TRIGUN MAXIMUM

Last-modified: 2010-08-29 (日) 10:51:07

TRIGUN MAXIMUM/内藤 泰弘

41 :マロン名無しさん :03/12/24 00:26 ID:???
マキシマム編はウルフウッドというガンホー・ガンズの一人から見た
ヴァッシュの人柄ととナイヴズの戦いを描いた話。
ナイヴズにヴァッシュを連れてこいと命令されたウルフウッドがヴァッシュと行動を共にする。
でやっぱりガンホー・ガンズと戦ったりしつつ、ナイヴズの元にたどり着くもまたも敗退。
現在ナイヴズが人類からプラントを次々と奪っていき、人類が乾き死にしかかっているところ。

余談だが、ヴァッシュは不殺を貫いているが、負けたガンホーは自殺やら同士討ちの嵐やらで
片っ端から死にまくっている。
正規メンバー12人+欠番+ナンバーなし+偽者=15人のメンバーがいたが、
実に8と7/9人が死亡、一名が人格消滅し、
現時点で生き残っているのは、エレンディラ、レガート(生死不明だが多分)、
ザジ、リヴィオ(事実上離反)の四名。
計算の合わない一人、マインはあまりに雑魚過ぎたため、物語の流れから忘れ去られ、消息不明である。





369 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:13:43 ID:???
読み返しながら書いているので巻ごとのまとめになります。
まずは簡単な説明から。

■トライガンとトライガン・マキシマムについて
トライガンは掲載していた少年キャプテン(徳間書店)が廃刊となり、
GUNG-HO-GUNSの3、ドミニク・ザ・サイクロプス戦の途中で連載が中断。

その後、ヤングキング・アワーズ(少年画報社)という青年誌に移り、
トライガン・マキシマムとして10年に及ぶ長期連載作品となりました。
(物語の空白部分は徳間書店から増刊号として発表)

トライガンは徳間書店版(全三巻)、少年画報社版(全二巻)があるので注意されたし。
内容は表紙、読み切り作品の掲載順、あとがき漫画くらいしか違わなかったはず。

マキシマムはトライガンのラスト、ヴァッシュが五番目の月に大穴を穿った、
『フィフス・ムーン事件』の二年後から始まります。


370 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:17:50 ID:???
■主要登場人物
ヴァッシュ・ザ・スタンピード
…かつて七都市の一つを瓦礫にし、五番目の月に大穴を明けたとされる伝説のガンマン。
 逆立てた金髪(マキシマム開始後は下半分が黒髪になっている)と、真紅のロングコートがトレードマーク。
 母のように、恋人のように慕っていたレムを殺したナイブズを追っている。

ニコラス・D・ウルフウッド
…前作の終盤で出会った関西弁の巡回牧師。
 その実、パニッシャーという十字架型の銃器を扱う殺し屋でもある。
 ある目的のためにヴァッシュの前に現れ、彼を再び血と硝煙の日々に連れ戻した。

メリル・ストライフ
…ベルナルデリ保険協会に勤める女性。
 局地的災害に指定されたヴァッシュの監視とリスク回避を命じられ、共に旅をしていた。
 2年ぶりに姿を現したヴァッシュ監視の任に再び就くことになる。

ミリィ・トンプソン
…ベルナルデリ保険協会に勤める女性。
 メリルの後輩であり、2年前の仕事も一緒にこなしていた。
 大柄でゆったりとした大らかな性格をしているが、妙に勘の鋭いところもある。

ミリオンズ・ナイブズ
…ヴァッシュの仇敵。『大墜落(ビッグ・フォール)』の原因を作った男。
 ロスト・ジュライ事件の際にヴァッシュに瀕死の重傷を負わされるが、
 ジュネオラ・ロックでプラントから再誕生することにより復活した。

レガート・ブルーサマーズ
…ナイブズへ絶対の忠誠を誓っている腹心。
 怖気がするほどの美形であるが、その内面は狂気と狂信に満ちている。
 前作で勝手にヴァッシュを殺そうとしたため、ナイブズにより体を縦に潰されてしまった。



