MAYA 真夜中の少女

Last-modified: 2010-06-19 (土) 12:49:50

MAYA 真夜中の少女/本島 幸久

106 :MAYA 真夜中の少女 1/4:2008/03/25(火) 00:54:53 ID:???
ごく普通の高校生、境わたる。
わたるは自分のクラスに転校してきた美少女、深月真夜に「キミはもうすぐ死ぬ」と宣告される。
未来を予知したという写真には、顔の潰れたわたるが映っていた。
真夜は、クラスメイトの槙夫が受けているいじめを止めなければ、
それにからんで必ずわたるが死ぬ、と断言する。
激昂して彼女を責めるわたるに、真夜は
「自分のしていることは、人を怖がらせるだけのお節介かもしれない。
でも、未来から逃げないで欲しい」と言った。
巻き添えを恐れたわたるは
「いじめっ子の呼び出しを今度こそ断りたい。一緒にいてくれたら勇気が出る」
という槙夫の電話を一方的に切るが、悩んだ挙句結局現場へ行く。
槙夫は校舎でバンジージャンプを強制されていた。騒ぎの最中、屋上から転落してしまうわたる。
槙夫ののばした手も虚しく墜落死かと思いきや、垂れ幕が木に引っ掛かり鼻の骨折だけで済んだ。
必死に手をのばしてくれた槙夫の勇気が自分を助けたのではないか、と言うわたるに笑いかける真夜。
真夜には、絶えず悪夢のように誰かの死が見える。
「悪夢をひとつ消してくれたね、ありがとう」
そう言って、真夜は次の『誰か』に死の未来を告げるため去って行った。



107 :MAYA 真夜中の少女 2/4:2008/03/25(火) 00:57:55 ID:???
後日、真夜と再会したわたる。彼女の住む喫茶店で、
執事のアルフランから真夜の過去を明かされる。
彼女が6歳の時、真夜の父親が設計したビルの落成式で火災が発生。
極限状態の中で『死』を予知する能力が目覚める。
父親は客たちを救うために尽力して焼死。母親もショックで倒れてしまう。
真夜は、母親が今際の際に残した
「恐れずに未来と闘って。あなたの能力はそのためにある。たくさんの人を救えるとてもいい力」
という言葉に従い、死の未来と闘い続けているのだという。
たった一人で未来に立ち向かう真夜のため、わたるは死の恐怖を払って彼女と共に闘うことを決心した。


死の運命に打ち勝つ者、自ら破滅を呼び込む者……大勢の死の未来と向き合い奮闘する二人。
その過程で、元超能力者の鷹音、ジャーナリストの脇田、超能力研究者の村川ら、
さまざまな形で超能力に関わる人たちに出会う。
予知能力を悪用しゲームのように殺人を繰り返す死神、木場との戦いでは、
真夜は『死』以外の予知能力とそれを他人に見せる力を得た。



108 :MAYA 真夜中の少女 3/4:2008/03/25(火) 01:00:51 ID:???
ある日真夜は、店を訪れた刑事に連行されてしまう。
警察は、行方不明になった少年を見つけるために超能力者を集めていた。
サイコメトラーのあけなとチームを組み、少年の居場所を突き止めた真夜。
しかし、二人が向かった先にいたのは、強力な能力者『チェシャ猫』だった。
チェシャ猫の目的は、少年をおとりにした超能力者狩り。
間一髪警察に救われた真夜とあけな以外、皆連れ去られてしまった。
先に誘拐事件を捜査していたFBIの超能力者、ベルウィックも死体で発見された。
ベルウィックは、母親の死後真夜に道を示してくれた恩人。
衝撃を受ける真夜に追い打ちをかけるように、チェシャ猫が襲撃を仕掛け護衛の警官たちが
殺されてしまう。
戦うことを決意した真夜は、自らを仮死状態まで追い込み能力を強化する。
あけな、わたると共に戦いへ赴く真夜。
すべての黒幕は、死んだと思われたベルウィックだった。
超能力者による支配を目論むベルウィックは、そのための実験場に日本を選んだのだ。
幼い真夜に近づいたのも彼女の能力を狙ってのこと。
真夜は、強化した能力と仲間の支えでなんとかベルウィックを倒す。
チェシャ猫は姿を消したが、彼も利用されただけの被害者だった。



109 :MAYA 真夜中の少女 4/4:2008/03/25(火) 01:04:30 ID:???
風邪気味で感覚がにぶっていた真夜は、少年、浩介が目の前で交通事故に遭うのを予知できなかった。
陸上での推薦入学を断念せざるを得なくなった浩介。
リハビリを拒否して荒れる彼に、真夜は責任を感じて閉じこもってしまう。
ショックのあまり予知もできなくなった。
真夜を励まそうとわたるは浩介を無理やりマラソン大会に誘うが、
真夜のことしか考えていないと指摘され落ち込む。
その直後、わたるも事故に遭って足を怪我してしまう。真夜はやはりそれを予知できなかった。
自分の事故のことは真夜に知らせず、必死にリハビリするわたる。その姿に感化され、
浩介もマラソン大会に参加することを決めた。
大会当日、失意のまま日本を去ろうとする真夜は、テレビのマラソン中継でわたるの怪我を知る。
わたると浩介は、リハビリが間に合わず車いすでの参加だった。
以前、自転車でも登りきれなかった坂を必死で行くわたるを見て、真夜はゴールへと駆けつける。
車いすを捨て、皆が見守るなか助け合いながらゴールを目指す二人。
へばる浩介に、わたるが喝を入れる。
「そんなんで未来はつかめない。未来はおれたちの現在がつくるんだ」
二人は、気力をふりしぼってゴールする。わたるの手をとる真夜に、笑顔が戻った。


浩介のオリンピック金メダル獲得を予言する真夜。
わたるの未来もひとつ予知したようだが、「努力してくれないと嫌だ」とじらす。
真夜とわたるの結婚式の写真と、真夜のモノローグでおしまい。


だいぶはしょりました。あいだあいだに細かい話が入ります。