みどりのマキバオー

Last-modified: 2009-10-19 (月) 10:27:27

みどりのマキバオー/つの丸

550 :みどりのマキバオー:2009/09/19(土) 11:29:18 ID:???
歳の数え方とか今とは違うところもあるけど、文中表記に従います。

北海道みどり牧場に生まれた期待の良血馬ミドリコの97はロバ似のとても馬とは思えない珍獣でした。
牧場長の飯富源治郎はこの不祥事を仔馬ごともみ消す気だが、息子の潜在能力に気付いたミドリコは
なんとかしてそれを牧場長に気付かせようと手の限りを尽くし、
ついに売られる別の馬に身代わりになることでそれを遂げた。
しかしチビは母に会いたい一心で牧場を脱走、単身旅に出た道中の森でネズミのチュウ兵衛親分と
運命の出会いを果たす。
キンタマくさ男改めうんこたれ蔵の名を貰い、ついに母が売られ堀江たひげ牧場に到着。
しかしミドリコは心を鬼にして他人の振り。たれ蔵もリス兄弟のおかげでそれを理解し、
遅めの子離れを果たした。

みどり牧場に帰郷したたれ蔵とチュウ兵衛だが、馬の下見に来る調教師で兄の昌虎に
あんな悪い意味で馬並はずれた生き物は見せられないと裏庭に繋がれる。
他の馬から(ニセ)ミドリコの仔を見繕ってもらおうとするが、
飛び抜けた馬がいないのか案外眼力がないのか(あるからか?)gdgdになり白状させられる。
しかし帰郷中のロッククライミング現場に遭遇していた昌虎は大激怒、
ロバの種がついたと恐縮する源次郎に今すぐ走らせろと一喝。
一人では曲がれないたれ蔵にがっかりしかけるが、チュウ兵衛が騎乗し挽回すると昌虎大喜び。

源次郎の借金先本多リッチファームについていったたれチュウコンビは
同い年のくせに異様な風格を放つ、ミドリコを破ったヒロポンの仔カスケードと出会う。
源次郎の意向に反しレースを受けるチュウ兵衛だが、ほとんど相手にならず挙げ句心房細動で失神し、
鼠馬共に完全敗北を喫する。



551 :みどりのマキバオー:2009/09/19(土) 11:32:01 ID:???
チュウ兵衛も反省し海岸でのトレーニングを繰り返し着実に実力を付けるたれ蔵、
体格故の騎手問題も落馬事故で馬上恐怖症になっていたチビ管こと山本管助を昌虎が見出し割れ鍋に綴じ蓋、解決。
馬名もタイトルを変えるわけにもいかないのでミドリマキバオーに決定、美浦に出発し競走馬生活が始まった。
さまざまな苦戦や特訓を挟みつつデビューから三連勝、一番人気で3歳王者決定戦朝日杯3歳ステークスに出走。
因縁のカスケードと、カスケードに潰された二冠馬ピーターIIの弟アマゴワクチンとの三強対決の結果、
潜在能力に覚醒したカスケードが一着で兄の想いを継いだワクチンが二着、マキバオーは惜しくも三着。

雪辱に燃える飯富厩舎一行は何と冬をモンゴルで修業。
凍死しかけたりマキバオーの所有権を奪われたりしながら見事新走法を会得した。
一方日本ではワクチンが骨折、ドバイに遠征に行ったカスケードはガリッガリになって帰ってきており、
皐月賞は楽勝ムード。
しかし不屈の闘将ワクチンの策に見事にかかり見抜いていたカスケードと直線で並ばれる。
それでもマキバオーが一歩抜けるがチュウ兵衛が落馬、そのヨレでハナ差の二着に転落。
チュウ兵衛は一命を取り留めるものの、医師からは騎乗停止命令が告げられてしまう。

それでもなんとか気を立て直し、チュウ兵衛の参加も条件付きながら許され、
万全の体勢でダービーに臨んだ飯富厩舎。
一方のカスケードも馬体を戻し、NHKマイルカップで○外最強のニトロニクスを下し弱点を克服、
両者共に死角無し。
マキバオーが逃げる異例のレース展開の末、壮絶なデッドヒートを演じ写真判定の結果、
なんとGI史上初の同着1位。
しかし喜びも束の間、医師の言い付けを破り無茶をしたチュウ兵衛は控え室で静かに息を引き取っていた……



552 :みどりのマキバオー:2009/09/19(土) 11:34:18 ID:???
偉大な大親分を失い抜け殻のようになってしまったマキバオーは、
彷徨の末モンモンモンにも出たやくざの宮蔦一家に拾われる。
そこでそっくりの妹マキバコに遭遇、茫洋としていた意識に火が入る。
しかし誘われて出場した八百長草競馬で、直線で走れなくなるトラウマ発覚。
立ち直らせるためのガチンコ草競馬で源次郎の助けもあり見事復活。
おまけにマキバコもみどり牧場に引き取られることに。

