幼女戦記

Last-modified: 2024-03-16 (土) 17:14:10

登録日:2016/03/16 (水) 18:28:17
更新日:2024-03-16 (土) 17:14:10
所要時間:約 23 分で読めます


▽コメント欄
Tag: カルロ・ゼン 篠月しのぶ ライトノベル ミリタリー 幼女 異世界かるてっと ロリコンホイホイ ロリコンホイホイ(冷笑) 幼女戦記 Arcadia エンターブレイン おう、ロリっ子だぞ喜べよ 17年冬アニメ web小説 ラノベ←作風と本の重量がヘビー 東條チカ アニメ アリス・ギア・アイギス 存在X パチスロ化 異世界転生 仮想戦



最前線にて幼女(バケモノ)は嗤う



「幼女戦記」はカルロ・ゼン著、挿絵担当篠月しのぶによるライトノベル。著者がライトノベルって言ってるんだからライトノベル。
ついでに2016年秋には電子書籍化が決まったので「これでヘヴィじゃなくなる」とのたまってるとかなんとか…
いや物理的な重量のことじゃないから…*1

【概要】

元々は小説投稿サイト『Arcadia』に掲載されていた小説。
2013年よりエンターブレインから書籍版が発売された。2023年9月時点で既刊13巻。
タイトルのインパクトと表紙の可愛らしい幼女から敬遠せずに是非お手に取っていただきたい。

ジャンルとしては異世界転生性転換架空戦記?物とでも呼ぶべきカオスな作品。
なんだかどっかで聞いたような国々による熾烈な世界大戦を主人公達が戦い抜いていく本格的な戦争小説である。
なのは?の二次創作をリスペクトし、ストパン?要素を取り込んだ作品」という創作背景だけを聞いて本作を読んだ人の一部は多分、怒る。

更になんと2016年にアニメ化、コミカライズ化が発表。
ファンからは「マジで……?」「内容ヤバすぎて放送出来なくね……?」と困惑の声が寄せられている。

コミック版は月刊コンプエース?で2016年6月号より連載開始。2023年8月時点で既刊28巻。
著者は同誌連載されていたコードギアス 双貌のオズ?の東絛チカ。

毎月2話掲載(70P前後)の超ハイペース連載、原作未読の人でも異様にわかりやすい内容、
原作挿絵に負けずとも劣らないデグ閣下の顔芸連発、ターニャが所々で可愛い……
など、蓋を開けてみれば恐るべきハイクオリティでファンを戦慄させている。

なおチカ先生は、企画が決まって原作1巻を読んだら虜になったが、
最初にタイトルを聞いたときに一瞬引いた、とインタビューで語っている。まあそうだよね。
因みにコミックはコミックス24巻の時点でようやく中盤戦。いよいよ地獄の東部戦線が始まろうかというところ。

アニメは2017年1月から放送。フランソワ降伏まで扱っている。
登場人物がおっさんだらけそもそも主要人物に女性が2・3人しかいないの本作、声優陣も洋画の吹き替えキャスト並みの大御所が勢ぞろい。
また、公式サイトでプチアニメ「ようじょしぇんき」や、公式ラジオも配信している。

円盤の売り上げは上々で、2019年2月より、劇場版も放映。そして2021年6月には二期『幼女戦記Ⅱ』の制作が決定した。

2019年4月からは、4作品によるクロスオーバーアニメの「異世界かるてっと?」にも出演。
デフォルメされた作風のためようじょしぇんきの絵柄。

ソシャゲにも進出したが、残念ながらこちらは1年ちょいで爆死してしまった…

因みに作者曰く、「これを書籍化したエンターブレインは正気じゃない」「これのアニメ化を企画したエンターブレインは勇者の中の勇者」。
お前が言うな。

【あらすじ】

エリート街道を突き進む超絶リアリストの主人公は、ある日何者かによって駅のホームから突き落とされて死亡する。
彼の前に現れた神を名乗る存在Xは信心の欠片も無い彼にブチ切れて魔法の存在する戦争真っ只中の世界へ女として転生させてしまう。
こうして彼、改めターニャ・デグレチャフは帝国軍魔導師として世界大戦の最前線を戦い抜いていく。
敵からは悪魔、味方からはバケモノと恐れられながら――
さらに40年後の未来。敗戦した帝国の謎を、ある記者が追っていた。11番目の女神の謎を…。

【登場人物】

(cvはテレビアニメ・劇場版、ドラマCDの順)

帝国

*二〇三大隊

  • ターニャ・フォン・デグレチャフ
    cv:悠木碧?五十嵐裕美?
    主人公。本編開始時点では9歳。ほら幼女だぞ、お前ら喜べよ。
    かつては現代企業で人事の仕事をしていたサラリーマン(cv:鳥海浩輔?)だったが、リストラを通告した社員に殺された挙句、なんやかんやあって存在Xによって女として異世界へ転生させられてしまう。
    WEB版ではDARKER THAN BLACKを視聴していたようなモノローグがあったり、
    某掲示板の用語を使ったり、その軍事マニアっぷりと前世の生活がどうだったのかわりと謎。

    いわゆるTSF?キャラ。色々な意味で認めたくない人も多そうだが。

    人の合理性を信奉し感情もコストにカウントして計算できると考え、個々人が有能さで数値化された世界に生きる極端なまでの効率主義のリアリスト。
    経済学におけるシカゴ学派をかつ簡略的かつ極端なまでに体現した存在で、自称文明人の自由主義者。
    現代の自由市場主義を経験しているので、行動基準は自己保身と合理性が第一。
    が、人間関係を保つためのマナーには配慮するが、ルールに対して倫理面を考慮せず平然と穴を抜ける感性の持ち主。
    その効率主義ゆえ「無能は組織にとっての害悪」と銃殺刑に処すのを義務と考えており、それゆえ無能扱いされることも恐れている。
    (つじ)ーん*2とか、無茶口将軍*3とか、コミー*4とかが大嫌い。
    とはいえ、本人がシカゴ学派の盲目的な信奉者なので、盲目的にコミュニズムを信じるコミー共を笑えた口ではないのだが

