ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章

Last-modified: 2009-03-07 (土) 16:23:48

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章/設定:川又千秋  脚本:小柳順治  漫画:藤原カムイ
316 名前:ロトの紋章・簡略バージョン 投稿日:05/01/04 23:21:26 ID:???
異世界から召喚された異魔神という化け物が世界を闇に染めようとしていたが、
勇者ロトの血を引くカーメンの王子アルスが勇者として立ち上がり、
ロトと共に戦った3人のケンオウ(剣王・拳王・賢王)の力を受け継ぐ仲間たちと共に戦うことになる。
さまざまな人の助けや犠牲を経て、成長していくアルス。

戦いの途中で、先祖のロトから、異魔神を倒すためには3つに分けられたロトの紋章と
それを受け継いだ3人の勇者が必要なことが明かされる。
最終的に、呪われた名をつけられ魔に染まりグレまくっていた魔人王ジャガン改め勇者アランと
地下世界に隠されていた第三のロトである勇者アステアも
アルスと共に異魔神に立ち向かい、色々と波乱万丈なことがありつつも、力を合わせ、
異魔神を滅ぼすことに成功。世界に平和が戻った。

補足・主要登場人物のストーリー上の変遷

アルス:勇者ロトの血を引くカーメンの王子。生まれたばかりの頃、魔王軍の手から落ち延びる。
   親代わりであったルナフレアやタルキンの死など乗り越え、勇者として成長していく。
   初期は明るく素直な少年であったが、成長するにつれ強い意志を貫きまくる孤高の勇者道一直線な男になった。
   旅立ちが10歳、最後の戦いでは15歳。



317 名前:ロトの紋章・簡略バージョン 投稿日:05/01/04 23:22:41 ID:???
キラ :聖戦士の一人・剣王。仙人の郷でアルスと共に育った幼なじみで親友でもある。
   兄である剣王サーバインとの出会いにより、己の出自を知り、剣王の名を受け継ぐ。
   性格は豪放快活で情に厚い。物語終盤で同じ聖戦士のヤオと結婚。

ヤオ :聖戦士の一人・拳王。キラの兄・剣王サーバインに拳王の里を滅ぼされた過去がある。
   アルスたちと出会った後はそのまま勇者パーティに加わり共に戦う。
   しっかり者で勝気な少女、だったが、戦いの中で落ち着きある女性へと成長した。

ポロン:聖戦士の一人・賢王。初めは遊び人だったが、大賢者カダルにその内なる力を見出され、賢王を継ぐ。
   勇者パーティの中では最年少。一番自分の感情に素直で、言いたいことははっきり言う性格。
   カダルから受け継いだ合体魔法を駆使する。戦いの後は賢王の証である第三の目が消えた。

アラン:アルスと同じく勇者ロトの血を引くローランの王子。生まれた頃に呪われし「ジャガン」の名をつけられ、
   長い間、魔人王ジャガンとして魔王軍に属していた。

     父を手にかけさせられたり異魔神に吸収されたり不幸の連続だったが母の命を与えられ勇者アランとして覚醒。   ひねくれた性格は変わらずもアルスの頼れる(ロトの血を引く)兄弟となる。

   オリジナルのロトシリーズ武具装備。

アステア:地下世界アレフガルドのラダトーム王家の血筋。隠された第三のロトの血を引く勇者。
    性格はかなり生真面目。ラダトームを奪還するものの、宿敵である竜王は生かした。
    第一王子と名乗っていたが実は王女。戦いの後はラダトームでアランと共に暮らしている様子。

ティーエ:いつの間にかアルスを慕ってパーティについてきた妖精の少女。
    唯一、最初から最後までアルスと行動を共にした。
    本人に自覚はなかったが、その正体は世界を守護する女神・精霊ルビスの魂が宿ったルビスの化身。
    戦いの後はルビスが復活したため消息不明。(本編でははっきり明かされない)



194 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 投稿日:04/12/26 01:30:51 ID:???
・ゲームの「ドラゴンクエスト」を知っている方へ。
 舞台はゲーム「ドラゴンクエスト3」と「ドラゴンクエスト(1作目)」の間の時代と言う設定です。
 知らない方は知らないままでも特に支障はありません。

時をさかのぼること100年。魔王バラモス、大魔王ゾーマを倒した一人の勇者がいた。
その名はアレル。彼は勇者ロトの称号を授かり、地下世界アレフガルドへ留まった。
そして、いずれ現れるであろう闇の者に備え、二人の息子を地上へと送り返した。
二人の名はローランとカーメン。
彼らは父より受け継いだ「ロトのしるし」を二つに分かち、
それぞれ北のローラン王国と南のカーメン王国を興した。

これら二つの王国は、100年の間、共に豊かに平和に栄えていた。



195 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 2 投稿日:04/12/26 01:34:54 ID:???
南のカーメン王国では、国王カーメン4世が蛮族討伐に出陣していた。
王妃ローザは懐妊しており、神官タルキンから、まもなく誕生する子が
ロトのしるしを受け継ぐべき王子「アルス」であると告げられる。

カーメン四世は蛮族共を一掃するが、蛮族たちが立てこもっていた神殿で、邪神像を見つける。
その後、カーメン四世は人が変わったように荒れてしまった。
カーメン四世は、邪神に潜んでいた魔物に変わり身の術を使われ、入れ替わられていたのだ。
偽者のカーメン四世は、生まれてくる子にアルスではなく、「ジャガン」と名付けると言い張る。
「ジャガン」は闇の力が強く込められた魔性の名。
魔物の頂点に立つ存在である、異魔神(イマジン)は、生まれてくる王子を
ロトの力を魔の心をあわせもった「魔人王」として育てようともくろんでいた。
そしてその魔人王を思うがままに操り、この世を闇の世界にしようとしていたのだ。

カーメン王国では、王に信頼されていた軍団長ボルゴイと、神官タルキンが城外追放を命じられてしまった。
その10日後、新月の夜に王子が生まれる。
呪われた名を付けようとする偽カーメン4世だが、ローザ王妃が赤ん坊に必死で「アルス」と呼びかける。
王子はアルスと名付けられたことで光の祝福を得るが、ローザ王妃はバシルーラの魔法で異次元に飛ばされてしまう。

正体を現した国王にボルゴイは立ち向かうが、周りの兵士たちもモンスターに変えられており、歯が立たない。
ボルゴイは、娘のルナフレアにアルス王子を託し、城に留まる。
ルナフレアと神官タルキンは、何とか無事に落ち延び、砂海を仕切っているギランと、その息子キラに救われる。
一向はある仙人の隠れ郷へ向かい、そして更に10年が過ぎた――



196 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 3 投稿日:04/12/26 01:35:58 ID:???
10歳になるアルスは、親友のキラと共にルナフレアから剣を教わったり、
隠れ郷に住む導師タオから呪文を教わったりしながら、健やかに成長していた。

そして同じ頃、北のローラン王国では、「ジャガン」と名付けられた王子が
魔人王として即位すると言う噂が流れていた。
現在、異魔神に忠誠を誓う魔王は、獣王グノン、冥王ゴルゴナ、竜王の3名。
そして魔人王ジャガンが加わるのだ。
彼らは既に、地下世界アレフガルドへの侵攻も始めていた。

仙人の郷の結界もモンスターによって破られたことで、アルスは
ルナフレア、タルキン、ギラン、キラ、タオ、そして妖精のティーエと共に旅立つことになる。
一行は砂漠で巨大な竜に襲われるが、竜は人間の姿に変わった。
彼は大賢者カダル。伝説の勇者アレルと共に大魔王ゾーマを倒した、3人の「聖戦士」の一人であった。
100年以上生きているはずなのに若々しいカダルに驚きを隠せない一同だが、カダルの持つ魔力に納得する。
カダルは、異魔神はこの世界とは全く異なる次元から来た邪悪な魔王だと言う。
アルス、そしてキラは異魔神に対抗するために、賢者だけが住めると言う蜃気楼の塔で修行することに。

蜃気楼の塔で修行したアルスとキラは悟りを開きつつ、見る見る強くなっていく。
しかし修行の最終段階で、アルスは「真実の森」で初めて父母と出会い、両親の暖かさを知る。
戦いを止め、両親と共に暮らそうとするアルス。
しかしロトの血の逆流により、アルスは過去の世界で勇者アレルになり、大魔王ゾーマと戦うことに。
ゾーマとの戦いの最中、先祖アレルの声を聞いたアルスは、己の弱き心を知り、父母が幻であったことに気づく。
勇者の証である、ライデインの魔法を会得するアルス。
カダルはアルスの勇者としての力を褒め称えるが、「ひどい」と泣きつくアルスに
アルスが10歳になったばかりの子供であることを思い出すのだった。



197 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 4 投稿日:04/12/26 01:37:17 ID:???
カダルはアルスたちと別れる際「3人のケンオウを探せ」と伝える。
100年前に交わされた、勇者アレルと共に戦った仲間たちの誓い。
「この世が再び邪悪に覆われた時、我らも勇者のもとに集わん」
戦士フルカス、武闘家フォン、そして賢者カダル。
彼ら3人がそれぞれ、剣王、拳王、賢王と呼ばれる聖戦士であるのだ。
ロトの子孫であるアルスが勇者として立ち上がったからには、聖戦士たちも集ってくるはずである。
カダルは役目を終えたとばかりに蜃気楼の塔と共に姿を消す。

その頃、闇の城となったローラン城では、
アルスと同い年の魔人王ジャガンが第四の魔王として戴冠していた。

(※現パーティ:アルス、キラ、ルナフレア、タルキン、ギラン、タオ、ティーエ)



198 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 5 投稿日:04/12/26 01:38:08 ID:???
アッサラームの町に辿り着いたアルスたち。ルナフレアはそこで、恐ろしく腕の立つ剣士と渡り合う。
剣士は魔剣ネクロスを操る、魔王軍の刺客だった。そして自らを剣王サーバインと名乗る。

ルナフレアがサーバインと戦ってる間、アルスたちは劇場で少女武闘家ヤオと出会い、襲ってきた魔物を撃退。
ルナフレアの身を案じたアルスたちは彼女を探す。
しかし、アルスが見つけた時は、既にギランとルナフレアが瀕死の状態になっていた。
二人が傷つけられたことで怒りを燃やし、サーバインに立ち向かうアルスとキラ。
そこにヤオもやって来て、サーバインを討とうとする。
ヤオは剣王サーバインに、故郷の拳王の里を滅ぼされ、両親や里の人々を無残に殺された過去があった。
「拳王ヤオが剣王サーバインを倒す!」 ヤオはサーバインに拳を向ける。
アルスとキラもヤオに加勢し、3人はサーバインと戦う。

剣王の里では、初代剣王であるフルカスが修行の旅で手に入れた武器や防具が数多くあった。
その中の呪われた武器を使いこなすため、フルカスは地上最強の剣法・幻魔剣をあみだしだ。
幻魔剣は歴代の剣王に伝えられていったが、魔剣ネクロスだけは呪いの力が凄まじいため封印されていた。
しかしサーバインは6歳の時、魔剣ネクロスに魅入られ、里の人々も両親も、生まれたばかりの弟も殺したと言う。

