２　いいところさがし

おはなし

ここは、とある　しょうがっこうです。
でも、あまり　みんななかよしなわけでは　ないみたいです。
「やーい　やーい。このちびめー」
「とびばこ　３だんしか　とべないくせに。おれなんて　６だん　とべるもんね」
「だいたい、ひろしって　うざいんだよ。ちびで　うんどうもできないのに、べんきょうばっかりしてる」
おとこのこたちが、ひろしさんの　わるぐちをいっています。
「はるかって　きもいのよ。いつも　ほんばっかりよんで、わたしたちといっしょに　あそぼうとしないのよ」
「このまえだって　わたしがおこったら　はるかがなきだして、わたしはわるくないのに　おこられちゃったじゃない」
おんなのこたちは、はるかさんの　わるぐちをいっています。
クラスのくうきは、なんとなく　どよん。
ひとり、みんなといっしょにわるぐちをいわずに　すみっこで　なにかいいたそうに　しているこがいるようです。
でも、みんな　そのこのことなんて　きにもかけません。
「さあ、きょうは　クラスのはんせいかいですよ」
せんせいが、はんせいかいをはじめました。
だれもてをあげません。
しかしそこで、ひとり、てをあげました。
さっきすみっこにいた、こうきさんです。
「さいきん、クラスで　ひとのわるぐちをいうことが　はやっているみたいですが、ぼくは　よくないとおもいます」
みんなが、こうきさんのほうを　むきました。
「そうやって、ひとの　わるいところばかりさがすのは、さいていです。それよりぼくは、いいところさがしを　したほうがいいとおもいます」
「いいところさがし？」
みんなが　いっせいにいいました。
「ひとの　にがてにしているところを　みとめあい、いいところを　みつけあうことです。みんなでそれをやれば、クラスが　あかるくなるはずです」
みんなが、はくしゅをしました。
ひろしさんとはるかさんも、はくしゅをしています。
　
つぎのひ。
キーンコーンカーンコーン
「おーい、ひろし！きょう、べんきょう　おしえてくれよ。そのかわり、ほうかご　とびばこをおしえるからさ」
「ありがとう。よし、やろう！」
「はるかー！わたしたちに　おすすめのほんを　おしえてよ。たまには、ほんをよんでみるのも　いいかな、なんて」
「わたしも、こんど　みんなとなわとびをしてみたいわ」
クラスのくうきも、あかるくなっています。
みんなのかおも、あかるくなって　いるようでした。
　
おしまい