    立身出世のために帝国軍に入り、持ち前の知力やかつての世界の知識などを駆使して数々の功績を挙げ、出世していく。
    本人としては安全な後方の任務に就きたいのだが、
    上官受けを狙い過激なまでに敢闘精神旺盛な言動を行うので完全に戦争狂扱いされ、過酷な最前線に投入され続けている。
    勘違い系主人公……と言えなくもない、多分。その性格や思考、行動パターンはどう考えても後方向きではないとか言ってはいけない
    そしてその行動や判断は、世界大戦という地獄の釜の蓋が開き大炎上する作中世界に燃料を継ぎ足すこととなり、周り回って自分の身に降りかかっては「どうしてこうなった!?」と一人頭を抱えるのがお約束。
    地頭はいいのに、人間という生き物がマクロな局面で往々にして非合理に流れるメカニズムがまったく理解できないていうか県民性やお国柄というのをわかっていない
    「オレのような凡才にもわかる事が、なんでこいつらは理解できないんだ?」と戸惑っている、ある意味でヲタクの典型のような人物。

    コーヒーをこよなく愛し、カフェインの過剰摂取のせいで成長しないのではないかと読者からは疑問を持たれている。


    戦術眼、戦略眼共にずば抜けており、咄嗟の判断力も優れる。
    機動戦と火力に妄執しており、首刈り戦術を好んで用いる。

    ただ、魔力の量は魔導師としては平均程度であり、大隊の中ではむしろ少ない方。
    最も魔力バカ食い仕様であるエレニウム九五式(存在Xの祝福前)の実験に必要とされる程度のレベルはある。
    また一巻では「まだ10歳の身でありながら既に人並みの魔力」と言及されており、素質的な意味では魔力量も並み外れて多いと考えられる。

    戦場においては自身も卓越した魔導師であり、並みの魔導師では複数相手でも時間稼ぎにもならない。
    敵にはネームド扱いされており、特にライン戦線での暴れっぷりから『ラインの悪魔』と呼ばれる。
    web版では東部戦線で適当な理由をつけて部下を見捨てて逃げ出すなど、いろいろアレげな行動が多かったが、書籍版では(有能な人材の価値は理解しているので)部下の死を悼むくらいにはまともになっている。

    初陣で、その性質上生還して受勲した者がほとんどおらず、大半が故人のヘルメットとライフルが代理で受章するという大勲章、柏付銀翼突撃章をもらう。
    そこから『白銀』の二つ名が与えられるが、一方その容赦のなさから、返り血で塗れた『錆銀』と味方から恐れられたりもする。

    野上武志曰く、『幼女になって、空を飛ぶ新城直衛?
  • ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ(ヴィーシャ)
    cv:早見沙織金元寿子?
    ライン戦線でターニャの最初の部下となった少女。WEB版では登場していない。
    僚機として地獄のラインをターニャと共に生き延び、後に二〇三大隊編成時に副官として配属される。
    アニメでは目の大きい茶髪の、どこかカートゥーンっぽいデザイン。ムーミンやカエルを思い浮かべてはいけない
    マンガ版は「古き良き時代の美少女」。(コミカライズ版作者曰く「'60~'80頃の少女漫画に出てくるキャラ」というイメージ)
    また前者の方がなかなかグラマラスな体型描写があるのに対し、後者は軍学校の同室だった親友を「わがままボディ」と評して羨ましがっている。

    前線ではターニャと並んで珍しい女性。
    かつ貴重な常識人……であるが、だんだんの203のノリに染まってきている。

    部下としては最古参な事もあってか、なんやかや彼女の事はターニャも気に掛けている節がある。
    名前の通り出身は連邦だが、帝国に家族で亡命してきたという経歴。
  • マテウス・ヨハン・ヴァイス
    cv:濱野大輝
    二〇三大隊の副長、第二中隊長。真面目で優秀な士官。
    最初こそマニュアル通りの行動で醜態を晒す事もあったが、実戦の中で次第に精鋭になっていく。
    ターニャの事は相当に信頼している様子。
  • ヴォーレン・グランツ
    cv:小林裕介
    補充要員として二〇三に配属された士官。
    配属当初はスコップ持参の敵塹壕へのピクニック兼敵兵との親睦パーティにドン引きする等していたが、
    だんだん順応していき気付けば中隊長になっていた。
    ターニャからすると適切な指示を逐一与えておかないと判断力が心許ないが、基本スペックは悪くない。

    アニメ版では二〇三編成当初から登場。
    選抜試験で雪に埋もれて一時呼吸困難に陥ったり、最終戦では奇襲を受けて真っ先に脱落したり。
  • ヴィリバルト・ケーニッヒ
    cv:笠間淳
  • ライナー・ノイマン
    cv:林大地

    二〇三部隊の第三中隊長、および第四中隊長。
    ケーニッヒが長身で痩せ型、ノイマンが大柄。
    書籍版ではほとんど言及されていないが、漫画版やアニメ版では部隊の戦友として描写される。

