はいからさんが通る

Last-modified: 2008-09-22 (月) 18:09:01

はいからさんが通る/大和 和紀

はいからさんが通る 1/2[sage] 投稿日:2005/03/26(土) 20:04:14 ID:???
時は大正、主人公の花村紅緒(ハナムラ ベニオ)は、自立した婦人を目指す「はいからさん」な少女。
そんな彼女に縁談が舞い込む。華族 伊集院家の一人息子、伊集院忍(イジュウイン シノブ)少尉。
相手は美形ではあるが、親の決めた縁談に従わされるというのが気に食わない。
一度は逃げ出そうとした紅緒だが、紆余曲折の末に行儀見習いとして伊集院家に住むことになる。
ならば、向こうから断りたくなるようなじゃじゃ馬を演じてやる、と伊集院家で大騒ぎを起こす紅緒。
だが忍は、堅すぎる伊集院家の家風を覆してくれる存在として紅緒を受け入れ、
やがて紅緒も忍に魅かれ始める。
ところが、ある日酒場で酔って暴れた紅緒は、忍の上官の恨みを買ってしまった。
時はまさに第一次世界大戦、忍の所属部隊は上官の作為によってシベリアに送られ、消息を絶つ。
自分の忍に対する気持ちを自覚した紅緒は、まだ結婚していなかったにもかかわらず、
伊集院家に留まる決意をする。


世の中は移り変わり、後継ぎを失った伊集院家の家計も傾き始める。
元よりじっとしていられる性分でない紅緒は勤め口を求めて、小さな出版社「冗談社」の門を叩く。
編集長の青江冬星(アオエ トウセイ)は女嫌いで有名だったが女性離れした紅緒の行動力を面白がり、
彼女を社員として採用することに。女記者として奔走する紅緒。
取材で満州を訪れた際に、元日本軍の兵士で忍の部下だったという馬賊の頭目、
鬼島森吾(オニジマ シンゴ)に会うが彼の口から聞いた話では、やはり忍の生存は絶望的だった。
そんな折、ロシアからの亡命貴族サーシャ=ミハイロフ侯爵が、妻ラリサと共に来日するが、
その侯爵は忍にそっくり。
まさか忍が生きていたのでは、と探りを入れるが、実は忍とサーシャが異父兄弟だったという事実が発覚。
それなら顔がそっくりなのも道理、やはり忍が生きているわけはないと紅緒は落ち込む。
…ところが、紅緒に合って以来、サーシャは奇妙な記憶の混乱に悩まされる。紅緒のことが忘れられず
また、日本語の歌や日本の風景を唐突に思い出したりするのだ。



16 名前:はいからさんが通る 2/2[sage] 投稿日:2005/03/26(土) 20:05:09 ID:???
やがて真相が明らかになる。サーシャの正体は、奇跡的に生き延びていた忍だった。
本物のサーシャはロシア革命の中で死に、ひとり逃げ延びた妻のラリサは偶然に、記憶を失った忍と出会う。
愛する夫の面影を忍に見たラリサは、自分とサーシャの思い出を忍に吹き込み、
彼をサーシャに仕立てていたのだ。
記憶を取り戻した忍は、紅緒が思想犯の疑いを掛けられて投獄された事件をきっかけにして
サーシャではなく忍として紅緒の前に立つ。だが、よりを戻すには二人の間に流れた時間は大きすぎた。
重い病を患っているラリサが、忍=サーシャを支えとして必要としているのだと知った紅緒は
忍の前から去り、伊集院家を引き払って実家の花村家に帰っていく。
そんな紅緒の苦境に手を差し伸べたのは、彼女の上司でもある冬星。やがて、二人の結婚話が持ち上がる。
大正12年9月1日、紅緒と冬星の結婚式。だが、式の最中に突如として地震が起こった。…関東大震災である。
式場は壊滅し、紅緒と冬星ははぐれてしまう。一方、伊集院家では、忍をかばったラリサが命を落とす。
自分が忍と紅緒の間で邪魔になっていると考えていたラリサは死ぬ間際に、
自分にかまわず紅緒の元に行けと遺言。
倒壊家屋と火災で大混乱の東京を走破し、ついに忍は紅緒の元にたどり着いた。
紅緒の気持ちが、未だ忍の下にあると知って冬星は婚約を破棄、ついに紅緒と忍は結ばれる。
震災で多くの人やものが失われたが、それでも大正の人々は元気に生きていくのだ…
という感じで物語は終わる。

以上、かなり大雑把にまとめて見ました。これだけだと愛と感動の大正浪漫という感じもしますが
主人公がうわばみの酒乱で、なにかと酒を飲んでは大騒ぎするし
時代考証無視してガッチャマンやゴジラが登場したりでけっこう笑える作品でもあります。
現在入手するなら、講談社漫画文庫版(全4巻)がよいです。