密室

Last-modified: 2024-05-14 (火) 23:03:07

登録日:2018-05-14 (月) 08:24:12
更新日:2024-05-14 (火) 23:03:07
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Tag: ミステリー 密室 密室殺人 密室窃盗 トリック 殺人事件 偽装工作 不可能犯罪 推理小説 推理漫画 脱出 脱出ゲーム



ドアも窓も内側から鍵…
他に人が出入りできる所は無し…
これは……密室殺人か?

概要

密室とは、外部からの出入りができない部屋のことである。
主にミステリーで使われる用語だが、「密室会議」のように「外の意見が入らない空間」を指すこともある。
以下、ミステリーにおける密室を解説する。

密室殺人

いいですか。密室であるのなら、それは自殺でなければ意味がない。
密室を演出するのなら、殺害を行なう犯人がいたなんて思わせてはいけないんです。
密室を殺人現場なんて思わせると、密室にする意味そのものが消えてしまうから?

ミステリーにおける密室の代表格と言えば、これである。
誰も出入りができない部屋の中、被害者の死体だけが残されている状況。
果たして犯人は一体どうやってこの不可解な状況を演出したのか……?という謎解きである。
一応「密室から忽然と物が盗まれる」という「密室窃盗」のパターンもないではない(殺人事件を取り扱えない児童向けミステリーだとこのパターンも多い)が、
やはり大人向けミステリーでは密室殺人が大多数を占める。ヴァン・ダイン?的にも殺人の方が興味を維持できるからね!

なぜわざわざ密室を作り上げるのか?

通常なら、殺人現場は「閉ざされていない」方がより容疑者の幅を広げ、殺人犯本人への疑いがかかる確率を減らすことができる。
下手にトリックを弄そうとしてトリックがばれれば、「このトリックができたのは誰だ」から足が付くという本末転倒な事態もありえる。
それなのになぜわざわざ密室を演出するか、ということには以下のような理由がある。

  • 事故・自殺?に見せかけたかった
    割とよく見る理由。
    そりゃあ「犯行当時部屋の中にいたのが被害者本人だけだった」という状況なら、そもそも殺人事件として扱われない?可能性は高い。
    直前に?を閉める理由も「自殺するのだから邪魔されたくなかった」と理由を付けられる。
    探偵役が「自殺だとすると不自然な状況」に気付くことで、殺人事件として捜査が始まるのが定番。
  • 他の人に容疑を押し付けたかった
    鍵を持っていたのが犯人本人以外ならば、容疑を散らすことができる。
    「犯行当時出入りできたのは、アイツだけだ!」となるわけである。
    また密室トリックがあるとわかる場合でも、他人に容疑を押し付けられるパターンがあり、その時は犯人が別のアリバイ工作をしていることも。
  • どうしても密室にせざるを得なかった
    使用したトリックの都合上、密室にしないと成り立たないというタイプ。
    例えば被害者を逃げにくくするためにあえて密室に誘い込むということが考えられる。
    また走行中の列車などはそれ自体がある種の密室であり、時刻表トリックなどで降りた犯人を見つける…等の展開に繋がることも。
  • 被害者の抵抗
    犯人には密室を作る意思などなかったが、被害者が最後の力を振り絞り密室にしてしまった?、という状況。
    部屋の外で刺された被害者が部屋の中に逃げ込み、追撃を避けるべく鍵を閉め、そのまま息絶えてしまうような例である。
    謎解きの答えとしては平凡すぎるのであまり採用されないが、ミスリード?としては時折出てくる。
    そのほか、"わざと密室にした"被害者の心理状況等が重視されることが多い。
  • 単なる偶然
    自然現象や第三者の関与により、たまたま殺人現場が密室になってしまった、というパターン。
    部屋の外から狙撃した場合のように、密室かどうかは犯人にとってはどうでもよいというケースも。
    本来ならば特定の人に容疑を押し付けたかったのに、偶然から「誰一人として出入りできない」完全なる密室と化してしまい犯人すら困惑するパターンもある。
    犯人も想定していない状況なので、ポロっとボロが出ることが多い。
  • 猟奇的理由
    過去に起きた密室殺人に見立ててわざと密室にした?」「犯人から探偵への挑戦状」など、合理的理由の一切ない密室殺人。
    ある意味非常にタチが悪い。