*帝国軍参謀本部

  • ハンス・フォン・ゼートゥーア
    cv:大塚芳忠石塚運昇?
    帝国軍参謀本部戦務参謀次長。
    学者然とした冷静な軍人であり、稀代の頭脳を持つ英傑。
    広い視野でものを見られる人物でターニャとの問答で世界大戦の可能性に気付き、後ろ盾として彼女を活用していく。
    次々に帝国の敵国が増えていく中、狡猾かつ悪辣な戦術と策謀をもって敵を倒し続け、ついには「恐るべきゼートゥーア」という名で知られるように。
    総力戦のために敵にひたすら出血を強いる消耗抑制ドクトリンを徹底し、そのために後世の人からは狂気の策謀家と見られる。だが本人がそれほどまでに鋭く動いた、裏の理由は…。

    名前の元ネタはおそらくハンス・フォン・ゼークト、ルーデルドルフとの関係は第一次大戦期のヒンデンブルグ、作中の経歴や内線戦術構想はファルケンハイン。

    アニメ版は糸目で髭が無いが、漫画版はモノクルと口髭の似合う美形の老人。
  • クルト・フォン・ルーデルドルフ
    CV:玄田哲章
    帝国軍参謀本部作戦参謀次長。ゼートゥーアとは古い付き合いの盟友。
    ゼートゥーアよりも現場寄りの考え方だが、やはり広い視野を持った優秀な軍人。
    生粋の作戦畑であり、敵軍を打ち倒すべく策定を進める。
    参謀本部の懐刀であるターニャ達を各地の戦場へ送り込んでいく。
    WEB版では死亡しているが、書籍版では生き延びており、ゼートゥーアと並ぶ帝国軍の二羽鴉として、敵を打ち倒すべく采配を振るう。
    以下、作中のネタバレ

    情勢が帝国の敗色濃厚の中、勝利を諦めきれずにいるルーデルドルフは、帝国軍の方針を巡ってゼートゥーアと対立。
    排除対象とされ、暗殺指令を引き受けたターニャが護衛となった輸送機で移動中、これまた暗殺狙いで襲撃してきた連合王国軍の攻撃で死亡。
    結果的にゼートゥーアの願い通りにもなったため、後世ではこの事件の首謀者考察は諸説あり、ゼートゥーア説・連合王国説の双方が挙げられている。
    またこれにより、ターニャは帝国の情報が連合王国に洩れていることを確信。ゼートゥーアにも任務の予想外の結果と共に進言している。


    モデルはおそらくヒンデンブルグの右腕として第一次大戦で活躍した将軍、ルーデンドルフ。
  • エーリッヒ・フォン・レルゲン
    cv:三木眞一郎?/後藤ヒロキ
    帝国軍参謀本部人事局人事課長。
    ゼートゥーアやルーデルドルフの部下として、戦場の視察や機密任務の通達などを務める。

    ターニャの士官学校時代の行動からその危険性を感じ取っており、常識で推し量れないターニャを常に危惧しているが、真面目なのでその優秀さにおいては認めてもいる。
    また彼がターニャ関連で取る行動は表面上はターニャが真に望んでいる行動であるため、
    媒体によって多少描写は変わるが、当の本人からは「自分を後方に下がらせようとして努力してくれる数少ない味方」と好意を持たれている。

    異常な方向に進んでいく戦争と、ターニャの狂気に苦悩する作中屈指の苦労人。
    彼に胃薬を……。
    そして…

    11巻に彼の回顧録のお蔵入り原稿が登場したことで、戦争を生き延びたことが判明。
    同じ巻でイルドアから「戦争に巻き込んだ元凶」と恨みを買ったのに良く生き延びたな。
    原稿の記述を見るに少なくとも戦後それなりに長生きしたらしいが、なぜか原稿内でターニャの事は「若い部下」とのみ記し性別すら示すことはなかった。

  • マクシミリアン・ヨハン・フォン・ウーガ
    CV:赤城進
    軍大学でのターニャの同期で、成績上位12人に授与される「12騎士」に選ばれるほどの秀才。妻子持ち。
    子供が戦争に巻き込まれることを憂い将来に迷いが生まれたところで、
    ライバルを出世コースから蹴落とすチャンスと付け込んだターニャの進言を受け、軍大学卒業後は参謀本部鉄道部所属。
    以後もターニャとは交友関係がある。これってターニャは出世コースから外れるのを嫌ったせいで後方勤務の機会を逃した、てことじゃあ……

    鉄道ダイヤを巧みに設定し、他の部門とも折衝をこなすことで、日に日に困窮する帝国軍の物動を維持する功労者。

    戦後40年経ったアレーヌ市追悼式典に中将として参加しており存命。

    漫画版ではハンサムな男性だが、アニメ版はわりと普通のおじさん。

*帝国軍その他

  • アーデルハイト・フォン・シューゲル
    cv:飛田展男/野島裕史
    帝国エレニウム工廠主任技師。
    優秀な技術者ながら、安全性というものを全く考慮しないマッドサイエンティスト。
    元々は無神論者だったが、九五式開発時に存在Xの声を聞き、以降は敬虔な信徒になった*5

    ターニャからはMADと忌み嫌われている。
    彼が作中に登場する機会は少ないが、特に九五式のせいでターニャから定期的に恨まれつつ、
    他にも様々な先進兵器がエレニウム工廠から提供される。
    40年後の帝国が敗戦した未来でも存命である。
  • ロメール
    帝国軍南方派遣軍軍団長。
    優秀な指揮官で、機動戦にかけて巧みな指揮を見せる。
    政治に振り回され、乏しい戦力しか与えられずとも、主導権を握ろうと積極的な攻勢に出る御仁。
    制御できずとも戦功をあげるターニャを気に入り、その力量を認めて活用する。
    史実で実際にドイツ軍北アフリカ戦線を指揮した将軍、砂漠の狐ことエルヴィン・ロンメルが由来か。

