超人ロック

Last-modified: 2009-01-15 (木) 12:32:28

超人ロック/聖悠紀

201 名前:超人ロック「ニンバスと負の世界」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:19:46 ID:???
2人の男が煌びやかなクラブに入っていく。ちょうど歌が始まり、歌姫が拍手を受けているところだった。
片方の男―サングラスをかけている―はその姿に一瞬目を奪われ、それを誤魔化すかのようにもう片方の男に問い掛ける。
「ほんとにこんなところにいるんですか?」
問い掛けられた男は歌姫に視線を向けた。
「ああ、あのひとがそうだ。君の捜している超人ロックだよ」「ええっ!」
歌が終わりこちらにやってきた歌姫にサングラスの男ことアイザックが重大な話があると告げ、2人は外でロックを待つ。
「ひどいですよ、初めから女性だっていってくれればよかったのに」
ぼやくアイザックを見て含み笑いを漏らすもう片方の男。
やがて現れたのは緑の髪の青年だった。「ロックです、先ほどはどうも」
分子配列を変えるサイコキネシスの応用だ…もう片方の男に種明かしされても混乱が解けないアイザックだった。
海賊船スカイシャークを追っている際、近傍の惑星ピナが一瞬の内に消滅してしまった―アイザックが告げたのはこんな謎の事件だった。
とそこに突然襲撃を受ける3人。無事回避した3人はその場に戻り、ロックが残留ESP波を調べることによって
攻撃を仕掛けたのがオメガという人物だと言うこと、オメガはロック達がこの事件の調査を始めたことをもう知っていることがわかった。
調査を始めたロックは事件当時近くにいた船の持ち主に話を聞き、結論にたどりつく。
原子力以来のエネルギーと呼ばれたプシ陰線、これによってピナは消滅したのだ。
プシ陰線を自在に操る強敵の存在に緊張を隠せないロック。
事件当時にいた別の船の持ち主がいる星に移動する途中、スカイシャークを感知したロックはそこまでテレポートする。
協力を要求したロックにスカイシャークのキャプテンであるニムバスは素直に応じることにした。
全員をESPで読心するロック。
だが、有益な情報は得られなかった。ニムバスに何か気にかかることを感じつつも、ロックはこの場は素直に退いた。
捜していた船の持ち主ヘンリィは死んでいた。
偽装工作の可能性を検証するため、ロックとアイザックは彼の知り合いを当たることに。



202 名前:超人ロック「ニンバスと負の世界」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:21:37 ID:???
ロックが会ったのは彼の娘ジェミナスだった。会ったばかりなのに気の合う2人。
「何千年も前に会ったことがあるのかもしれない…」
エスパーを怪物みたいに思う人も多い中、ロックの正体を知りつつもジェミナスはロックを受け入れていた。
ヘンリィは白だと分かったが、夜になったのでアイザックと共にロックはジェミナスの家に泊まることにした。
夜明け前、ジェミナスはロックの部屋の扉を静かに開き、ロックに銃を向ける。
彼女はオメガに催眠をかけられていたのだ。
彼女を気絶させたロックは傷を癒し外に出る。即座に襲いくる巨大な力。プシ陰線だ。
何とかプシ陰線の攻撃を防ぎ続けているロックの前に男が現れる。
昇り始めた太陽が逆光となりその顔は窺えない。
「オメガ、か」「そうだ」そう答えたのはニムバスだった。そうであるだろうということを薄々予感していたロック。
読心したときに分かった。ニムバスの心には矛盾が無かったのだ。およそ人間の心ではない。
だがすべては遅かった。プシ陰線の攻撃は続き、ロックはバリアーを張り続けるしか手は無い。
縮まっているバリアーを眺めながらニムバスは自らのことを語り始める。
彼は1500年前に生まれ、研究の結果不死を得たと言うのだ。
プシ陰線を使い、最終的に「負の世界」を実現させるのが研究の目的で、ピナを消滅させたのもその一環だと語るニムバス。
彼の話が終わったとき、ロックのESPは限界を迎えつつあった。後がなくなったロックは賭けに打って出る。
バリアーを外し、宇宙に浮かぶある装置のスイッチを入れる。
まともにプシ陰線を受けたロックだったが、一瞬の後プシ陰線が切れる。
重傷を負いながらも宇宙にテレポートして逃れるロック。ニムバスもそれを追いかけてテレポートする。
ロックの前に現れたニムバスの姿が溶けるように拡散していく。自らがプシ陰線で構成された空間となったのだ。
負の世界に飲み込まれたロックは再びテレポートで逃れようとするが、出ることができない。



