機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY

Last-modified: 2009-08-01 (土) 21:20:33

機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY/ときた 洸一

435 :SEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:26:28 ID:???
ガンダムエースで連載されたガンダムSEED X ASTRAYを投下
SEED本編で出てくる用語や設定に付いて説明を省いている部分もありますので、
分からない用語などがあった場合はwikiなども参考にしていただけるとありがたいです。

○用語○
■コーディネイターとナチュラル■
遺伝子操作で高い能力を持った人間がコーディネイター、それ以外がナチュラルと呼ばれる。
コーディネイターは半ば地球を追い出される形で宇宙コロニー群(通称プラント)に移住した。
コーディネイターの軍がザフト、ナチュラルの軍が地球連合。
■ニュートロンジャマーとニュートロンジャマーキャンセラー■
ニュートロンジャマーは核兵器を使用不能にするため地球にばら撒かれた機械
(通信やエネルギー生産にも影響を与える)、
ニュートロンジャマーキャンセラーは文字通りその効果を無効にする機械。
どちらもプラントで開発されたもの。
キャンセラーが地球連合に渡ってしまうと、核兵器使用可能・モビルスーツの使用時間無制限となり
戦争が泥沼化すること必至。
■大西洋連邦とユーラシア連邦■
簡潔にいうと、この二つは同じ地球連合所属なのに仲が悪い。



436 :ガンダムSEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:28:52 ID:???
■ガンバレルとドラグーン■
地球連合で使用された有線のもの(ガンバレル)とザフトで使用された無線式のもの(ドラグーン)
という違いはあるが、どちらも機体から離れて飛び回り攻撃する兵器。
扱うには高い空間認知能力が必要。

主要登場人物
■カナード・パルス■
遺伝子操作によってコーディネイターすら超える能力を与えられた存在、「スーパーコーディネイター」の実験作。
失敗作として処分されそうになったところを逃げ出してユーラシア連邦軍に拾われ、地球連合の特務兵として戦っている。
SEED本編の主人公、キラ・ヤマトは「スーパーコーディネイター」の唯一の成功例であり、
カナードはキラと良く似た顔立ちをしている(余談だがゲームに出た際の声優もキラと同じ)。
成功作のキラに憎悪を燃やしている。
■プレア・レヴェリー■
マルキオ導師という人物のもとで暮らす孤児。
その出自には大きな秘密がある。
マルキオの指示で、宇宙からとあるMSをマルキオの元へ運ぶことになった。
■ロウ・ギュール■
戦争で生まれた鉄くずを回収したりするジャンク屋。
仲間と一緒に宇宙でジャンク回収などの仕事をしている。劾やマルキオと知り合い。
■叢雲劾(ムラクモガイ)■
「サーペントテール」という傭兵部隊のリーダー。ロウとは知り合い。
■風花(かざはな)・アジャー■
「サーペントテール」メンバーの娘で、幼いながら自らもメンバーとして働いている。



437 :ガンダムSEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:29:37 ID:???
マルキオ導師にとあるMSの運搬に付き添うよう頼まれた少年・プレアは、「ドレッドノート」というそのMSが積まれた宇宙船に乗っていた。
しかし、その宇宙船は傭兵部隊「サーペントテール」の襲撃を受け、ドレッドノートの頭部が奪われてしまう。
マルキオの頼みで、プレアの乗る船と接触する予定だったジャンク屋のロウとその仲間は、プレアから詳しい事情を聞き、驚愕する。
ザフトから持ち出されたドレッドノートは、核動力モビルスーツ(以下MS)開発のため頭部にニュートロンジャマーキャンセラー(以下NJC)を積んでいたというのだ。
マルキオは、エネルギー不足に陥り苦しむ人々の為に、実験終了で解体されるはずだったドレッドノートごと、NJCを地球へ運び込もうとしていた。
もちろん、争いのために使われることがないよう地球連合には秘密で。
そして、劾率いるサーペントテールは、マルキオに協力したプラント側の人間から「NJCを渡す事で軍事に利用されたり混乱が起きたりしないか見極め、NJCの処遇を決めてほしい」と依頼を受け、NJCの積まれたドレッドノートの頭部を奪ったのだ。

ドレッドノートのロウたちのもとへ、現状確認のためにサーペントテールの風花がやってきたが、そこへドレッドノートを奪還しようとするザフトと、NJC搭載MSの情報を掴んだ地球連合(ユーラシア連邦)の両方が現れる。
ザフトと連合の争いは「ハイペリオンガンダム」に乗る特務兵・カナードの圧倒的な実力によって連合の勝利に終わり、ロウの船はカナードたちに占拠されてしまう。
窮地に陥るプレアたちだが、そこへドレッドノートの頭部を持った劾が駆けつける。
NJCのデータが地球連合(大西洋連邦)に流出してしまったため、劾たちの任務は必要なくなったという、最悪の報せと共に。
任務が終わった劾はこれ以上介入せず引き上げようとするが、風花は自分の意思でプレアのもとに残ることを決める。
プレアはロウの協力を得て、返還された頭部を「ドレッドノート」に戻して起動させ、
カナードたちを船から追い出すことに成功。
怒りに燃えるカナードは尚もドレッドノートを奪おうとするが、
プレアの高い空間認知能力を活かした攻撃により撤退を余儀なくされる。