    劇場版でも南方戦線は恐らくこの人が指揮していたはずだが、尺が短すぎて作中には映らなかった。

協商連合

  • アンソン・スー
    CV:堀内賢雄
    協商連合のベテラン航空魔導師。後述するメアリー・スーの父親。
    実践経験豊富な軍人で、部下からの信頼も厚い。
    ターニャは初陣で哨戒任務に就いていた彼の隊と図らずも戦う羽目になった。
    彼自身、ターニャの事は鮮明に覚えていたが、ターニャ当人からは「どこかで会ったか」程度の認識だった。
    まあ、彼は指揮しただけで実質戦ったのは彼の部下だったので無理もないが。
    フィヨルド戦で再びターニャに相対し、自国の敗北が決定的になってなお、一矢報いようとするも、それすら叶わずノルデンの沖で戦死した。
アニメ版では……

原作よりも一足先にフィヨルド戦でターニャに撃墜され、短機関銃を奪われてお終い
……かと思いきや洋上に浮かんでいたところを連合王国に救助され、片目を失うもまさかの生存。
ターニャを討ち滅ぼせというラスボスフラグ「存在X」からの啓示を受ける。

神性と会ってSAN値チェックに失敗したのか以降は狂気を漂わせ、ターニャ曰く国際法違反のトレンチガンを持ち出し、
ドレイクら連合王国軍航空魔導師と共に二〇三魔導大隊に襲い掛かる。
ターニャを追い詰めて彼女諸共自爆しようとするも、ヴィーシャの攻撃でターニャを取り逃がしてしまい、自爆の中断をすることなくそのまま爆散する。

共和国軍

  • ピエール・ミシェル=ド・ルーゴ
    cv:土師孝也
    共和国軍をまとめる指揮官。
    周囲の部下になかなか恵まれないものの、戦術にも戦略にも秀でる将軍。
    陥落寸前の共和国から奇跡的な脱出に成功し、旧共和国の植民地で自由共和国というレジスタンス組織を立ち上げ、帝国への抵抗を続けている。
    モデルはおそらく自由フランス軍の英雄にしてフランス第五共和制初代大統領のシャルル・ド・ゴール。

連合王国

  • ドナルド・ハーバーグラム
    連合王国の情報部をまとめる将校。
    普段は冷静沈着らしいが、ラインの悪魔……というより帝国軍の情報部に幾度となく煮え湯を飲まされることになり、度々激昂することに。
    その拳でデスクが粉砕されるのが日常風景と化している。
    「ウルトラ」の事情を知る数少ない人間の一人である。
  • サー・アイザック・ダスティン・ドレイク
    CV:高岡瓶々
    連合王国の魔導師で、情報部付の魔導師ということで各地へ派遣される。
    ちなみに原作では「ドレイク」だけで呼ばれ、フルネームの初出はアニメ版。

アニメ版ではハーバーグラムら情報部のキャラを整理した影響か中年男性となり、扱いも情報将校っぽさが増している。
原作では特段区別されていなかったが、劇場版では下記のウィリアム・ドレイクとは別人扱いとなった。

  • ウィリアム・ダグラス・ドレイク
    CV:森川智之
    連合王国の海兵魔導師。
    多国籍義勇軍として連邦に派遣され、複雑な立場ながら部隊を率いて戦う。

二〇三大隊とは幾度も遭遇し、死闘を繰り広げる。
上層部の無茶振りや情報の誤認で窮地に立たされることや、頭がお花畑でまともに扱えない部下に嫌気がさしてはいるが、それでも軍人として任務を遂行する。
損害を出しつつもなんとか生き残っている辺り、実力も高い。

原作では上記のドレイクと特に区別されていなかったが、劇場版では親戚として別人扱いとなった。

  • メアリー・スー
    cv:戸松遥
    連合王国軍に所属して戦う魔導師の一人。
    元々は協商連合生まれだが合衆国に疎開、義勇軍に志願した。
    父アンソンも協商連合で戦っていたが戦死。父の形見の短機関銃は、実はターニャが鹵獲して使っており……。

敬虔な信仰者であり、存在Xからの加護もあって莫大な魔力を持ち、極めて高い火力と尋常でなく固い防殻を持つ。
が、その性格は戦場には不似合いなほど単純。
友軍が被害を受けるとそれを救援することを優先しようとしたり、父と祖国の仇であるラインの悪魔が現れると、冷静さを失って命令を無視したり一人で突出してしまう。

プロパガンダ目的で政治的な正しさで選ばれた人材で、まともに士官教育も受けておらず当たり前ではあるのだが、それを加味しても頭が鈍く、あまりにも言葉の裏が読めなさすぎる。

なおこれでも書籍版ではだいぶマシになっており、
WEB版では「独善的な狂信者」で、「戦術無視に命令違反にフレンドリーファイアの常習犯」故に、その結末は……。

名前の通り、存在Xがぶち込んできた俺TUEEEE二次の主人公キャラ?を思わせる少女である。

連邦

  • ヨセフ・ジュガシヴィリ
    CV:稲垣隆史
    鉄の男たる連邦政府書記長。

かつての連邦政府においてはつまらない無能な男とみなされて、誰もが敬遠したポジションである事務方に回されていた。
しかしそれは要するに人事権を掌握するのと同義であり、自分の子飼いをさほど目立たないが重要なポジションに送り込むことに成功し、実質的に全権を掌握。
彼を単なる事務屋としてしか見ていなかった人間はその浅はかさを一族郎党の命と財産で償うこととなり、こうしてヨセフは連邦を掠め取る事に成功したのだった。
現在では、職にあぶれた同志たちのために、数さえ数えられれば誰にでもでき、
森林浴を行いつつ、夜は澄んだ星空を眺め、昼は尊い労働に汗を流せる、まさに人民の人民による人民のための仕事をやさしく斡旋してくれている。