203 名前:超人ロック「ニンバスと負の世界」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:22:25 ID:???
「むだだよ。ここの空間は外とは次元が違う―負空間さ」勝利を確信するニムバス。
だが、膨らみ続ける負空間が先ほどスイッチを入れた装置に触れた瞬間、負空間はニムバスごと一瞬で消し飛んでしまった。
その装置はロックがプシ陰線を研究していた友人のデータを元にして開発したプシ陰線の撹乱機だったのだ。
かくして事件は解決し、ロックはこの星を去ることになった。天涯孤独となったジェミナスは地球に行くように薦められるが、
ここにはたくさんの思い出がある、とそれを断る。ロックを見送るジェミナス。
何千年か何万年か時の彼方でまた会えると信じて…<完>

<短縮版>
惑星が一瞬で消滅した―謎の事件の調査を依頼されるロック。
その犯人、オメガはプシ陰線という強力な力を操っていた。
調査を進めるロックの前に現れたオメガことニムバス。
一連の事件は「負の世界」を作るためだと語るニムバス。
プシ陰線の攻撃でピンチに陥るロックだったが辛くも宇宙に逃亡。
ニムバスはプシ陰線で構成された負空間と化しロックを追いつめるが、
ロックがあらかじめ用意しておいたプシ陰線の撹乱機により消し飛ぶ。

<解説>
1967年作画グループ同人誌初出の、超人ロック最初のエピソード。
この時、作者の聖悠紀は高校三年(17才)だった。
「SFファンとそうでない人に」の序文で始まるこの話は、当時としては結構衝撃的な内容だったらしい。
タイトルではニンバスとなっているのに何故か本文ではニムバスとなっているのはどうしてだろうか?



204 名前:超人ロック「この宇宙に愛を」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:25:37 ID:???
ISC(銀河連邦の保安組織?)司令のアイザックは難問を抱えていた。
謎の球体により十隻近くの宇宙船が行方不明になっているのだ。
ロックに依頼しようと思った矢先、目の前にロックが現れる(ニムバスの事件の際精神に同調したのである程度のことは分かるとの事)。
ロックが調べた結果、その球体は負の世界で、しかも少しづつ大きくなっていることが判明した。
負の世界を破壊するためにロックの他に4種類のエスパーが必要だという電子頭脳の分析結果を元に、4人のエスパーが集められた。
銀河警察のリィ、超心理学の博士ロス、普通の少女ジル。
そして最後の一人の元に赴いたロックだったが、いきなり攻撃を受ける。
最後の一人ニーナはニムバスの部下だったのだ。灰になり崩れ落ちるロックを嘲笑うニーナ。
しかしそれは天井の一部をテレポートで身代わりにしたもので、ロックは無事だった。
エスパーという「怪物」にたいする差別、それゆえの孤独という不幸な環境につけこまれニムバスに暗示をかけられたニーナは、
ニムバスへの絶対的な信頼とそこからくるロックへの憎しみに満たされていた。
彼女を暗示から解放しない限り決してロックの仲間にはならないだろう。ロックは長期戦で臨むことにした。
ロックはかつてプシ陰線を研究しその途上で事故死したハンザ博士の甥を訪れ、小型化して携帯可能となったプシ陰線撹乱機を受け取る。
これを手渡すために3人のエスパーに会うロック。
彼等はエスパーである自分を周囲に受け入れられ、幸せに暮らしていた。
再びニーナを訪問したロックはこのまま負の世界を放置しておくとこの世界、「正の世界」そのものが消滅してしまうと語る。
私たちを怪物扱いした人間が消えて無くなるなんていい気味だと返すニーナにロックはジルたちの姿を見せた。
「今ではエスパーは立派な人間として扱われている」そう諭すロックだったが、ニーナはあくまでも頑なだった。
そんな彼女に業を煮やしたロックは彼女に直接ESPで干渉し、彼女の能力、あらゆるものを見通せる力を発現させる。
文字通り見える世界が変わったニーナはロックを完全に信じた訳ではないものの、真実を確かめるためにロックと共に行くことを決めた。