タオ導師は、ギランとルナフレアを治療しようとするが回復魔法も効かない。
自分が長くないと悟ったギランは、タオにキラの素性を語る。
13年前、密輸商人であったギランは、森の中でひどい傷を負った女性を見つけた。
女性は胸に抱いていた赤ん坊をギランに預け、呪われた剣を手にした剣士によって剣王の里が壊滅したことを伝える。
そしてその剣士がこの赤ん坊の兄で、自分の子であることを告げ死亡。その時の赤ん坊がキラである。

キラとサーバインは生き別れの兄弟であった。
そのことを告げにきたタオに、サーバインもキラも動揺する。
魔剣ネクロスは魔物としての本性を現し、異魔神の命令でサーバインに取り憑いたことを明かす。
剣王としての心を取り戻したサーバインはキラに謝り、魔剣獣を取り押さえ、
共にアルスのライデインの魔法に焼かれる。号泣するキラ。



199 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 6 投稿日:04/12/26 01:39:47 ID:???
ルナフレアとギランも重症の身であった。
アルスは涙を流し「強くなる。もう仲間が傷つくのを見るのは嫌だ」と決意する。
ルナフレアは最後の力を振り絞って礼拝堂へ行き、精霊ルビスに
「私の命と引き換えにアルスをお守りください」と祈りを捧げる。
ギランは、拳王の里に伝わる「気」の力により血が止まり、一命を取り留めることができたが、
ルナフレアは既に息を引き取っていた。

ルナフレアを埋葬し、カーメンを目指すアルスたち。ヤオも共についていくことになった。
完全に体が治っていないギランはアッサラームに残り、タオと、ヤオの師ファンが治療を続けることに。
キラは心の整理をつけるため、一度剣王の里に向かうことを決意し、必ずアルスの元に戻ることを約束する。

(※現パーティ:アルス、ヤオ、タルキン、ティーエ)



200 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 7 投稿日:04/12/26 01:43:25 ID:???
剣王と拳王は見つかったものの、残りの賢王の手がかりはない。賢者カダルに子供はいないからだ。
しかし偶然に立ち寄ったエルフとドワーフのオアシスで、
ティーエが消えた賢者カダルの焼け焦げたサークレットを見つける。
サークレットを付けてみたアルスは、賢者カダルが流星になり、一人の少年にぶつかる光景を見る。
「ボ・ク・ハ・コ・コ・ニ・イ・ル」と幻の中でアルスに告げる少年こそが、賢王だと悟るアルス。

一方ヤオは、ドワーフのイカサマ師ピエタから、素早さが上がる星振る腕輪を譲り受ける。
ピエタは拳王に出会えたことに感激しエールを送るのだった。

やっとカーメン城に辿り着いたアルスたち。
しかしカーメン城には人の姿もモンスターの姿もなかった。
代わりにアルスたちを襲ってきたのは亡霊たち。
城への侵入者を許そうとしない亡霊たちの正体は、カーメンを必死で守り抜こうとした騎士たちの魂であった。
そこで、タルキンは軍団長ボルゴイと再会。
ボルゴイは魔王軍との戦いでただ一人生き残ったものの視力は失われており、亡霊たちと共に城を守っていた。
娘のルナフレアの死を知ったボルゴイだが、アルスが無事であったことに感涙する。

だが、カーメン城には既に魔王軍の冥王ゴルゴナの手が伸びていた。
ゴルゴナは遥か昔に滅びた魔王バラモスをゾンビとして甦らせ、カーメン城を攻撃させる。
アルスは、ルナフレアの残した光の指輪を使いながらバラモスゾンビと戦い勝利を得、
カーメン騎士たちの魂を昇天させた。

ボルゴイの話によると、カーメン城は100年前、バラモス城であった。
そして北の王国ローランは、竜の女王の城であったと。
勇者アレルは竜の女王から大魔王ゾーマを倒すために必要な光の玉を授かった。
また、現在、魔王として君臨している竜王は、竜の女王の子だという説もあると言う。
アルスはボルゴイから、カーメン城に伝わるロトの鎧のレプリカを授かりそのまま装備。
ボルゴイはカーメン城を守るために留まり、アルスたちは再び出発する。



201 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 8 投稿日:04/12/26 01:46:26 ID:???
道中アルスたちは、自称・伝説の遊び人のポロンと出会う。
ポロンははぐれスライム・暴れドラキー・見習いゴーストのモンスターたちとパーティを組んでいる、お調子者の少年だった。

ポロンに道案内を頼み、テドンの村に辿り着く一行。
アルスはその村に見覚えがあった。カダルの流星が落ちたのがこの村だったのだ。
この村に賢王がいる!と希望を膨らませるアルスたち。
アルスは村で流星に撃たれた子供を探すが、その子供、ノロップは既に墓の中だった。
流星に撃たれて死んでしまっていたのだ。アルスたちは絶望する。

ノロップの祖父、船大工のカミーロの家に泊めてもらったアルスは、
夢の中で再び「ボ・ク・ハ・コ・コ・ニ・イ・ル」と語りかける少年と出会う。
少年はカダルの姿に変わり、カダルは「アリアハンへ向かえ。そこで聖戦士の誓いが果たされる」と告げる。
夢から覚めたアルスは、ノロップの墓を暴き、棺の中にノロップがいないことを確認。
孫が生きていることを知ったカミーロはアルスたちがアリアハンへ行くための船を作る。
船首像にルナフレアの面影を見たアルスたちは、この船をルナフレア号と名付けるのだった。
ルナフレア号に乗り、旅立つアルスたちだが、ポロンも面白そうだからと無理矢理ついてくる。
そして一行はアリアハンへ向かう。

(※現パーティ:アルス、ヤオ、タルキン、ティーエ、ポロン、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴースト)



206 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 9 投稿日:04/12/26 15:48:07 ID:???
海上を旅するアルスたちに、異魔神は、海王リバイアサンを放つことにする。
海王リバイアサンは異魔神に逆らったことで今まで封印されていた。
リバイアサンの婚約者である海の精パールは、封印されていたリバイアサンを守り続けていたが、
竜王と冥王ゴルゴナにリバイアサンを奪われ、海に漂流する。
アルスたちに助けられたパールは、海と全世界に滅亡の危機が迫っていると告げる。
海王は神話の世界から中立を守り続けていたが、異魔神によって知性と理性を奪われ、化け物と化していた。

リバイアサンを止めるには、直接意識に訴えるしか方法はない、とパールは語る。
リバイアサンの核に飛び込んだパールたちは、リバイアサンに甲殻魔獣ダフォーラが巣食っていることを知る。
リバイアサンは、愛するパールに、これ以上罪を犯させないためにも、
海王を唯一死に至らしめる武器トライデントで自分を貫いてくれ、と頼む。
始めは戸惑っていたパールだが、意を決し槍を取る。
しかしダフォーラにそれをはばまれ、リバイアサンは自ら最期を遂げようとするが、
アルスに「最後まであきらめちゃだめだ」と、パールのためにも死なないで、止められる。
タルキンは、リバイアサンの志を無駄にしてはならない、とアルスを諭し、ヤオが槍を取るも失敗。
傷つけられた仲間を見てアルスは、もう迷わないと今度は自分が槍を取るがダフォーラに反撃され意識を失う。
しかし、同じく倒れていたポロンが急に起き上がり、
意識のないまま両手から呪文を繰り出し、ダフォーラの攻撃を跳ね返す。
いつの間にかダフォーラの甲羅が失われていたことに驚くアルス。
既にリバイアサンと一体になっていたパールは、「私達は死にません。別の形になって生まれ変わるのです」と
アルスを促し、アルスがトライデントの一撃を放ち、ダフォールと共にリバイアサンとパールも消滅。

荒れが静まった海上のルナフレア号で、リバイアサンとパールの転生した幼魚を見つけるアルス。
海の長老は、アルスの勇気に敬意を表し、海の魔物たちは決して
勇者アルスとその仲間の通行を妨げてはならない、と海のモンスターたちに伝える。



207 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 10 投稿日:04/12/26 15:48:42 ID:???
一方、アルスと別れた後、剣王の里へ辿り着いたキラ。
里には人一人いなかったものの、キラは生家で四代目剣王ロートシルト、そしてその妻へザーの画を発見。
キラの実の両親だ。

キラは剣王の里で一夜を過ごすが、目覚めた時には、キラは6歳の姿になっていた。
キラは、絵で見た両親、里の人々、そして兄サーバインに6歳の誕生日を祝福される。
最初は、これは幻術か何かで罠なのではないかと疑うキラだが、
父親から幻魔剣を教わり、また母親のぬくもりを知るたびに戸惑いが薄れていく。
サーバインもキラの良き兄であり、共に剣王としての修行に励む。
「これがおいらの本物の家族なんだ」と感激するキラ。

だがその夜、里の人々の態度が一変。サーバインは魔剣ネクロスでキラに傷をつける。
幻魔剣の傷は普通の治療では治らない。
キラが助かる方法は一つ、息のあるうちに幻魔剣を体得することだった。
幻魔剣の魔力は同じ幻魔剣士には通用しないからだ。
ロートシルトとサーバインはそろってキラを攻撃。
今までのことは全て魔王軍の策略だったのか、と怒りと悲しみで剣を振るうキラは、ついに幻魔剣を習得。
キラは真の剣王となったのだ。

元の年に戻ったキラは、黒い鎧をまとっていた。鎧は剣王の里に伝わる最強の鎧・ブラックシーザー。
キラの両親や里の人々は、キラに別れを告げる。やはり彼らは本物の両親だった。
サーバインが、キラに幻魔剣を覚えさせるため、そして家族の暖かさを教えてあげるために、
ほんの数日の間だけ両親や里の人々を甦らせていたのだ。
魔界に身をおいていたサーバインは、一時の間、冥界から復活する術を身につけていた。
天へ戻っていく両親や里の人々だが、サーバインの向かう先は他の者とは違う方向だった。
「死ぬなよキラ!」 兄の言葉を胸に、キラは一層強くなってアルスの元へ戻る決意を新たにする。



208 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 11 投稿日:04/12/26 15:49:33 ID:???
とうとう勇者アレルの故郷でもある、アリアハンへ辿り着いたアルス一行。
アリアハンは冒険者の聖地と呼ばれているが、町は寂れ、活気がなくなっていた。
アルスたちはとりあえず、冒険者の集うと言われる、ルイーダの酒場へ出向く。
ルイーダの店には、勇者アレルと仲間たちの絵が飾ってあった。勇者アレルは、この酒場で仲間を得ていたのだ。
店の5代目店主である女主人ルイーダは、今のアリアハン王が臆病者で、魔王軍と戦おうとしないため、
冒険者も寄り付かず、町は死んだ状態になっていると語る。