371 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:18:58 ID:???
『フィフス・ムーン事件』後、ヴァッシュはエリクスと名を変え、姿も生き方も変え、
助けてくれた少女・リィナとその祖母を家族として静かに暮らしていた。
ところが二年後、街は偽ヴァッシュ率いる郎党に襲われていた。
そこへ、旅の途中で出会った巡回牧師のニコラス・D・ウルフウッドが訪れる。
聖職者ながら巨大な銃器・パニッシャーを扱う彼と偽者一味を壊滅させた。

ついてこい、とにかくおまえの力が必要なんや、というウルフウッド。
彼はこの二年間、ある目的のためにヴァッシュを探していたのだ。
それを拒否するヴァッシュに、奇妙な連続集団失踪事件を話す。
生活の風景を残し住人だけが忽然と消えた街。そのモニュメントにはナイブズの名が残されていた…
仇敵のナイブズが関わっているとなれば放っておけない。
復讐に来た偽者一味の残党を脅し、家族と街の平和を約束させたヴァッシュは、ウルフウッドと共に旅立つ。

同じ頃、第二都市・ディセムバのベルナルデリ保険協会。
23歳になったメリルは上層部に呼び出され、ある男の写真を見せられた。
金髪だった頭の下半分だけが黒髪になっていたのを除けば、二年前、共に旅したヴァッシュだった。
ヴァッシュを出汁に金を巻き上げようとしていた同僚を懲らしめたメリル&ミリィは、
再び訪れる忙しい日々まで、束の間の休暇を楽しみにニューマイアミへ。

150年前に大型移民船団が砂の星へ墜落、あるいは不時着した『大墜落』の夢を見るヴァッシュ。
『大墜落』を起こした張本人のナイブズを「お前は人間じゃない」と断じる。
その言葉に激昂したナイブズはヴァッシュに激しい暴行を加えた。
「見てろよ、ゴミ共―この星に我々以外は残さない。」
ヴァッシュは船団を救うために犠牲となったレムに誓う。
いなくなってしまった君のかわりに、君が命をかけて救ったものを僕が守るよ…

そこで目覚め、日課の朝のトレーニングをこなした彼はウルフウッドから街の状況を聞く。
墜落した船団の残骸から生きているプラントが発見されたこの街は、
利権をめぐり二つの地主・フェリス家とポロ家が血で血を洗う争いを繰り広げているらしい。
この話にどうしてこんな悲しい事が起きるのかと涙するヴァッシュに、
ウルフウッドは、よくある話やないか、とそっけない。



372 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:19:57 ID:???
物騒な雰囲気の街からすぐにも発ちたいウルフウッドだが、ヴァッシュには待ち人があった。
小柄で柔和な表情の老人、通称・先生とその護衛役でやってきた大柄で強面の青年・ブラド。
彼らはある隠れ里の代表として、新たな義手とコートを届けに『外』の世界にやってきたのだ。
ヴァッシュは先生にナイブズが自分も知りえない体の秘密を知っていること、
その所為で『ロスト・ジュライ』、『フィフス・ムーン事件』がおきたことを告げる。

同じ時、街に停泊していた砂蒸気(サンドスチーム)がフェリス家の集団に襲われる。
乗客の中にいるポロ家の四男を狙ってのことだった。
野次馬するウルフウッドは人ごみの中でヴァッシュを見つける。
状況を心配するヴァッシュに対し、現実的で冷ややかな結末を予測するウルフウッド。
彼は人生を制限時間付きの絶え間ない問題集に例えて諌める。
「選らばなアカンねや!一人も殺せん奴に、一人も救えるもんかい。」
どこか苦々しい表情のウルフウッドを否定するヴァッシュ。
「…それはやっぱり言葉だ。今そこで人が死のうとしている。僕にはその方が重い。」
真紅いコートを纏ったヴァッシュ・ザ・スタンピードがそこに居た。

単身、砂蒸気に乗り込んだヴァッシュは鮮やかな手並みで郎党達を倒してしまう。
しかし、ポロ家の四男を拘束している男は銃口を放さない。
男の娘は四男たちの手によって強姦され、挙句、惨く殺されていたのだ。
復讐を果たそうとする男だが、思い悩んだ末に行動に出たヴァッシュに阻害され未遂で終わる。
突入した憲兵隊はフェリス家の郎党とヴァッシュを連行した。