205 名前:超人ロック「この宇宙に愛を」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:27:29 ID:???
遠巻きに監視しているISCの前で、突如負の世界が拡大を始めた。一隻の船が逃げ切れずに飲み込まれかける。
だが、辛くも到着したロック達5人がその船を救出した。アイザックが見守る中、5人は負の世界に突入する。
ニーナが感知、ロスが防御、リィが攻撃、ジルが粒子加速、そして司令塔役がロック。これが電子頭脳が弾き出した役割分担だった。
負の世界の中心に何かがある、そう感じたロックは一行と共に中心を目指す。だが、何時まで経っても中心に着く気配は無い。
次第に焦りの色を浮かべ始めるロス。そして一行の前に巨大な怪物が立ちふさがった。リィが攻撃を加えるが全く通用しない。
「むだだよ」と告げるロック。この怪物はロスの恐怖感情が作り上げた幻だったのだ。故にこれを消すことができるのはロス自身だけ。
だが、怪物の姿を見たロスは恐慌をきたし、保護シールドを外してしまう。一行は負の世界を満たすプシ陰線の奔流に襲われた。
意識を取り戻したニーナの前にニムバスが現れる。ニムバスは死んだはず。困惑するニーナ。そこにロックが現れた。
「やあロック、また会ったな」「また?ぼくは初めてだよ、君に会ったのは」ニムバスの言葉を冷たい表情で斬ってすてるロック。
ニムバスを一撃で吹き飛ばすと、その後ろから電子頭脳が現れた。この電子頭脳こそが真の黒幕、オメガだったのだ。
わざわざプシ陰線の渦から助けたのだ、君達を消すつもりは無い。オメガは口を開いた。
正の世界は負の世界によって滅びる、最早全ては無意味だ。帰って世界にそう告げろと言うオメガ。
当然飲める話ではない。攻撃しようとするロック達にオメガは余裕げに告げた。
私が破壊されたら負の世界が消え同時に君達も死ぬ、と。
ロックはそれを無視しジルに粒子加速を命じる。物体を構成する素粒子を加速させることで約200万倍の速度で活動できる―
この粒子加速こそが生還のために必要な役割だったのだ。全力の一撃で砕け散るオメガ。
オメガが発していたプシ陰線が止まり、全体を支持していた力が無くなった負の世界は消滅していく。
急いで脱出しようとする一行だったが、ニーナが居ない。
ロックは他の3人に脱出を命じ、未だにニムバスを捜すニーナの下に向かった。
ニムバスを捜しその場から離れようとしないニーナにロックはオメガの記憶をのぞくように言う。



206 名前:超人ロック「この宇宙に愛を」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:28:30 ID:???
ニムバスはオメガに脳再生をさせ、不死を得ていた。だが、自己進化能力を有していたオメガはやがて命令に背き、ニムバスを支配した。
ニムバスの死すらロックを欺くための陽動にすぎなかった。ニムバスがただの道具に過ぎなかった事実を知り愕然とするニーナ。
ショックで気絶したニーナを連れ脱出を図るロック。しかしもう間に合わない。そして、負の世界は完全に消滅した。
そして4年後、アイザックは一人の青年を連れクラブを訪れた。ステージの中央で歌っている女性がロックだと聞き驚く青年。
ロック―この姿の時はリーザと呼ばれている―は青年―アイザックの後任、ニール―と挨拶を交わした。
3人の話はやがて「負の世界」事件へと移っていった。何故助かったのか尋ねるニールにリーザはプシ陰線撹乱機を取り出した。
これを使ってプシ陰線をコントロールし、更なる加速を得て脱出に成功したのだ。
やがて次の曲の前奏が流れ、リーザはステージへと戻っていく。わずかに熱のこもった視線で見送るニール。
そんな彼がこれから体験するであろう数々の驚きの体験を思い、やれやれと苦笑を浮かべるアイザックだった。<完>

<短縮版>
宇宙船を飲みこむ謎の球体を調査するロック。
それは既に死んだはずのニムバスが研究していた「負の世界」だった。
放っておけばいずれこの世界も消滅してしまうということが判明し、
ロックは4種類の特性を持つ4人のエスパーを集め、負の世界の破壊のため内部に突入する。
負の世界の中心にいた電子頭脳こそが真の黒幕、オメガだった。
主であるはずのニムバスを逆に支配し負の世界の創造者となったオメガ。
だがロックたちの手により破壊される。オメガの死と同時に負の世界は消滅したが、
約200万倍の速度で動ける粒子加速の能力で3人は消滅前に脱出に成功、
ニーナを助けるためにその場に残り間に合わないかと思われたロックも咄嗟の機転で無事脱出した。