菊花賞に向けてのトレーニングを始めるマキバオーだがカスケードは凱旋門賞に向かい不参加。
三強対決は有馬に持ち越されることになった。
障害戦に参加したりいつもの無茶な特訓をこなすマキバオーだが、菊花賞はワクチンの執念に完敗、
心を折られ4着に。
一方カスケードも見せ場こそ作るものの二の脚も出さずなんだか不完全燃焼気味に敗北。

そして迎えた暮れの有馬記念。三強に加え古馬最強の将軍トゥーカッター、
○外最強のニトロニクスを交えた五強の戦いは
病を押しながらも抜けたカスケードをマキバオーが破りついに単独日本一に輝く。
そしてカスケードの引退式で世界への挑戦権を託され、マキバオーは一路ドバイへ。



553 :マロン名無しさん:2009/09/19(土) 11:40:11 ID:???
以上第一部完。第二部はまた今度ね。
主にレース展開とか思い切り端折ったが、、これは是非読んで欲しい。
1巻のギャグ空気に騙されるな!いやギャグも悪くないどころか逸品なんだが。とまで言うと信者か。



556 :マロン名無しさん:2009/09/20(日) 21:47:09 ID:???
マキバオー5歳の春、ドバイから帰ってきたはずのマキバオーは一切姿を見せなかった。
それどころかワクチン、ニトロ、アンカルジア、トゥーカッターといった実力馬まで姿を消していた。
あとベアナックルも。
嶋島が執念で辿り着いた本多リッチファーム所有の秘密特訓基地では、五頭が過酷な訓練を積んでいた。
ベア?別に……
そこで昌虎の口から明かされる、ドバイ国王企画の競馬ワールドカップ。これはそのための特訓だった。

なんやかんやでドバイに到着、島国競馬と馬鹿にされ闘志を燃やす五頭。
しかし相手はカスケードと同格以上の馬が少なくとも九頭。苦しい戦いが予想される。
特に凱旋門でカスケードを下した"世界を震撼させる馬"聖馬エルサレムの風格と実力は別格。

肝心のレースは少年漫画らしい無茶なコース。
具体的には、森林コースに超アップダウンコース、漏斗状超短距離コースに深砂水撒きコースと
馬の安全を考えない実にバラエティ豊かな取り揃えとなっており、
日本代表に限らず各国代表の名馬たちは次々脱落故障していった。

そして迎えた第五レースはうって変わって凱旋門賞に似た正統派コース。
マキバオーとエルサレムが激突し、死地を越えたエルサレムの覚悟が圧倒するが、
ただのレースにさえ命を懸けたチュウ兵衛の、カスケードの想いを継いだマキバオーが食らい付き、
そして──



557 :マロン名無しさん:2009/09/20(日) 21:48:57 ID:???
結局マキバオーとトゥーカッターが倒れ、現時点最高得点ながらも最終競技のリレーを残し日本代表は棄権、帰国した。
特にマキバオーの故障は深刻で、安楽死の選択が普通だったが源次郎が断固としてこれを拒否。
必死の説得で治療、終身介護を認めさせる。
結局トゥーカッターも引退し、振り返ってみればこの二年の海外遠征は散々な結果に終わったのだった。

数年後、日本競馬界はミドリコのSS産駒ブリッツがニトロやワクチンも下し圧倒的に席巻していた。
そしてこの年からの新レース「ジャパンチャンピオンシップ(国際交流戦)」にエルサレムと
さらにまさかのマキバオー、あとマキバオーを越える世界の珍獣王と化したベアナックルの参戦に盛り上がる下馬評。
とはいえマキバオーは脚にはボルトが入っているし、復帰後の入賞も無く話題作り以上の期待はない。

しかしレースが始まると一変、ベア、マキバオー、エルサレム、ブリッツの四頭が引っ張る展開に。
四頭の内三頭はとうに全盛を過ぎた馬だという事実に後続馬も奮い立ち、混戦になるが
それを制したのはやはり世代交代の象徴ブリッツだった。

マキバオーそっくりのマキバコ産駒を代理母として育てるミドリコという、
未来と過去を感じさせる一景で完。



558 :マロン名無しさん:2009/09/20(日) 22:11:05 ID:???
実際の所ブリッツもマキバオーと一歳違いで新世代と呼べるほど離れてないんだけどねー。
当初はクラシック路線の後の敵として設定したんだろうけど、少年漫画的な方向に行ったせいで見事に空振り。
とりあえずみどりのマキバオーは以上。