アルスたちと別行動を取り一人町をぶらついていたポロンは、マムルとアスリーンと言う幼い兄妹と出会う。
ポロンは自分が異魔神退治のためのパーティに入っていると二人に自慢するが、
父と母をモンスターに殺されたマムルは、ポロンに弟子にしてくれと頼む。
自分と同じ境遇の子であったマムルたちに同情したポロンは、それを承諾。

ルイーダは、アルスがロトの血を引く勇者だと知って歓喜する。
その時、マムルとアスリーンの祖母であるチノンばあさんが、
孫が遊び人ふうの少年と外へ行ったきり戻らない、と店に探しに来る。
ポロンのことだ、と思い当たったアルスたちは捜索に出かける。

案の定、強いモンスターに襲われていたポロンたち。
ポロンは逃げようとするが、マムルは両親の仇を討とうとあくまで戦おうとする。
ポロンは一度はマムルたちを置いて逃げるものの、見捨てることができず、仲間のモンスターと共に戦いに戻る。
「オレはどうなってもいいから誰かこの子達を助けてやってくれ!」
ポロンが強く念じた時、ポロンの体から強い光がほとばしる。
ポロンは己の内から己自身の聖なる意志の声を聞く。
「戦うのだノロップ。右手をかかげ思うままに念ずるのだ」
ポロンの右手からバギ、右手からギラの魔法が発され、強力な合体魔法によりモンスターは倒される。
アルスたちが駆けつけた時、ポロンは意識を失い倒れてしまった。
ポロンの顔から遊び人のメイクが落とされ、ルイーダの店で見た、
若い頃の僧侶時代のカダルにそっくりな素顔が表された。



209 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 12 投稿日:04/12/26 15:50:35 ID:???
目覚めたポロンは、自分がモンスターのことを倒したことを全く覚えていなかった。
ポロンにカダルの身につけていたサークレットをつけるアルス。
ポロンは、自分が流星に撃たれた時のことを思い出す。
流星に額を貫かれたポロンはカダルと出会っていた。
次に気づいた時は棺の中だったポロンは、口うるさい祖父から逃げるために
このまま死んだことにしよう、と、こっそり棺の中から脱出。
名前もノロップではなくポロンと変え、遊び人になったのだ。
生まれ変わったポロンは、何故か動物やモンスターの言葉がわかるようになっており、
出会ったモンスターを仲間にした。

その話を聞いたアルスは、ポロンは遊び人ではなく、賢者の王たる賢王であると告げる。
とても信じられないポロンは頑なに否定するが、サークレットはポロンの頭から取れなくなっていた。

その夜、ポロンは亡き両親の過去を見る。
ポロンの父・僧侶ボルクと母・魔法使いレナスは共にカダルから教えを受けた。
既に生まれていたボルクとレナスの息子ノロップは、モンスターとも仲が良い不思議な子。
カダルはボルクとレナスに、ノロップに賢者としての才能を引き出してくれ、と頼む。
その後テドンの村に落ち着いたボルクとレナスは、ある日モンスターから町を守るために戦うも、
マジックパワー(MP)が尽き、最後の手段である自己犠牲呪文・メガンテによって町を守った。
幼いポロンは他人のために死んでいった両親のことがわからず、何ものにもとらわれない遊び人を目指したのだが、
マムルやアスリーンを守りたいと願ったことにより、両親の気持ちを理解する。
父と母、そして大賢者カダルの意志を強く思い知ったポロンは、賢王となることを決意。
改めてアルスたちは賢王ポロンを迎え入れる。

(※現年齢:アルス12歳、キラ15歳、ヤオ13歳、ポロン10歳)



210 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 13 投稿日:04/12/26 15:53:12 ID:???
魔王軍でも、アルスたちがアリアハンへ着いたことが知れる。
一方、地下世界アレフガルドを攻めていた竜王は、ラダトーム城に強力な戦士がおり、
その者がアルス、ジャガンに継ぐ、三番目のロトの子孫ではないかと報告する。
驚く魔王たちだが、ジャガンは、ロトの子は自分とアルスの祖先であるローランとカーメンの二人だけだと主張。
獣王グノンは、必勝の策があると、勇者アルスへの戦いの許可を異魔神に取り、出撃の準備をする。
ラダトーム攻略に手こずり、グノンから蔑まれた竜王は屈辱を受ける。

魔法の修行をタルキンとチノンばあさんから受けるポロンだが、簡単な呪文もまるっきり使えない。
そこに、10万の獣兵を率いたグノンが登場。
グノンはアリアハンの人々に、「助かりたければロトの子孫アルスを差し出せ」と告げる。
10万の兵に囲まれた人々は恐怖に怯え、躍起になってアルスを探そうとする。
ルイーダはアルスをかくまおうとするが、アルスは隠れてなどはいられなかった。
姿を現したアルスは「魔王軍に立ち向かうんです!」と人々に訴えるが、アリアハン王が登場。
王は、アルスにこの町から立ち去れと命令する。
アルスは小さな子供から「お兄ちゃんが勇者なら父ちゃんを生き返らせて」と訴えかけられる。
今しがたやってきたモンスターに殺されたのだ。アルスがこの町へやってきたせいである。
それを思い知ったアルスは、たった一人で10万の兵と戦うことを決意。
死地へ赴くアルスに、石を投げつけるアリアハンの人々。
それを嘆くタルキンたちはアリアハンの地下牢に取り押さえられる。

アルスは、一人で獣王グノン、以下モンスターたちと対峙。
「守るべき人間どもに裏切られた気分はどうだ?」と嘲り笑うグノン。
アルスは「人の心をもてあそびやがって!」と呪文と剣技を繰り出し、獣兵団と戦う。

地下牢に捕らえられていたタルキン、ヤオ、ポロンをルイーダたちが救出に来る。
アリアハン王に見つかってしまうが、魔王軍はアルスを恐れているからこそ勇者を引き渡せと言ってきたのであって、
アルスを倒したら何の心配もなくこのアリアハンへ襲いかかってくるはずだ、とルイーダは主張。
タルキンたちは、誰にも止めさせはしない、とアルスの加勢に向かう。



211 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 14 投稿日:04/12/26 15:54:28 ID:???
たった一人で戦っていたアルスも、数が違いすぎて敵わず、ついに倒れてしまう。だがそこに懐かしい声が響く。
「戻ったぜ親友!!」 幻魔剣を習得したキラが戻ってきたのだ。
タルキンたちも駆けつけ、アルスに回復魔法をかける。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、タルキン、ティーエ、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴースト)

アルス、キラ、ヤオは、それぞれ獣兵団の強力な将軍と戦い勝利を収めるが、
魔法の使えないポロンはまるで役に立たない。「オレにはできない」
自信を喪失するポロンだが、タルキンは「大切なものを守りたいと思った気持ちを思い出せ」と諭す。

四天王であった将軍も倒されたグノンは、ついに総攻撃を開始。
必死で敵の数を減らしていくアルスたちだが、既に誰もが限界だった。
ポロンは「これ以上みんなが傷つくのを見ていられない!これ以上仲間を死なせるなよ!!」とモンスターに訴える。
もちろんそれで攻撃をやめるグノンではない。
タルキンは、最後の方法を一つだけ思い出す。
「アルスを頼んだぞ」
そう言い残し、タルキンはアルスを孫のように育てた今までの過去に思いを馳せ、まっすぐにグノンの元へ。
ポロンはタルキンの様子に、亡き父母の最後の戦いを思い出す。
「じいさんやめろ!それだけはやっちゃいけねぇ!!」
ポロンは必死で叫ぶが、タルキンは自らの命と引き換えに、メガンテの呪文を放つ。

タルキンを失ったことで、悲しみにくれるアルスたち。
しかも、モンスターどもはタルキンの犠牲により一掃されたものの、グノンはまだ生きていた。
アルス、キラ、ヤオはグノンへ攻撃をしかけるも、既に体はボロボロである。
ポロンの仲間である、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴーストのモンスターも
グノンへ立ち向かうが、獣王グノンに敵うはずはなく、無残に殺される。

ポロンはそこでカダルの声を聞き、サークレットがはずれ、額に第三の目が現れる。
「どこまで命をもてあそべば気が済むんだ!」
賢王ポロン、覚醒。 ついにアリアハンの地で、勇者と三ケンオウが揃ったのだ。
大賢者カダルの力を全て受け継いだポロンは、攻撃・回復魔法を共に最強まで使いこなせるようになった。
合体魔法により、その威力は倍以上にもなる。



212 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 15 投稿日:04/12/26 15:56:11 ID:???
夜が明け始め、アリアハンの人々は、勇者を魔王軍に差し出したことを悔やみ出していた。
アリアハン騎士団も王に出撃を願う。王は、アリアハンの者全員で勇者の救援に向かう、と決意。
アリアハンの人々は一つになり、アルスの名を叫びながら勇者の元へ。
人々から勇気を得たアルスだが、グノンは変身し、更に強大になる。
ポロンはアルスに、ミナデインを使え、と言う。
ミナデインは人々の魔法力を集めて放つ勇者にしかできぬ技。
ポロンは集まった人々の魔法力を集め、アルスはミナデインの魔法でグノンを倒す。
ミナデインの直撃を食らってもまだ立っていたグノンだったが、グノンは立ったまま死んでいた。

アリアハン王は勇者一行に跪き、敬意を表する。
タルキンの葬儀は、英雄として盛大に行われた。
ポロンは死んでいった自分の仲間のモンスターも英雄だと言い、共に弔う。

葬儀の最中、地下世界アレフガルドのラダトームが落城したとの知らせが入る。
竜王がついにラダトーム城を攻略したのだ。
地下世界への旅の扉は閉ざされており、アルスたちは行くことができない。
しかし、1年以上もラダトームが持ちこたえていたことの方が奇跡だ、と言うキラたちに
アリアハン王は、ラダトーム王家は地上界のローランとカーメン両王家と共に、
今もなおロトの血脈が続いているからだ、と話す。
ラダトーム城には、アルス、そして魔人王ジャガンに続く、第三のロトがいるはずなのである。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ)



213 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 16 投稿日:04/12/26 15:59:11 ID:???
ラダトーム攻略を異魔神に報告した竜王は、獣王グノンがアルスたちに敗れた知る。
グノンの敗北にも、自分の勝利にも少しも心が動かされた様子がない異魔神に、
竜王はいつか自分もグノンのように犬死にするのでは、と不安を覚える。
そこに現れた電撃魔法ライデインを放つ一人の人物。
竜王と堂々と渡り合うその人物は、自らを「ラダトームの第一王子にしてロトの子孫、勇者アステア」と名乗る。
アステアは、いつかラダトームを解放する日までこの城を預ける、と竜王に言い残しその場を去るのだった。

竜王はラダトーム城でロトの系譜を見つける。
ロトの子供は、ローランとカーメンの他に、長女フローラがいたが、死産だったと記されている。
しかしアステアこそが、死産されたと偽られたフローラの子孫に違いない、と竜王は確信する。
人々の希望であるロトの血を、何故隠さなければならなかったのか?
竜王はラダトーム城にはとてつもない秘密が隠されているのでは、と城をくまなく捜索。
城の地下には、モンスターを寄せつけないように守護された、闇のオーブが安置されていた。