<解説>
「ニンバスと負の世界」の続編に当たるこの作品も、作画グループ同人誌初出。
年老いて世代交代するアイザックに対して全く変わらないリーザ(ロック)。
この辺りからもう既にロックの不死設定は取り入れられていたようだ
両作品とも、なぜかリーザが出てくるシーンだけカラーページになっているのは御愛嬌。



207 名前:超人ロック「ジュナンの子」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:30:35 ID:???
惑星ジュナンで200人のエスパーが一度に死ぬという事件が発生した。
この事件の調査を依頼されたロックは危険を知りつつもジュナンへと向かう。
ロックが乗った宇宙船には裏社会の大物が勢ぞろいしていた。
治安組織のエスパーの活躍によって多くの事業を摘発されていた彼等はこの事件に並々ならぬ関心を抱いていたのだ。
ジュナンに降り立ったロックの目の前でエスパーの乗った車が狂ったように暴走し、激突炎上した。
攻撃の気配は感じられなかった。ロックは考える。「この星にきてから空気にふれただけだ…?!」
真実に気付き、戦慄するロック。ジュナンにはエスパーの脳だけを侵す空気感染するウイルスが散布されていたのだ。
そして既に自分もウイルスに感染している。
ロックは即座に雪深い山中にテレポート、自分ごとウイルスを凍結させて生き残りを図った。
一方、議事堂に集まった裏社会の大物達の前に招待主が立体映像で現れた。
彼こそがアコ・メディオス、ウイルス―P96の製造者であった。
彼はP96の性能―エスパーのみに作用し、治療手段は存在しない―を語り、エスパー消去計画への協力を要請。
エスパーが商売の邪魔となっていた大物達はこれに同意し、P96の輸送用の恒星船の建造に取り掛かった。
ジュナと名乗る少女に救出され目を覚ますロック。寒さだけならウイルスは生き返るはずだったが、P96は死滅していた。
第三波動(プシ陰線)を操るというジュナの能力が、本人はそうと知らないままウイルスを殺していたのだ。
彼女はこの星に正式に移民が始まる前である100年前に事故で漂着した宇宙船の最後の生き残りで、
-160度という過酷な環境に順応するための能力を生まれつきに持ったエスパーの中のミュータントと呼べる存在だった。
エスパーの存在が惑星の統治に不可欠となっていたこの時代、エスパーが居ないジュナンは治安・経済共に悪化の一途を辿っていた。
そんな中、裏社会の大物の一人マニイ・グリップがアコ・メディオスに直接会いたいと申し出にやってきた。
だが現れたのは従妹のフレア・メディオスだった。あくまでアコに会いたいと強硬に主張するマニイに押され、
フレアは彼を孤島に案内する。マニイの前に現れたのは立体映像とは全く異なった、下半身が麻痺した男だった。



208 名前:超人ロック「ジュナンの子」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:33:40 ID:???
人間にはエスパーと普通人の他、ESP素子を全く持たない「純粋種」という種がある、そしてあなたも私と同じ純粋種だ、と語るアコ。
アコは下半身麻痺、フレアは盲目、そしてマニイは肥満症―この時代に肥満というのは明らかに奇型、
そして奇型こそが純粋種の特徴。
同類と見抜いた理由と共に奇型という言葉を叩きつけられ激怒するマニイ。
「エスパーこそ最大の奇型、人類の敵。我々の他にだれがいったいエスパーを倒せると言うのです?」
席を立とうとしたマニイだったが、アコのその言葉に気を取り直した。
エスパーに対する憎悪、これも純粋種の特徴だったのだ。
その頃、褐色の肌の男がジュナンに降り立った。
エスパー殺しの犯人を捜すと言う彼は人の心を読み、攻撃をバリアで防ぎ、
あっという間にアコの居場所を突き止めてしまう。
そう、エスパーであるはずの彼に、何故かP96が通用しなかったのだ。
単身島に向かった男を出迎えるフレア。「ご案内しますわ、ミスタ…」「ヤマト、ただのヤマトだ」
自らの力を恃み、彼女の案内を受け堂々とアコに会うヤマト
(ちなみに、ヤマトも第三波動の使い手だということが後に明らかになる)。
だが、アコの思考が読めないことに衝撃を受けた隙を突かれ(ESP素子がない純粋種は思考が読めない)暗示をかけられてしまう。
一方、体も癒え第三波動を習得したロックは山を下りることに。
ついて行こうとするジュナだったがロックはそれを断る。
-160度の世界に適応したジュナは通常の世界では生きていけないのだ。
後で必ず迎えにくると約束し、ロックはジュナの元を去る。
警察の動きが活発化してきた感知したアコはヤマトを呼び出す。
エルという刑事のせいだと答えたヤマトに彼の始末を命じるアコ。
ヤマトはエルの元に向かい、テレパシーで会話を交わす。
エルとはロックの偽名で、ヤマトは暗示をかかった振りをしていただけだった。
事前にそれを察知したアコの指示でヤマトの飛行機は撃墜されるが、それも死んだと思わせる策だった。
宇宙に移動したロックとヤマトは惑星全体に第三波動を当て、P96を残らず消し去った。
だが、当て方にむらがあり地軸が傾いて地震が起こってしまい、ジュナの住処も雪崩に巻き込まれてしまう。