夜毎聞こえる、帝国の脅威を示唆する奇妙な声に耐え切れず、恐怖を排除して精神の安定を得るため、
粛清のせいでガタガタになった不完全な軍隊をもって帝国へ宣戦布告せざるを得なくなった。
まあ、彼の国では兵隊が畑で採れるのだが。

モデルは言わずと知れた赤き皇帝こと同志ヨシフ・スターリン。
史実においては、ベリヤを信用しなくなり積極的に処罰しようとした結果、逆に暗殺?されてしまった、とも噂される同志書記長だが、この世界ではいったいどうなるのか。

  • ロリヤ
    CV:チョー
    連邦内務人民委員。連邦におけるナンバー2。
    鉄の男に仕える悪意の塊。
    見た目は禿頭に眼鏡の小男という冴えない風貌ながら、数々の人々を粛清して収容所の塵にしてきた、人の皮を被った悪魔。

重度のロリコンであり、暇があれば市内を徘徊して手頃な幼女を物色しており、
ターニャの存在も知ったのもそうして市内を散策している間に大隊による作戦行動を直に目撃したからである。
性的嗜好の対象にある程度成熟した女性は含まれず、幼女のみにとどまっているだけ、元ネタに比べればまだ被害者は少ない。

偶然遭遇したターニャに一目惚れして、彼女を手に入れようと、甘く切ない青春のために死力を尽くして職務に励んでいる。

モデルはスターリンの命令のもと大粛清の指揮をとった内務人民委員部(NKDV)局長ラヴレンチー・ベリヤ。
史実におけるベリヤは大変な漁色家として有名であり、多くの女性を年齢に見境なく毒牙に掛けてきた。
旧ベリヤ邸のあった場所に建っているトルコ大使館では、地下室の壁などから小さな子供の骨が出てくるという話もよく聞かれる。

  • ミケル
    連邦軍魔導師を率いる部隊長。
    連邦では元々魔導師は反動勢力と見なされてラーゲリ送りにされていたが、戦局の魔導師の必要性から再び戦場に戻ってこれた。
    踏み入ってくる帝国軍から祖国を救うべく戦っている。

ドレイクとは共に戦う戦友として絆を深めつつも、党との板挟みで迂遠な立場を取らざるを得ないことも多い。

  • リリーヤ・イヴァノヴァ・タネーチカ
    ミケル大佐のお目付役として、同志ロリヤによる共産党のイメージ改善と無能の一掃を兼ねて、
    無能な人格者や理想主義者を海外に派遣(事実上の左遷、追放)する政策に基づいて派遣されてきた政治将校。
    前述のメアリーとは親友であり、一方が苦境に立てばそっと見捨てるような上辺だけの薄っぺらい友情を築き上げている。

ミケル大佐曰く、政治将校の中では割りとマシな方らしいが、将校同士の会話に我が物顔で口を挟んだり、
クイーンズを話せるにもかかわらず自分に都合の悪い会話では通訳を通して母国語に逃げるなど、人間性も疑われる。

  • 存在X
    自称『神』。
    十戒とか言ってるのでどこぞのYHVH?っぽいのだが、同時に輪廻や涅槃による解脱とかにも言及している。
    70億に膨れ上った人類の管理が手に余ると漏らし、現代人が自分が定めた十戒を守らない事にストレスを溜めており、無神論者な主人公に理不尽にキレて転生させてしまった。
    うん、目を付けた奴が悪いというか、そもそも目の付け所がおかしいというか……
    しかもこの後も一家揃って敬虔な信者の願いを叶えた結果、思いもよらずメアリーに三重の加護をかける始末。

ターニャからはいつか殺すべき悪魔と認識されている。
まあこの世界を引っ掻き回して混乱を加速させる元凶なので、決して間違っちゃいない。
唯一神というよりむしろグノーシス主義のヤルダバオートぽいと云うか…

アニメ版では諸々の事情で原作小説やコミカライズ版のヒゲジジイは登場せず、周囲の一般人や傍にあった人形、ターニャが仕留めた敵兵の死体などの口を使って語り掛けてくる。
ヒゲジジイで現れるのよりも威厳があるとか大物臭いとか言ってはいけない。

【用語】

  • 魔導師
    魔法の適性を持つ人間。
    魔力をもって世界に干渉し、現象を発現させる。

演算宝珠と呼ばれる機器を使用する事で飛行や術式の展開を行う事が出来る。
一言でいえば、『萌えないストライクウイッチーズ?』。

帝国などでは軍事利用が行われており、制空権の確保や弾着観測などで活躍している。
高速で空を飛びかつ小回りがきき、防御膜である程度の銃撃に耐えるなど、
歩兵でありながら他兵種の特徴をいくつも兼ね備える便利さを持つ。
ターニャ曰く攻撃ヘリ。
攻撃はライフル弾に術式を封入して発射し、爆裂術式や光学系狙撃式などを用いるのが一般的。
他にも索敵、通信、魔導刃、幻術によるデコイ、酸素生成やガス生成など、汎用性が高い。

反面、中身はあくまで人間であり、歩兵には数で及ばず、砲兵には火力で劣り、装甲車には強度で劣り、
戦闘機には高度と速度で劣るなど、基本的に特化した兵種にはそれぞれの能力は及ばない。
最も適しているのは、遮蔽物が多く三次元戦闘に向く市街地戦。
まだ成立して日が浅い兵科であるため、国によって運用方法が大きく異なる。