一方魔人王ジャガンは、グノンが殺されたことによりロトの血のすさまじさを知り、単身でアルスの元へ。
ジャガンはアリアハンの人々を眠らせ、アルスと二人で戦うためのファンタム・ゾーンを形成。
アルスとジャガン、二人の持つロトの紋章が呼び合ったことにより、ジャガンに会いに出向くアルス。
「勇者ロトの名誉を汚すお前などに負ける訳にはいかないんだ!」アルスはそう言いジャガンに戦いを挑む。
しかしジャガンは、もともと呪われた名「ジャガン」を与えられるアルスの方だった、と語る。
赤ん坊の頃、ルナフレアやタルキンによって落ち延びさせられたアルス。
その後、竜王はローランに目をつけ、ジャガンの名を王子に与えた。
もしかしたらアルスとジャガンの立場は逆だったかもしれないのだ。
だがジャガンはむしろ、魔神の力を与えてくれたことに感謝する、と言い放つ。
アルスはジャガンが心から世界の征服を望んでいるのならばその野望を砕く、とジャガンと戦うが、
ジャガンの放つ黒い稲妻エビルデインに、アルスのライデインが押され、アルスは不利に。



214 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 17 投稿日:04/12/26 16:02:17 ID:???
更にジャガンは、勇者ロトの武器・防具であった光の鎧・王者の剣・勇者の盾を呼び出し、自らに装備する。
ロトの装備は代々、ローランに受け継がれていたのだ。
しかし本来は青であったはずの鎧は真紅に染まっていた。
勇者の装備をジャガンが身につけたことにアルスは絶望。
完全なロトの装備、それに剣に魔法、強さの面でもジャガンに敵わないアルス。
恐怖に怯えたアルスは、身も心も、ジャガンの前に敗北してしまう。

アリアハンの人々は依然眠り続けていたが、ポロンが眠りの状態から覚醒魔法ザメハを唱え、
三ケンオウとティーエはアルスを助けに向かう。
しかしアルスはジャガンに斬られた後。
ポロンは合体魔法オクルーラでアルスとティーエをルイーダの酒場へ送り返す。
キラ、ヤオ、ポロンは3人でジャガンと戦うも、ジャガンは余裕で3人に反撃。
更にロトの紋章が、ジャガンの身を守っている。
ケンオウたちに止めを刺そうとするジャガンだが、異魔神が現れ、戦いを止めさせる。
ジャガンの持つロトの紋章の共鳴は止んだ。アルスが死んだのだ。
異魔神はアルスを葬ったジャガンに魔王の第一称号を与え、ラダトーム城へ行くよう命令する。

ラダトーム城へ赴いたジャガンは、地下の闇のオーブを取ってくるよう言われる。
聖なる光に守護された闇のオーブを手にするには、魔族ではない、ロトの血を引くジャガンが必要なのだ。
聖なる守護はジャガンの魔の心に反応するも、ロトの血の力により、闇のオーブを手にすることに成功。
異魔神にその闇のオーブを献上するも、闇のオーブは偽物だった。
本物の闇のオーブには、異魔神の真の力が封印されているはずなのだ。
闇のオーブは、アステアが持ち去ったに違いない、と言う竜王。
フローラの子孫は、闇のオーブを守り通すために、ロトの血脈を隠してきたのだろう、と。

ジャガンは、聖なる結界が魔王軍で自分にしか破れないことから、
異魔神がロトの血を引くアルスや自分を魔王軍に引き込もうとした理由に気づく。
ならばそれを利用させてもらうまで、とジャガンは、異魔神もいずれは足下に跪かせてやる、と笑むのであった。



215 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 18 投稿日:04/12/26 16:03:09 ID:???
死亡したアルスにはもう回復魔法も効かず、キラを始めとする皆は号泣する。
チノンばあさんは、勇者ロトの時代には世界樹と言う伝説の樹があり、その木の葉を使えば
死んだ人間を生き返らせることができる、と語る。
すると蜃気楼の塔が現れ、賢者カダルが世界樹の位置を示してくれた。
世界樹を探し当てた三ケンオウだが、木は枯れ果て、葉っぱは一枚もなかった。
アルスを救う手立てはもうないのか、と絶望するケンオウたちだが、
ティーエが世界樹にアルスを助けるために、と心から祈った時、世界樹が甦った。
世界樹の葉を取ってアルスに使うも、傷は癒え、生命力は回復したはずのアルスは目を覚まさない。
チノンばあさんは、アルスは心が死んでいるのだと判断。
ジャガンに打ちのめされたアルスは、生きる気力を失っていたのだ。

アルスは、死の世界の前に立っていた。
目の前の大きな河を渡ろうとするアルスだが、そこに「来てはならない」と声が聞こえる。
河の向こう側にいたのは、ルナフレア、そしてタルキンの姿だった。
「お前にはまだやらねばならぬことがある」「帰りなさい」と言うタルキンとルナフレアだが、
アルスはルナフレアやタルキンと共にいることを望む。
「怖いんだ本当は!」 アルスはずっと戦いを嫌っていた。
しかし自分がいなければ全世界が魔王軍に踏みにじられてしまう。そう思うからこそ必死に戦ってきたが、
ジャガンへの完璧な敗北と、家族のように慕っていたルナフレアとタルキンに再会したことで、アルスは戦う心をなくす。
アルスの苦しい胸の内を聞いたルナフレアは、アルスに手を差し出す。「誰もアルスを責められないよね…」
ルナフレアの手を今しも取ろうとするアルスだが、
ルナフレアの死、タルキンの死、魔人王ジャガン、3人のケンオウ、それらの全てに思いを馳せたアルスは、
ぎりぎりでルナフレアの手を取ることを踏み止まる。「自分だけが戦ってるんじゃない」と。
ルナフレアとタルキンはアルスを誇りに思い、アルスを見送る。
生きとし生ける者はいつか必ずここに来るのだ。
「いつかあなたが年を取って、あなたの世界を離れる時が来たら、その時にきっとまた会えるわ…」



216 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 19 投稿日:04/12/26 16:04:21 ID:???
葬儀の最中に生き返ったアルスは、ジャガンに勝つためにはもっと強くならねばならない、と一から修行することを決意。
剣は剣王に、魔法は賢王に教わるのが一番だ、と蜃気楼の塔で修行する勇者パーティ。
ポロンも塔で悟りの書を見つけ、賢王の力を完璧に習得。
カダルはポロンに、もう私は姿を見せることはない、と言う。

アルスたちが修行に励んでいる間は、アリアハンの人々によって新たな旅の準備が進められていた。
ロトの武器である王者の剣は黄金の国ジパングの刀鍛冶によって作られた。
再び王者の剣を作ってもらえないか、とアルスたちは目的地をジパングに定める。
旅立つ前にアルスはロトの父親のオルテガの剣、ティーエはタイターンの針など装備を整え、
アルスたちは王やルイーダを始めとするアリアハンの人々に見送られながら、ジパングへ出航する。

アルスたちが旅立った後、地上界に辿り着いたアステア。
アステアはアリアハンへ出向き、勇者アルスが獣王グノンを倒したと言う話を聞き、驚く。
ルイーダからアルスの行き先を聞いたアステアもまた、ジパングへと向かうことに。
どことなくアルスに似た雰囲気を持つアステアに、マムルやアスリーンはアルスの友達か、と尋ねるが
アステアは「遠い遠い兄弟さ」と答えるだけだった。
アステアが地上へとワープしてきたことは魔王軍も感知し、
異魔神は三魔王に、アステアを探し出し、闇のオーブを見つけよと命を下す。



218 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 20 投稿日:04/12/27 10:11:56 ID:???
ジパングに辿り着いた一行。
女王に謁見を申し出るアルスたちだが、神官オモカネが女王は病気でふせっていると代わりに用件を聞く。
オモカネの話によると、王者の剣の原料である超金属オリハルコンは、ジパングの北にある洞窟に、
勇者ロトが退治したヤマタノオロチの御霊を鎮めるためにオリハルコン製のドラゴンの彫像が祭られていると言う。
オリハルコンの聖なるオーラを浴びたら、女王の病気もよくなるはずだ、とオモカネは
アルスたちに像を取ってきてほしいと頼む。女王の病気が治ったらオリハルコンの像もあげる、と。
しかし、オモカネから怪しい気を発していたことに感づいたヤオは罠だと言うが、
いずれにしても手がかりをつかむためには行くしかない。

洞窟の中を捜索するアルスたちは、オリハルコン製のドラゴンの像を見つけるが、
そこにジパングの女王イヨが現れる。
イヨはオモカネこそ魔物の化身で、ジパングを乗っ取ろうとしていると語る。
既にドラゴンの像を取ってしまったアルスたちは、何とヤマタノオロチの封印を解いてしまっていた。
ヤマタノオロチはロトが退治したものの、仮死状態で100年眠り続けており、
イヨたちはオロチが地上に出てこないよう、オリハルコンで作った聖像で結界を張っていたのだ。
王者の剣を作った伝説の鍛冶屋ムラクの子孫・錬金術師リハクに出会ったアルスたちは、
オリハルコンで王者の剣を作ってほしいと頼むが、リハクはヤマタノオロチを倒せと条件をつける。

ヤマタノオロチの封印を解いたのは自分たちの責任でもある、とアルスたちはオロチ退治に向かう。
リハクの一番弟子イズナは、女王イヨの命令でアルスたちに力を貸すことに。
イズナはジパングに伝わる「神仙術」の使い手。イズナの持つ神仙術は人や物、自らを浮かし動かすことができる技だ。
イズナの神仙術やポロンがドラゴラム×2の合体魔法で双頭竜に変身したりと、オロチを追い詰めるものの
全員で攻撃しても再生してしまうオロチ。どさくさでオモカネもオロチにやられてしまう。
ヤマタノオロチは、腹に呑み込んだオリハルコンのドラゴン像によって、再生力が高まっていた。



219 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 21 投稿日:04/12/27 10:12:44 ID:???
アルスは、ティーエの持つタイターンの針で、オリハルコンに命を与えてみることを提案。
タイターンの針は物に刺すと命を吹き込む効果がある。
しかし、そのためにはティーエがオロチの腹の中に飛び込まなければならない。
だがアルスを慕うティーエは、快く承知。「アルスを信じる!」
アルスとティーエはイズナの神仙術によりオロチの腹の中へ。
ティーエがタイターンの針でオリハルコンのドラゴン像に針を刺すと、像は聖なる龍となり、
ヤマタノオロチの体は溶けていってしまう。聖なる龍は元の像に戻った。

その頃ジャガンは、モンスターからジパングでアルスを発見したと聞き、驚愕する。

リハクは約束通り、勇者アルスに王者の剣を作ることを承諾する。
その夜はオロチを倒したことにより、宴が開かれる。
女王イヨに気に入られたアルス。そのことに不機嫌なイズナ。
いつの間にかかわいいガールフレンドを作ってるポロン。
キラはヤオに以前からの想いを告白しようとするが、最後までは伝えられない。

