タビと道づれ

Last-modified: 2011-10-25 (火) 21:27:02

タビと道づれ/たな かのか

■最終巻のあらすじ■
709 :タビと道づれ最終巻1:2011/10/23(日) 20:02:27.47 ID:???
航ちゃんの死を目の当たりにしたタビの前に車掌が現れる
「ここが一等星のあなたの路」
「ようこそ星の生まれる場所へ」
「どうでしたかあなたの望んだ旅は」
「望んでない!私が願ったのはー」「あなたが『航ちゃんに会いたい』と願ったから
航ちゃんの生きていた五年前にこれた」
タビは考える
(もしも本当にこの街が止まっているのが私のせいだったなら…)

ユキタと分かれたニシムラはツキコの元に行く
ツキコに自分の想いをぶつけ説得に成功
一緒にタビを探しに行く
クロネ、カノコ、トトもタビを探してる描写あり

一方ユキタ。タビを追ってプラネタリウムの投影室の扉を開けると
そこは駅
電車が止まり中に入るユキタ
後ろに車掌が現れ「切符を拝見します」
誰なんだお前は、ここはどこだと混乱する
車掌はユキタからオーディション通知の紙を取り
切符を拝見したと言う
「切符は行きたい場所へ行くためのものだから行きたい場所を示すこれは立派な切符
彼女自身がそう願ったのだから」
「彼女?」


710 :タビと道づれ最終巻2:2011/10/23(日) 20:04:52.85 ID:???
車掌は語る
5年前のあの日、タビは引っ越す日にちを1日間違えた
引越しは7月9日だからプラネタリウムの発表会は見れると思っていたが本当は7月8日だった
7月7日夜、タビは一日早くプログラムを見せてもらおうとプラネタリムに向かった
そしていなくなったタビを探してるうちに航ちゃんは事故にあった
5年越しにその事実を知った彼女は「自分がいなければ航ちゃんは死ななかったのでは」
「ユキタ達を苦しめているのも自分では」と考え
セキモリの力で「自分が消える事」を願った

ふざけるなと怒るユキタ
今すぐ自分をタビの所に連れて行けと怒鳴る
それでいいのかと車掌は問う
今乗っているのはユキタが街を出ようとしたあの日の電車
このまま乗っていれば望みは叶う
今街を出なかったら二度と出られないかもしれない、と
「……行きたい場所を示すのなら何だって切符なるんだったよな?」
「だったら俺が一番行きたい場所への路を開いてくれ
あいつにもらったテガタが俺の切符だ!」
そう言ったユキタの左手にはタビのテガタが(実はテガタを分けてもらっていた)
「…君の願いをかなえましょう」

場所が変わり真っ暗な場所
ユキタ、クロネ、ニシムラ、ツキコ、トト、カノコが揃う
全員ユキタと同じようなやり取りをし、同時にこの場所に飛ばされたらしい
天井には身体が消えかけているタビの姿が


711 :タビと道づれ最終巻3:2011/10/23(日) 20:07:26.53 ID:???
「消えたい」という願いによって少しずつ消えていくタビの身体
皆それぞれその願いを止めるよう呼びかける。
タビの心は揺らぐが、自分だけが五年後の世界の人間で
みんな航ちゃんみたいに会えなくなるのなら――このまま逃げてしまいたい、と思う
タビの腕が消える事で分けてもらったテガタも消え、つながりを絶たれたカノコたちは消えてしまう
(ただしタビのように完全に存在が消える訳ではなく元の世界に戻るだけ)
もう自分でも止められない、そう思ってるタビに差し出される手
ユキタ「何か懐かしいなこの構図」
かつて路に落ちそうになっていたタビを助けた時の事を思い出す
「これって上に昇って元の世界に戻る仕組みならタビも俺に掴まって行けば
元の世界に戻れるんじゃね?」
一緒に食べたアイスの棒のおかげでユキタだけ消えずに残ってるらしい
「アイスは溶けるし手をずっと繋いでることはできないけど
手繋いだろ?アイス一緒に食べたろ?だから友達だよ
安心しろタビ。俺たちは必ずまた会える」
(ずっと手を繋いでく訳には行かなくて)
(繋いだ時の手の温度差を点々と覚えておくことしか私にはできない)
(そうか 手を繋ぐって事は繋がるんじゃなくて手の温度を分け合ってるのかもしれない)
(わたしを渡す)
(わたしあう)
どんどん消えていくユキタとタビの身体
お互いに手を伸ばす

気づくとそこはプラネタリウム
ユキタの目の前には小学生のタビ
二人の前に大きな流れ星が流れる


712 :タビと道づれ最終巻4:2011/10/23(日) 20:11:17.71 ID:???
プラネタリウムに声が響く
『こうしてオルフェウスの流した涙は流れ星になって悲しい気持ちを逆さまにする
願いをかなえる流れ星になりました』
『さぁ夜を明けさせましょう』

『以上で本日の投影は終了しました』
タビは引っ越した街のプラネタリムにいた
わけの分からないタビに「やっと会えた」と声をかける職員
それは5年後のツキコだった

タビはあの日学校をサボって街のプラネタリウムに来ていたことを思い出す
ツキコ「本来五年前の流れ星をみることができないあなたが
何故セキモリになれ願いをかなえる事ができたのか
それは五年後のあなたが五年越しで五年前の空を見たから
さっきの上映であなたに見せたのは五年前の7月7日のあの街の空
あの日流れた流れ星を見ることで航ちゃんに会いたいというあなたの願いは叶えられたんです」
タビ「つまり私がさっきまで体験したことは全部夢だったんですか?」
ツキコ「でも死んだはずの航一さんからの手紙は夢じゃなく本当に届いていたでしょう
夢とは違う。あなたは五年間の物語の続きを確かめられるんだもの」
「あなたが願ったのは『航一さんに会いたい』だったでしょう
航一さんに会ったその後、あなたはどうしたかったの?」
「会いたいの続きを今のあなたなら知ってるんじゃないですか」


713 :タビと道づれ最終巻5:2011/10/23(日) 20:17:34.37 ID:???
それから五年後の西の町
あれから街は元通りになりユキタはオーディションに間に合った
(しかし結局落ちたらしい)
ニシムラはやや老けた。タビへの手紙の代筆をしている
クロネは高校生。天文部に入った。タビの手紙を読み今日タビが戻ってくることを知る
カノコは教師を目指す大学生でクロネの部活のOB
今度プラネタリムで上映をする
ナレーションはユキタに頼んだ(そういう職についたらしい)
今日東京から帰ってくるとニシムラと話してる
カノコ「街が元に戻って現れた小さいタビにうちらは何も教えん買った」
カノコ「あの時航一さんが死んだ事実を知っていれば5年後しなくて済んだ辛い体験もあったんじゃ…」
ニシムラ「でも彼女の願いは『航ちゃんに会いたい』だったから
たぶんあの願いで会えた街、会えた人全部が
彼女の居場所で『航ちゃん』だったんだよ」

駅のホーム
街に戻ってきたタビはユキタと再会する
ユキタ「あまり驚かないな」
タビ「だってユキタ君が言ったよ」
満面の笑みで答える

「必ずまた会えるって」