神性界編

Last-modified: 2009-05-08 (金) 14:09:17

天使禁猟区 至高天 神性界(アツイルト)編

322 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:07:06 ID:???
天使禁猟区・至高天 神性界(アツイルト)編 Act1.受胎告知

ルシファーとの一件の後、刹那達はラファエルとミカエルに協力してもらおうという事に。
紗羅を本気で好きになってしまったラファエルは、手放したくないが故に彼女を屋敷に閉じ込める。
刹那も刹那で紗羅の事第一なので話し合いは決裂、「アイツは俺の女なんじゃー!」とばかりに殴り合いにまで発展。
そこをミカエルが止める。「いつものお前らしくない」と一喝されうなだれるラファエルだった。(※1)
が、そんないざこざの最中にロシエルの元から逃げ出してきたサンダルフォンが紗羅を襲う。
異変に気が付いた刹那達がかけつけるが、あと一歩の所でサンダルフォンの悪夢に取り付かれてしまう。
体をのっとられているメタトロンの助けや謎の声が弱点を教えてくれたりで攻撃を続ける刹那達。
その甲斐あってメタトロンの体からサンダルフォンを引き離す事に成功したが、
その小さな体を突如現れたルシファーが貫く。

メタトロンの役割。彼は力がない代わりにサンダルフォンの封印の鍵だったのだ。
ルシファーは全て知った上でわざと紗羅をエサにし、刹那にサンダルフォンを攻撃させたのだった。
(さっきの謎の声もこいつ)
怒り爆発の刹那。そこに加藤も現れ「こいつはもう吉良なんかじゃない」と叫ぶ。(※2)
ロシエルの眼前でサンダルフォンの本体(でかい生首。かなりキモい)が血を吐き、悲鳴をあげる。
それでも尚、向かってくるサンダルフォンをロシエルは悠々と吸収する。
一方、ルシファーに攻撃され川に投げ捨てられたメタトロンは、ライラと廃竜の幻に助けられて一命を取り留める。
看護婦に頭をなでられ、「おうかんやおおきなイスよりもあのてのあたたかさだけが
しんじつだったんです かみさま」と自分がライラに愛されていたことをかみ締めて涙を零すのだった。



323 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:08:03 ID:???
(※1)ここでラファエルの女タラシ&ミカエルになつく理由が判明。
まだ彼が真面目で清廉潔白だった頃、堕天前の帽子屋(ベリアル)のレズ行為を見てしまいトラウマに

屈折して女タラシに
帽子屋の大量薬殺やハレンチ行為でスキャンダル

でもミカエルだけは以前と変わらず接してくれた(多分何も考えてないだけだが)

(※2)この時点で加藤の体にはかなり限界が来ている。
吉良にやられた傷がふさがっていない上に左腕が腐り落ちている。
彼は吉良との決着を付ける為&以前のようなクズでいたくない為に、誰にも言わずこうしているのだった。
ちなみに研究対象の約束として(形成界編参照)左手はリウェトに義手をつけてもらっている。



324 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:09:00 ID:???
Act.2灰葬
やっとルシファーを倒す決意をした刹那。強い思いの賜物か、羽の数が増えて金髪碧眼に覚醒する。(※1)
一方サンダルフォンを吸収したロシエルだったが、その姿は少年のようになり
体中には痣の様な痕がいくつも浮かんでいた。
逆成長(ディジェネレーション)。
ロシエルは年月が経てば経つほど若返っていく特異体質を持って産まれたのだった。
(人々が「以前よりも若く見える」といっていたのはこのせい)
ロシエルは腐敗した体をアレクシエルから移植し、再び美しい体を取り戻す為に全能の力をもつ「天の板」が
おかれた神性界・神の塔(エテメナンキ)を目指すのだった。
同じく彼らを追って神性界を目指す刹那たちは、帽子屋に助けられパワーアップした九雷と再会。
彼女も加わり、まずは神性界を開く為の鍵となる黄道十二宮天使達を説得しようと言う事になる。

ちなみにここまでの各個人の様子
ロシエル&ルシファー:ロシエルの替え玉を置いて秘密裏に行動中
カタン:ロシエルの様子がおかしいことに気が付くが、逆にロシエルに身を案じられお付役解雇
帽子屋含め悪魔達:刹那達とは不可侵条約を結んだが天界に奇襲中
紗羅:サンダルフォンの残留思念に乗っ取られている為、想像妊娠してしまう。刹那は化物に見える。
ラファエル:刹那に協力。自分のせいで紗羅がああなってしまったと、彼女の保護に当たる。
ラジエル:悪魔の侵攻を抑えるため天界で防衛中。
ミカエル・ウリエル・九雷・加藤:刹那に同行。



