ES

Last-modified: 2008-11-21 (金) 09:51:50

ES/惣領 冬実

315 名前:E'S 投稿日:04/10/03 11:17:16 ID:???
人間の精神を自由自在に操れる人造人間シュロと
何故か精神操作が効かない心理学者九條さんとのデコボココンビが
人間社会に寄生して人殺しを楽しむ人造人間イザクを追うサイコスリラーっぽい漫画。
と言うかE'Sって名前の漫画そこはかとなく多いので惣領冬実の漫画だと思って説明してみたが
もしかしたら違うかも。



375 名前:ES[sage] 投稿日:05/03/01 07:32:25 ID:???
惣領冬実(そうりょう・ふゆみ) モーニングKC『ES』 全8巻
タイトル『ES』とは「Eternal Sabbath(=永遠の安息日)」の略。

最先端科学の名の下に造り出された生命体、コードネーム<ES(エス)>。彼らは、免疫システムが
自在に進化する変異遺伝子(通称ES)を組み込まれ誕生した人間の試作品だった。あらゆる細胞の
異変や外部からの侵入者である病原体に対して遺伝子自らが考え、変化し、鉄壁の防御システムを
展開する、完全無欠の生命体。それは不老不死への憧れを抱く我々人類の飽くなき願望をそのまま
体現する奇跡のような存在だった。──果たしてヒトはどこまで神の領域に踏み込むのだろうか。

遺伝子操作人間<ES>は、2体作られた。オリジナルとそのクローン。クローンは高らかに宣言する。
生まれながら定められた過酷な運命をただ甘んじて受けるわけにはいかない。そうだ。高慢で強欲な
人間どもに大いなる怒りの鉄槌を下そう。神の裁きを与えよう。彼らは、その類まれな生命力と同時に
他人の脳に潜入し操作する能力を持って生まれ落ちる。やがて起こる反抗と混乱──<ES>の前に
人間はこうも無力だとは思わなかった──。



376 名前:ES 1[sage] 投稿日:05/03/01 07:33:38 ID:???
東鵬医大の研究室に勤務する脳生理学者九條未祢(くじょう・みね)は、あるホームレス殴打殺害事件に
ついて奇妙な話を聞く。事件の概要はこうだ。ある少年Aが幼馴染の少年Bを集団でいじめていたところ、
止めに入ったホームレスを殴り殺してしまい、その罪をBに擦り付け、口封じのため焼死自殺に見せかけ
殺してしまおうと画策した。ところがその計画は頓挫し、主犯格のAは出頭してきた。なぜか彼は、これと
いった外傷も見受けられないのに火傷がひどくて苦しいと訴えているらしい。未祢は、検査の依頼を受け
警察病院を訪れて、少年に当時の状況を証言させる。

少年は、人が焼かれる姿を想像していたという。熱くて痛くて苦しくて……そんな炎の中で、人はどの程度
耐え、いつ死ぬのだろう。彼は、その瞬間、頭の中に描いた炎に包まれた。「男が頭に浮かんだんだ──
全然知らないやつ。オレじゃない誰かがオレを冷ややかに見てた」

その後まもなく、少年の上半身に皮下熱傷が現れる。それはまるで本物の炎に包まれたかのようなひどい
火傷の症状だった。未祢は、不可解ながらも、研究者としてとても興味を惹かれる事例に出会えたと思う。



377 名前:ES 2[sage] 投稿日:05/03/01 07:34:45 ID:???
未祢は、学生時代の友人貴美子と食事を済ませた帰りに、チンピラ男が金属バットで殴り殺される凄惨な
現場を目撃するが、そこで彼女は別の男に目を奪われる。目前で人が頭を割られているというのに平然と
して、ただ忌々しそうに己のシャツに飛び散った血痕を一瞥して通り過ぎていった、ひどく違和感のある男。
まるで事件が、あの時あの場所で起こることを以前から察知していたように……。

