操縦ミス①

Last-modified: 2022-04-24 (日) 17:14:18
nolinkやあ水君。今日は操縦ミスの代表的な事故を見ていこうか
nolinkめんど。
nolink氏ね。まずは、エールフランス447便墜落事故。
water-kun.pngエールフランス?
nolinkエールフランスはフランスの航空会社だよ。
エールフランスの説明

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1933年に設立された、フランスのフラッグキャリア*1
かつて国営企業であった。
保有機材数は223機。

water-kun.pngへー、有名な会社なんだ。
nolinkうん。それで、この事故が発生したのは2009年6月1日。ブラジルのアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港を出発して、フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港へと向う16時間のフライトだったんだ。
nolink機長はマーク・デュボア、58歳。副操縦士はピエール・セドリック・ボナン、32歳。交代副操縦士*2はデイビット・ロベール、37歳。
water-kun.png経験豊富そうだね。
nolinkうん。機長はかなり経験豊富だよ。
nolinkで、事が起きたのは巡航中。ボナン副操縦士とロベール抗体副操縦士がコックピットに居る時*3、機体のピトー管に着氷したんだ。
water-kun.pngぴとーかん?
nolinkピトー管は、(対気)速度を図るための装置だよ。

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エアバスA380のピトー管。
David Monniaux - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2293582による

nolink大雑把に説明すると、この管の中に入った空気の圧の差で計測する装置だよ*4
nolinkここに氷が入ってしまうと、空気が入らないので速度がわかんなくなってしまうんだ。
nolinkそれは大変だね。でもそれだけでは墜落しないでしょ?
nolinkうん。これは一因に過ぎない。
nolinkそうなんだ。
nolinkそうだね。速度がわかんなくなったので、自動操縦が解除された。
nolinkそこで操縦を担当したのはボナン副操縦士。
nolinkさてここで、ボナン副操縦士は不可解な行動をとった。
nolink何したの?
nolink機首を上げた。
nolinkなんで?
nolinkさあ。事故調査で二人が混乱していた事がわかっているから、なんとかして高度をあげようと思ったのかも知れない。
nolinkそれで、彼はどんどん機首を上げていったので失速しだした*5
nolink失速?
nolink失速とはなにか、下に説明を置くよ

失速とは、翼の表面の空気が剥離することです。
これだとよくわからないと思いますので、順を追って説明します。
まず、飛んでる間、翼の表面には一定の空気の流れがあります。
翼の迎え角が大きくなると、段々その翼面上を通る空気の量が少なくなります。
そして境界層剥離という現象*6)が起き、翼上面に沿って空気が流れなくなってしまいます。
これが失速です。
失速が起きると、揚力不足になり、速度が急激に低下し、大体の場合急速な降下を招きます。
回復操作は一般的に機首を下げ、エンジン出力を上げて空気の流れを正常に戻す操作です。

nolink失速については分かったかな。さて、この後普通なら機首を下げ、エンジン出力を上げるべきだよね。
nolinkうん。もちろん。
nolinkところが、彼は機首を上げたんだ
nolinkファッ!?
nolinkでも何で?
nolink事故調査で、彼は生存本能に従って上昇しようとしてしまったのではないかとされている。
nolinkあれ?そういえば交代副操縦士は?
nolinkロベール交代副操縦士は、速度が全然回復しないので操縦の交代を宣言して、今度は正しい機首下げを行った。
nolinkあれ?じゃあちゃんと回復できるじゃん。
nolinkところが、操縦交代がうまく伝わっておらず、ボナン副操縦士は操縦桿から手を離さなかった。
nolinkえぇ...
nolinkおっと、ここでエアバスA330の仕様を説明しないとね。
nolinkA330はクルーの自殺行為などの防止のために、機長席と副操縦士席両方の操縦桿を同時に操作できるよう設計されていた。
nolink事故時、副操縦士は機首上げ操作、交代副操縦士は機首下げ操作を同時に行っていた。
nolinkなんとそのせいで操作が±0になってしまったんだ。
nolinkOh...
nolink一応二人同時に操縦していることを知らせる警報はあったんだけど、失速警報でかき消されちゃった。
nolinkすごいなぁ...
nolinkその頃に、ロベールが呼び戻したデュボア機長が戻ってきた。
nolinkまさか二人共、副操縦士が操縦桿を引いてるとは思わない。
nolinkそりゃそうだ。
nolinkかなり地面が近づいてきて、ロベールが「上昇しろ」と叫んだところで、ボナンがさっきからずっと操縦桿を引いている」と返答した。
nolinkやっと分かったんだね。
nolink機長が操縦桿から手を放すよう言い、やっと機首が下がり始めたけどもう手遅れで、大西洋状に墜落してしまった。
nolink最後の言葉は、副操縦士の「しかし何が起こったんだ?」だよ。
nolink...なかなか酷いね。
nolinkこの事故は、最新鋭の旅客機でもこのようなヒューマンエラーが起きることを示したよ。
nolink最新の航空機だから必ずしも安全ってわけじゃないんだね。
nolinkそうだね。報告書では、エールフランスでの訓練の強化などを求めているよ。
nolinkおっと、用事(ry

ガチャ
...やべえ事故だったな


エールフランス447便墜落事故
メーデー!:航空機事故の真実と真相 第10シーズン第13話「AIR FRANCE 447:VANISHED」
最終事故調査報告書完全版(英語)

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*1 その国を代表する航空会社のこと。
*2 長時間のフライトでは交代要員として交代副操縦士や交代機長が通例居る。
*3 デュボア機長は休憩中だった
*4 めちゃくそ大雑把なので、間違えてるかもです
*5 同時に彼はエンジン出力も上げたので、余計機首上げが強まった
*6 この現象は説明が難しいので自分で調べてね!!(丸投げ