和やかな宴の夜が続く中、突如現れたのは怒りに燃えた魔人王ジャガンだった。
アルスは「ジャガンだけはぼくが戦うべき敵だ」と他者の介入を拒む。
以前の戦いとは比べ物にならないほど強くなったアルスにジャガンは終始押されてしまう。
ジャガンは感情の高ぶりにより、剣を鈍らせていた。
「今のお前じゃぼくには勝てない!」アルスは言い放つ。
アルスの持つ愛や友情といったものを嫌悪するジャガンは、自らの血塗られたロト伝説を語り始める。



220 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 22 投稿日:04/12/27 10:13:42 ID:???
13年前、呪われた名「ジャガン」を授かった日より、ジャガンの宿命は決まっていた。
魔人王となるため、幼き日から毎日のようにモンスター相手に剣の稽古を積んできたジャガン。
ジャガンを育てていた冥王ゴルゴナは、心を失ったローラン騎士たちをジャガンの相手にさせる。
ローランの剣術はロトの剣仕込み。始めは甘く見ていたジャガンも、騎士たちの前に惨敗する。
修行を続け、何とかローラン騎士たちをも打ち倒すようになったジャガンだが、
どうしても人間に止めを刺すことはできなかった。
ジャガンの中では、魔人の力とロトの血が、絶えず激しく衝突していたのだ。
そして、10歳になったジャガンは、魔人王として戴冠するために一人の戦士と対決することに。
ロトの剣術を使うその人物は、非常に腕が立ち、ジャガンは苦戦する。
戦士はライデインを放ちジャガンは直撃を受ける。戦士に剣を突き立てられたジャガンは
「忌まわしきロトの血など一滴もいらぬ!」と剣を抜き、黒い稲妻エビルデインを放つ。
戦士はジャガンの言葉を聞き戸惑いを見せ、エビルデインは戦士に直撃。
「魔人の力がロトの血を支配した!」 ジャガンは戦士に止めを刺す。
そこに異魔神が現れ、ジャガンに真実を突きつける。
「その男はお前の父ローラン四世だ…」
ローラン四世の身につけていたロトの鎧は、鮮血で真紅に染まっていた。
真紅の鎧はジャガンに装備される。魔人王ジャガン、誕生。
父を殺したジャガンは、大きな声で高笑っていた――

父から受けたライデインの刻印は、ジャガンの体に残っていた。
魔人の刻印を表したジャガンは、魔人王となったアルスの姿の幻を本人に見せ、
アルスを魔に染めようとするも、既に迷いのないアルスのロトの血はジャガンの魔を凌駕する。
何故最強の魔人の力を持つ自分がアルスに負けるのか、ジャガンは剣を取り、アルスと最後の勝負をする。
「別の出会い方をしてたら、ぼくたちは友になれたか?」と問うアルスにジャガンは笑みを浮かべ「かもしれぬ」と答える。
最後の一撃は、アルスの勝利だった。

アルスはジャガンを呪われた血から解放しようと止めの剣を向けるが、
二人の持つ紋章が、新たな共鳴を始める。
アルスとジャガン、二人の前に現れた人物は、第三のロト、アステアだった。



221 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 23 投稿日:04/12/27 10:14:48 ID:???
「私は悲しい」 アステアは、地上界でのロトの血脈との出会いを嘆く。
アルス・ジャガン・アステア、勇者ロトの子孫が勢揃いしたのだ。
なおもジャガンに止めを刺そうとするアルスをアステアは止める。
「お前たちは忘れてしまったのか?勇者ロトの遺志を」 アステアは説く。
勇者ロトが長男ローランと次男カーメンを地上に送り出したのは闇の世界を阻むためだったはず。
その血を受け継ぐアルスとジャガンが、なぜ殺し合いをしなければならないのか、と。
アルスはアステアに、ロトの遺志は守りたいが、この場でジャガンを倒さなければまた新たな悲劇が生まれる、と反論。
アステアは涙を流す。地下世界アレフガルドは魔王軍に占領されてしまっているのだ。
「地上界にいる兄弟たちなら手を貸してくれると思ったのに…!」
ジャガンはアステアを拒み「今さら貴様らと同じ勇者の道を歩む気はない!」と言い放つ。

しかし、アルスとジャガンの持つロトの紋章、そしてアステアの持つ赤い宝石――第三のロトの紋章が一つになる。
ラダトームに伝わる伝説では、三つに分けられし紋章が再び一つになる時、大いなる希望が甦る、と語られている。
そして勇者アレルことロトが3人の前に現れた。
3人が見ているのは、ロトの過去の姿。ロトは子孫たちに、力を合わせて共に戦え、と言う。
そして異魔神を倒すための最強の武器、
一万二千年前の戦いで、精霊ルビスが用いた超魔法・オメガルーラの呪文を授ける。
オメガルーラはルビスが異魔神の精神を次元のひずみの宇宙へと追放した、大転移魔法。
オメガルーラは、ロトの紋章を通して発動するのだ。そのため、勇者3人が揃わないと使えないようになっていた。

全てを伝えたロトは消えるが、一つになったロトの紋章はオメガルーラを発動させる。
オメガルーラはジャガンの魔人王の血に反応するが、発動は不完全で、ジャガンは地上のどこかへ飛ばされてしまう。
紋章は再び、3つに分かれてしまった。ジャガンは自らを嘲り笑う。
「どこまでいってもこの俺は弾き飛ばされてしまうというわけだな… 全世界からも、ロトの遺志からも…」

(※現年齢:アルス・ジャガン・アステア共に13歳)



285 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 24 投稿日:05/01/01 20:04:03 ID:???
ローラン城に戻ったジャガンは、異魔神にアステアのこととロトの語ったオメガルーラのことを報告。
しかし命令を無視し、アルスとの単独決戦に向かったジャガンは謹慎される。悔しさに涙を浮かべるジャガン。

ジャガンが去った後は、ジパングも落ち着きを取り戻していた。
キラは祭りの時に言えなかった想いをヤオに告げようとするが、ヤオはそれを止める。
今はアルスと一緒に魔王軍と戦うことしか考えられない、と。
「魔王軍を倒して世界が平和になったその時は…」と言うヤオに、キラは言葉を続けられなかった。

一方アステアは、ラダトーム城から持ち出した闇のオーブを、
一刻も早く地上の聖域に安置しなくてはならなかった。
闇のオーブには異魔神の肉体が封印されており、肉体が再生すれば、
オメガルーラで宇宙の彼方に飛ばされた異魔神の魂の受け皿となってしまうのだ。
(※現在の異魔神は実体がないため、念像投影器を使って現れている)
闇のオーブは聖なる守りの加護がなくなってきている。
それを聞いたアルスは、アステアと共に聖域へ行くことに。
ずっと一人で戦っていたアステアは、誰かを頼ることには慣れていなかった。

冒険者の集まるアリアハンで、聖域に行ったことのある者を探し、
移転魔法ルーラで一気に飛んでいこうとするアルスとアステア。
幸いにも、チノンばあさんが聖域レイアムランドへ訪れたことがあった。

一方、ジパングでは、女王イヨが王者の剣の精錬所であるエッゾの魔州湖まで共に行くと宣言していた。
イヨの教育係でもあるリハクは止めようとするが、イヨは聞かない。
ジパングでは最高の貴族であるイズナはイヨの婚約者でもあるが、イヨがアルスに好意を持っていることに不安を抱く。
イヨはリハクに「もう少しだけ普通の女の子でいたい」と心情をもらした。

(※現パーティ1:アルス、アステア、チノンばあさん
  現パーティ2:キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、イズナ、リハク)



286 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 25 投稿日:05/01/01 20:05:15 ID:???
レイアムランドに辿り着いたアルス、アステア、チノンばあさん。
だが、モンスターとの戦闘の衝撃で、闇のオーブが発動しかけてしまう。
このままでは異魔神が完全に復活し、世界は滅亡してしまう。
アルスとアステアはロトの紋章を使い、闇のオーブの発動を食い止めようとするが、
ジャガンの紋章もなければ、完全には止められない。二人にも危機が迫る。
「地上界の兄弟を決して死なせたりはしない!」
アステアは果敢に立ち向かおうとするが、そこに、ロト伝説に登場する、聖双生児が現れた。
彼女たちはレイアムランドで不死鳥ラーミアの卵を守る、ミルフィーユとメルヴェーユ。
聖双生児の力を借り、アルスとアステアは何とか闇のオーブの発動を止めることに成功した。

闇のオーブはラーミアの神殿に置かれ、聖双生児が守ることになる。
地上界で闇のオーブを聖域に移したアステアは、地下世界アレフガルドに戻りレジスタンスを組織することを決意する。
別れの握手の手を差し出すアルスに、アステアは抱きつく。
「地上界での兄弟が君で…本当に良かった…」
アステアは、自身のロトの紋章をアルスに託す。紋章なしでも戦える勇気を、アルスにもらったと。
これで、ジャガンの紋章が加われば、ロトの紋章は完全な形を取り戻すのだ。
アルスとアステアは、再び会う約束を交わし、別れるのだった。



287 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 26 投稿日:05/01/01 20:07:09 ID:???
エッゾへ向かったジパング組は、モンスターとの戦いで、ティーエ、それにイズナとイヨがパーティから離脱してしまう。
イズナとイヨは冥王ゴルゴナと対峙。ゴルゴナの見せる幻術にイズナは苦戦するが、
レイアムランドから戻ったアルスが助けに来た。
アルスから闇のオーブの居場所を聞き出そうとするゴルゴナは、ゾンビを操りアルスたちを攻撃。
ひとまず撤退したアルスたちは、先に魔州湖へ到着。

一方ティーエは、モンスターとの戦いで飛ばされた先で、コロポックルと呼ばれる種族の妖精たちと出会う。
コロポックルは、聖域である魔州湖を守る存在。ティーエはコロポックルたちに魔州湖へ案内してもらう。

残りのキラたちも魔州湖に辿り着くものの、リハクがモンスターとの戦いで負傷してしまった。
リハクは、一番弟子であるイズナに「わしの代わりに王者の剣を鍛え上げるのだ」と命を下す。
まだ若いイズナは躊躇するものの、王者の剣を練成するために魔州湖の中心部に渡ることを決意。
王者の剣を作るためには相槌を打つ相方が必要なので、イズナにはアルスが同行。
他のメンバーはリハクを守るためにその場へ残る。

(※現パーティ1:アルス、イズナ
  現パーティ2:キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、リハク)

イヨとのことから、アルスに対して複雑な思いを抱いているイズナだが、
二人は協力して、見事な王者の剣を練成する。

しかしキラたちの元には、冥王ゴルゴナが攻撃をしかけてきた。
ゴルゴナの前に押されるキラたちだが、王者の剣を装備したアルスがやってきてゴルゴナを攻撃。
しかし王者の剣の一撃を食らっても倒れないゴルゴナは、アルスたちを冥界に引きずり込もうとするが、
そこに、アルスとキラにとって懐かしい人物が救援に駆けつける。
アッサラームの町に残っていた導師タオであった。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、イズナ、リハク、タオ)