325 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:10:11 ID:???
ウリエルは隠れて自分の体を傷つける加藤を目撃、問い詰める。
霊体の彼は自分が自分であると意識することで体を保っているのだが、
それも限界で自傷する事で何とかふんばっている状態だった。
彼を帰そうとするウリエルだったが、最終的には加藤の意思を汲み協力する。
そして白痴状態の紗羅はサンダルフォンに操られ、監視役の天使達を惨殺し、神性界を目指すのだった。(※2)
黄道十二宮天使の元へ辿りついた刹那達。しかし彼らはルシファーによって殺された後だった。
ついでにルシファーの部下であり妻でありその上元ミカエルの下士官だった
バルベロという悪魔まで襲ってくる。(※3)
幻術を使う攻撃に一同は苦戦するが、ミカエルと加藤がそれを倒す。
とどめの攻撃に加藤がウリエルからもらったアイテムでメテオを起こすがルシファーは傷一つ付かず、むしろ
味方に攻撃がいくというとんでもない事態に。(ウリエルは神の加護があるものには通用しないと思っていたようだ)
加えて門が閉まり始めようとする。絶体絶命の事態に加藤が義手と折れた不知火で門を支える。(※4)
「誰だかわかんねーけどバカはほっとけねえんだよ じゃあな せっちゃん」
無常にも目の前で閉まる門。残された不知火を手に取り涙を流す刹那。苦い顔のほか面々。
降り注ぐ大量の流星の中、閉じた門を背に加藤はタバコに火をつける。
「やっと戦ったじゃん」
うなだれる加藤の側には、いつもの様に微笑む吉良の姿があるのだった。(※5)

(※1)ラファエル曰く「どこか懐かしい」その姿は、恐らくアダム・カダモンに近くなった事に
由来していると思われる。
アレクシエルの生まれ変わりではなく真の救世主として目覚めた証拠との事。
ちなみに潰れた目も引き千切られた翼も復活。
(※2)サンダルフォンの目的は自分の体を得る事。「天の板」を使えばそれも可能なので。
(※3)バルベロはミカエルと出来のいいルシファーを比較しないただ一人の人だったが、結局はルシファーに
密かに片思いしていて、後に彼を追って堕天。その為ミカエルは女嫌い(というか不信?)になった。
(※4)この直前のシーンで加藤は吉良に攻撃しているが、まだ吉良の意識も残っている描写がある。
(※5)最後の吉良(作者曰く幻だそうです)は加筆。



326 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:11:54 ID:???
Act3.落園(エデン)
紗羅の下へようやく追いついたラファエル、そして副官バービエル。
銃を構え彼女を追い詰めるバービエルだったが、隠していたラファエルへの思慕を読み取られ、攻撃を受けてしまう。
周りの部下達も次々に襲われ、あわやと言う時に尚もラファエルを庇うバービエル。
結局紗羅を止められず、ラファエルはもう大事な存在をなくしたくないと
息も絶え絶えにバービエルの蘇生を行おうとする…。
そしてロシエルの身を案じ続けるカタン。近付こうとして逆に反逆者の汚名を着せられてしまうが、
それでもロシエルを救いたいと武器を手に神性界へ一人向かった。

多くの犠牲がありながらも刹那も神性界へとたどり着く。
懐かしいその場所にアレクシエルの記憶が甦り、彼女がいた「義の園(エデン)」へ向かう。
そこにいたのは勿論ロシエルとルシファー。ロシエルは激しい感情を刹那にぶつけてきた。

ここで以下の事が判明。
・エデンは大きな木を浮島として成り立っている。その木の実は人面で食べてはいけないような気がする…。
・アレクシエルは創世神の手によってエデンに幽閉されていたらしい。
・ロシエルは逆成長により産まれた時は三重苦の老いた肉塊のような姿だった。
・それでも同じ双子の姉のアレクシエルを慕っていたが、彼女に拒絶され逆上→アレクシエルの体を奪う
・容姿が似ていたのは双子だからでなく、アレクシエルの体のパーツをそのまま移植したから。



327 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:13:08 ID:???
ロシエルの命令で刹那を攻撃するルシファー。だが、その時を止めて現れたのはアレクシエルだった。
彼女は淡々と自分と、そしてルシファーの過去を語りだした。

