋上階で追い詰める。
兵士風で厳つい仮面をつけた男はアヤを挑発しつつ大刀とグレネードで襲い掛かってくる。
激闘の末ヘリポートまでに追い込むも、男は隣のビルに飛び移り逃げてしまう。
その後ルパートが合流するも既に爆破装置のスイッチは押されていて下階から爆発が始まりつつあった。
巻き込まれる寸前に応援のヘリが駆けつけ、二人は事なきを得た。

2日目 前

翌日HALにオフィスへ呼び出されたルパートとアヤ。
アヤは昨日の事件を追おうとするがHALによって別件の調査にまわされる。
それはドライフィールド(地名)に出現したウマ型のNMCを調査せよというものであった。
怪我をしたルパートにも諭されて、ふてくされながらも出動の準備をしていると、
ピアースがアヤがタワーから持って帰った小さな機械を手にやって来る。
彼が分析したところその機械にはドライフィールドの砂が付着していた。
しかしNMCは生態上乾燥を嫌う事から、新種のNMCが出現した可能性が出てきたのである。
ピアースからの励ましでモチベーションを取り戻したアヤは一路ドライフィールドへ向かう。

 

ドライフィールドのモーテルに到着したアヤ。
とりあえず住民に聞き込みをするためドライフィールドを探索し始める。
すると突然人のような顔を持ちながら、まるで馬のような容姿を併せ持つNMCに襲われる。
人面馬NMCを一蹴し、ガレージに着くとようやく生存者を発見する。
安心するもつかの間、その生存者に銃を突きつけられてしまう。
やがて自分がM.I.S.T.だと説明するとブツブツ言いながら調査に協力し始める。

 

ダグラスと名乗るその男はモーテル管理代行兼廃車解体業を営んでいるという。
彼によるとNMCが増え始めてからというもの住人は逃げ出してしまって、
今は自分と近くバーのマスターの二人しか居ないらしい。
またダグラスはHALに渡された事件資料の写真(倒れた人面馬NMCの傍に銃を持つ男と飼い犬)と同一人物であった。
ダグラスはアヤにモーテルの部屋の鍵を渡した後、見回りが終わるまで休んでいろと言う。
何気に一等な部屋にダグラスの人柄を感じ胸を撫で下ろしたのもつかの間、
外に見える給水塔の上で若い男が慌てているのを見つける。
アヤはベランダから梯子を伝い、給水塔へ向かった。

 

給水塔の上には二人目の生存者が居てカイル・マディガンと名乗った。
彼は私立探偵らしく、依頼により近くにあるシェルターについて調査してると言う。
そのシェルターとは元々軍事目的で作られたが余り注目されず一度廃棄された。
しかし三年ほど前から民事企業が買い取り何かをしているという。
廃棄シェルターへの大量の資材搬入、そこで消費される大量の肥料を怪しむアヤ。
カイルの態度と言動に胡散臭さを覚える彼女だったが彼の調査協力の申し出を聞き入れる。

 

一旦カイルと別れ、給水塔をタンクを上がると老人の死体を見つける。
老人はNMCに血を全て吸われて絶命したらしく、所有物からバーのマスターである事を察する。
アヤはダグラスに会ってシェルターのことを聞く事に。
見回りから戻った彼に会い、シェルターの話を聞いているアヤだったが、
突然遠くから女性の悲鳴が聞こえてくる。
ダグラスは聞こえないと言うもアヤは放ってはおけないと、
共に行こうとする義足の彼をなだめて単身で探しに行くことに。

 

井戸の中に降り、地下道を利用して
悲鳴が聞こえる廃屋に着くアヤ。
そこには確かに中年の女性がいた。その後ろにはタワーから逃げた大男の姿も。
男に体を引き裂かれた女性は無残にも背中から血を噴出して倒れてしまう。
ショックを受け激昂するアヤ。ところが男は「それはNMCだ」と高笑いを上げる。
すると女型であったそれはみるみると溶けて蒸発した。
それは昨日カフェテリアで見たNMCと同じもの。
続いて謎の男はアヤ同様に自分もNMCハンターであると言う。
しかし釈然としないアヤは男に銃を向け説明を乞う。
男は剣を構えアヤに応える。