その多方面で活躍できる性質からか、とりわけ帝国では女子供を問わず適性がある人間が狩り出されていたりする。
……その中でもターニャがズバ抜けて若いのは言うまでもない。

  • 第二〇三航空魔導大隊

全ては、勝利のために。

求む魔導師、至難の戦場、わずかな報酬、剣林弾雨の暗い日々、耐えざる危険、生還の保証なし。

生還の暁には名誉と賞賛を得る。

ターニャが提唱した、即応・即時展開が可能な航空魔導師による突破浸透襲撃理論実証のために編成された部隊。
本来は三個中隊の魔導大隊と比べ、四個中隊という増強大隊規模の戦力を保有する。
参謀本部直属の遊撃戦力「サラマンダー戦闘団」(レルゲン戦闘団)の一角として各地の戦場に飛ばされ、過酷な戦いを強いられていく。

自分が隊長にされるとは思っていなかったターニャとしては、入隊試験で全員落とすつもりで、
時間を稼ごうと古今東西の軍隊の訓練法を叩き込んだのだが、結果として精鋭部隊が誕生してしまった。*6
訓練の終了過程で複数状況が重なってハイになったターニャが海兵隊じみた訓示をしてしまった事もあって、部隊の士気と忠誠心は異様に高い。
結果的に、全軍から選抜されたウォーモンガー達が、合理主義の狂人に鍛えられ統率されている戦争狂'sという悪意が狂い咲きしたような大隊と化した。

中核部隊は特に損耗率を抑えるための努力がターニャによって図られており、
敵にとってはいくら叩いても大したダメージが与えられず、
逆に接触した部隊から甚大な被害を受けて食い破られる、到底相手にしたくない人外揃いとなっている。

  • 銀翼突撃章
    危機に陥った味方を救い上げた大天使の如き救い手に与えられる勲章。
    推薦資格からして通常の突撃章と異なり、この銀翼突撃章は上官の推薦によるものではなく、
    戦友に対する溢れんばかりの敬意をもって、救われた部隊の指揮官が一般には推薦する。
    公式規定でライフルと帽子が代理で授与される事が認められている…つまり、これを受けるような英雄は普通なら英雄的な最期を遂げている。
    主人公のモデルの一つであろう某戦車撃破王の宝剣付黄金柏葉騎士鉄十字章が元になっているのかもしれない。
  • エレニウム九五式
    エレニウム工廠で開発された新型の軍用演算宝珠。
    宝珠核を4つ搭載した4発構造によって非常識な出力を誇るが、
    当然消費魔力も4倍、更には核の同調は困難という安定性も信頼性も無い欠陥品。

存在Xの介入によって魔力変換固定化実験が成功した事でようやく完成したものの、
ターニャにしか扱えない上に、使用すると精神が汚染されて記憶障害を起こしてしまう呪いのような副作用があり、
本人の意思と関係なく存在Xを称える言葉やら、讃美歌やらを口走ってしまうなどますますヤバイ代物と化している。
ターニャが使った場合の出力だけは他の追随を許さないので、非常時には仕方なく使うこともあるが、
普段はもっと安定していて精神汚染もなく、他の魔導師にも扱える、下記のエレニウム九十七式が標準装備。
本来なら千年の未来を先取りしたオーバーテクノロジー。

  • エレニウム九七式
    正式名称は「エレニウム工廠製九七式『突撃機動』演算宝珠」。
    エレニウム九五式のグレードダウン版で、後世ではこっちの方がシューゲルの代表作とされている。
    九五式の四機同調に対してこちらはニ機同調で「比較的」扱いやすく、二〇三大隊の航空魔導師の標準装備。
    ターニャも普段はこちらを使っている。

グレードダウンとはいえ従来の物に比べ革新的で遥かに性能が高い。
ただ、古参兵ならばその性能を十全に引き出せるものの、
新兵、それも促成栽培されたような連中は術式の並行展開に失敗して墜落するだけであり、
生産に各種希少資源を使うためコスパもよくなく、難のある代物である事は変わらず。

  • V-1
    エレニウム工廠で開発された強行偵察用特殊追加加速装置。
    正式名称は「人力誘導式噴進弾」。
    例によってシューゲルが作り上げた碌でもない代物で、大量にブースターを積み込み、超高速で飛行できる特殊兵装。
    燃料の切れたものはパージしていくという火星まで飛んでいけそうな兵器。
    一言で言うならば人間ロケット、要するに魔導師用V○B?
    方向調整は進路を数ミリ調整できる程度。
    桜花のような特攻兵器というわけでもなく、普通に脱出はできる。
    さらにパージした部品は超加速で飛んでいく上に燃料と爆薬、焼夷剤を搭載しているため、直撃すれば凄まじい威力の砲弾にもなる。
    早い話が質量兵器。
    部品と一緒に搭乗魔導師を射出することで、混乱した敵戦線後方への部隊投入を可能とするが、
    乗せられる側はHALO降下の上に敵陣のど真ん中に降り立つことになる。
  • V-2
    エレニウム工廠で開発された人間魚雷。
    正式名称は『海中汎用加速装置』
    ドクトル曰く、「どの道を歩こうと、聖地にたどり着く。丘の上の理想を仰ぎ見るための旅路」を再現するべく、最高の誘導性能をつけた「完璧に信心深い誘導魚雷」とのこと。
    元々は、技術研究開発のヒアリングに現場の人間として招かれた際に、帝国軍にまともな雷撃隊が存在しないと知った主人公が、対艦攻撃の手段として現実世界においての回天やハイマートを元に提案したもの。
    それを踏まえてドクトルも、2人の子供のようなもの、「私が産み、貴官(主人公)が種を撒いた」と発言している。
    一応脱出が可能なハイマートよりで、脱出した魔導師はそのまま対艦攻撃に加わる手筈となっている(そうだとしても一生乗りたくない代物には変わりないが)。
  • アンドリュー・レポート
    幕間で描かれるWorld Today's News社のベテラン記者アンドリューの調査録。
    終戦から40年ほど経ったころ、世界大戦に従軍記者としてかかわったアンドリューは巷間の世界大戦観に疑問を持ち、
    プロパガンダ色のない、「敗戦した側の真実」を求めて調査を始めた。
    機密解除された当時の国家資料から、世界大戦の主要な戦場に必ず出現する「XXXXXXXXXXX」という11字の伏字を“11番目の女神”と仮称、謎の部隊番号“V600”と合わせて追いかけていく。