その夜、拘留所をウルフウッドがバイクで襲撃。ヴァッシュと娘の敵を討てなかった男を連れ出す。
もう街にはいられない男と家族を逃がす事を歓迎するヴァッシュに、
「幸運とゴリ押しはいつまでも通用せえへん。いつかおどれにも『選ぶ日』が必ずやってくる」
と、ウルフウッドは釘を刺さすのだった。

どこかの砂漠。フェリス家の郎党を指揮していた男と黒衣の老人。
老人が鞄を開けると男の体がいくつにも分解し、鞄の中に吸い込まれていく。
彼は別の場所にいる青年の口を通し、ヴァッシュを発見したことをレガートに報告する。



373 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:22:20 ID:???
>>371-372が1巻の内容。以下2巻。

ジュネオラ・ロックで受けた制裁により両手両脚が使い物にならなくなったレガート。
さらに狂気を増した彼と、尋常ならざる力を持つヴァッシュとナイブズを目の当たりにした
GUNG-HO-GUNSの一員、ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークは保身に走り、銃を向ける。
が、レガートの他人の体を自在に操る能力により、動きを封じられてしまう。
その上で彼は居合わせた6人のGUNG-HO-GUNSに目的が変わったことを告げる。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードを倒すのではなく、人間の手で『最高の苦しみ』を与える事―
これはナイブズの指示であり、今後、彼らはこれに無条件に従う事となる。

連続集団失踪事件の現場へ向かうヴァッシュとウルフウッド。
何故、ナイブズの名前を知っているのか問い詰めるヴァッシュだったが、はぐらかされてしまった。

現場の街に着くと、一人のサムライ…GUNG-HO-GUNSの9、雷泥・ザ・ブレードが待ち構えていた。
雷泥とウルフウッドは面識があるようだ。これからの『死合い』に手出しは無用、と断る。
当然、『死合い』を嫌がるヴァッシュだが、
ローラースケートと刀を駆使した雷泥の攻撃を凌いだ事で、逆に彼を煽ってしまう。

戦いが激しくなる前に用件を伝える雷泥。
ヴァッシュに『最高の苦しみ』を与える事。そして、そのために彼と縁深い隠れ里の場所を掴んだ事。
隠れ里と聞いて目の色が変わるヴァッシュは、雷泥を殺そうとするウルフウッドの加勢を拒み、
愛銃や左腕の義手に内蔵されたマシンガンなどのギミックを駆使し、サシで決着を付ける。

勝負に納得のいかない雷泥は背後から襲いかかろうする。
しかし、ウルフウッドの銃撃を受け死亡。
救われたはずのヴァッシュは彼を殴り、もしも攻撃されてもその時退ければ良いと言う。
その主張に、自分の手は汚さずに綺麗事ばかりぬかす偽善者だと苛立ったウルフウッドは、
ヴァッシュに拳銃を握らせ、自らの額に銃口を当て撃たせようとする。
自分の死をきっかけに邪魔者を消すのに躊躇しなくなるのなら安い。命くれたる。
そんな彼を「何でもかんでもあっさり見限り過ぎる」とヴァッシュは悲しげに返すのだった。



374 :TRIGUN MAXIMUM:2009/05/29(金) 04:41:12 ID:???
バカンスから戻り、ヴァッシュ監視の任に就いたメリルとミリィ。
同乗させてもらったトマ牧場のトラックの上を謎の人工物が通過。
中には気を失っている女の子―ブラドの幼なじみのジェシカがいた。
隠れ里に危機が迫り、救命ポットで射出されたのだ。

サイドカーで故郷の孤児院の夢を見るウルフウッド。
子供達に人気の様子だが、その血塗られた手では抱きしめることが出来ない…
ここでバイクが派手に転倒し目が覚める。
6日間、交替で走り通しの疲れが祟り、ヴァッシュが気を失ったのだ。

