カミヨミ

Last-modified: 2010-06-17 (木) 13:18:15

カミヨミ/柴田 亜美

23 :カミヨミ:2008/02/22(金) 02:08:30 ID:???
柴田亜美「カミヨミ」
平成16年8月号から連載開始、現在既刊7巻
時代は明治時代中期、伝奇風
以前に書いていた「あやかし天馬」(こちらは現代)
の設定やキャラをいくつか持ち込んでいるが
外伝というよりはパラレル設定と考えて良さそう。
基本的には数話で一つの事件を解決する形式。
とりあえずプロローグでもある、第一の事件の(2巻まで)詳細を書いてみる。



24 :カミヨミ:2008/02/22(金) 02:14:10 ID:???
山口県・赤間関の小さな村で、村人が全員一刀両断されて惨殺される事件が起る。
それを調査するために、帝国軍・零武隊の日明大佐は地元の霊能者・ツゲ婆に協力を求めた。
だが、残留思念を読もうとツゲ婆が遺体に触れると、ツゲ婆も真っ二つになって死んでしまう。
日明大佐と同席していた丸木戸教授は事件が一筋縄では解決できないことを確信した。


その頃、東京の華族・近円寺邸では、カミヨミの菊理(くくり)が
近円寺翁の知人の依頼を受けて死者の霊を呼び出していた。
霊が現れると、興奮したその遺族が儀式に使っている遺品に触ってしまい、
腕から霊に取り付かれ、暴れだす。
同席していた菊理の許婚者・天馬が菊理をかばって飛び出すが、素手では役に立たない。
そこへ、菊理の双子の兄・帝月(みかづき)と近円寺家の使用人・瑠璃男が現れる。
瑠璃男は、遺族の腕を死霊ごと刀で斬り落とした。
取り憑かれて変容し始めた腕は、切り落とすしかない。


そのあと、赤間関の事件で菊理へ依頼するために、日明大佐が現れる。
日明大佐は、菊理を体を張ってかばうだけで、実質役に立たなかった息子の天馬を
「この母の血潮から生まれ出たくせに、血をおそれるとは何事か」となじった。



25 :カミヨミ:2008/02/22(金) 02:20:49 ID:???
日明大佐が菊理を連れて行ったあと、近円寺邸に江崎という男が訪ねてくる。
故郷で起こった奇怪な事件の為に、カミヨミの姫の力を借りたいと言う。
菊理そっくりの帝月をカミヨミの姫と勘違いしたのを面白がって、
帝月は妹のふりをして江崎の村へ向かうことにした。


翌朝、馬車で移動中の日明大佐と菊理、そして協力者の丸木戸医師。
途中で嫁入りの行列を見かけて菊理が喜ぶと、日明大佐は菊理に、
「あなたと息子の結婚式には、私が着た婚礼衣装を着せてあげよう」と話す。
それに喜んだのも束の間、日明を狙って賊が馬車を襲撃。
賊を彼女が一刀で斬り殺した姿を見て、菊理は義母になる日明大佐が人を傷付けるのを
見るのが辛い、と丸木戸にこぼすのだった。


遺体から事件を詠みきれず、国に保護されるほどの霊能者である菊理も倒れてしまい、
事件の裏に潜む強大な存在を日明大佐は確信する。
今度は帝月の力を借りようとするが、すでに帝月は天馬と瑠璃男を連れて、
江崎の村へ旅立ったあとだった。
日明大佐が警察に事件の協力と、帝月達の捜索を依頼したころ、
帝月達は赤間関の平良邸へ来ていた。
江崎の主・平良夫人は村の子供が多く殺された事を話し、祭りで息子が
着るはずだった鎧を媒介に、息子の霊を呼ぶように帝月に頼んだ。


その夜、瑠璃男と天馬の寝込みを鎧を着た男が襲撃する。
瑠璃男が急所を刺しても、鎧男は死なず、逃げて行った。



26 :カミヨミ:2008/02/22(金) 02:23:39 ID:???
翌朝、帝月達の居場所を突き止めた、警視総監・八俣が平良邸を訪ねてくる。
八俣は、地元警察に殺害された6名の子供の遺体を墓から出して、調べさせる。
子供たちの遺体はそれぞれ、腕、脚など、体の一部が足りなかった。
結局、帝月、天馬、瑠璃男の三人は零武隊に身柄を押さえられ、
帝月は事件協力のために連れて行かれ、天馬と瑠璃男は零武隊の屯所に軟禁される。
江崎の手引きで二人は脱走した後、江崎につれられ、海辺の洞窟で平良夫人と合流する。


軍に連れて行かれたカミヨミを呼び出すために、今度は平良夫人が二人を拘束しようとする。
そこへ八俣が現れ、連続殺人犯が平良夫人であることを指摘した。
平良夫人は子供たちの遺体の一部をつなぎ合わせて、こへカミヨミが呼び出した
息子の霊をとりつかせて、息子をよみがえらせようとしていたのだった。
だが、八俣の拳銃でも死なない江崎に勝てず、
八俣も含めて結局平良夫人に3人はとらわれてしまう。



