タンポポ一家言

Last-modified: 2022-04-21 (木) 18:56:36

幼子がまっさきに覚える植物名を言えばタンポポ(キク科タンポポ属)であろう。近年個体数こそ減らしつつあるが、タンポポは空き地やアスファルトの隙間など色々な場所に根を張り、花を咲かせる。
しかし今や、繁殖しておるのはほとんどが外来種であるということは多くの人々が知らぬ。
元来日本にあった種はカントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst.)という品種で、雑草としてはもちろん、徳川時代末期には観賞用植物としても知られていた。また、若葉を山菜として、根を利尿薬に用いてもおった。
しかし、明治頃からセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.)という品種が欧米から偶発的に入ってくると、次第にカントウタンポポは駆逐され、現在はセイヨウタンポポが我が物顔で日本中に根を下ろし、先住民のカントウタンポポを追いやっている。
いずれも葉は根生してロゼット状をなし、さまざまな形に羽裂する。切ると乳液が出る。4~5月、中空の花茎の先に径3.5~5センチメートルと大きな黄色の頭花を1個つける。頭花は舌状花のみからなり、朝開き夕方閉じる。では、両者を見分けるポイントは何か?
総苞片である。
カントウタンポポの場合、総包は線形の内総包片と卵形から線状披針形の外総包片からなり、外総包片は普通圧着するが、セイヨウタンポポでは反りかえる。参考までに、我が国で繁殖するタンポポの図版を下に掲載する。
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