 

「ほう…殺るか?いいぞ。所詮生死はミトコンドリアの思うがままだしな」

 

闘いは死闘となる。
一瞬の隙をつかれたアヤは男に胸ぐらを掴まれ身動きが取れなくなってしまう。
男の凶刃に命を摘まれかれた瞬間、突如アヤの力が暴走し男は人体発火を起こす。
アヤはそのまま意識を失ってしまった。

 

やがて夜になり、月明かりが廃屋に差し込んでいた。
アヤは彼女を探しに来たカイルと合流するも既に大男の姿は無くなっていた。
彼によればシェルターの位置が大体わかったので一緒に行こうと言う。
車の無いカイルのかわりに自分の車を出そうとセダンの元へ戻ると、
そこではウサギを巨大化させて醜くしたようなNMCに愛車が破壊されて炎上していた。
交通手段が無くなったため何とかアテを見つけようと言うカイル。

 

アヤは昼間、ダグラスがトラックを修理していたのを思い出し、
彼に頼むと貸してもらえることになった。
しかしまだ修理の途中で今すぐは動かせないと言う。
アヤは終わるまで時間がかかるからモーテルで休んでいるといいと薦められる。
部屋に戻った彼女はベッドで横になり、つい眠ってしまう。
するとアヤは夢の中で何処かの施設内で怯える少女の姿のビジョンを見る。
夢に起きた彼女は目覚めの悪さにシャワーを浴びていると、
ダグラスの愛犬フリントが激しく吠え立てていることに気づく。
その直後地響きが近づいてきた。アヤは異変の接近を察知する。

 

着替えて外に出ると象を一回りも二回りも大きくしたような巨大NMCが外で待ち受けていた。
その巨体による馬鹿力と口から放射される火炎に苦しめられるも何とか撃退に成功する。
ダグラスとフリントは無事であった。アヤに感謝しつつトラックの修理が終わったと告げる。
彼らの無事に胸を撫で下ろしつつトラックに向かうアヤ。トラックの所にはちゃっかりカイルがいた。
彼は手に入れたばかりと言うシェルターで行われていた実験の情報をアヤに語る。
事件の背後にはウイルスを使って人為的にマンハッタン事件を繰り返そうとしている組織の存在があった。

 

二人はドライフィールドの裏山にある、シェルターへの入口の廃坑に向かう。

2日目 後

車で野良道を走るアヤ一行。
それを崖から白い体毛を生やしたウマ型NMCが同種のNMCを従えて不気味に見下ろしていた。

 

やがて炭鉱入り口に車を乗りつけた直後ウマ型NMCが大量に襲ってきた。
倒しても倒しても一向に減る気配を見せないウマ型NMC。
ついにはカイルがケガを負ってしまう。
ここは自分が何とかするからと彼を廃坑へ避難させる。
どうにかNMCの群れを撃退した彼女はカイルを追って廃坑の奥に進んでいく。
やがて鉱山の封鎖区画にたどり着くも、そこに何者かの存在を感知する。
すると暗闇の中、天井から白い体毛をした巨大ウマ型NMCが彼女に襲い掛かる。
NMCの素早い動きに翻弄されつつも何とかそれを撃ち倒す。
よく見るとNMCの残骸からカイルの使っていたP229(ハンドガン)が見つかる。彼は行方不明となった。

 

奥には不自然に大型バイクが置かれていた。
その大きさと横についている刀用のホルスターであの大男が使っていると確信する。バイクには「No.9」という文字もあった。
座席に放置されていたスイッチを押すと壁が動いて、向こう側から明かりが漏れていた。
どうやらシェルターに繋がっているらしい。
カイルの安否を心配しつつ中へ入っていく。
入っていくとシェルターがかなり大掛かりな施設であることに驚くアヤ。
地下2階から消毒室と書かれた区画を抜ける。
そこから地下3階へ降りる道中でアヤは再び夢に現れる少女のビジョンを見る。

 

意識が朦朧としつつも地下3階に降りてさらに探索していく。
すると天井からNMCが現れ、不意打ちをうける。
さらにそのNMCはカタコトなれど人語を喋った。
Eve以来の人語を話すNMCが気になった彼女はそれを追いかける。