・ルシファーは創世神から「いずれ絶対悪となる」と告げられた。
・アレクシエルは木の実が本当は何であるか知っていて口にしていた。
・木の実はアダム・カダモンの眼球を栄養として出来たもの。それはアレクシエルの力を抑える効果があり、
同時に彼女に「母食い」の罪の意識を植え付けることで二重に拘束していた。
・黙って幽閉されていたのも、創世神の言う通りにしていたのも、全て人質に取られていたロシエルを守る為。
・ルシファーが予言を受けたその日、早速反逆してアレクシエルを襲うが
逆に自分と同じものを感じ気に入ってしまい、後に彼女をエデンから救い出し、以後ストーカーとして見守る。
・本当はアレクシエルもルシファーを思っていた。

そして神の塔が開く。意識を取り戻した刹那と九雷(あとのメンバーとははぐれ中)は上を目指すのだった。



328 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:14:01 ID:???
Act4.君のための至上の賛美歌
玉座のような場所で対峙する創世神、ロシエル、カタン、そして刹那達。
ロシエルの逆成長は更に進み、精神も絶対的な「父」である創世神を前に更に狂気に追い込まれていた。
カタンはそんなロシエルを救おうと手を伸ばすが、創世神の言葉で錯乱したロシエルはカタンを殺してしまう。
そこに現れるルシファー。彼の言葉で何もかもが創世神のシナリオだった事が判明する。
ルシファーが創世神を攻撃する。あっさりと息絶えたその姿はまるで大きな像だった。
それでも尚父に縋りつくロシエル。彼が狂ったのは創世神の洗脳のせいなのだ。
混乱する刹那達の前に、ついに創世神の呪縛から解き放たれたアダム・カダモン「セラフィタ」が現れる…。

ここで以下の事が判明。
・創世神とはもともと宇宙のエネルギーの集合体
・それが意思を持ち、自分を崇める王国を作ろうと遺伝子実験を繰り返し人や天使をつくった。
・やがて知恵をつけた人間を滅ぼそうとした時、セラフィタがそれに反対→失敗して幽閉される。
・セラフィタは残った力でロシエルとアレクシエルをつくりだした。
・物質界の崩壊プログラムも人間を失敗作と見なした創世神の計画。

「何もかもから救ってあげる」とロシエルに手を伸ばすセラフィタ。
そこへミカエルとウリエルが「セラフィタに気をつけろ そいつは狂っている」と殴りこんでくる。
が、それも届かずセラフィタはロシエルの胸を貫き、その力の源である水晶と紗羅を手中にしてしまう。
倒れたロシエルは手にかけてしまったカタンの生首を見てしまい、恐慌+暴走のどうしようもない状態へ。
涙を流すアレクシエルの亡骸。彼女の思いを知った刹那はあえてロシエルの攻撃を受けた。
目覚めたアレクシエルは今までの真実を語り、孤独感に苛まれるロシエルに「愛している」と手を差し伸べる。
抱き合う二人。そして今度こそ逃げずに七支刃でロシエルを貫いた。
安心したようにロシエル、ついでにカタンもアレクシエルの子宮へ還っていく。
最後の最後でロシエルは自らの3枚の羽を刹那に手渡していった。



329 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 11:14:56 ID:???
※わかりやすいルシファーまとめ
いずれ魔王になると創世神から予告(悪は絶対神に勝てないと知らしめる為)

自暴自棄気味だったがアレクシエルとの出会いで彼女を解き放つ&創世神をブッ倒す事を決意

堕天→地獄に自分の身代わりを置いて秘密裏に天界へ
(地獄編での魔王の魂を奪った黒衣の男=ルシファー。つまり自作自演)

義の園に幽閉されていたアレクシエルを救い出すが、創世神に捕まり魂を七支刀に封印される

ルシファーを探していたアレクシエルとようやく出会う

ロシエルを封印する際に七支刃は砕け散り、再び離れ離れに

アレクシエルは裁判にかけられ非業の転生を繰り返す羽目に。そしてそれをストーカーするルシファー。
長い転生の道のりでアレクシエルを追う事は覚えていても、自分の真の正体は朧になってゆく。