後日、未祢は学内でその男を発見し、先日の件を問いつめる。秋庭と名乗った男は、あっさりと現場にいた
ことを認め、衝撃の事実を語る。僕は人の心の中が分かるのだと。彼はいつものように未祢の記憶を操作・
改竄しようとするが思うようにいかない。秋庭は驚きつつも苛立った様子でその場を後にする。追いすがる
未祢に対し、彼女の手を切り裂く幻覚を見せながら……。秋庭は、再び接触を試みた未祢を笑って迎える。
彼は言う。人間には操作されやすいタイプと、そうでないタイプがいるのだと。前者は、少年Aのように想像
しただけで本物の火傷を負い、後者は、未祢のように(幻覚を見るだけで)まるで影響を受けない。

未祢は大学の学生課に立ち寄り、秋庭が中途退学した学生のIDを改竄し使用していることを知る。さらに
彼女は秋庭家を訪れ、そこに居た年老いた祖母から、秋庭の両親が既に他界していると聞き、ある確信を
抱く。「彼は秋庭亮介じゃない。全くの別人が秋庭亮介に寄生し、彼の記憶を奪ったにすぎないんだ……」



378 名前:ES 3[sage] 投稿日:05/03/01 07:35:48 ID:???
翌日、未祢が研究室に出勤するとそこに秋庭の姿があり、助手として雇われたと涼しい顔をする。同僚の
記憶が彼により改竄されたのは自明だった。警戒する未祢に対し、秋庭は笑顔を絶やさず、共生したいと
言う。未祢のように能力に翻弄されない少数派が、異種である己に対し攻撃性を持たない限り。「あなたの
ような人間に会うと、否応なしに思い知らされるよ。僕たちが決して無敵じゃないってことをね」彼の言葉に
未祢は驚きを隠せない。秋庭のような能力を持った人間がまだ複数存在するということ……?

頭を抱える未祢の前に榊と名乗る男が現れる。彼は国立衛生研究所で免疫学を研究する研究員だった。
榊は重い口を開く。我々は、違法に不老不死の研究をしていたと。免疫システムが進化する変異遺伝子
<ES>を組み込んだ生命体、遺伝子操作人間シュロ。それが秋庭の本当の姿だった。長年待ちわびた
奇跡の誕生。しかし、<ES>の能力は予想外の副産物だった。それに気づいたとき、既に危険因子は、
2体に増えていた──。数多くある胚の中で、なぜシュロだけが分裂を始め、生き延びたのか、謎を解明
するために複製が必要だったから。<ES>の原型であるシュロを傷つけるわけにはいかなかったから。
──シュロ誕生から10年後、榊ら研究者は、クローンを造った。彼の名はイザク。イザクは生贄にされる
ため誕生した。研究対象として、身体をパーツごとに切り刻まれるために生まれたのだ。



391 名前:ES 4[sage] 投稿日:05/03/04 07:27:23 ID:???
前兆は、1ヶ月前に起きた研究主幹の変死だった。研究所最期の日。──イザクが覚醒した日。突然、
研究員同士が殺し合いを始め、所内は大混乱に陥る。<ES>の能力に影響を受けず、逃げ回る榊を
助けたシュロの言葉に彼は衝撃を受ける。「あいつ研究所ごと破壊する気だ。……知りつくしたからさ、
あんたたちの心を」瞬く間に火炎に包まれた研究所から必死に逃げる榊の視界に赤く燃える炎の中で
微笑むイザクがちらりと映った。研究所は焼失し、榊は仲間の大半を失った。

榊は恐れる。解剖されるために生まれ、情操教育を一切受けずに育ったイザク。彼は、殺人を躊躇しない。
今もどこかで、誰かになりすまし生きるイザク。これ以上犠牲が出る前に彼を殺すこと。それが生き残った
自分の使命だ。さらに榊はイザクの潜伏地を予言する。「やがてその地域で死体が発見される、常識では
考えられない奇妙な死体が」