289 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 27 投稿日:05/01/01 20:20:56 ID:???
タオとゴルゴナは旧知の仲であった。
ゴルゴナの正体は、冥界の主の大蜘蛛と7人の研究者たちが合体した姿。
ゴルゴナは自分が助かりたい一心で、合体していた仲間たちを見殺しにし、冥界の主である大蜘蛛を自身から分離。
しかしそれが裏目に出て、ゴルゴナは力を使えなくなり、タオの手によりあっけなく消滅した。

王者の剣を得たアルス一行は、ジパングを発つことに。リハクの傷は大分良くなった。
イヨはイズナに、歴代女王の誰よりも立派な女王になる、と誓う。
アルスのことは憧れだと言い、イズナにも未来のジパングの王として共に働いてほしいと約束させる。
とりあえず尻に敷かれることが確定したイズナ。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、タオ)



290 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 28 投稿日:05/01/01 20:23:04 ID:???
タオは船上で、アルスたちに一万二千年前の出来事を語り始める。
超古代の大陸には、現在の時代とは比べ物にならないほど高い文明が栄えていた。それがムー帝国である。
タオは、太陽王の称号を持つムー帝国の支配者だった。
タオと、タオの弟であるゴルゴナは、魔導研究所で不老不死の研究を行っていた。
研究は失敗に終わったが、研究により偶然生まれた人工生命体に、ゴルゴナが召喚魔法を使い魂を吹き込んだ。
不滅の精神と不滅の肉体が一つになった存在。それが異魔神である。
異魔神は人間が生み出した存在であった。
ムー大陸の生き神となった異魔神は、次第に増長し、暴走を始め、ムー帝国は滅亡した。
ゴルゴナは異魔神と、全世界を征服した暁には世界の半分をもらう約束をしていた。
弟に失望したタオは、ゴルゴナを滅びゆくムー大陸にそのまま見捨てる。
生き残った人々は小さな島に不時着し、再び国を建て直そうとした。それが現在のジパングである。
十数年は何事もなく過ぎていったが、再び異魔神は現れ、精霊ルビスが、オメガルーラの魔法で異魔神を宇宙に追放。
ルビスは、いつか異魔神が復活する時まで長き眠りにつくようタオに言い渡した。
ゴルゴナもタオ同様に封印されていたが、大魔王ゾーマが精霊ルビスを捕らえ石の像に変えてしまった時、
共にタオとゴルゴナは目覚める。ゾーマが倒された後に、ゴルゴナは再び異魔神を呼び戻したのである。
そしてタオは仙人の郷でアルスと出会うこととなる。
タオは己の犯した罪を嘆き、アルスこそが一条の光だと、涙を流し語り終えた。

ゴルゴナの死を異魔神に伝える竜王。
竜王は次第に、異魔神に対する不信が募り始めていた。

ジャガンは、闇のオーブの居場所に検討をつけ、ラーミアの神殿に出向く。
魔人王でありながらも聖なるロトの血を引くジャガンは、結界を突破。
ジャガンは闇のオーブを見つけるも、聖双生児に阻まれる。
が、王者の剣の力により、闇のオーブを入手。
ジャガンは聖双生児に、闇のオーブを発動させるつもりはないと語る。
ジャガンは異魔神に弄ばれた人生に我慢がならず、闇のオーブを使い、異魔神に復讐することを決意していた。
聖双生児は、ジャガンの怒りと悲しみに狂った魂の救いと、全世界の運命を祈る。



291 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 29 投稿日:05/01/01 20:25:00 ID:???
(※現年齢:アルス15歳、キラ17歳、ヤオ16歳、ポロン13歳)

アルスたちは、ついに魔王軍の本拠地であるローラン城へと辿り着いた。
ヤオやポロンの力で城内への潜入は成功。

レイアムランドから戻ってきたジャガンは、アルスたちがやってきたことを知るが、
異魔神との決着を先につけることに。
ジャガンは闇のオーブを異魔神の前に差し出し、望みを言う。
「貴様を俺の足元に跪かせる!」
己の運命を勝手に決められた屈辱を異魔神にも味わわせようと、ジャガンは闇のオーブを打ち砕いた。
しかし、闇のオーブは異魔神の肉体を封印する器に過ぎなかった。
闇のオーブが壊された今、その封印は解かれ、ジャガンは異魔神の肉体に取り込まれてしまう。
異魔神がジャガンを魔王にしたわけも、ジャガンの身に流れるロトの血を取り込むための作戦であった。
異魔神が、今、完全に復活する時が来たのだ。

アルスたちは城内で、モンスターである、リルパットのリルパに出会う。
リルパは「勇者の皆様にある人に会っていただきたい」とアルスたちを案内する。
アルスたちが案内された先には、地下牢に幽閉されていた、ローラン王妃フレイアがいた。
ジャガンの実の母親である。
15年前に生まれたばかりの赤ん坊を奪われたフレイアは、ジャガンを守れなかった責任は自分たちにあると言う。
アルスはフレイアに、「もうジャガンと戦うつもりはない」と語る。
ジャガンとの戦いの中でアルスは、彼の中に流れる勇者の血脈が生きていることを知ったのだ。
ロトの血は、魔の力に身を委ねようとすることを許さない。
ジャガンは逆流するロトの血を無理矢理押さえ込むことで生き続けているのだ。
ロトの血はジャガンを苦しめているが、その苦しみを含めて、それこそがロトの血脈なのだと、
同じロトの血を引くアルスは思うのであった。

アルスとの語らいで勇気を得たフレイアは、共に戦うことを決め、地下牢から脱出。
リルパは王妃によくしてもらった恩によりフレイアを救出したが、元々魔王軍に身を置いているため、そこで別れる。



292 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 30 投稿日:05/01/01 20:26:37 ID:???
一方ジャガンは、既に異魔神にロトの血を吸収されていたが、ロトの紋章の力が
ジャガンの身を連れ去り、ロトの装備と共にジャガンは鎖に繋がれる。

アルスの持つ紋章は、ジャガンの紋章との共鳴が消えてしまい、
フレイアたちはジャガンの死を知ってしまう。

最後の魔王となった竜王は、アルスたちを迎え撃つ。
フレイアの力も借り、竜王と戦うアルスたち。
タオは竜王に「お前にも母親がいた」と竜の女王の話を語る。
もともと竜の女王の城であったローラン城で、勇者ロトは竜の女王から光の玉を授かった。
再びロトが城を訪れた時には女王の姿はなく、一個の卵が残されていた。
その卵から生まれたのが竜王だ、とタオは断言。
竜の女王は世界を守る竜神の末裔。つまり、竜王も聖なる血を引く者である、と。

竜王がジャガンに呪われた名を与えたように、竜王も異魔神に本来の光の血を奪われ、
魔王となるよう仕向けられたのだ、と竜王と言葉責めにするタオ。
今までの異魔神に仕えてきた過去と、タオの語る言葉に、竜王は激しく混乱し、
自我のない獣に落ちてしまう。
異魔神はジャガンに加え、自我を失った竜王をも吸収しようとするが、
竜王はなんとかそれを逃れ、元の姿に戻り、城は決壊。
そこに、鎖につながれたジャガンが現れる。



293 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 31 投稿日:05/01/01 20:27:39 ID:???
ジャガンの姿を認めたフレイアは、意識のなくなったジャガンを抱きしめ、子守唄を歌い始めた――

ジャガンは、大きな河の前にいた。
河を渡ろうとしたジャガンは、向こう岸に、自分が殺した実の父親・ローラン四世の姿を見る。
ローラン四世は息子に語りかける。
「戻るのだ、息子よ… お前の世界に戻って友とともに戦え」
ジャガンは、アルスたちが必要としているのは自分ではなく紋章の片割れだ、
世界がどうなろうと知ったことではない、と反発。
そこに、フレイアの子守唄が聞こえてきた。
「お前はお前を愛する者の存在を知らない… お前は真にお前を必要とする者のために生きよ!」

フレイアは、生命の秘術をジャガンに与える。
それは術者が自らの命を死んだ者に分け与える奇跡の技であった。
目を覚ましたジャガンは、目の前にいる母親の姿に驚愕する。
消えゆく命の中で、フレイアはジャガンに語る。
「あなたの本名はジャガンではないわ… あなたの名前はアラン…」
フレイアはジャガンに、ロトの血を引く勇者として生きることを願い、ジャガンの腕の中で消滅。
しかしジャガンに残されたのは、絶望であった。
「また俺が殺してしまった… 父だけでなく今度は母親まで。どうして…どうして俺はいつもこうなんだ!!」



294 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 32 投稿日:05/01/01 20:28:59 ID:???
ジャガンの復活を見届けた竜王は、異魔神に真実を問いかけるために撤退。
ジャガンは、アルスに最後の決着を挑む。それを受けて立つアルス。
キラやポロンは止めようとするが、ヤオは
「アルスはジャガンの悲しみの最後のかけらを受け止めようとしている」と二人の戦いを見届けることを促す。
アルスはジャガンに、自分が勝ったらフレイアの言い残した言葉を守るよう約束させる。
ジャガンは全力でアルスにエビルデインをぶつけるが、アルスは引き下がらない。
「ジャガン… 今度こそその呪われた血から解放してやる…!」
アルスの右手に膨大なエネルギーが高まる。
アルスはジャガンに、勇者最強の呪文・ギガデインの一撃を放った。

ジャガンは、再び大きな河の前で両親と出会う。光の道を歩くには汚れすぎたジャガン。
「だが約束は守ろう… あなたのために」
ローラン四世は、ジャガンに手を広げた。
「アラン… この父ローランの名においてお前を許す…」

目覚めたジャガンは、アルスもアリアハンで死にかけた時に、同じ河へ行ったことを知る。
すべての生ある者はその命を終えた時にその地へ行くのだと。ジャガンの目に涙があふれる。
「俺はジャガンじゃない!」
ジャガンの装備していた真紅に染まった鎧は、本来の鮮やかな青色に変わっていった。
「俺の名はアラン… 覚えとくんだな!」
ジャガンは、勇者アランとして生まれ変わった。
だが基本的に性格の変わっていないアランに、少し呆れるアルスやケンオウたち。

(※現パーティ:アルス、アラン、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、タオ)



298 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 33 投稿日:05/01/03 23:46:36 ID:???
竜王は、己が何者かを問いかけるために異魔神のもとへ出向く。
だが、完全復活へ向けて異魔神は、多くの配下のモンスターを吸収し、竜王をも取り込もうとした。
自分が今まで信じていた異魔神の道具に過ぎなかったことに、絶望する竜王。
だが、竜王の体は突如飛ばされる。

異魔神の完全復活の前兆により、闇のオーロラが全世界を覆いつくし、
ジパングではイヨたちが、アリアハンでは王たちが、カーメンでは義勇兵を募ったボルゴイが、
アッサラームではギランにファン爺たちが、海からは成長した海王二世・シーザリオンが、
次々と最後の戦いへ赴くための準備を進めていた。

