アリーズ

Last-modified: 2010-05-19 (水) 09:38:53

アリーズ/冬木 るりか

23 :アリーズ 1:2010/05/12(水) 20:22:12 ID:???
未解決の中からアリーズに挑戦してみました。

佐倉亜理沙は星占い好きの平凡な高校生。同じクラスの天野翔とは犬猿の仲である。
だが、実は翔と亜理沙はギリシア神話における冥府の王と王妃、ハデスとベルセフォネーの生まれ変わりだった。
伝えられる神話とは違って実際には愛し合っていた二人だったが、
ベルセフォネーを狙う全能神ゼウスによって引き裂かれ、
更にベルセフォネーはゼウスの妻ヘラの凶刃によって非業の死を遂げたのだった。
前世での約束通りにいち早くベルセフォネーである亜理沙を見つけたハデスは、
表面上は冷たい態度を取りながらも、彼女が記憶を取り戻すのを待ち、ずっと見守り続けていた。

神代でティターン神族復活の星と予言されたベルセフォネー。
その予言の通りに転生したオリンポスの神々が、次々と彼女の周りに現われる。
現世でも覇権を求めてベルセフォネーを手に入れんと目論むゼウス、
ゼウスへの愛ゆえにベルセフォネーに嫉妬するヘラ、ゼウスに仕える伝令神ヘルメス、
ヘラの息子で粗暴な軍神アレス、ゼウスの覇権を奪おうと目論む海王ポセイドン、
ゼウスの分身である残虐な暗黒神ディオニュソス、無邪気で悪戯好きの太陽神アポロン、
アポロンの妹である月の女神アルテミス、彼女の愛を受けながらも人間のためにゼウスに敵対するプロメテウス、
そしてゼウスのみを偏愛する大母神レア……。
ゼウス率いるオリンポス側は現世でも争いをしかけ、ベルセフォネーをつけ狙う。
本来無益な流血を好まず、ベルセフォネーとの平穏な生活のみを求めるハデスだったが、
ベルセフォネーを守るため、否応なく戦いの渦中に身を投じることとなるのであった。
彼が唯一信頼するのは、ベルセフォネーの母である大地の女神デメテル。
だが、亜理沙の叔母として転生していたデメテルは、
かつての恋人であるハデスですらもベルセフォネーを奪う者と認識して、彼の味方とはならなかった。



24 :アリーズ 2:2010/05/12(水) 20:22:58 ID:???
一方、前世の記憶がないままに争いに巻き込まれていく亜理沙は、
ことあるごとに自分を守ってくれる翔(ハデス)の存在を実感するようになり、二人は次第に絆を深めていく。
翔の求めに応じて前世の記憶を取り戻したいと願った亜理沙は、
その記憶の鍵がギリシアにあると直感して、翔とともにギリシアに旅立つ。
娘の記憶の回復は人類世界の崩壊に繋がると信じるデメテルは、それを阻止せんと彼らの後を追う。
同じくゼウス達もギリシアに拠点を移す。こうして舞台はギリシアへ……。

前世での妻アンフィトリテの死後、ギリシアに居を移していたポセイドンと再会を果たす亜理沙と翔。
亜理沙は次々と前世での縁の地を訪れるが、一向に記憶が戻る気配はない。
ベルセフォネーの記憶は封じられていると判断したハデスとポセイドンは、封印を施したのがデメテルだと推測する。
そのことを知り、ゼウスはデメテルを拉致して封印を解く鍵を聞き出す。
その鍵とは、ハデスが記憶を失うことだった。
ゼウスに飲まされたレテ(忘却の川)の水のせいで前世の記憶を失ったハデスは、
同時に冥府の存在を思い出した亜理沙とともに冥府に赴き、彼女の助力もあって無事に記憶が蘇る。
それが第二の鍵であり、亜理沙はベルセフォネーとしてのほぼ全ての記憶を取り戻した。
ただ一つ、ハデスのことを除いて……。

残る鍵は、ハデスが母レアをその手で殺すこと。
ゼウスに切り捨てられて逆上したレアは、思い通りにさせまいとハデスに襲いかかるが、返り討ちに遭う。
それと前後してデメテルも、ベルセフォネーにゼウスを奪われると焦ったヘラの攻撃から娘をかばって絶命する。
愛する母の死のショックで倒れるベルセフォネー。目覚めた時には全ての記憶が蘇っていた。
だが、彼女は愛するハデスの下に戻ろうとはしなかった。
実は、ベルセフォネーは前世で命絶える時、総母神ガイアからの使命を受けていた。
それは、愛し愛される者に力を与えよ、というものであった。
しかしながら、ハデスが未だに母デメテルを愛していると思い込んでいる彼女は、
自分にはハデスに力を与えることなどできないと苦悩するのだった。



25 :アリーズ 3:2010/05/12(水) 20:24:34 ID:???
今や野心を完全に捨ててハデスのために動くポセイドン、
一度はゼウス側についたものの、ゼウスの野望の全貌を知って袂を分かったアポロン、
今は仮死状態となっているプロメテウスの意志を引き継ぐアルテミスらを仲間と認め、ともに戦う決意をして、
ハデスは再びベルセフォネーを救いにオリンポスに潜入する。
激化する戦いの最中、ヘラのためにゼウスをかばってアレスが、ハデスとの戦いに敗れて処女神アテナが、
そして自らの命と引き換えにハデスを救ったポセイドンが命を落とした。
ポセイドンの死にハデスは強い打撃を受けるが、ベルセフォネーも戦っていると知り、立ち直る。
そして再会する二人。
ハデスはベルセフォネーの誤解を取り除き、前世では言えなかった愛の言葉をようやく告げる。

ベルセフォネーから力を受け、ハデスはゼウスとの最終決戦に向かう。
今や彼は全ての能力を操れるようになっていた。
本来ハデスが統べるべきだったにもかかわらず、レアのゼウスへの偏愛がティターン神族の歴史を歪めてしまった。
それを修正し、完全に終結させる──それがガイアの望みであった。
激しい戦いの末、ハデスは遂にゼウスを斃し、ティターンの歴史を完結させた。
崩れゆくオリンポスからゼウスに付き従っていた者達は脱出するが、ヘラだけはただ一人ゼウスに殉じる。
生き残ったハデスとベルセフォネー、アポロンとアルテミスの兄妹、ヘルメスらは、
斃れていった者達の面影と追悼を胸にギリシアを後にする。

以上です。コミックス手元にないので、後半は特にうろ覚え…。