【国家】

基本的な軍事水準は史実の第二次世界大戦レベル+魔導技術だが、
「第一次」にあたる世界大戦はこの戦争が初めてであり、
要する国力と人員、死者数の大きさは、各国とも経験したことのない莫大な量を投入する羽目になっている。

  • 帝国
    新興の軍事国家。ライヒとも呼ばれる(ドイツ語で「ライヒ」は帝国を意味する)。
    大陸の中央にあり、周囲は別の国とばかり接している。
    突出した軍事力を持つ為に周辺国からは潜在的脅威と見なされていた。
    周辺国ほぼ全てから敵視されることでバランスが取れていたが、包囲網の一角たる協商連合が倒れた事で世界大戦に巻き込まれていく。

元々軍備は敵の侵攻を退けることに主眼を置いた内線戦略を取っており、
複数の戦線を相手しても耐えられるほど強大だが、拡大した戦線の維持と長引く戦争で徐々に疲弊していく。
一方でシステムとしては完璧のようで、物資と人員が続く限りは正確無比な戦争機械として振る舞える。
完全に内線戦略に特化しすぎたせいで外征が全く考慮されておらず、ろくな侵攻計画がないまま各国と開戦、
無茶な戦略を、戦術的勝利を積み重ねて綱渡り的になんとか維持・対処している。

史実におけるド●ツ帝国だが、この世界においては第一次世界大戦時と第二次世界大戦時が入り混じったような政情になっており、少し事情が異なる様子。

なおアンドリュー・レポートにて大戦には負けたことが明かされている。この辺も史実通り。

  • レガドニア協商連合
    帝国の北にある国家。列強だが、国力では主要国から大きく引き離されており、対帝国でも全軍を持って帝国の北方方面軍と何とか渡り合える程度でしかない。
    軍事力は完全に劣っているにもかかわらず、ナショナリズムの暴走で帝国に勝てるわけもない戦争を吹っかけてしまい、泥沼の大戦の引き金となる。
    戦線はノルデン。共和国の参戦や連合王国の支援、寒冷地である地形を利用して粘っていたが、オース・フィヨルドの陥落で補給線を絶たれて戦線が崩壊。
    2巻時点で首都を含む全域が占領され、事実上降伏。以後帝国の占領統治下で解放の時を待っている。
  • フランソワ共和国
    帝国から西にある国家。
    協商連合の劣勢により帝国の拡大を警戒して宣戦布告。しかし、単独の国力では帝国に劣っているが、一進一退の泥沼の様な戦場が繰り広げられた。
    しかし、帝国側の大胆かつ緻密な引込作戦に引っ掛かり、右翼主力部隊の多くを地下に設置した爆薬で吹き飛ばされ、残された主力部隊も包囲殲滅され壊滅。
    そのまま帝国に首都パリースイィを落とされるが、残党勢力が植民地に亡命政権を樹立し、連合王国の支援の下で戦い続けている。
    史実におけるフラ●ス。
    戦線はライン。銃弾砲撃の雨の中、塹壕で耐え凌ぎながら多数の兵士が命を落とす、最も過酷な最前線。
    3巻時点で降伏。これが「帝国の最良の時」と後世に言われる。
  • アルビオン連合王国
    帝国より北西の国。
    情報戦に長けた紳士という名の外道の国。
    やはりというか食事は不味く、紅茶をこよなく愛する。

表向きは中立だが、反帝国の立場を明確化しており、協商連合と共和国への支援で参戦国を共倒れさせようとしていた。
島国な上に強大な海軍を持つ事から帝国の進攻を防いでいる。
海峡を挟んで制海権を確保されているため、帝国からは非常に攻めづらい。
ただ、連合王国側としても陸軍はそこまで精強ではなく、ひとたび上陸されれば非常に脆弱。
まあ上陸されないためのロイヤル・ネイヴィーでもあるのだが。

「ウルトラ」というコードネームで呼ばれる非常に重要な情報源から帝国に関する機密情報を得ている。
その正体は暗号解読機で丸裸にされた帝国のあらゆる暗号通信であり、その存在を帝国軍が疑うことすら避けねばならないほどの存在らしい。