アルスやアランたちは異魔神と対峙するものの、異魔神の体は世界樹のエキスより抽出した細胞でできており、
攻撃しても何度でも肉体を甦らせることができる。
ロトの紋章を3つ揃えたアルスは、異魔神を封印するための大移転魔法オメガルーラを発動させようとするが、
紋章だけ揃っていても、3人目の勇者・アステアが不在のため、発動は不完全。
異魔神の肉体は完全に完成してしまう。



299 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 34 投稿日:05/01/03 23:47:22 ID:???
その頃、地下世界アレフガルドでは――
勇者アステアの率いる反乱軍は、遂にモンスターたちからラダトーム城を奪還していた。
竜王は、ラダトーム城の地下の聖域に飛ばされていた。
聖なる結界に足を踏み入れる竜王。竜王は結界を突破し、己の身に流れるのが聖なる血・竜神のものであることを確信する。
竜王の前に、かつて竜の女王が勇者ロトに託した光の玉が現れた。
光の玉を手にした竜王は、その暖かな光に母のぬくもりを覚えるのだった。
そこに現れたアステア。アステアにとって竜王はラダトーム城を奪った宿敵である。
覚悟を決めた竜王は、アステアに最後の戦いを挑む。
だが、竜王の体は既にボロボロで、戦える状態ではなかった。
竜王はアステアに止めを刺されることを覚悟するが、アステアは竜王に回復魔法をかける。
「誰であれ傷つき打ちひしがれた者に向ける拳は持たないからこそ… ぼく達は人間なんだ」
アステアの言葉に、竜王は涙を浮かべる。「俺の負けだ」
竜王はアステアに、アルスとアランが地上で待っていることを告げ、光の玉をアステアに渡した。
アステアは竜王を解放し、モンスターたちの元へ返す。
人間も魔族も関係なく、異魔神は地上の生ある者全ての敵だ、との認識を新たにして。

完全復活を果たした異魔神は、かつてムー帝国の首都を一瞬にして壊滅したと言う
重力制御を行う高密度魔法言語を唱えた。あまりにも次元の違う魔法。
アランが味方全員を鉄の塊にするアストロンの魔法を使い、一同はなんとか命を助かる。
しかし、異魔神の力を目の当たりにしたポロンは、「勝てるわけねえ」と戦う気力を失っていた。
タオは「もともとこれはわしらの戦いじゃ」と今まで共に戦ってくれたことに礼を言う。
アルスは全員に告げた。「ここでパーティを解散しよう」
勇者や聖戦士の宿命など、異魔神の前には全てが無意味だ、と。
それでも異魔神との戦いへ赴こうとするアルスとアラン。
「僕もアランも失うものがない。それだけのことさ…」
最初は反対していたキラとヤオも「愛する人のために残された時間の中で幸せに過ごしてほしい」と言われ
アルスを追うことができなかった。

(※現パーティ:アルス、アラン、ティーエ、タオ)



300 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 35 投稿日:05/01/03 23:49:10 ID:???
アルスと別れたキラとヤオは、ヤオの故郷・拳王の里へ来ていた。
歴代の拳王と違い、勇者と出会い聖戦士の宿命を全うできたことは幸せだったかもしれない、と語るヤオ。
ヤオはキラに問う。「私と二人でここで暮らす?それともアルスと一緒に行きたい?」
キラは、アルスがパーティを解散しようと言ったのは自分たちを死なせないためだ、と理解していた。
「一緒に来いって言うんなら喜んでそうしたさ!」
後日、キラとヤオは二人きりの結婚式を挙げる。
しばらくの間、穏やかな暮らしを続ける二人だったが……。

ポロンは、ジパングでのガールフレンド・サクヤを連れて、故郷のテドンの村へ帰っていた。
故郷では死んだことになっていたポロンは、祖父のカミーロからどやされるが、
村で一生、祖父やサクヤと共に暮らそうと決める。だがサクヤの顔は浮かなかった。
ある日ついにサクヤは、ジパングに帰してほしいとポロンに訴える。
「イヨ様たちは異魔神と戦うために出撃されたのに」と言うサクヤに
ポロンは反発する。「滅びると決まった世界で好きな人と過ごしたいと思うことのどこが悪いんだ?」
ずっとポロンに憧れていたサクヤは「そんな風にあきらめてしまうポロン様なんかに会いたくなかった!」と
ポロンの元を去っていった。
サクヤに去られ、ますます気力をなくすポロン。その上、祖父のカミーロが倒れてしまう。
カミーロはポロンに「悔いを残して死を迎えるな」と言い残し目を閉じた。
ポロンは村を飛び出し、自力で蜃気楼の塔を呼び出す。「オレはやるぜ。悔いの残らないようにな」
…だが、カミーロはポロンに踏ん切りをつけさせるために死んだフリをしていただけだった。
ポロンは蜃気楼の塔で、大賢者カダルがついに完成させられなかった究極魔法・マダンテの呪文に着手する。



301 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 36 投稿日:05/01/03 23:51:15 ID:???
異魔神は地上を徘徊し、次々と町を壊滅させていった。
国を滅ぼすごとに「幻の月」を出現させる異魔神。

地下世界を解放したアステアは、アルスとアランに合流するためにローラン城に来ていたが、
既にローランは異魔神により壊滅した後で、そこにあったのは荒廃した土地だけだった。
しかし、リルパ率いる以前から異魔神に不満を持っていたモンスターの一団がアステアを待っており、
竜王のためにも共に戦う、とアステアについていくことに。ジパング組もアステアに合流。
ムー帝国の残した飛空艇でアルスの元へ向かうジパング組は、死者を甦らせる世界樹の木が、
幻の月に照らされ新芽を出していることを発見していた。(※アルスが生き返った時は葉を一枚蘇らせたのみで沈黙した)
リハクは、幻の月は異魔神が死者の魂により作っているもものと推測。

また、海王シーザリオンは異魔神に戦いを挑むも無残に敗れてしまう。
次々と人を、町を、そして海王をも滅ぼしていった異魔神に、アルスは激しい怒りを燃やし、戦いを挑もうとする。
アランは、アステアと合流し勇者が3人揃うまでは異魔神に手を出してはいけないとアルスを止めるものの逆にアルスは反論。
オメガルーラは本当に異魔神に効くのか? もし効いたとしても、再度復活する危険がなくなるわけじゃない。
もうオメガルーラには頼らず、たった今目の前にいる敵と全力で戦う、と。
「それが勇者としての僕のやり方だ!文句は言わせん!!」
その時、オメガルーラを発していないのに、ロトの紋章が一つとなり、アルスの鎧へと装着する。
紋章が真の勇者を選んだのだ。
タオは地下世界のラダトームに伝わる伝説を思い出す。
「三つに分けられし紋章がひとつになる時、大いなる希望が甦る」
この言葉の意味はオメガルーラのみを示すものではなく、真の勇者の誕生であったのだ。
アルスとアランは、二人で同時に勇者最強の呪文・ギガデインを連続して放つ。
そこにやっと、ジパングの飛空艇に乗ってやってきたアステアが現れた。
アステアは異魔神を守る闇の衣を光の玉の力で剥ぎ取る。遂に結集した三勇者。

(※現パーティ:アルス、アラン、アステア
  補佐?:ティーエ、タオ、イズナ、イヨ、リハク、他ジパング人、リルパ、他モンスターたち)



302 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 37 投稿日:05/01/03 23:53:21 ID:???
アルス、アラン、アステアはトリプルギガデインを放ち
異魔神は沈黙させ、三勇者はオメガルーラを発動させる。
今しも封印されようとする異魔神はあがきながら、聖なる血が足りぬ、と勇者たちに手を伸ばすが、
とっさにアランがアルスをかばい異魔神に捕らわれた。
アランはそこで、宇宙が誕生する前の混沌の世界を垣間見る。
異魔神の目的は全てを無に帰す混沌の世界なのである。
気力を取り戻したアランは、以前に異魔神に取り込まれた自身のロトの血を逆に吸収し、復活。
異魔神は、オメガルーラにより、闇のオーブに再び封印された。アルスたちは勝利したのだ。
闇のオーブは海の長老によって、海の聖域へ置かれることになった。

しかしまだ謎は残っていた。幻の月のことだ。
飛空艇の中でそのことを語り合う3人だが、急にアランが倒れてしまう。
アランの肉体機能は停止し、仮死状態となってしまった。
世界樹に新芽が出ていたという話を聞いたアルスたちは、アランを助けるために世界樹へと針路を転換させた。



309 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 38 投稿日:05/01/04 23:08:16 ID:???
拳王の里で二人静かに暮らしていたキラとヤオだが、キラはアルスと共に育った過去を思い返していた。
ある夜、二人の住む家に一人のエルフが紛れ込む。
それは以前、砂漠のオアシスでヤオに星振る腕輪を譲ったピエタだった。(前にドワーフと書いてしまいましたがエルフの間違い)
ピエタはヤオに再び会うために手がかりを求めて拳王の里を訪れたのだった。
ヤオが戦いをやめたことを知ったピエタ。
「伝説は終わらせちゃいけねぇ!おいらの中ではあんたが唯一の聖戦士なんだよ」
ピエタの言葉がきっかけで、キラは決意を固めた。「行こうぜヤオ」
キラはもともと、一人で戦いへ赴くつもりだった。
しかしヤオはキラの言葉を待っていたとばかりに、以前から旅の支度を既に整えていた。
「オレたちは夫婦の絆の前に聖戦士という絆で結ばれているんだ」
キラとヤオは、アルスの元へ戻るために旅立つ。

世界樹へ向かう飛空艇の中で、ティーエはジパングのコロポックルたちからもらった世界樹の札を取り出す。
その札は、勇者ロトの王者の剣を練成した伝説の鍛冶屋ムラクが伝えた札。
タオはその札を見て驚く。そこには古代ムー大陸の文字が書かれており、神々の系譜が記されていた。
タオやアルス、アステアは精霊ルビスと世界樹の関係を探る。
ルビスが大魔王ゾーマに石像にされたことにより、タオとゴルゴナの封印が解け、
タオは目覚めた後、ルビスに何が起こったのかその行方を追った。
それは同時に、勇者アレルことロトの足跡を辿る旅になった。
世界中をめぐり、地下世界アレフガルドへと赴こうとした時、突如地下世界へと続くギアガの大穴が閉ざされ、
地下世界への通行を妨げた。
それはゾーマの最期を示す出来事であった。ルビスの封印も解かれ、世界は平和になった。
しかしその後すぐにゴルゴナが異魔神の精神を召喚し、ルビスは再び姿を消した。
そして、世界樹を枯らしたのもゴルゴナである。
世界樹が枯れたせいでルビスが消えたとなると符号する。
だが、異魔神が作り出している幻の月の光は、世界樹を復活させているのだ。
それは即ち異魔神の宿敵であるルビスの復活にもつながる。異魔神のしていたことは一体何だったのか?