辛くも近くの街の宿屋にたどり着いた二人。
その宿屋はイカサマ博打のかたに母親を奪われ、一人で取り戻そうとする父親と、
ついていこうとする息子が口論している最中だった。
結局、話を聞いていたヴァッシュの協力もあり、家族は無事に母親をゴロツキから取り戻した。
自分を省みず、他人のために危険を犯した彼にウルフウッドは、実は死なないのではないか、と恐怖心を抱く。

砂の霧を伝うロープウェイの先、砂の海に突き刺さるように移民船・シップが残っている。
完全な状態で残っていることに驚くウルフウッド。
対照的に『最高の苦しみ』が引っかかり暗い面持ちのヴァッシュ。
意を決して中に入ると、そこには緑の芝生の上で平和に暮らす隠れ里の住人達の姿があった。
安堵で涙ぐむヴァッシュだったが、次の瞬間、住民達の体はばらばらになり崩れ落ちた。

彼らは砂蒸気篭城の犯人と同じく、GUNG-HO-GUNSの4、レオノフ・ザ・パペットマスターの手による人形だったのだ。
彼は本物のように接し、人形と知り絶望したヴァッシュの反応を賞賛、
人形達はモデルになった者は生きながらにして腑分けられた超絶細密技巧芸術作品だと誇る。
その時、ヴァッシュから風が吹いた。血の涙を流す彼の威圧にレオノフもウルフウッドも身を凍らす。

おんどれ、やっぱり違うものなんか―― 恐れるウルフウッドを別の脅威が襲う。
地面から突き出した巨大な手。GUNG-HO-GUNSの8、グレイ・ザ・ナインライブズのものだ。
その手の上のウルフウッドと、ヴァッシュの視線が一瞬交差する。
いつもの信条を取り戻したかのような瞳に怒りの絶叫。
ヴァッシュvsパペットマスター、ウルフウッドvsナインライブズの戦いが始まる。



397 :TRIGUN MAXIMUM:2009/06/16(火) 00:36:47 ID:???
■補足用語解説
『ロスト・ジュライ』
…ヴァッシュが600億$$もの賞金をかけられることとなった事件。
 大都市だったジュライを一夜にして瓦礫の山にかえ、生存者はヴァッシュ以外には確認されず。
 このため、殺人と器物損害の犯人として指名手配されていた。
 ヴァッシュは事件の際の記憶を失っている。

『フィフス・ムーン事件』
…前作の最後、ナイブズとの邂逅により右腕が巨大な銃に変形させられたヴァッシュが、
 地上を薙ぎ払わせようとしたナイブズの意思に抵抗し、銃口を空へ向け発砲。
 五番目の月に巨大なクレーターを開け。これを境に、ヴァッシュは二年間、公式記録から姿を消す。

GUNG-HO-GUNS
…前作でレガートが提案した殺人ゲームの相手となる12人の超人集団。
 トライガンでは3人のGUNG-HO-GUNSを退けている。マキシマム開始時点では未登場の2名がいるため残存は7名。

プラント
…プログラミング次第で何でも生み出せる技術。
 砂の星で人々が生活できるのは偏にプラントあってのことである。
 巨大な電球型の中に天使像と呼ばれる女性型生体ユニットがいる。
 前作ではヴァッシュと意思の疎通らしきことをしていたため、彼女達にも意思があるようだが…。

パニッシャー
…ウルフウッドの愛銃。といっても背丈ほどもある十字架型の銃器で、
 十字の長い方には機関銃、短い方には小型ミサイルが内蔵されたかなり強力な武器である。
 このほか、ハンドガンも携帯している。



398 :TRIGUN MAXIMUM:2009/06/16(火) 00:46:18 ID:???
地面から現れたナインライブズと共に落下するウルフウッド。
これまで目にしたヴァッシュの偽善者的行為に憤り、殴りかかる腕にパニッシャーを撃ち込む。

パペットマスターと対峙するヴァッシュ。
人形が組み合わさり巨大化したモノが襲い掛かろうとも静かに討ち帰した。
彼の人間には堪えられない虚を抱えた瞳に賛辞を送るパペットマスター。