未祢は秋庭と話す。榊のこと。研究所のこと。イザクのこと。秋庭は能力を隠していた理由を生きるためだと
語る。彼ら<ES>は、己の立場を承知していた。思い通りのサンプルでないと処分される存在。<ES>は
IDを持たない。いつのまにか、闇に葬られても誰も構わない。研究者は無慈悲だから。秋庭は薄く微笑む。
呆然とする未祢は、小学生の遺体発見という臨時ニュースを耳にする。発見された遺体はその頭部だけが
粉々に砕かれているという。未祢は榊の言葉を思い出す。「奇妙な死体……」



392 名前:ES 5[sage] 投稿日:05/03/04 07:28:36 ID:???
未祢は葬儀の場で、被害児童の担任教諭と会う。彼もまた、<ES>に影響されない人間だった。イザクの
追跡調査を行う未祢に、彼は突然見知らぬ児童が現れ今も学校にいると告白し、直後に死亡する。未祢は
岩村有里という少女と出会い、彼女から「高岡智也」という少年に摩り替わったイザクの情報を得る。

榊は有里を利用し、イザクを誘き出そうと提案する。彼女は<ES>に影響されず、イザクが唯一心を許す
存在だった。未祢は迷いながらも了承するが、榊が有里をも犠牲にする覚悟だと知り、秋庭に助けを請う。
廃墟と化した工場跡で、榊は拳銃を忍ばせてふたりを待つが、有里に裏切られる。彼はイザクに操られた
警官に囲まれ、場は銃撃戦となるが、またもシュロに助けられ、一命を取り留める。

共生を望む秋庭は、未祢らに協力を申し出る。未祢は、先の警官発砲事件の重要参考人として指名手配
された榊を自宅に匿い、一時的に貴美子宅に居候すると決める。暗い夜道、肩を並べて談笑する未祢と
秋庭を、マンションのベランダから貴美子がじっと見つめていた。

未祢は有里と会い、彼女が心配している失明寸前の犬を保護したいと考え動物病院に連れて行く。そこで
知り合いの獣医から貴美子が離婚間近と聞いた未祢は驚く。どうして私に相談してくれなかったのかしら?
獣医は笑う。「無理もないわ。学生時代からの好敵手にこれ以上負い目感じたくなかったんじゃない」

貴美子と会った秋庭は、彼女を警戒するよう未祢に念を押す。一方、イザクは貴美子と遭遇し、彼女を
興味深そうに見つめる。心の闇に悪魔が巣食う、その瞬間が訪れる──。



393 名前:ES 6[sage] 投稿日:05/03/04 07:29:55 ID:???
未祢は、秋庭の忠告に従い貴美子宅を出ようとするが、そこを貴美子に襲われる。助けに入った秋庭は、
貴美子の意識下でイザクと対峙する。「九條未祢を殺すのにふさわしいキャラクターだ……彼女は九條
未祢に憎悪を抱いてた、僕はただ彼女に自分に素直になるよう命じただけさ」イザクはそう言って微笑む。

正気に戻った貴美子は泣き崩れて謝罪する。医学の道を捨てたことも結婚して家に入ったことも、全部
自分が決断した。学生時代ライバルだった未祢が順調にキャリアを積み重ねる一方で、頼りだった結婚
生活が破綻しかけているのも、全部中途半端な自分の責任だ。それなのに、未練や嫉妬、後悔といった
弱く醜い感情が未祢を憎悪する気持ちを生み、危うく大事な親友を傷つけるところだったと。

未祢と秋庭が去った後の貴美子宅にイザクが現れる。苦悩する貴美子にイザクは笑いながら話しかける。
「こんな何もかも中途半端な人生自分でもうんざりだろう。いっそのこともう終わらせちゃったら」貴美子は
包丁を取り出し頚動脈を裂いた。親友を心配し戻った未祢は血の海に佇む貴美子を発見し、彼女を死に
追い遣ったのは他ならぬ自分だと泣く。一方、秋庭はイザクの仕業だと確信する。

貴美子の葬儀の場で、未祢はひとり佇む少年を見る。未祢はイザクを知らない。顔の造作も背格好も。
しかし本能で理解した未祢はイザクを追いかけ、貴美子を巻き込み、彼女を死に至らしめた理由を問う。
己の能力を見せつけたかっただけと答える彼に激昂する未祢は、逆にイザクに問われる。「大量の命を
消費して初めて命を理解する。消費される命と救済される命……その差が何なのか教えてくれよ」彼は、
呆然とする未祢を残したまま、悠然と立ち去る。



