草木一家言/チューリップ一家言

Last-modified: 2022-04-21 (木) 18:57:10

春の花壇を賑わせてくれるチューリップ(Tulipa.sp)!ユリ科チューリップ属の多年草で、日本への渡来は以外にも早く、徳川時代末期の頃であるという。私の愛読書である「本草図譜」にも&(うっこんこう){鬱金香};の名称で登場する。我が国での本格的な栽培は大正になってから商業的栽培が開始されたのがきっかけであるという。
花は杯状で、普通は1個を頂生するが、2~3個枝先につけるものもある。花弁は6枚で一重咲き、八重咲きが一般的であるが、花弁が細かく切れ込むフリンジ咲き、花弁全体がよじれて狂い咲きになるパロット咲きもある。花色は豊富で、花弁に斑点が入るものや、花弁の縁が異色となる覆輪のものも多い。
チューリップといえば、ある歴史的出来事を引き起こした植物でもある。
ヨーロッパ最大の金融市場であったオランダのアムステルダムを中心に,1634~37年にチューリップ取引ブームによる投機の過熱によって恐慌が発生した。これをチューリップ恐慌と呼ぶ。
その球根は赤色地に白い斑点の入る花を咲かせる品種という触れ込みであったが、実際は球根がモザイク病にかかっていたせいでそのようになっていたと判明している。
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