エファンタジー/第一話「戦慄の旋律」

Last-modified: 2023-03-03 (金) 18:57:29

第一話「戦慄の旋律」



オッホン!我輩の名前はもにこもにい公爵なのであーる。偉いのであーる。
エファには女性が多く、各々魅力的な御婦人ばかりであーる。
そんな女性陣を登場させない手はないのであーる。〆(゚∀゚o)


第一話「戦慄の旋律」


「シュラトゥルお姉さま。」
「どうしたの?私の可愛い妹ぱらたん?」
「遂に手に入れましたわ。」
「まぁ!でかしたのだわ!ぱらたん!」
ここはイカレた(×)イカした(○)国のお城で、
そして、この国の姉妹姫のシュラトゥル姫とぱらたん姫のお部屋なのです。
ぱらたん姫が自慢げに掲げているのは人間の頭から足まで映し切れるような大きな鏡です。
掲げた鏡の中に映るうぃん姫はとても満足げに言います。
「これが巷で噂の鏡。」
「そうです。この世で一番美しい者を映すと言われる不思議な魔鏡なのです。」
そうなのです。この鏡は二人の言う通り、この世で最も美しき者を映す鏡なのです。
沢山の税金を無駄遣いして沢山の兵士に町から町、国から国、至る所を探させて、
数百、数千の兵士達の犠牲の下にやっとの事で探し出した正真正銘の魔鏡だったのです。


「ほほほ・・・!私の可愛いぱらたんが映るのでしょぅねぇ。」
「いえいえ、私など、お姉さまには到底及びませんわ。」
シュラトゥル姫もぱらたん姫も互いにとても姉妹想いなのです。
その想いの千分の一でも与えていれば兵士達の犠牲も無かった事でしょう。


「鏡よ、鏡、鏡さん。この世で一番美しい者は誰ぁ~れ?」
シュラトゥル姫は突然、実に頭の悪そうな呪詛を放ちました。
この呪文を唱えられると鏡はこの世で一番美しい者の名を呼び、その姿を映すのです。
「それは・・・、」
勿体付けるようにゆっくりと鏡が言葉は始めました。
「それはぁ~?このシュラ(ry」
当たり前のように自分の名前が呼ばれると信じていたシュラトゥル姫でしたが・・・、
「それは、ふえうちゃんです!」
鏡は当たり前のように別の人の名前を呼び、その姿を映しました。
「・・・あら?」
予想だにしなかった結果にシュラトゥル姫は暫くの間、頭がパーになってしまいました。


「なぜ!?どうして!?どうして私が映っていないの!?」
ぱらたん姫はとても恐ろしい顔をして叫びました。
ぱらたん姫の声で頭がパーになっていたシュラトゥル姫もハッ!と我に返り、続きます。
「どうして?!どうして、こんな青ちょびた小娘が映っているのかしらっ!?
お、お、お、おのぉぉぉれぇぇぇっ!う、う、う、うらめしやぁぁぁっ!」


怒りに狂った二人の美しき姫はその腹いせと言わんばかりに国民達に圧政を強いる事にしました。
後に語り継がれる暗黒の歴史の始まりでしたが、これはまた別のお話として、物語はこの三日後から本当に始まるのです。


「るんるんるーん。」
スキップ、スキップ、らん♪らん♪らん♪
とっても変だけれども、とっても楽しそうなスキップを踏む可愛らしい女の子が居ます。
「ふぅ。今、一番と言われているふえうちゃんに毒入りケーキを食べさせて、亡き者とする事で一位の座から引き摺り降ろし、
自らがこの世で一番に美しい者となろうと目論むうぃん姫様とよりこ姫様のご命令を受けて、現在、ふえうちゃんの家の前まで来たわ。」
物語の展開をわざとらしい説明口調で伝えるこの女の子の名前はアニエッタちゃんです。
実はアニエッタちゃんとふえうちゃんは昔からの友達です。
友達に毒殺をさせよう等、姫様達のお里が知れます。


「でも、ちょっと困っちゃったなぁ。」
それまで楽しそうにスキップをしていたアニエッタちゃんでしたが、
困った顔してションボリションボリです。


時に小突きたくなる程に鬱陶しい陽気さを持つアニエッタちゃんがションボリしているのには理由があります。
ふえうちゃんに毒入りケーキをパックンさせる大作戦に問題が起こっていたのです。