「裏切り者!URAGIRIMONO…!ユルサナイ、許さない!」
繰り返し叫ぶナインライブズに、これかてビジネスのうちや、と応える牧師。
手に付けた球体から発射された直撃コースの弾丸を見切って、再びパニッシャーで応戦する。
かまわずに突進する巨躯。通路を後退しながら撃ち続ける。
明らかに致命傷を与えても怯みまない相手を恐れた一瞬、球体のパンチを喰らう。
0距離の発射を砲門が開く音で気付きかわすが、肋骨は折れていた。
三度の繰り出された弾丸をハンドガンで撃ち抜き、迫る左腕を非常用シャッターで切断する。
安堵も束の間、切断した左腕が動きシャッターの開閉ボタンを押したのだ。
ウルフウッドはダメ押しの小型ミサイルを命中させた。
それでも血と内臓を滴らせ、あばら骨をむき出しにしながら迫るナインライブズに「不死身の化物」を見、
パニッシャーを体に突き刺し乱射。

一方、パペットマスターの「ショウ」に招かれたヴァッシュ。
人形にされてしまった住人が襲い掛かる中、一人紛れた生身の少女を誤射してしまう。
全てが私の人形だとは限らない、と勝ち誇ったような声を、
「はしゃぎ過ぎだぜ、プレイヤー・エミリオ。」と制す。
その名に覚えはないが懐かしくも感じるパペットマスター。続けて数人の名前を口にするヴァッシュ。
どれにも反応を見せなかった老人が、イザベラという名に強く反応。
総力を挙げて彼を己のものにすべく、人形のパーツを集合させる。
数十体の武装した人形の中には先生の姿もあり、ヴァッシュを指して仕留めよと命じた。
逃げながらも相手の技量を逆手に取った作戦を思いつく。手榴弾を撃ち抜き火災スプリンクラーを作動させた。
大量の人形を操れることが徒となり、膨大な水滴の重みが集中した指が切れてしまった。
倒れるパペットマスターに昔の事、イザベラの事を語りかけるヴァッシュだが、やはりその名に反応した彼を逃がしてしまう。



399 :TRIGUN MAXIMUM:2009/06/16(火) 00:57:28 ID:???
死闘の末、ついにナインライブズを沈黙させたウルフウッド。
生きてる事を安堵し、孤児院の子供たちの顔が脳裏をよぎる。
しかし、巨体から顔を出した小人を激しく殴打、意識が遠のきながらも首を締める。
後ろでは別の小人が失神した彼を狙う。実はナインライブズは小人が九人がかりで動かしていたものだったのだ。
絶体絶命のピンチを、天井ごと落下してきたメリルとミリィが小人を潰すことで救った。

独り探索するブラドは大量に積み上げられた箱の上、綺麗に飾られた女性の人形を見つける。
そこへパペットマスターが追いつく。人形を見て驚愕していると、床が傾いていく。
ブラドが区画ごと落下させたのだ。
人形が入った箱を糸で留めるパペットマスター。宙吊りの彼を支えるのがヴァッシュだった。
しかし、耐え切れず人形が落下してしまう。
イザベラの名を叫び、最後の力でヴァッシュを攻撃。
落ちていく最中、少年時代に告白を勧めた金髪の青年を思い出した。

病院で目覚めたヴァッシュはジェシカとメリル・ミリィに再会。
住人から被害状況を聞き己を責めるが、やってきたルイーダに諭される。
指揮を執るのが先生ではないのに気付き、安否を聞くが彼女は答えなかった。
その夜、気がついたウルフウッドは、相手を殺したにもかかわらずヴァッシュに礼を言われ気を悪くする。

回復したヴァッシュは人形の残骸が差し出したコインの片割れを受ける。
ちょうどやってきたメリルとミリィを伴って、地球からの移民たちが眠る階層へと降りた。
レムを想うヴァッシュの横顔から、様々な表情を思い出し感傷に浸るメリル。

ルイーダを訪ねるウルフウッド。彼女にヴァッシュの過去を問う。
80年前、左腕を失い倒れていたのをシップの民が保護したのが始まり。
驚くほどの回復を見せた彼は船内を懐かしく見回ったという。
ヴァッシュは不老不死であるのか苦悩する彼を、傷が消えていれば本物の不死身だ、と否定した。

