なかよし しまいの いもうとの はなし

Last-modified: 2022-04-20 (水) 21:53:23

なかよしな しまいが いました。
ふたりとも おはなが だいすき でした。
「ねぇ、こんど あの おか に めずらしい おはなを さがしに いかない?」
いもうとが、さそいました。


「いいわよ」
おねえさんは こころよく へんじを しました。

その おでかけ とうじつの あさ。
ひが のぼって きたころ、おねえさんは いもうと を おこしました。
「おきて、きょうは おでかけの ひ よ。」
「ぅーん。」

おねえさんが ももいろの かーてんを あけると、きれいな そらが みえました。やわらかい ひざしも はいってきました。
「ああ、きょうは いい てんき。 ぜっこうの おでかけ びより ねぇ。」
「…うん。」
そうして、とうとう おでかけ と なりました。
こむぎいろの ちいさな かご を もって、しゅっぱつです。

ふたりは、どんどん すすんで いきます。
そうすると きもちの よい かぜの ふく おかの ちょうじょうに きました。
おねえさんは ちいさな かごから はむ と たまご の さんどうぃっちを とりだしました。
それは、おねえさんが はやおきを して つくった ものでした。
それは、いもうとの だいこうぶつでも ありました。
「あ、おねえさん、それ…。」
「うふふ、いっしょに たべましょう。」
「うん!」
さて、あいじょう たっぷりの さんどうぃっちを たべたら、 おはな さがしの じかんです。

「どこかなぁ」
そこには いろとりどりの はなが さいていましたので、 とっておきの いちりんを さがすのも ひとくろう ですが、
いもうとが すみから すみまで さがすと…
ほかの ものとは くらべものに ならない くらい、かわいらしい ももいろの はなが さいているのをみつけました。

しかし、その はな に、 ちかづいて しまったのが まちがいでした。
いもうとが その はなびらに ふれると、たちまち おしべは しょくしゅに かわり、いもうとを おそったのです。
「あぶないっっっ!」
おねえさんは、ひっしに かばいました。
その おかげで、おねえさんは そのばに たおれこんで しまいました。

いもうとは わけがわからず なきました。
さいわいな ことに そこは おかの ふもとだったので、 そのこえを きいた かんごしさんが やって きました。
そして、おねえさんと いもうとを、 ゆっくり はこびました。

おねえさんは ずっと ねむったままです。
それをみた いもうとは、ないて、ないて、ないて、なきつづけて、くたくたに なりました。
かんごしさんは こえを かけます。
「あのね。 どうか、なきやんで。いまから、だいじな おはなしを します。
あなたの おねえさんは ざんねんながら… このままでは なおらないわ。」
いもうとは しょっく を うけて、つぶやきます。
「わたしのせいだ…。」
「でも、まったく て が ない、 という わけでは ないの。 もりのおくに すんでいる れんきんじゅつし だけは、どんな やまいも なおす やくそうの てがかりを しっているの。」

それを きいて しまっては、 いもうとは じっと しては いられません。くたくただった からだに、みるみる ちからが みなぎって きます。
すこし おぎょうぎ わるく、 くつの かかとを ふんだまま かけだします。
くらい もりの おくへと、どんどん、どんどん、すすんで いきます。
そして、そこに ぼろく ちいさな こやを みつけました。
「ごめんください。」
いもうとは のっくを して、はいって いきました。

「いらっしゃい。」
なかから れんきんじゅつしが でてきます。
「ねぇ、れんきんじゅつしさん。なんでも なおす やくそうの ありかを ごぞんじかしら。」
「しって いるとも いえるし、しって いないとも いえるね。」

「どういうことなの。」
あいまい すぎる れんきんじゅつしの こたえに、いもうとは くびを かしげます。
「その やくそうは まだ そんざい しない けれど、つくることが できる。そして、それは あんたの かんがえかた しだいだよ。」

「ほんとう? わたし、なんでも するわ。 どうやって つくるの?」

「それなりの たいかを はらって。」

「どういう いみか わかるだろう?」

いもうとは、かくごを きめて、いいました。
「…わかったわ。わたしを、やくそうの はたけに してください。」
れんきんじゅつしは、おどろいた ようす。
「ほんとうかい。じつは、この やくそうを もとめに きたひとは なんにんか いたのだけど、みんな あきらめたのさ。」
「かまいません。まず、わたしは おねえさんの ことが だいすき なので、おねえさんに げんきで いて ほしいと おもいます。おねえさんは、わたしに さんどうぃっちを つくるために はやおきをしたのです。 そして、おねえさんは わたしの せいで びょうきに なったのです。 そんな じこぎせい こそ すばらしい という かんがえ かたは、おかしいと おもいます。はなはだ、うんざりです。ここに やくそうの はたけ があれば、 みんな そんな ばかばかしいことを しなくても いいと、きづくはずなのです。だって、とかげの しっぽに ほうたいは まかない でしょう。」

「わかった。なかなか きょうみ ぶかい かんがえ かた じゃあないか。きにいったよ。おれいと いっちゃあ なんだが、さいごに、しつもんは あるかい。」
「その やくそうは、なにいろの はなを さかせるのですか。」
「うすい、むらさきいろさ…。じゃあ、さようなら。」
そうして いもうとは ひかりに つつまれ、やくそうの はたけに なりました。

そして、すうじつご。
あるところに きれいな むらさき いろの はなが ならんで さいて いました。
だれか、ひとが きて、なにか つぶやき、ないて いましたが、はなには かんけいの ない ことです。
よこに かんばんが たてて あることも、はなには かんけいの ないことです。

これは じこぎせいの じこぎせいに よる じこぎせいの ための やくそうばたけ。このはなは、じこぎせいにより たんじょうした やくそうの はなです。 みなさん、じこぎせいは すばらしい かんがえかたです。たいせつに しましょう。

コメント欄

  • 悲しいし酷い話で逆に清々しいwww -- りんまり。 2021-07-11 (日) 20:37:58
  • www  -- ときさめ 2021-07-11 (日) 20:44:50
  • 3とつながっているのですね。考えさせられるお話です。 -- 総拙横好? 2021-07-12 (月) 21:45:26
  • >>総拙横好 様
    ありがとうございます! -- ときさめ 2021-07-12 (月) 21:47:37

閲覧者数

今日?
昨日?
合計?