史実におけるイギ●ス。

  • ダキア大公国
    協商連合に呼応して帝国に宣戦布告した国家。帝国領ダキアを巡る領土問題を帝国と抱えており、多数の戦線を抱え込んだ帝国の後背を付く形で宣戦。
    60万という額面だけなら巨大な兵力を誇るが、その実態は航空戦力は無く、対空兵装もお粗末、兵士は兵農混成という中世の様な構成であり、軍事力は最低クラス。
    そもそも近代戦すら理解できているのか疑問が残るという時代遅れな国家であり、本来は帝国とは比べる事すらできない程の小国。
    結果、隊列更新や対騎兵の方陣を組むなど時代錯誤な行動を取ってしまい、先方の三個師団を一個大隊に壊滅させられた挙句、「帝国第七航空艦隊の爆撃と南方軍7万による60万の蹂躙戦」の末首都に侵攻され、わずか6週間で敗北した。
    史実におけるル●マニア。
    このやられっぷりからするに、第一次大戦でのルー●ニア戦線のトランシル●ァニアの戦い(44万で攻めて、25万の兵と領土の3分の2を失った戦い)が元ネタか。
  • イルドア王国
    帝国の南にある国。情勢的には中立国で、帝国とはある程度友好関係にある。
    ただ、やはりというか、帝国は考慮することすら拒否しているが、帝国との間に未回収の領土問題を抱えていたりする。

兵力も郷土軍に近く戦力としてはあまり評価されないが、
中立国として戦火が及ばないために国力を維持し続けていることと、所持する戦艦の完成度だけは本物。練度を考慮に入れなければ。
航空部隊はそれなりに高い練度を誇る。
装備体系は混乱しており、各国からの輸入品が混在しているが、それは同時に各国との深い関係を示唆している。

ダキアと違って自分たちの軍隊が張り子の虎であると熟知しており、理解してなお帝国南方への牽制を行い、
一定の戦力を貼り付けさせて遊兵とすることができる狡猾さを持ち合わせている。
財政基盤が少々脆弱で、そのせいで帝国と連合軍に二股をかけざるをえない状況にある。
しかし帝国と開戦する国が増えていく中、数少ない帝国との中立国として、帝国からも連合国からも一目置かれる存在となり、
かつ大戦への直接参戦は最終局面まで巻き込まれないよう、外交努力に全力を注いでいる。

史実におけるイ●リア。

  • ルーシー連邦
    帝国から東にある共産主義の超大国。
    帝国最大の仮想敵国の一つであり、協商連合や共和国と開戦しても対連邦の兵員は配置転換が行われないほど。
    コミーの巣窟として、ターニャはこの国を最も敵視している。
    また、連邦東側では秋津洲皇国(史実における大●本帝国)との国境紛争を抱えている。

広大な国土を持ち、質では劣るものの圧倒的な物量による戦いを得意とする、粗雑ながら巨大な暴力機械。
また冬季の寒さも厳しく、雪が降ろうものなら戦争なんてやってられない。
兵士は畑で採れるとも言われており、いくら損害を与えようともなかなか動じることはない。
それ故莫大な戦略予備があり、親衛隊から平然と四個師団が抽出されてきたり、
本格動員前にもかかわらず帝国方面のみに百七十五師団の兵力を即時投入するなど、物量は常識はずれの域に達している。
魔導師は旧体制に味方していた関係でまとめてラーゲリ送りにされており、その結果軍に魔導師が非常に少なかったが、
青春に情熱をかける同志ロリヤの「階級の敵同士を争わせる」というギリギリの提案により、それなりの数の魔導師が解放されている。

連邦から帝国に宣戦布告、それを察知していた帝国がうっかりターニャに行動を許した結果、
首都モスコーでやりたい放題され、退くに退けなくなってしまった。

帝国を倒すという共通目的のために、他の連合国とも協調体制をとってはいるが、
共産主義者として信頼は皆無であり、連邦の側も受け入れる人員を限った上に検閲を敷いている。

史実におけるソビ●ト連邦。

  • 合州国
    西の海の向こう側にある民主主義の合衆こk……超大国。
    非常に強大な国力を有しており、作中では「かの国」と呼ばれることが多い。
    合州国の参戦は帝国にとって破滅を意味する。

建前は中立ということになっているのだが、「トラクター」や「精密時計」などの「工業製品」を連合王国などに輸出している。
帝国も察知してはいるのだが、船を拿捕や撃沈すれば合州国の国民感情が悪化し、
参戦に至りかねないので下手に手を出すわけにもいかず、非常に悩ましい問題となっている。

史実におけるア●リカ合衆国。






常に彼を導き、常に彼を見捨てず、常に道なき道を往き、常に屈さず、常にwikiにある。
全ては、冥殿のために。

求むwiki籠り、至難の執筆、わずかな報酬、編集合戦の暗い日々、耐えざる荒らし、生還の保証なし。
生還の暁には追記と修正を得る。



△ページトップ
項目編集


この項目が面白かったなら……ポチッと 0 

コメント欄

▷ 表示する

}}}


*1 ちなみにどの巻もいわゆる単行本サイズのB6版でページ数400越えている。
*2 辻政信。大日本帝国陸軍で参謀を務めていた男。かつては「作戦の神様」と称えられたが、極度の精神論者だったうえに上層部に無断で作戦を強行して被害を広げたとして、現在では悪名の方が名高い。要するに無能
*3 牟田口廉也。大日本帝国陸軍の司令官。作戦中に状況が変わり達成が不可能になったのを知りながら、失敗の責任を取りたくないがあまりに強行して軍を進めた結果、大損害を出した男。こいつも無能
*4 「コミュニスト」の略称。社会主義を支持する者を総称した呼び名である。社会主義については説明すると長くなるので割愛。こいつらも無能……なのだろうか?
*5 アニメ版はまだマッドぶりが残っているが、漫画版では完全に別人状態
*6 上記の文章は募集広告の文言であり、ターニャの意図するところは『常に最前線/撤退時は最後に後退/死中に活あり/降伏は認めず/常在戦場/報酬はわずか/油断すれば即死/生還しても報酬は出ない』というブラックまっしぐらの求人広告だったのだが、志の高い帝国軍人の琴線に触れてしまいものすごい数の募集が集まった