アレクシエルは刹那として転生。ルシファーは吉良朔夜と契約。刹那達との出会いで一層人間くさくなる。以下本編。



330 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 15:53:23 ID:???
合流した一同は逃げたセラフィタとルシファーを一旦置いて真実を知る事に。
そこは封印が施された大きな卵と天使の胎児がいくつも入った培養ポッドだらけの部屋。
そして割られた卵の中には目と口に太いチューブがつながれた、老いた大きな生首。
それこそが本当のセラフィタの姿だった。(※1)
先ほどのセラフィタは乗っ取られ、力を得た霊体。そして神の虚像は皆が思い描くイメージの実体。
神に反対したセラフィタは四肢を裂かれ、こうして天使の栄養供給体になり永遠の責め苦を受けているのだった。
セラフィタはこの体を閉じてしまえば創世神は力を使えないという。(※2)
封印はその他メンバーにまかせ、刹那はセラフィタの導きで最終戦へ。
そこには意思を持ったマザーコンピューターの創世神、攻撃され瀕死のルシファー、そして紗羅の姿が。
ルシファーは何故か加藤の不知火を持っている。どうしてと聞く刹那に「さあ…俺にもよくわからない」と言う。
錯乱し刹那を攻撃する紗羅だったが、すんでの所で自我を取り戻した。これはバグだと慄く創世神。
隙を見て内部に侵入しコントロール回路を切断したルシファーが叫ぶ。
「刹那!そいつを殺れ!俺の最後の願いを叶えろ!」
泣きながら七支刃を構え、ついに創世神が倒れたと同時に封印も完了する。

蹲るルシファーの前にアレクシエルが現れる。「ばかな男…」そう言って二人は抱き合う。
セラフィタの残した最後の祈りのプログラムが色んな所に流れていく。
崩壊する塔の中、よろよろと紗羅を抱えて脱出する刹那。
「力を分けてあげようか?」声を掛けるロシエルとカタンの幻。(※3)
「いいんだ、俺には必要のない力だから。紗羅だけ頼む」そう言って、絶対みんなで幸せになると改めて思う。
崩壊する塔を見つめる九雷達。ここからは今までの登場人物がダイジェストのように出てきます。

(※1)このビジョンは形成界編・月華夜の冒頭で出てる刹那の見た悪夢の複線。
母体を食べているので天使はみんな生まれながらに母食いの罪を背負って産まれてくる。
ルシファーが言う「罪」とはこの事。
(※2)あくまで創世神は膨大な力の存在。使うには天の板を通じてセラフィタという門が必要。
(※3)アレクシエルとルシファーは書き下ろし。またカタンの幻も掲載時にはなかったとの事。



331 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 15:56:22 ID:???
ラジエル:ウリエル達と協力して天界の新体制を作る為尽力
ドール:星幽界でネジがきれ、動物の体を借りつつひとりウリエルの帰りを待ち続けている。
ノイズ:相変わらず九雷を心配している。
リル:紗羅がいなくなった事を聞かされるが、それでもジブリールに仕えると言う。
ウリエル:今回の戦いでようやくアレクシエルへの思いを断ち切り、
自分を大事に思ってくれるドールの待つ星幽界へ。
ラファエル:バービエルの蘇生に成功したものの、力を使い果たしコールドスリープ中。
目覚めるのはいつになるやら。
ミカエル:眠るラファエルの隣で「俺は気が短いんだぞ」と言いつつその目覚めを待つ。
アレクシエル:亡骸はウリエルが管理する事に。いつか真実の目覚めが来るだろう。

そして物質界では創世神の召還した天使の胎児が全て雪(霊感のある人は羽に見えてる)となって降っていた。
キリエに殺された廃工場で目を覚ました紗羅は、刹那を探して走り出す。
出張に向かう途中だった吉良の父親。振り返った先には黒い羽と大きな羽音。
思わず涙を流す父のその背中を死んだ朔夜の霊体が優しく抱きしめる。(※1)
『大丈夫…これからも色々あるけど…二人の息子が貴方を守るから 貴方の幸せだけを願っていくから…』
それを見届ける黒い翼と「あれでよろしいのですか?」と尋ねる一羽の黒い蝶。
上空では龍に乗った九雷が「これからどうするんだ」みたいな事を刹那に言っている。
力はなくなってしまったし、吉良は刀ごと消えて加藤の件は迷宮入り。現実的な問題は何も変わっていない。
二人とも血の繋がった兄妹で一生二人で親や世間の目から後ろ指を刺されて生きていかなければならないのだ。
だけど一生二人で生きられるなんて幸せだという刹那。それでこそおれの好きになった刹那やと思いながら、
ノイズと二人必ず一族の生き残りを見つけて国を再建するという九雷。
彼女は最後に触れるようにキスをして刹那を地上へ送り出す。
最後はFF8のムービーばりに刹那と紗羅が抱き合っておしまい。(※2)



332 :マロン名無しさん:2009/05/06(水) 15:57:47 ID:???
(※1)書かなかったけどAct.3で朔夜は出て来ている。ルシファーのとてつもない力に飲まれてるけど
ちゃんとその中に吉良朔夜としての意識(朔夜バージョンも吉良バージョンも)は残ってるらしい。
(※2)あとがきで加藤は成仏して転生の準備に入ってるとの事。