汐の声

Last-modified: 2009-06-09 (火) 10:31:57

汐の声/山岸 涼子

385 :汐の声:2009/06/08(月) 01:42:17 ID:???
うろ覚えな部分もあるが

主人公は霊感少女として芸能界に売り出されている女の子(中高生ぐらい?)
でも幽霊なんて全く見えない。番組などは全てやらせで、飽きられはじめて最近では干され気味。
芸能界を引退したいと思いながらも、内気な主人公は強引な母親に言われるがままになっている。
他の霊能タレントらと共に、幽霊屋敷のロケに行くことになるが、主人公は帰りたくて仕方がない。
いつも母の手製の料理ばかり食べていた主人公は、嫌いなものばかりでロケ弁当がほとんど食べられないし、
スタッフらとのコミュニケーションもあまり取れず、母がいなければなにもできない自分を恥じる。
貫禄ある他の霊能タレントたちは「あの子にはなんの力もない」と言って露骨に主人公を見下す。
スタッフたちも、干され気味な上に世間知らずな主人公を軽く見ている様子。
そんな居心地の悪さからか体調も悪く、主人公は鬱々としていた。

霊能タレントは半ば詐欺であることを割り切っている、霊能力などないただのタレントで、
スタッフたちも本当に霊現象を扱いたいわけではなく番組をつくることにしか興味がないと主人公は知っていき、
自分だけが世間に嘘をついているわけではないのだとホッとする。
しかし、屋敷内から謎の粉薬が見つかったり、視界のはしに女の子が映るなど、妙なことが起こる。
もしかしたら本当になにかいるのかもしれないと主人公は恐れ訴えるが、周りは笑うだけ。

畳から女の子の顔が生え、苦しい苦しいとうごめいている姿を目撃した主人公は泣き叫んで怖がる。
スタッフらは、干され気味の主人公が開き直ってやらせを熱演するようになったのだと解釈し、主人公に対しカメラを構える。
演技ではなく本当に恐怖して泣く主人公の姿はカメラ映えした。
主人公はしばらくして落ち着くと言った「ベルトを強くにぎったんです
そしたらバックルが指に刺さってとても痛かったんです」
妙に無感情な様子で主人公は淡々と言う。誰も意味が理解できない。
主人公はカメラを連れながら、屋敷内のあちこちに行っては意味不明なことを言った。



386 :汐の声:2009/06/08(月) 01:44:11 ID:???
いきなり主人公はまた泣き叫ぶ。目の前に、何度も目撃した女の子の後姿がはっきりと見えたからだった。
女の子は前にいる、母親らしき女性の首をベルトで絞めて殺そうとしていた。
あんなに小さな女の子がなんであんなことを、主人公はそう思いながら見ていた。
女の子は力をこめたはずみで、ベルトのバックルを指に刺さらせ血を流した。
それでもかまわずに女性を絞殺し終えると、女の子は主人公の方を振り向いた。
女の子は、体こそ幼児のものだったが、アンバランスに顔は中年女性のものだった。
「おまえはわたしだ」
女の子はそう言って主人公に迫って来た。
一際大きな叫び声をあげると主人公は倒れた。
迫真の演技だと驚きながら近づいたスタッフたちは、主人公が死んでいることに気づいた。

番組の企画自体が中止となり、撮影したものは全てがお蔵入りとなった。
テープをスタッフたちが再生してみたところ、画面のあちこちに見知らぬ女の子の姿が映っていた。
その女の子に見覚えのあるスタッフがいた。女の子は、かつて一世を風靡した子役だった。
子役はいつのまにか芸能界から消えていっていたが、ある噂だけは残っていたという。
「あの子はお母さんに、子役を続けさせるために成長しなくなる薬を飲まされていたって」
スタッフたちは、主人公には本当に霊感があったのかもしれないと認め、主人公を馬鹿にしていた自分たちを悔いた。

暗闇の中で、主人公は女の子に追いかけられていた。
母に助けを求めながら主人公は逃げ、女の子は追い、それを永遠に続けていくのだった。

細部に捏造入ってると思うけど、大筋はこんな感じ。
主人公に霊能力があるかどうかはわからないが、
「母に強制されて芸能界にいる」などの類似点から女の子と共鳴してしまったらしい。
主人公が冷静に屋敷内の意味不明な説明をしていたところは、
女の子と一時的に存在が重なっていたせい。
女の子しか知らない事柄を説明し、指の痛みも共用した。
屋敷で見つかった薬は成長を抑制させるためのもので、
女の子の苦しそうな顔は、薬の副作用を起こしてるところ?
薬のせいで芸能界から去った後も成長できず、体格は子供のまま顔などは老化した
その顔は松井秀樹に似てるとよく作者スレでは言われている。