マイナス

Last-modified: 2008-09-21 (日) 23:33:45

マイナス/山崎 さやか

170 :マイナス 1/3:2008/05/21(水) 18:20:33 ID:???
山崎さやかの「マイナス」が続きキボンだったので書いてみる。


新人教師の恩田は、美人で色っぽくて、有名大卒の秀才で、かなり完璧な女性。
だが、幼少期に父親に度重なる虐待を受けた経験から(逆らうと殴られる)
「嫌われるとひどいことをされる」「絶対に誰にも嫌われてはいけない」
という強迫観念に囚われているメンヘラーでもあった。
前半は、人に嫌われたくないあまりに恩田が異常な行動に出まくる話が続く。


根暗な女子生徒が、嫌いな者に陰湿な嫌がらせをしていることを知る恩田。
同僚にやめさせろと言われて注意するものの、改めるどころかますますエスカレートしてしていく。
「彼女の嫌いな人に、彼女のかわりに嫌がらせをすれば、彼女はもう嫌がらせをしなくなる」
と恩田は考え、密かに生徒たちに嫌がらせをしまくるが、恩田は当の女子生徒にすらドン引きされる。


女子生徒の友人は、実は以前から女子生徒の陰湿な行いを知っており、
恩田がやったことも女子生徒の仕業だと思ってしまい、
「流石にこれはひどすぎる、もう友達やめる。先生たちにも言う」と言い出してしまった。
「先生が勝手なことをしたせいだ どうにかしてくれないと先生を嫌いになる」
と女子生徒に怒鳴られ、恩田は焦る。


女子生徒と友人は仲直りする。
「一人で抱え込んで嫌がらせに走らず、ちゃんと相談して」「今までごめんね」なハートフル展開。
だが恩田はそのことを知らず、放課後、屋上に友人を呼び出した。
友人の手首を切りつけ、抵抗しようとする友人の腕を掴んで更に何度も切りつける恩田。
やがて友人は絶命し、これで女子生徒の件が外に漏れつことはなくなり、
女子生徒に嫌われる心配はなくなったとホッとする。
そこに現れた女子生徒は、恩田を非難する。
喜ばれると思っていた恩田はパニックになり、
女子生徒ともみ合いになり、彼女を突き落として殺害してしまった。


その事件は「女子生徒がケンカ中の友人を殺害した後に自殺した」ということで納まった。
恩田は「嫌われることを恐れる必要はない 邪魔な相手は殺せばいいんだ」と悟るのだった。



171 :マイナス 2/3:2008/05/21(水) 18:22:10 ID:???
恩田は嫌われるのを恐れなくはなったが、ちやほやされるのは嬉しいので
以前よりかは地が出ているものの表面上はいい先生を気取りつつ、
裏で積極的に悪事を働くようになる。
その時期の異常行動の一つが、すでにまとめサイトにも載っている人肉事件。
(あれはあくまでも緊急事態だったせいであって、
普段から人肉を食べたがっているわけではないが)


ある時、ヤンキー生徒に裏の顔を知られ、その上女子生徒の殺害まで暴かれてしまう。
だがヤンキーはそのことを通報するどころか恩田のエキセントリックな行動を面白がり、
恩田の友達的存在になる。


校内で突然火事が発生する。みんな我先にと逃げ出し、恩田を押しのけ突き飛ばして去って行った。
大事にはいたらない小さな家事だったが、普段はもてはやされていても
いざとなったらみんな自分に振り向きもしないのだと知り、恩田は不安になる。
そんな時、不登校の生徒に勉強を教えることになるが、いきなりキレたその生徒に殴られてしまう。
恩田は呆然とし「嫌われたらひどいことをされる」という考えが蘇り、
またおどおどするようになるが、イケメン教師の頼もしい言動に惹かれ、
「ひどいことをされそうになっても誰かに守ってもらばいいんだ 結婚しよう」と決意する。


そんなこんなで交際スタート。だが、恩田に気を持っていた他の男性教師たちは、
婚約を知った途端に恩田に冷たくあたるようになる。
流石のイケメンも、自分より上の教師たちには歯向えない。
イケメンに対し不満を持つようになった恩田は、
学校の最高権力者である校長を味方につければいいのだと思い、校長と関係を持つようになる。
だがその事がイケメンにばれて婚約破棄になってしまう。
イケメンに現場を撮影されてしまったので、立場を考えた校長も恩田と別れ、
恩田を守る者は完全にいなくなってしまった。



172 :マイナス 3/3:2008/05/21(水) 18:24:59 ID:???
男子生徒たちがAVの話をしているのを聞いた恩田は、
イケメンが撮影した自分と校長とのビデオが流出してしまったのだと勘違いし、
口止めのために男子生徒とセックスする。
なにかを知っているふりをすれば恩田がただでヤらせてくれるとの噂が広まり、
恩田は校内の男子生徒たちと次々にセックスをしてしまうようになる。
噂の真偽を問いにきたヤンキーをも誘う恩田。
「今のあんたはつまらない」とヤンキーは恩田を見捨てるのだった。


噂は女子にも広まり、淫行教師は早く学校を辞めろと責め立てられる。
顔がいいから調子に乗っているのだと言われ、恩田は整形手術をして
目もとを地味にしてくるが、それで許されるはずもなく、異常な行動を気持悪がられ、
退職勧告も間近となり、学校を逃げ出し地元へと帰る。


かつて虐待をしていたとは信じられないほど老けて大人しくなった父に、
どうすればいいのかと恩田は聞く。
昔から恩田にとって父は絶対的な存在だった。父の言う通りにするのが正しい道だった。
だが父は「お前はもう大人なんだから自分で考えなさい」と突き放したことを言う。
恩田はそう言われてはじめて、幼少期の虐待されていたころから、
自分の心が全く成長していなかったことに気付いた。


「自分で考えて行動し、その結果を自分で背負ってはじめて大人になれる」
そんな結論に達した恩田は、警察に行き、女子生徒を殺したことをはじめ、
自分が今までに行ったすべての犯罪を告白した。


そして数十年後。
子どもと遊んでいるヤンキーの前に、出所した恩田が晴れ晴れとした顔で現れた。
これからはちゃんと自分で考えて自分自身の人生を歩むのだとヤンキーに告げ、
恩田は颯爽と歩みだしていった。