310 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 39 投稿日:05/01/04 23:11:31 ID:???
世界樹に辿り着いた一行は、世界樹に青々とした葉が茂っているのを見る。
やはり異魔神の作り出した幻の月が木の生長を早めているのだ。
世界樹の葉を取り、アランに与えるアルス。
しかし目覚めたアランはアランではなく、異魔神であった。
アランが異魔神からロトの血を吸収すると同時に、異魔神の魂もアランの体に入り込んでいた。
オメガルーラで封印した異魔神は、抜け殻であったのだ。
アランの肉体を借り、異魔神は闇のオーブを持ち去ってしまう。
アランがいなくてはもうオメガルーラは使えない。アルスは今度こそ、異魔神を完全に消滅させることを決意。
アルスとアステアは先に異魔神を追いかけるが、アランの肉体は攻撃できない。

世界樹に残されたタオたち。突然ティーエが世界樹を指さし意識を失ってしまった。
すると世界樹に光があふれ、精霊ルビスが出現。
ルビスは、世界樹を破壊してください、タオに頼んだ。
異魔神は世界樹と同質の存在であり、この世界を司る聖なる力の源・聖核を持っていると言うのだ。
幻の月の光により聖核は成長し、エナジーを増大させ、世界樹と異魔神の聖核が共に臨界点に達した時、
核は引き合い融合し、莫大なエネルギーを放出させ、世界は始まりの終わり・混沌へと戻る。
つまり、異魔神はこの宇宙そのものを消し去ろうとしている、と。
聖核を破壊すれば崩壊はまぬがれるが、世界樹を消し去ればルビスもまた消えてしまう。
決断を迫られたタオは、世界樹を破壊。目覚めたティーエは呆然とする。

空にロトの紋章が現れ、ルビスの声が響き渡った。
「世界中のすべての戦士達よ。この紋章のもとに集いなさい――」

世界樹に集え、との異魔神の言葉通り、世界樹へ戻ったアルスとアステア。
タオから話を聞いたアルスは、世界樹がなくなったことにより、正面切って異魔神と戦えることを知る。
やってきた異魔神は世界樹が消滅したことに怒り、その場で闇のオーブの封印を解き、
本来の魔界での肉体をもってアルスたちの前に現れる。
今までの巨大な姿とは異なり、人間サイズになった異魔神だが、強さは変わらない。
異魔神から切り離されたアランは自力で回復。
真の最終決戦が始まった。



311 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 40 投稿日:05/01/04 23:13:19 ID:???
三勇者は、トリプルギガデインの連続で異魔神に攻撃するも、幻の月が異魔神へ生長促進を与えており、
ダメージを与えても回復してしまう。ロトの紋章をも吹き飛ばしてしまう異魔神。
イヨ、イズナ、リハクも援護するが、異魔神の力の前に次々と倒され、息絶えていってしまう。
だがアルスたちの闘志は消えていなかった。ギランとファン爺を始め、勇者のために人々が集っていく。

キラとヤオ、ピエタも到着。
アルスは驚くも、キラたちは「仲間として最後までアルスと一緒にいたい」と共に戦う決意を語った。
しかし、キラとヤオの必殺技も異魔神には傷を負わせられない。
そこに、究極魔法マダンテを完成させたポロンがやってきた。
マダンテはその魔力が絶大ゆえに、一歩間違えれば命と引き換えになる。
マダンテを放つには時間がかかると言うポロン。キラとヤオは、時間稼ぎを引き受ける。

(※現パーティ:アルス、アラン、アステア、キラ、ヤオ、ポロン 他多数)

ケンオウたちを異魔神を相手どってる間、タオはティーエから預かった世界樹の札を使いながら
異魔神へのダメージを回復させてしまう幻の月を消すことに専念。

ポロンはマダンテを放つ準備を整えるが、今のままではキラとヤオも巻き添えになってしまう。
しかしポロンは意を決し、最期の力で、究極の合体魔法、極大五芒星・マダンテを放ち異魔神を追い詰める。

タオが幻の月を消滅させたことにより、回復もままならない異魔神。
異魔神は戦いを終わらせるため、高密度魔法言語を唱えた。
無数の隕石が降り注ぎ、人々は倒れていく。
その中で立ち上がったのは、アルスだった。
残った人々は、アルスに回復魔法を送り続ける。
駆けつけたアリアハンの人々、カーメンのボルゴイたちもまた、アルスへ力を送る。
異魔神はアルスを前にして、初めての恐怖を思い知る。
アルスは全ての人々の思いを受け止め、勇者の技・ミナデインを放った――



312 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 41 投稿日:05/01/04 23:15:08 ID:???
アルスの王者の剣は折れ、異魔神は倒れた。
「余が本当に願ったのは自らの崩壊かもしれぬ… そして破滅…」
異魔神の最期の言葉を聞き、アルスは異魔神の核を破壊。
異魔神は、滅びた。そして――

世界樹の札が破れ、その中から、世界樹の種が出てきた。
種は芽を出し、またたく間に木になり、花が咲き始めた――

―エンディング―

異魔神との戦いで倒れた人々は、舞い散る世界樹の花びらにより次々に目覚める。

イヨを抱きしめるイズナ。キラとヤオ。
海中の海王シーザリオンに海の長老。
第三の目が消えたポロン。
アステアの手を取るアラン。

半壊した飛空艇とリハク。ギランにファン爺。
目に光を取り戻したボルゴイ。
アリアハン王。ルイーダ、チノンばあさん、マムルにアスリーン。

そして、世界樹の根元には、アルスが。
笑顔でアルスに駆け寄り抱きつくアステア。その様子を見守るアランやケンオウたち。

空に光に包まれたルビスが現れる。昇天していくタオ。
ルビスの手の中に包まれるティーエ。

地上に永遠の平安を

to be continued



313 名前:ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 42 投稿日:05/01/04 23:17:15 ID:???
―ラストエピソード―

子供たち(門下生?)に剣を教えている逞しく成長したキラ。
ヤオがキラを呼び、ギランやファン爺と共に一行は出かけていく。

地下世界アレフガルド。
ラダトームに共にいるアランとアステア。地下深くには光の玉が安置されている。
アランとアステアが遠く見つめる先の城の中には、魔物たちを従えている竜王がいた。

アリアハン。成長したマムルとアスリーン、あまり変わってないチノンばあさんにルイーダ、アリアハン王。

ジパング。うまくいってるらしいイヨとイズナ。リハクも健在。

カーメン王国。
城に戻ったカーメン四世とローザ王妃。すっかり白髪になったボルゴイ。アルスの姿は見えず。

とある教会に集まった一同。
花嫁の衣装を身にまとったサクヤ。カダルそっくりに成長したポロン。
だがポロンは正装のまま、慌てた様子で逃げ出してしまう。
一同はポロンを追いかける。

その時、丘の上に見覚えのある人影が現れる。
そこに見えたのは、勇者アルスの姿であった。

ロトの紋章は、何処とも知れぬ沼地に静かに眠っている――

おわり

※エンディングとラストエピソードには台詞がありません。
 ポロンが逃げ出した理由、アルスは今までどこにいたのか、等は謎。



314 名前:おまけ・ロトの紋章Returns 投稿日:05/01/04 23:18:59 ID:???
「Returns」は、本編で描かれなかった穴埋めエピソード。要するに外伝。

第1話(主人公:アステア)※時系列は本編ストーリー16(>>213)あたりの話
竜王が地下世界アレフガルドを攻めていた時、ラダトーム城では、
勇者ロトの血を引く王子アロイスが人々を率いて戦っていた。
アロイスの妹である王女アステアは、自身も戦いたいと兄に願うが、
亡き両親から妹のことを託されていたアロイスは、アステアのことを守るためそれを承知しなかった。
だがアステアはアロイスの思惑とは別に、強く賢く育っていた。
しかし、長い間守り続けられていたラダトーム城も、竜王の策により遂に陥落する。
戦いに敗れたアロイスは、アステアに三番目のロトの紋章を渡し、全てを託して息を引き取る。
ラダトーム城を後にしたアステアは、長い髪を切り落とし、第一王子として兄の遺志を継ぐことを決意。
第三のロト、勇者アステアの戦いが始まった。

第2話(主人公:ジャガン)※時系列は本編ストーリー5(>>197)あたりの話 本編ストーリー22(>>220)の裏話でもある
魔人王として完全に即位する前のジャガンは、獣王グノンにも歯が立たなかった。
ジャガンは養育係のリルパにしか心を開かず、親というものがわからない。
ある日ジャガンはゴルゴナから、3日後に一人の戦士と戦い討ち果たしたら正式に魔人王として認める、と告げられる。
同時にゴルゴナは、幽閉中であるジャガンの父・ローラン四世に、
ゴルゴナが育成してきた新たな魔王と戦い、勝てば王妃フレイアを解放する、と約束する。
ゴルゴナにある仮面をつけさせられたローラン四世の目には、ジャガンの姿がおぞましいモンスターに見えていた。
戦いの中、ジャガンの剣により仮面が取れたローラン四世が最期に見たものは、息子が自分を斬る光景だった。
夫の敗北を聞いたフレイアは、我が子を救うまでにはどんなことがあっても生き抜いていく、と決意を固める。
魔人王となったジャガンは、既に、グノンと竜王の二人がかりを相手にしても引けを取らぬほどに強くなっていた。
ジャガンは魔人王の力をかみしめながら、いつかこの苦しみを与えた奴等を全て踏みにじってやる、と夜空を見上げる。



315 名前:おまけ・ロトの紋章Returns 投稿日:05/01/04 23:20:08 ID:???
第3話(主人公:カダル)※100年前の勇者アレルの戦いの直後の話
大魔王ゾーマを倒した後、世界は平和になったが、
大賢者カダルはゾーマの残した不吉な予言を案じ100年先の未来を覗いてしまう。
そこでカダルが見たものは漆黒の闇、そして宇宙の消滅だった。
カダルは妻のマナに、自分が賢者としての能力を引き継がせる者を探し出すまで生き続けていかねばならないことを語る。
そんな時、邪悪な瘴気が森全体を襲い、カダルは全く呪文の効かないモンスターに苦戦を強いられる。
しかしカダルはマナと同時に攻撃呪文を放ち、融合させ、強力な合体魔法を完成させる。モンスターは倒された。
しかし瘴気の森を抜けてきたせいか、マナは急激に老化し、命の灯火が消えかける。
カダルは呪文でマナの時を戻そうとするが、マナは死にゆく運命を享受し、カダルに看取られ息を引き取る。
アープの塔の異常は、冥王ゴルゴナが異魔神を召喚しようとしていた前触れだった。
だが合体魔法を完成させたカダルがゴルゴナを撃退。
ゴルゴナは逃がしたものの、カダルはマナが与えてくれた合体魔法を賢者最強の技に昇華させることを心に決める。

追記:ロトの紋章Returnsはここで一区切り。
   現在、ヤングガンガンにて「ロトの紋章」から25年後が舞台の
   「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~」(タイトル長い)が連載中。

追記2:同作者の「ドラゴンクエスト エデンの戦士たち」は
    ゲーム「ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」が原作ですが、
    オリジナル要素も強く入っており「ロトの紋章」とも所々リンクしています。