 

NMCを追って地下2階へ上がる最中、扉に熱でもって溶かされた跡があった。
それは紛れもなくアヤが夢でみた様子が現実である事を物語っていた。
少女の安否を気にしながら再び消毒室を抜けようと中へ入ると、
突如沈黙していたはずの消毒装置が起動し、アヤは閉じ込められる。
何とかしようとインターフォンを使って助けを求めるが先のNMCに一方的に切られる。
アヤは後ろで開きっぱなしのダストシュートに気づき、迷うことなく滑り降りた。

 

落ちた先はシェルター内のゴミ集積所だった。
もしやあれは罠だったのだろうかと気づいてそこから出ようとする。
するとゴミの中からこれまた巨大なNMCが現れる。
まるで小さなNMCが融合しあった様な醜いそれは、巨大な口を開いてアヤを丸ごと飲み込もうとする。
ところがNMCが起した衝撃で電線が切れ、その端にふれたNMCは気絶。
アヤはその隙に厚い鉄の扉のロックを解除し逃走をはかる。
ドアを抜けると気絶から回復した巨大NMCがまた襲いかかってきた。
先にある巨大なリフトを利用しNMCを圧死させて難を逃れる。
ところが直後に焼却開始の間際の警告が鳴り響く。
逃げようともがくアヤだが焼却場と外を繋ぐ扉は開かない。
何度もノックして助けを呼ぶ彼女に応えたのは行方不明になっていたカイルだった。

 

間一髪焼却を逃れたアヤ。
何でも炭鉱での戦闘後、カイルはウマ型NMCに突き飛ばされ崖下に転落したという。
あろうことかNMCがクッションになって助かったらしい。
無事に二人で地下4階を攻略した後、再度シェルターを調査する前にアヤはカイルと別れ、
ダグラスが心配だとシェルターの抜け道から一度ドライフィールドに戻ることに。

 

抜け道はモーテルの地下道と繋がっていた。
井戸から抜け出すとダグラスの飼い犬フリントが吠え立てている。
アヤを誘導するフリント。
フリントが案内してくれた先には同僚のピアースがいた。
彼は吸血するタイプのNMCに血を吸われ、軽い貧血状態にあった。
とりあえずモーテルの自販機にあった氷で傷を介抱すると彼は何とか元気を取り戻す。
アヤはピアースに何故ここへ来たのかを聞くと、
能天気に君が危なそうだったからと答える。その割に銃すら持とうとしない彼に飽きれるアヤ。
ピアースにはモーテルの部屋で休むように言って、彼女はシェルターの調査を再開した。

 

シェルターに戻ったアヤは先ほどの喋るNMCを発見、交戦する。
倒し、溶けて蒸発するNMCの残骸からボーマンと名前が書かれたキーカードを入手。
(後に動物観察室に置かれていた手記にて、ボーマンという男は研究のために、
自分を生体サンプルに捧げNMC化したことが綴られている。所謂マッドサイエンティスト)
アヤはカードを使ってシェルターの研究室へ侵入を果たし、
そこにあった端末から事の顛末を調査し始めた。
あの大男が口走っていた単語「ANMC」それは何なのかを。

 

ディスプレイには彼女にとって衝撃的な文言が連なっていた。
それによれば遺伝子情報を書き換え人を胎児の状態に戻し(ネオテニー化)、
新しい遺伝子情報を仕込みNMCに進化させる…人間を元にしたNMCこそANMCの正体であった。
そしてDNAの書き換えに使われたのはマンハッタン事件で発生した最高のネオミトコンドリア。
つまりアヤのDNAデータだったのである。

 

ANMCが自分を元にして産まれたと知り、ショックを受けるアヤ。
すると研究室に備え付けてある電話が鳴り出す。その電話の主はピアースだった。
アヤを追ってきた彼はシェルター内で情報をつかんだらしい。
落ち込む暇もなくピアースに指定された区画に行き着くと、
そこにはまるで巨大なサナギのような禍々しいANMCがいた。
奥のモニタールームでピアースと落ち合ったアヤは、
自分が持ち帰った機械が一種の遠隔探知装置であった事、
そしてサナギの正体とそれに栄養を送る地下施設「シャンバラ」の存在を聞かされる。
ANMC、そして夢の中の少女…様々な思いをめぐらせながらアヤはシャンバラへ行く事を決意をする。

