エンジンオイル

Last-modified: 2023-08-04 (金) 08:54:33

エンジンオイル

エンジンオイルとは自動車にとって多くの役割を果たす重要な存在です。

潤滑

毎分数千回転以上を保ち続けるエンジン内部では、シリンダー内を上下するピストン、それに合わせた回転をしているカムシャフトなど、例を上げたらキリがないほどの金属同士による摩擦がおこっている。
 
金属同士の摩擦で熱が生じてしまうので、摩擦を軽減するためにエンジンオイルが潤滑油としてエンジン各部に使われている。

冷却

金属同士の摩擦によって生まれた熱は冷却水 ( LLC ) だけでは細かいところまで届かないなどの障害があるため、エンジンオイルを使って冷却も行っている。
 
特に、過給器 ( ターボチャージャー ) 付きエンジンの場合、タービンを回すのに排気ガスを利用しているなどの点から高温になりやすいが、その冷却は外気とエンジンオイルによって行われている。
そのため高速走行後すぐにエンジンを止めると、冷却目的のエンジンオイルが潤滑しないため『焼き付き』現象が起こってしまう。
焼き付きを防ぐために『アフターアイドル』30 秒 ~ 1 分程度のアイドリングが必要となってくる。
 
また、冷却水を使用せずにエンジンオイルのみで冷却を行う『油冷式エンジン』も存在するが、自動車の場合、冷却効率が悪いため減少傾向である。
油冷式エンジンには必ずといっていいほど『オイルクーラー』が装備されているが、最近では水冷式エンジンであってもスポーツ走行をするためアフターパーツとしてオイルクーラーを取り付けている車も多い。

気密保持

エンジンオイルのよる金属同士の潤滑には気密保持の役割も担っている。
エンジン各部で圧送・圧縮が頻繁に行われているが、エンジンオイルによってできた『膜』により、圧力が隙間から抜けることがなく気密保持を行っている。

潤滑作用

金属同士の摩擦による鉄粉、カーボン・スラッジなどをエンジンオイルによって洗浄し、オイルパン、オイルフィルターによって除去される。

防腐・防錆

長期間鉄を放置すると鉄が錆びてくるように、車も鉄の固まりであって長期間放置していると錆が生じる。
 
エンジン内部はエンジンオイルの防腐・防錆効果によって多少の期間であれば錆びずに、普段どおりの始動ができるようになっている。
それでもいきなりエンジンを始動せずにスターターの低回転でエンジンを回転させるなどの配慮が必要とはなってくる。