無重力少年

Last-modified: 2010-06-19 (土) 12:55:17

無重力少年/亜月 亮

761 :無重力少年:2007/12/31(月) 21:24:40 ID:???
主人公は明るく元気な女の子
ある日、同じクラスのミステリアスな男子生徒・ルカが重力を無視して壁を歩いているところを発見する。
その謎を追求しようとルカにつきまとううち、主人公も同じく、自在に無重力状態になれるようになった。
能力の使い方としては、地面を歩くのと同じように壁を歩く、天井を歩く、
風船を掴んで空を飛ぶなどなど。


無重力状態はルカの体質であり、ルカのそばにいると感染してしまうのだという。
しかし感染しても、ルカと離れていればやがて消えてしまうらしい。
ルカはそれを望んでいる様子で主人公と距離を置くようになる。


かつて、ルカは無重力状態を友人に感染させてしまった。
友人はそれを喜んでいたのだが、使い方を誤って高所から落下してしまい、片耳に障害が残った。
そんな経緯からルカは能力を人に感染させることを恐れていたが、
主人公はあっけらかんとして面白い能力だから得だと相変わらずつきまとうのだった。


その友人は金髪のナンパな感じの男で、事件後も、
人と距離を置くルカの数少ない友人であった。無重力の能力はまだ持っている。
その彼女のユミも同じく無重力状態になれるが、昔に比べると力が弱くなっているという。


ルカの叔父は無重力状態のことを知っているのだが、彼には感染しない。
両親にも感染しなかった。無重力状態は子供にしか感染しないのだという。
その事について一つの仮説が出る。大人たちの心は安定しているが、
子供たちは心がふわふわと不安定に浮いており、
そんな心が無重力状態という不思議な形で現れているのではないかと。


友人は、ユミは本当はルカを好きなのではないかと思っていた。
不安で、既成事実をつくろうと了解もえずにユミにキスをし、それから付き合い始めた。
それでも本当はユミの心はルカにあるのではないかと思いつづけており、
過去にあった事故も天罰だと思っていた。だがそれは思い違いで、ユミは一貫して友人を好いていた。
それを知り、友人の無重力状態はユミと同じぐらいまでに弱くなった。


主人公はルカを好きだと自覚し、ルカにキスした。二人の力も段々と弱くなっていくようだったが、
それは大人へと近づいている印であった。