密室の分類

  • 物理的密室
    「鍵のかけられた扉や窓以外に出入りできる場所がない」という最も典型的なパターン。
    捻ったタイプとしては、「雪や泥の上を歩かずにその部屋まで行く手段がないのに、足跡が残されていない」というのもある。これは「足跡なき密室殺人」と呼ぶ場合もある。
    普通のミステリーではまずないが、作品によっては超能力?だったり、通り抜けフープやらどこでもドア?みたいな道具だったりでテレポート?したり、
    タイムトラベルで密室を作り上げたり、等々トリックにも意外なバリエーションがある。
  • 心理的密室
    鍵がかかっていたわけではないが、誰かしら人の出入りがあれば間違いなく目撃されているだろう部屋。
    出入り自体は誰でもできるので、いかに人の心理の隙を突いて忍び込んだか、ということがトリックでは重視される。

このWikiに記事のある主な密室殺人事件

  • アイドル密室殺人事件(名探偵コナン)?
    人気アイドルの自宅から、背中を包丁で刺されて殺された男の遺体が見つかった。
    遺体の状況から自殺はあり得ない。従って、容疑は鍵を持っていたアイドルにかけられるが……?
  • 外交官殺人事件(名探偵コナン)?
    被害者は密室の中で、しかも唯一のカギを持った状態で死んでいた。
    カギを部屋の中に動かすトリックの痕跡が見つかり、カギを動かして密室を作ったのだという方向で推理が進む。
    しかし、これは犯人の巧妙な罠。この事件は物理的密室殺人ではなく心理的密室殺人だったのだ…
  • 呪いの仮面は冷たく笑う(名探偵コナン)?(アニメオリジナル)
    仮面の呪いのような密室殺人。
    二重の鍵が掛けられた扉以外、僅かな隙間のみ。
    更に睡眠薬を服用していた被害者は、誰かを迎え入れることもできない。
    これは仮面の呪いか?それとも人の手による殺人なのか?
  • 降霊会W密室事件(名探偵コナン)?(アニメオリジナル)
    降霊会の会場と、被害者の自室。
    2つの密室で同時に発生した2つの殺人事件。
    この密室が作られた真意とは…?
  • 学園七不思議殺人事件(金田一少年の事件簿)?
    鍵のかけられた密室に現れたり消えたりを繰り返す首吊り死体。
    果たして犯人は本当に「放課後の魔術師」なのか?
  • 錬金術殺人事件(金田一少年の事件簿)?
    頑丈な金属製の扉の向こうで起こった殺人事件。
    「錬金術師」でもなければ開けられないこの扉はいかにして開けられたのか?
    カギを握るのは「数字」と「金属」
  • 魔矢姫伝説殺人事件(探偵学園Q)?
    コンクリートブロックで出来た粗末な小屋から男性の遺体が見つかる。
    入口は大きなコンクリートブロックで塞がれており、警察は男性の自殺だと考えるが、後の捜査で人の手でそこに置くのは不可能だと判明する。
  • クビキリサイクル(戯言シリーズ)?
    「ペンキの川」を踏まずにどうやって首を切ったのか?
    「クビキリサイクル」の本当の意味を知った時、あなたは間違いなく戦慄する。
    IBUKIKANAMIを逆から読むと……
  • すべてがFになる?
    完全な密室から突然現れた花嫁の遺体。
    文字通りに「誰も入れない。誰も出れない」状況から、犯人はいかに脱出したのか?
    ちなみにこのシリーズ(というか作者)は書いてるミステリーのほとんどが密室殺人である。
  • 密愛(相棒)?
    施錠された山小屋の中で毒殺死体で見つかった男性。
    事件は自殺と断定されたが…。
    密室の原因や、犯人の”動機”が印象的な事件。
  • うみねこのなく頃に?
    ひぐらしのなく頃に?」が猟奇殺人をテーマにしていたのに対し、こちらはクローズドサークルでの密室殺人がテーマ。
    「うみねこのなく頃まで」生き残れれば……
見ろ、これは間違いなく密室殺人だ
えぇ、四方を分厚いコンクリートの壁で囲まれ、窓や扉が一切ない中に死体が一つ。これは密室殺人ですね
天井や床を調べたが、抜け穴もなし
犯人に繋がる痕跡は何もありませんね
一体犯人はどのように被害者を殺し、この部屋から抜け出したのか……
ところで先輩、一つ質問していいですか?
なんだ?
僕たちどうやってこの部屋に入ったんですか?


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