394 名前:ES 7[sage] 投稿日:05/03/04 07:31:00 ID:???
未祢は秋庭にある計画を持ちかける。シュロ(オリジナル)の完全な複製であるイザク(クローン)の特性。
それは突然変異が起こらぬ限り、親と同じ遺伝情報を持つこと。しかし当初から捨て駒であったイザクは
その成長段階においてシュロと著しい違いがあった。もしそこになんらかの弱点が発見されるならそれは
きっと<ES>攻略の手がかりになる。仮説を立てた未祢は、催眠療法により秋庭の意識の奥底を覗く。

未祢と榊に見守られながらトランス状態になった秋庭は、「人を殺した」と衝撃の告白をする。研究所終幕の
発端となった主幹の変死は、シュロによるものだった。外界に、作り物でないリアルな世界に触れたかった。
それだけが望みだった……。<ES>は結託し、イザクが人工子宮から出されるその日を狙い行動を起こす。
しかし、シュロを兄のように慕うイザクは彼を通して<ES>の能力や殺しを学び、彼の想定外だった惨劇を
招いた。潜在意識に接した未祢は、圧倒的な経験値の差、それが唯一ふたりを分け隔てていると分析する。

一方、イザクは有里とともに鬼退治を楽しんでいた。鬼─それは世に蔓延る悪者たち。例えば動物虐待を
している青年。例えば中年サラリーマンを暴行して金を巻き上げる若者たち。小学生の有里に悪意はない。
イザクの破壊は収まらず、怒りを抱えたシュロによって攻撃を受ける。血だらけになった彼は、病院に搬送
され、院内に侵入した榊は、イザクの血が付着した洋服を持ち出すことに成功する。



395 名前:ES 8[sage] 投稿日:05/03/04 07:31:57 ID:???
同族であるイザクの暴走に心を痛める秋庭を、未祢は優しく慰める。「あなたに惹かれてる」そう告白する
秋庭に、未祢は驚きつつもそれは錯覚だと冷静に答える。<ES>の能力が通じない特異体質の女性に
疑似恋愛しているだけだと。そんな未祢の言葉に戸惑いを覚えながらも、秋庭は嫌われてないと分かった
だけで良かったと微笑む。未祢は、秋庭を男性として意識し始める。

失明した犬の術後経過を見にきた有里は、イザクをいじめないでと訴える。彼女は未祢と秋庭がイザクの
命を狙う理由が理解出来ない。殺害も厭わないという未祢に、有里は傍にあった花瓶をぶつける。癇癪を
起こした有里を宥める未祢は、彼女の背中に虐待の痕を見る。「お母さんにぶたれた……有里は悪い子
だから。悪い子は罰を受けなきゃならない……みんなも」未祢は、有里の母親に接触を試みる。

両親からひどい虐待を受けて育った有里の母親は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいた。
早く専門的なカウンセリングをと勧める未祢に、母親は固辞の姿勢を見せる。「私あの子が本当に嫌い
なんです。幸せに…私なんかとは全く違う人生を送ってきた、あなたのような人も嫌いなんです」未祢は
そう語る母親の顔が死んだ貴美子と重なり、ひどく打ちのめされる。翌日未祢は仕事で大きなミスを犯し、
しばらく休暇を取る。心配した秋庭は未祢宅を訪れ、ふたりは身体を重ねる。



446 名前:ES 9[sage] 投稿日:05/03/08 07:34:01 ID:???
イザクは手に入れた拳銃を有里に見せながら、「これならシュロを殺せる」と微笑む。はじめは悪者退治の
はずだった。でも未祢も秋庭も悪者じゃない。イザクの狂気に触れた有里は、拳銃を持ち出し未祢に送る。