 

シャンバラへ向う途中、さらに奥に強大な力を感じたアヤ。
結界の強大さに彼女でさえ生身では近づけないと直感する。
結界を破壊し、サナギへの養分供給を止めるためエレベーターでシャンバラへと下る。
シャンバラはまるで植物園と動物園をかけたような作りの設備になっていて、
砂漠から湿地帯と様々な地形や環境が人為的に形成、構成されていた。
そこではANMCがまるで「飼育」されていて、人間が見学できるようになっていた。
アヤはそれまで自分に襲い掛かってきたNMCが実はANMCであった事を確信する。
さらに中へ進んで行くとANMCを用いた巨大な発電機を発見する。
それは快楽物質を与えられ続けて、ただただ電力を生産しサナギへ供給し続けていた。
哀れすぎるANMCに同情しながら、アヤはそれに永遠の休息を与える。

 

やがて結界の弱まりを感じたアヤはシャンバラを出て、さらに地下へ続くエレベーターへ。
降りた先にはヘルメットを付けた子供がいた。
すぐ後を追うも先の喋るANMCと同じ、しかし巨大になったANMCが子供を守ろうとアヤに攻撃を加える。
それを倒すと子供はさらに奥へ逃げた。そこへカイルが合流しアヤと共に子供を追う。
子供は部屋の奥で震えていた。銃を構えるカイル。
するとアヤは彼を制し、子供がつけていたヘルメットを取り外す。
面を取るとアヤそっくりの少女だった。アヤが夢で見続けていたあのEveと同じ名前の…。

 

そのヘルメットは一種の脳波増幅装置で、彼女の防衛本能を極限に高めつつPEを活性化するものであった。
さらにイヴが居た部屋はまるで洗脳部屋のよう。カイルは組織の横暴さに憤る。
強大な結界はサナギを護るものではなくイヴが組織の手から自身を護るために張っていたもの。
そう、イヴは組織の望まぬ強制から逃げていただけなのである。
そんな彼女の境遇を察したアヤとカイルはシェルターからの脱出を模索し始めた。
直後おもちゃの電話が鳴り響きイヴが怯え始める。
電話を取るとピアースだったがすぐに電話は途切れる。
嫌な予感がよぎり、3人は直ぐにその場を離れようとするも、
突然照明が落ちて室内にガスが充満し始めた。
同時に複数の人影が迫る。それはno.9と似た大男達の襲撃であった。

 

部屋の窓を撃ち抜き、カイルが囮になって向かいの部屋に逃げるアヤとイヴ。
すぐ近くにエレベーターがあったので脱出しようとするアヤ。しかしイヴは動かない。
イヴは培養液の中でたゆたう「胎児」を見ていた。生を受ければ「姉」であったそれを。
アヤはイヴを促して上階に脱出する。

 

エレベーターはシャンバラ内の発電機があった建物前に繋がっていた。
すると着いた途端、イヴは再び錯乱して走り出す。それを急いで追いかけるアヤ。
ガラス張りの水中トンネルを進むとイヴの悲鳴とno.9の姿が。
イヴを抱きかかえ、誘拐せんとするNo9はアヤに語る。
彼は己の野望のため、敢えてアヤをシェルターに招きいれ、
イヴが張った結界を破壊する役目を負わせたのだと言う。
アヤはそれに愕然として何もすることができず、項垂れて座り込んでしまう。
No.9は部下の大男達にシェルターからの脱出を指示してその場を立ち去る。

 