27 :カミヨミ:2008/02/22(金) 03:12:51 ID:???
現地の死霊から事件の概要をよみとった帝月が洞窟にやってきた。
帝月は平良夫人の真の望みが、息子だけではなく、
平家とともに壇ノ浦に沈んだ安徳天皇を復活させることだと指摘する。
平良家は源平合戦で敗れた平家の子孫だったのだ。
人質がいるため、帝月は仕方なく霊を呼び出し、安徳帝(in平良夫人の息子)を
復活させるが、結局肉体の方が持たず、死者の復活は失敗した。
帝月が江崎に、死者の復活の方法や、カミヨミについて教えたのはお前だろうと、問いただす。
帝月は生者の気配のない、江崎をはじめから疑っていたのだった。
すると、江崎の肉体が弾けとび、肉体の中からひと振りの剣が飛び出してきた。
壇ノ浦に安徳天皇とともに沈んだはずの三種の神器のひとつ、月輪・草薙の剣であった。
月輪の剣自身も、自分の継承者だった安徳天皇の復活を望んでいて、
海で事故死した江崎の遺体に取り憑き、平良夫人をそそのかしたのであった。


息子の復活に失敗した平良夫人は逆切れ、あらわれた月輪の剣を手に取り、帝月達に斬りつける。
が帝月を守ろうと、今度は天馬が平良夫人の腕を一刀に斬り落とす。
すべてを失い絶望した平良夫人は、そのまま舌をかんで自害した。
一瞬のみなの気の緩んだ隙に、今度は天馬が剣にとりつかれる。
洞窟を飛び出した天馬は近くで、作業をしていた零武隊の元へやってきて、
ただ、剣の衝動のままに、日明大佐に斬りつける。
一撃目を防がれて、正気を取り戻した天馬は、日明大佐に、
「これ以上剣のせいで被害のでないうちに、自分の首を落として欲しい」と頼む。
息子の覚悟を知った日明大佐が、「それでこそ日明家の男だ」と、天馬を褒め
その首を落とそうとしたまさにその時、それを制止したのは、
もうひと振りの日輪・草薙の剣を帝都から持参した菊理だった。



28 :カミヨミ:2008/02/22(金) 03:52:44 ID:???
月輪の剣にとり憑かれたままの天馬と日輪の剣を構えた菊理が対峙する。
天馬の持つ月輪の剣は、日輪の剣とともに日本を治めようと言うが、菊理は
「日輪はそれをのぞんではおりません」と返す。
二人を止めようと日明大佐が飛び出すが、天馬の方が早く、大佐は腹にけがを負う。
それを見て菊理は、月輪の剣に勝てるのは、日輪の剣だけ、
そして、日輪の剣を操れるのは、カミヨミ一族の姫だけなのだと言う。
戦いに向かう菊理は「花嫁衣装、着れなくてごめんなさい……おかあさま」と言った。


手出し無用を宣言され、菊理の覚悟を聞いた日明大佐は、せめてこの戦いを見届けるよう、
零武隊の部下たちにも、指示し、自分は情に流されて手出ししてしまわないように、と
自分の足を刀で地面に縫い付けた。
剣の力も借りて、菊理は天馬(月輪)と互角に斬り結ぶが、
もともと剣術の達人である天馬の方が優勢になる。
月輪の剣が菊理の胸に突き刺さったとき、兄・帝月達が現場へ到着。
わざと隙を見せて胸を貫かせた菊理は、そのまま剣を固定し、天馬の腕を切り落とす。
そのまま、カミヨミの能力で、月輪の剣を自分の肉体を使って封印に成功した菊理は、
カミヨミとしての使命を果し、天馬を守って死ねることを「わたしはなんて幸せなのでしょう」、
と兄へ言い残し、剣の憑依のとけた天馬の腕を、カミヨミの最期の力で繋いだ後
「ごめんなさい、天馬さま。痛かったでしょう」と言った。


天馬が目を覚ました時には、その腕には血まみれの婚約者の遺体があったのだった。



29 :カミヨミ:2008/02/22(金) 03:56:36 ID:???
自分で書いてなんだけど、いまいちわかりにくいような。
以上で2巻終了。
3巻からは、数年後、正式に零武隊に天馬が入隊したあたりからの怪奇事件簿。



30 :カミヨミ:2008/02/22(金) 04:10:24 ID:???
主な登場人物

日明天馬
1巻時で14歳。武士の家系で、母は零武隊の大佐。菊理を大事にしている。
菊理姫のいいなずけ。剣術は達人クラスの実力だが、
幼いころに試合で人を殺してからは、真剣が苦手。
菊理(くくり)
霊能力者カミヨミの女子。神剣を封印するほどの力があり、
死者の思念を読んだりできる。おとなしくたおやかな性格。天馬大好き。
1巻冒頭から、彼女の死は暗示されている。
また、カミヨミの女は子供を産むと死ぬらしい
帝月(みかづき)
菊理の双子の兄で容姿もそっくり。霊能力は強いが 
カミヨミ一族に男が生まれることが異常で、鬼子扱い。わがままな性格。
瑠璃男(るりお):基本的に帝月の下僕。帝月ラブ。つねに刀を持ち歩いていて強い。源氏の末裔
日明蘭:陸軍・零武隊のリーダー・大佐。天馬の母。作中で一番男らしい。
八俣八雲:警視総監でオカマキャラ。



32 :マロン名無しさん:2008/02/22(金) 23:41:26 ID:???
えええ
それで終わらないで続くの?
菊理とかはもう出番なしですか?



33 :マロン名無しさん:2008/02/23(土) 00:21:17 ID:???
菊理は回想シーンとかで出てくるくらい。
あとは天馬が幻を見るシーンとか。
柴田亜美作品なので、3巻以降は帝月がヒロインポジションで、
天馬ラブ全開になる。