一方、有里の母親は己の悲劇を繰り返さないためにも、治療を受けようと決意する。さらに彼女は有里との
関係を第一に考え、身篭った子どもを諦める。イザクは、有里が持ち出した拳銃を取り戻しに有里宅を訪れ
そこで有里の母親が堕胎したと知る。その瞬間、彼の脳裏に己の課せられた運命が過ぎる。生まれながら
捨て駒のイザク。命を粗末に扱う研究者たち。イザクは子どもを殺した母親を嫌悪の目で見つめ、有里の父
もろとも殺害する。帰宅した有里は、その凄惨な光景に立ち尽くす。

両親が死んだ理由を確かめるためイザクと対峙した有里。理解者だった少女は敵対者へと変わり、イザクの
殺意は有里に向けられる。有里は、優しく暖かい母親の幻覚を見る。それは、有里が心の底から望んでいた
母親の姿だった。有里は彼女に誘われるまま、陸橋から身を投げる。

有里の死に呆然自失となった未祢は、届けられた拳銃でイザクを撃つも、致命傷にならない。現場となった
小学校に秋庭や榊も駆けつけるが、そこで3人はイザクに操られた人間に囲まれる。「逃がすもんか。殺す」
──しかし、攻撃を開始しようとしたイザクは、突然体の自由を失い、倒れ込む。



447 名前:ES 10[sage] 投稿日:05/03/08 07:34:52 ID:???
ふいに消えたイザクの気配を訝しむシュロに榊はバグが生じたのだという。全てが管理された人工子宮から
外界へ突然放り出されたイザクの免疫システムは、フル活用を余儀なくされ消耗し、結果、著しいスピードで
老化している。イザクの血液を調査した榊が、出した結論だった。「イザクは自滅する」榊の言葉に、シュロは
複雑な表情を見せる。その頃、病院のベッドの上で目覚めたイザクは、鏡に映る白髪の自分に愕然とする。

己の身の破滅を知り、絶望から自暴自棄になったイザク。新宿は、彼によって操られた人間の破壊活動で
混乱する。「もっと無秩序で、もっと荒廃した、混沌とした世界が見たい──」秋庭は、未祢との別れを予感
しながら、同族であり分身でもあるイザクとの決戦に挑む。全ては、愛する未祢の生きる世界を守るために。

一方、秋庭がリンクした映像を手掛かりにふたりの<ES>を捜す未祢と榊は炭化したイザクの遺体と
向き合う秋庭を発見する。しかし、それはイザクに乗っ取られた秋庭の姿だった。黒焦げの肉塊に泣き
崩れる未祢は、ふいにイザクとリンクする。こんなことが出来るのは分身である秋庭だけ……。未祢は、
己の中に秋庭の存在を確認する。一方、イザクもまた、シュロが消滅せず未祢に寄生したことに気づく。

未祢は己に睡眠暗示を掛け、イザクの脳内に侵入する。イザクは未祢のトラウマを利用し精神崩壊を促すが
未祢は秋庭の言葉に我を取り戻す。未祢はイザクの中の老いて怯える彼を発見し、銃口を向ける。躊躇なく
撃たれた弾丸はイザクを貫き、彼は消滅するが、空になった肉体に秋庭の精神が戻ることはなかった。

闘いは決着し、新宿は狂気の夜を明ける。イザクの存在は消え、榊は新たな研究のためにドイツへ飛ぶ。
未祢の胎内には秋庭との子が宿っていた。その命の鼓動を聴きながら、未祢は穏やかに微笑む。<了>



448 名前:ES 補足[sage] 投稿日:05/03/08 07:35:55 ID:???
・表記上の「秋庭」と「シュロ」の違いについて
遺伝子操作人間「シュロ」にとって、「秋庭亮介」は、かりそめの宿のようなもの……だったようですが、
九條未祢は、本編中一度も秋庭をシュロとは呼びません。それは未祢のささやかな愛情表現または、
ひとりの人間と接している証拠として描かれているようでしたので、要約も、未祢の存在が確認された
場面では「秋庭」、それ以外を「シュロ」としています。分かりにくい書き方ですみません。