イヴを救いたい。その一心で折れそうな心を再び立て直すアヤ。
No.9を追跡する彼女を彼と似た形をした大男達が行く手を阻む。
道中、武器保管庫でタワーで拾った黒いカードを使い、
実は大男達がゴーレムという名のサイボーグ兵であり死者を用いて組織が作った「駒」である事を知る。
no.9とイヴが地下駐車場から外へ出ることを察したアヤ。
彼らを追う前にピアースの安否を確かめるためにモニタールームへ向う。
しかし彼の姿はもう無く、一枚のメモが置かれているだけだった。
だがそのメモにはM.I.S.Tとシェルター組織が実は内的に繋がっており、
過去のNMCのデータなどが横流しされている事。
そして上司のHALがその主犯の一人である事が示唆されていた。
アヤは急ぎM.I.S.T.に電話、ルパートと後輩のジョディに内偵を依頼する。
その後ピアースの身を案じながらもとりあえずイヴの追跡に戻った。

 

地下駐車場から電気自動車を駆って二人を追うアヤ。
行き止まりに差し掛かり、道なりを歩いて進んでいると、
No.9のバイクとイヴが持っていたテディベアを見つける。
イヴを想いつつエアロックを抜けて追跡を続ける。
やがて大きな扉に差し掛かりロックを解除して外へ。
ところがそこには大量のゴーレム兵が待ち構えていた。逃走劇はno.9によるアヤを罠に嵌める工作だった。
考える暇も与えずゴーレムの一兵がアヤに向かい来る。
その直後、大統領直属の部隊が強襲し敵兵士を圧倒的兵量で征圧。アヤは窮地を救われる。

 

その頃ホワイトハウスでは「負の遺産」を用いた極秘作戦が始動していた。

3日目

軍に保護されて隊長にシェルターの状況を伝えるアヤ。
彼によるとシェルター内、ドライフィールド周辺を捜索させても、
女の子と大男は見当たらないとの事。
ただシェルター内に生物的な結界が張られている区画があってそこだけが調査できないと言う。
アヤは二人がそこにいると確信。兵を引き上げ、自分に任せて欲しいと請う。

 

テントの外に出るとジョディが駆けつけてくれていた。
内偵の結果、シェルターへの情報の横流しは、
HAL含め多くの上級捜査官がグルになってやっていたと分かる。
つまりM.I.S.Tは完全にシェルター組織の下部に成り下がっていたのだ。
ジョディの他にダグラスの飼い犬、フリントもやって来ていた。
アヤはフリントにテディベアの匂いを嗅がせてシェルターにいる二人を探そうとする。

 

シェルターに再侵入したアヤはゴーレムの冷凍保管室でピアースを発見する。
幸いにも外傷はなかった彼はアヤを元気付けて自力で脱出する。
途中発見した負傷した兵士の道案内をフリントに任せ、アヤはさらに奥へ。

 

アヤは遂にサナギのいた区画へたどり着く。
そこにはNo.9とイヴと何故かカイルもいた。
サナギは触手を伸ばしてイブの頭を覆い何かを確かめている。
彼は何かに焦りつつアヤに計画の全てを話し始める。
no.9は既に度重なる失敗で生命維持装置を抜かれていたのだ。

 

彼によればサナギの中には完全なミトコンドリア生命体がいるという。
ただこれを完全体にするには知性となる拠りしろが必要であった。それがイヴである。
イヴを取り込んだ完全体は世界を飛び回りながら、
遺伝子情報を書き換えるベクターウイルスを撒き散らし、
人間を強制的にネオテニー化させ、人類全てをANMC化させるという。
こうして所謂「共食い」による弱肉強食な社会構造を作り出す事こそ彼の計画であった。
また元々ANMCは知能が低い訳ではなく、個体数が増えてから反乱を企てていたらしい。
一方組織は低いと見積もっていたがためにANMCの反乱がおき、
結果シャンバラやシェルターは無法地帯と化したのだった。
さらにカイルはNo9と繋がっていた。
最初はアヤを殺そうとしたものの後になって使えることに気づき、泳がせておいたという。
話し終えたno.9はアヤを殺すよう、カイルに指示する。

 

彼はアヤのわき腹を撃ち、彼女は倒れる。
苦しむアヤにカイルは自分の生い立ちとANMCを重ねて心情を吐露する。
だからといってANMCにされるのは困ると言って振り向きざまにNo.9の額を撃った。

 

重症を負い困惑するNo9。
カイルは元々合衆国の諜報員であり組織との二重スパイである事を白状。同時にサナギからイヴを救出する。
そして自暴自棄となった最後のゴーレムは宿主を失ったサナギに呑みこまれていった。