209 名前:超人ロック「ジュナンの子」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:38:53 ID:???
ヤマトの合図を受け、大気圏外で待機していた連邦のエスパー部隊が降下、マニイとその部下達は残らず逮捕。
敗北を悟ったアコはフレアを警察に投降させ、孤島で一人待ち続ける。そこに現れるロックとヤマト。
彼は静かに疑問を問いただす。第三波動のことを知り、疑問が解決したアコはエスパーと、エスパーに頼る人間への憎しみを語る。
純粋種である彼にとってエスパーも人間も等しく憎悪の対象だった。
彼が語り終えた瞬間、ロックはヤマトを連れテレポート。
その眼下で自爆装置が働き爆発する島。よくアコの思考が捕えられたとロックを賞賛するヤマト。
「あれは偶然さ」助けを求めるジュナの思考が、再びロック達の命を救ったのだ。
ジュナを病院に運び込む二人だったが、気温の差もあって容態は悪化、遂に脳波が止まってしまう。
残された方法は、エスパーが意識に入り込み内部から力を加えることのみ。
失敗すればそのエスパーも死ぬと知りつつも躊躇わないヤマト。「きっとうまくいく、おれはついているんだ」
ジュナの意識に必死に呼びかけるヤマトの働きで、ぎりぎりのところでジュナは生き返った。
事件も終わり、ジュナンを去ることになったロックは、最後にジュナの元に訪れる。
ヤマトの働きの影響で体質が変わり(姿も変わっている)人間の世界で過ごせるようになったジュナは、
初めての友達であるロックとの別れを寂しがった。「君は一人じゃない」と励ますロック。
そう、エスパーは皆兄弟のようなものなのだ。
ジュナンを離れる宇宙船から、ロックはジュナンの、そして銀河中の兄弟たちを何時までも見続けていた。<完>

<短縮版>
惑星ジュナンで惑星中のエスパー200人が一度に死ぬという事件が発生。
ジュナンに着いたロックはエスパー殺しの犯人、エスパーのみを殺すウイルス「P96」に感染してしまう。
ウイルスを凍らせるため雪深い山中にテレポートしたロックは第三波動を操る少女ジュナに命を救われる。
一方、P96を作った男アコ・メディオスはエスパー消去計画を企み、裏社会の大物の支援を得て計画を進めつつあった。
だが、第三波動を習得したロックと同様に第三波動を使えるヤマトの働きでP96を消し去り、計画の阻止に成功。
この際巻き込まれたジュナが重態になったが、ヤマトの献身で一命を取り留め、人間の世界で暮らせるようになった。



210 名前:超人ロック「ジュナンの子」[sage] 投稿日:2005/07/16(土) 00:40:40 ID:???
<解説>
この作品は作画グループの商業誌に掲載された最初の作品である。
今の視点で見るとヤマトというのはまた凄い名前だが、実は「宇宙戦艦ヤマト」のアニメより前に発表された作品である。
なお、「ニンバスと負の世界」からこの作品までの3作は以降のエピソードとの整合性が取れないため、
現在では宇宙歴年表からは外され参考扱いになっている。