同じ頃、生き残った小人の二人が脱走、メリルとミリィを襲うがヴァッシュが阻み、その隙に牧師に踏みつけられて失敗。
ルイーダが彼の生き方を、身内が死に、同士討ちし、自分に銃を向ける地獄だと言う。
しかし、いつものように笑うヴァッシュを呆れながらも認めつつあるウルフウッドだった。



400 :TRIGUN MAXIMUM:2009/06/16(火) 00:58:35 ID:???
以上、3巻の内容でした。

さらに補足。
メリルとミリィは意識を取り戻したジェシカに導かれシップに到着していました。
2巻にシップと外界を繋ぐロープウェイに到着した姿が描かれています。



103 :TRIGUN MAXIMUM 4巻ー1(始:2010/08/08(日) 08:16:13 ID:???
■第3巻まとめへの補足
ルイーダ
…先生の妻。先生亡き後隠れ里の代表として皆を指揮する。

~ここから4巻本編~

プラント数に比べて隠れ里の食事が質素だと話したウルフウッドに、
ヴァッシュは地球(ホーム)へ超長距離通信を試みているためにエネルギーを節約していると明かす。
そしてヴァッシュ達の滞在中、遂にシップの電波望遠鏡が地球からの返信を捉える。
返信方法から地球ではワープドライブが実現していると分かり、
「数年の間に…船(シップ)がやってくる!」と沸き立った一同は宴会を開いた。
酔いつぶれそのまま就寝していたヴァッシュは、突如何かを察知して目を覚ます。
その時、シップの通信機器が電波中継衛星の反応消失を観測していた。
――来てみろ、科人ども。刻み堕としてやる――
間もなく外へと向かうヴァッシュへブラドが声をかける。
衛星の消失を告げたブラドに「たぶん、‘そうだ’」と原因を示唆すると、
ヴァッシュは外で待ち構えていたウルフウッドと共に旅立った。

GUNG-HO-GUNSのミッドバレイは、同じくGUNG-HO-GUNSのガントレットと共に、
ナイブズが衛星を打ち落とした力の爪痕を目にしていた。次々と減るGUNG-HO-GUNS。
ヤバイものには鼻がきくつもりだった自分に舞い込んだ、掛け値なしの厄ネタ・ナイブズの接触。
人を何人殺そうが無表情だったナイブズが一度だけ目せた、害虫を大量に駆除した人間の安堵を思わせる影。
ヴァッシュに永遠の苦しみを与える、馬鹿げたルールの死のゲーム。
自らの状況をかんがみたミッドバレイはどこにも逃げ場がないことを確信、
「出口の無い死であるなら」とナイブズ殺害を考える。
しかしナイブズの勧誘を受けた時彼に挑んで返り討ちに遭った仕事仲間を思い出し、
震えだした歯を食いしばるしかできなかった。
その後ミッドバレイはホッパードと合わせ技のデモを行い、レガートより二人同時に発つ許可を得るのだった。

■補足
ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク
…GUNG-HO-GUNSの一人。脳を揺さぶる殺人音楽を奏でるサックスプレーヤー。
ホッパード・ザ・ガントレット
…GUNG-HO-GUNSの一人。屈強な上半身といびつに小さい下半身の男。
巨大なコマのような鉄塊・グーデリアを用い、突撃攻撃を行う。



104 :TRIGUN MAXIMUM 4巻ー2:2010/08/08(日) 08:19:35 ID:???
戦いに向かう砂蒸気(サンドスチーム)、ミッドバレイはガントレットに「逃げるつもりなんだろう?」と見透かされる。
ミッドバレイが険しい視線を送ると、ガントレットは密告の意思を否定。
「あんたと組めるのは正直この上ない戦力だし。どの道俺から‘行かせて’もらう事に変わりはない」と。
あんたが居れば確実なんだと、逃亡の跡隠しを引き受けるガントレットに、ミッドバレイはすまないと返した。

メリルとミリィは砂漠でミイラ化していたヴァッシュとウルフウッドを見つけ病院に運ぶが、少し病院を出た間に退院され、彼らを見失っていた。
特徴的な二人だからすぐ見つかると気を取り直した矢先、メリルが失踪してしまう。