 

これで終わったと安堵する三人。
実はカイルがアヤに放った弾丸は急所を避けていた。
全ては演技であり、こうするしかなかったのだとカイルは彼女に詫びる。
アヤもまた彼に撃たれた瞬間それを悟っていた。
するとイヴが空を見上げて言う。

 

「アヤ、お星様が光ってるよ」

 

イヴが星と言ったのは政府が事の抹消を諮るために起動した攻撃衛星だった。

 

3人が逃げる間もなく、衛星から高高度砲撃が放たれ、サナギに直撃する。
アヤ達は爆音と光に身を巻き込まれて気を失ってしまう。
意識を取り戻すとシェルターは崩れ、サナギからは何かが下の階に落ちていく。
カイルとイヴは無事か。心配し二人を呼ぶアヤ。
カイルは通路の向こう側から大丈夫だと言い返す。
しかし声の様子がおかしい。煙が激しいためカイルの姿は見えない。
カイルはイヴが地下に落ちたと言い、アヤを救助に急かす。
彼はアヤがイヴの元へ向うのを見届けて、片足を跳ね飛ばされたショックで倒れてしまう。

 

地下に降りると、サナギの中身である不完全の巨大ANMCが佇んでいた。
巨大な赤ん坊のようなそれはアヤを敵とみなして苛烈な光線をぶつけて来る。
それを撃破した後、イヴが鉄骨にひっかかっているところを発見する。

 

渡り橋を架けてイヴを助けようとするアヤ。
しかし倒したはずのANMCの触手がイヴをつかむ。
彼女はアヤの名を叫びながら為す術なく取り込まれてしまった。
やがて完全体となったANMCはウイルスと思われる粒子を撒き散らしながら、
禍々しくもどこか女神のような形でアヤの前に立ちふさがる。
空間すら支配するそれを相手にアヤは生命力とイヴを救おうとする執念の全てを弾丸に込めて撃ち、
何とかそれを行動不能にする。 だがそれでも消滅には至らない。
とうとう力尽き、動けなくなったアヤを取り込んだ完全体は空へ空へと登っていく。
ところが突如変調をきたした完全体は、勢いを失い落下しながら崩壊し始めた。
崩れゆく完全体からアヤとイヴが、PEの光をその身に纏いながら地へ落ちていった。

 

目が覚ますアヤ。目の前にはぼんやりとカイルが見える。
彼は心配するアヤへイヴは隣で気を失っているだけだと言う。
安心したアヤはまた気を失ってしまう。

 

その後軍が駆けつけ、気を失っている女性と女の子を発見する...
(エンディングルート1)

 

後日、ホワイトハウスにて。
大統領と補佐官らしき人が会話していた。
本当にあれを撃ち抜いてよかったのか。計画の不始末や衛星兵器の使用など後始末が大変だと。
そう、一連の事件は多国家間の陰謀であった。
しかしアヤがそれを知る由はない。

そして事件以降、ある諜報員が行方不明になっていた。大統領はその男の謀殺を指示する...
(エンディングルート2)

 

生還したアヤ達は上からかん口令を敷かれた。
イヴはアヤが保護し便宜上姉妹となる。彼女は近くの学校へ行き楽しく過ごしているという。
ピアースは前作に登場したマエダと共にミトコンドリアについての研究を始めた。
不正を行った上級捜査官はHALを含めて全員が処分を受けた。
ただカイルの消息だけは事件以降つかめなかった。

 

強大なPEはすっかり影を潜めて、普通の少女にもどった様に見えるイヴ。
そんな彼女に乞われてアヤはイヴを博物館へ連れ出す。
するとそこへ足音とともに見慣れたシルエットが・・・ふと振り向いたアヤは「彼」に微笑む...
(エンディングルート3)

ED分岐について

まずEDが三つあります。

  • ED1(普通のエンディング)
     カイルの幻影が見え、二人が発見されるまでが出る
  • ED2(ちょっと頑張った)
     ED1に加え、大統領と補佐官らしき人の腹黒い会話まで
  • ED3(最善ぽい)
     ED1+ED2+後日談+博物館ムービー

※元の文をちと修正。