FJ20は日産が80年代に製造していた直4エンジン。鉄仮面で有名なR30型スカイラインの2000RS(DR30)に積まれていたエンジンが元祖。(一文字間違えると富士重工業が30年も生産してる変態ボクサーエンジンになるので注意)
共通スペック
排気量:1,990cc 内径×行程:89.0mm×80.0mm バルブ:DOHCのみで1気筒辺り4バルブ
NA仕様
FJ20E 最高出力:150PS/6000rpm 最大トルク:18.5kgm/4800rpm 圧縮比:9.1 概要:"E"はインジェクション。前述のR30型スカイラインの他にS110及びS12型のシルビア・ガゼールの前期型に搭載されていた(S12は後期型にマイナーチェンジした際にFJを捨てCAに一本化した)
ターボ仕様
ターボ仕様はインタークーラー付きと無しに分かれている。また、(エンジンルームのスペース的な意味で)サージタンクのサイズがシルビア・ガゼールとスカイラインではサイズが異なる。リトラクタブルライトを採用している関係でエンジンルームが狭いシルビア/ガゼールはサージタンクのサイズが小さい。カムカバーもボディに合わせている関係でスカイライン用は流用できない。また、オイルフィラーキャップもスカイライン用とは違いフラットになっている。搭載車両の関係による変更だが、エンジンフィーリングはスカイラインより過激になっている(これは60年代~80年代の日産車特有のもので、旧プリンス系エンジンと日産系シャシーの愛称の悪さの例の一つに過ぎない)
FJ20ET(インタークーラー無) 最高出力:190PS/6400rpm 最大トルク:23.0kgm/4800rpm 圧縮比:8.0 概要:DR30及びS12の前期型
FJ20ET(インタークーラー付) 最高出力:205PS/6400rpm 最大トルク:25.0kgm/4400rpm 概要:DR30後期型
生産について
通常のエンジンとは異なり人間の手で精巧に作られている。(2018年現在で云うVRエンジンに近い)熟練工によるハンドメイドで製造公差によっていくつかのグループに分けられていた。エンジンとしては高精度だが、その関係で高コスト化がネックになってしまった
何故DETではなくてETなのか
車両型式及びエンジン型式の見直しをしている時期だったためである
アフターパーツや代替え部品など
かつてはOS技研がFJ20Eを2.4l化するキットを出していたり、90年代後半の初め頃までnismoがFJ24用のオーバーホールキットを生産していたが、現在はどちらも供給が終わっている。また、NA、ターボ共に経年劣化による制御系の電子部品の老朽化やカプラー樹脂が寿命を迎えてしまっている。FJエンジンを専門とするショップがP10プリメーラ及びN14パルサーのSR用ECUのコンバージョンキットを出している他、日本国内及びアメリカやオーストラリアで市販されているHaltecやMOTEC等のフルコンに変えるという選択肢もある