翌・日中、食事を取っていたヴァッシュ達がミリィを見かけ声をかけると、二人に気づいた彼女は泣き出した。

その頃メリルは、簡素なエレベーターに捕らわれていた。
気配を感じた格子扉の向こうにビースト、ミッドバレイ、ガントレット――3人のGUNG-HO-GUNSが姿を現す。
ガントレットはメリルに近づくと、執拗にヴァッシュの身内かと尋ねる。
彼らを知らないメリルが「何者なの!?」と問い返すと、「そんな程度じゃ、殺してもつまらなそうだ」とガントレットは去って行った。

夜になり、ヴァッシュ、ウルフウッド、とミリィは宿を取る。
ウルフウッドがメリルは奴等の手中だと話していると、窓の外に砂漠虫(ワムズ)
(殻をまとった芋虫様の巨大原住生物)に乗った少年、GUNG-HO-GUNSの12、ザジ・ザ・ビーストが現れる。
彼はショートヘアーの小柄な女性というフレーズを出すと、龍津城の重慶ビルで待つと言い残し砂漠虫共々地中へ消えた。
ヴァッシュ達3人が重慶ビルへと城下を抜けていると、しばらくして頭上から咆哮がこだまする。

■補足
ザジ・ザ・ビースト
…GUNG-HO-GUNSの一人。縦細い瞳孔の少年。様々な虫を操れ、虫を使った情報収集に長ける。

ガントレットは黒光りするグーデリアを盾のようにかざすと、雄たけびを上げて建物から飛び降りる。
そのまま内蔵ブースターで加速し、障害物を砕きながらヴァッシュ達の前に着弾。
崩落物に弾かれ、ウルフウッドが一人分断される。
彼を案じる間もなく、ヴァッシュはGUNG-HO-GUNSの6、ホッパード・ザ・ガントレットと向かい合う。



105 :TRIGUN MAXIMUM 4巻ー3(終:2010/08/08(日) 08:20:42 ID:???
ブーストや腕力による跳躍を駆使し、ガントレットはヴァッシュをひき潰そうとする。
交戦の合間に住人へ避難を呼びかけるヴァッシュをガントレットはクソ偽善者と罵り、ジュライでしたことを思い出せと迫る。
何があったか知っているのか尋ねるヴァッシュに彼が叫ぶ。
「あの光、忘れるものか。歪んだ空間。帯電した空気! そして…根こそぎの絶望を!」

側に残ったビーストからヴァッシュ達兄弟の話を聞いていたメリルは、彼らの正体が自立しているプラントだと知り、体を震わせていた。

ガントレット戦から避難したミリィは、ミッドバレイの衝撃超音波(ウルトラ・ショック・ソニック・ウェイブ)を受け倒れていたウルフウッドを発見する。
ウルフウッド意識を取り戻すが、近くでライトに照らされた十字架に目もくれず、
「暗うてスマンが」とパニッシャー探しの手伝いをミリィに頼んだ。
ガントレットからジュライの話を聞いたヴァッシュは、銃も向けず回避一方になっていた。
逃げ込んだ物陰、目にした月の大穴をきっかけにジュライでしたことを意識する。
気づくと眼前にガントレットが肉薄していた。
死神が息がかかる程近くに来たのは初めてだと言うヴァッシュを、殺しにかかっているのにヘラヘラしている、とガントレットが殴る。
ガントレットの殺意にかつての自分を重ね「ぼくをころしてもいい」と言いながらも、
その前にナイブズと決着をつけさせてくれと吼えるヴァッシュ。
それをガントレットはつまらんと一蹴し、やっぱ人質使うわと上方へ飛び上がって行った。

自分の視界がおかしいことに気づいたウルフウッドはミリィを気絶させると、彼女を安全な場所へと周囲の住人に預ける。

戦い及ばぬ空の上、ある飛行船の一室では何者かがナイブズの電話を受け、口元に笑みを浮かべていた。
「私達に声がかかったという事は、ずい分減ったみたいねGUNG-HO-GUNSも。大丈夫任せておいて」