438 :ガンダムSEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:31:33 ID:???
ロウは戦闘の疲労で倒れてしまったプレアを連れ、ジャンク屋の組合の補給ステーションで補給を受けるが、ロウが知り合いに呼び出され離れた隙に、三度カナードが現れる。
成功作であるキラを倒し自分が成功作になる、そのためにはまず自分を倒したプレアを倒さなければいけない、と敵意を燃やすカナードに対して、
争いを望まないプレアは風花を説得して一人ドレッドノートに乗り、投降する。

ひとまず上司の指示通りドレッドノートを手に入れたカナードだが、既に大西洋連邦にデータが渡ってしまったためドレッドノートは必要なくなっており、
ユーラシア連邦が大西洋連邦に遅れを取った責任を上司に押し付けられ、捕えられそうになる。
元々忠誠心のなかったカナードはドレッドノートとハイペリオンを乗せた戦艦ごと逃亡し、仲間の基地を攻撃して量産されたNJCを奪い取り、ハイペリオンに搭載する。
なぜ仲間を攻撃するのか問い詰めるプレアに、カナードは「ドレッドノートのNJCを奪うとお前と戦って倒すことができない」と答える。
苦悩するプレアのもとへ、劾がロウからのメッセージを持って現れる。呼び出しのあった知り合いからデータを渡され、ドレッドノートをパワーアップさせるパーツを作ったというのだ。
カナードに「パワーアップしたドレッドノートで俺と戦え」と言われ、一時的にロウのもとへ戻されたプレアは、ロウから「思い次第でドレッドノートは兵器ではなくなる」と諭され、
カナードの心を救うためにドレッドノートに乗って戦うことを決意する。
そんなプレアを見て、ロウは新たな装備としてXの形にドラグーンを搭載したドレッドノートを、「兵器としての王道を外れているもの、Xアストレイ」と呼ぶ。



439 :ガンダムSEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:32:13 ID:???
そして、ドレッドノート改めXアストレイとハイペリオンの戦いが始まる。
プレアとの戦い、殺し合いを求めるカナードに対し、プレアは自らの秘密を明かす。彼は、とある地球連合兵のクローンだったのだ。
スーパーコーディネイターの実験体であるカナードも、クローンである自分も、決して戦うためだけの存在ではない、と訴えるプレア。
それを否定しようとするカナードのハイペリオンを、プレアはドラグーンで作り出したシールドで包み込む。
無理に殻を割ろうとせず、ただひたすらに包み込むというプレアの思い。
その思いを感じながらも受け入れることを拒否するカナードは、ハイペリオンを包むシールドに最大火力の砲撃を浴びせる。
それはシールドを破壊し、同時にハイペリオン自体にも深刻なダメージを与えた。

廃棄コロニーへの墜落と砲撃のダメージによって核エンジンが暴走を始めたハイペリオンのコックピットで、死を覚悟するカナード。
しかし、プレアはいつ爆発するかもしれない機体に迷いなく近付き、カナードを助け出した。
機体でカナードを爆発から庇ったプレアは、Xアストレイから降りてカナードに歩み寄ろうとするが、そのまま地面へ倒れてしまう。
プレアは欠陥を抱えた不完全なクローンあり、余命幾ばくもない身体だったのだ。
カナードに人と人の繋がりの大切さを伝え、静かに息を引き取るプレア。
「他人を殺してでも生き残る、それを望んでいたはずだ。だが、これが本当に求めていた勝利なのか?」
駆けつけた風花の前で、カナードはプレアの亡骸を抱え慟哭する。
全てを見届け劾の元へ報告に戻った風花も、プレアの死に大粒の涙を零した。



440 :ガンダムSEED X ASTRAY:2009/07/21(火) 03:37:52 ID:???
――そして、数ヵ月後。
マルキオのもとへ、カナードがNJCを届けに訪れる。
プレアの思いが受け継がれている、プレアはあなたと一緒にいる、というマルキオの言葉を噛み締めるカナード。
マルキオの家を後にし、砂浜を歩いていたカナードは、向こうからやってくる二人組みに気付く。
友人と話しながら、砂浜を歩いてくる少年。
それは間違いなく彼が誰より憎んだ存在、キラ・ヤマトその人だった。
キラが、カナードのすぐそばを通り過ぎていく。しかしカナードはその後を追おうとはしなかった。
キラを殺しても自分が別の人間に変われるわけではない、というプレアの言葉を思い出していたからだ。
夜空を見上げ、カナードは、自分の生きる道を探すための第一歩を踏み出した。



441 :ガンダムSEED X ASTRAY補足:2009/07/21(火) 03:39:06 ID:???
以下は本筋にあまり関らないちょっとした補足です
○劾の依頼者○
依頼者はシーゲル・クライン(本編にも登場したラクス・クラインの父)。
○ロウを呼び出した人物○
SEED本編に登場するアンドリュー・バルトフェルド。
○プレアの正体○
高い空間認知能力を持っている、夢に月のクレーターでの戦闘の様子が登場する、などの要素から、
プレアはSEED本編に登場するムウ・ラ・フラガ(月のクレーターの戦闘で壊滅したガンバレル部隊の唯一の生き残り)のクローンと思われる。