姫様達のふえうちゃんへの憎しみはそれはそれは大きく深いもので、
毒殺に用意した毒は、憎しみの分だけ、とても毒素が強く、
口にすれば刹那ゾンビと化し、その酸性は鉄をも溶かし、高価な装備品の耐久だけを狙って削る、
散布後には半径5kmが死の世界に変わるような恐ろしい代物だったのです。
だから、最初からケーキに仕込んでおくとケーキが腐ってしまうので、食べさせる直前にケーキに仕込むようにと、
アニエッタちゃんは姫様達に10回くらい口を酸っぱくして言われていました。
5回目くらいにはそのしつこさに流石に頭に来て、アニエッタちゃんは受け取った毒を姫様達の口に放り込むという妄想に耽ってニヤニヤしていました。


さて、問題はここからなのです。
アニエッタちゃんは姫様達から貰ったケーキがあまりにも美味しそうだったので、
ここに来る途中で全部食べてしまったのです。
「どうしよう。また貰って来ようかなぁ。でも、どうせまた私のお腹に入っちゃうだろうしなぁ。」
食いしん坊のアニエッタちゃんはとても困っていましたが、
(邪)神様のご加護なのか、ふと見た先に禍々しいヘドロ地帯を発見しました。


アニエッタちゃんはピーン!と閃き、ヘドロを固めて美味しそうな泥団子を作りました。
泥だけれども、とっても美味しそうに出来ました。
上手に出来たので、多分、これで大丈夫だと思いました。
ふえうちゃんなら美味しそうに食べるだろうと思いました。
ちゃんと毒も混入して、後はふえうちゃんに食べさせるだけです。
途中でアニエッタちゃんは泥団子があまりに美味しそうだったので、
お腹がグゥー!と鳴って、口の中に唾がいっぱい溜まってしまいましたが、
食べると死んでしまうので頑張って我慢しました。
アニエッタちゃんはとても我慢強い偉い子です。


ピンポーン♪
時代考証すると200年程先の未来のオーバーテクノロジー「電子チャイム」を鳴らし、
アニエッタちゃんはふえうちゃんを呼び出しました。
「あらー、アニエッタちゃんー。久しぶりですねー。」
中から世界で一番美しい(幾千幾万の女達が嫉妬憎悪する)可愛い女の子が現れました。
勿論、我等がヒロイン、ふえうちゃんです。
「うん。とっても久しぶりだね。元気にしてたかな?」
「はいー。私は元気ですー。アニエッタちゃんも元気だったですかー?」
「うん。私も元気だよ。今日はふえうちゃんにお土産を持って来たんだよ。」
でも、アニエッタちゃんは無垢な子なので気にせずに話を続けました。
「わーい、嬉しいですー。何を持って来てくれたのですー?」
お土産と聞いてふえうちゃんはとてもわくわくしています。
「はい、これだよ。」
そう言うとアニエッタちゃんは、
ふえうちゃんにも負けず劣らずのとても美しい笑顔と一緒に泥団子を差し出しました。


めき、めき、めき。ふえうちゃんの硬~く握ったお手々がアニエッタちゃんのほっぺにめり込みます。
ふえうちゃんはアニエッタちゃんが出来るだけ痛い痛いと思うようにお手々をくるくると回しながらやりました。
いわゆるコークスクリューパンチです。
「あばばばばー!へ(゜Д、。;)ノ」
とっても強まったふえうちゃんのお手々でアニエッタちゃんは前歯が四本も抜け飛びました。
抜け飛んだ歯の数はアニエッタちゃんの罪の数です。
一つ目はふえうちゃんを毒で殺そうとした事。泥団子から放たれる異臭でバレバレでした。
二つ目は毒殺以前に泥団子を食べさせようとした事。人の事を舐めているとしか思えません。
三つ目はアニエッタちゃんのほっぺにぶつけたせいでふえうちゃんのお手々が痛かった事です。
四つ目はふえうちゃんが昨日、野球中継の延長のせいでドラマの留守番録画が上手く行かなかった事です。
ふえうちゃんとしては四番目の理由が最も許せませんでした。


「痛い痛い~。」
アニエッタちゃんはあまりの痛さにベソをかいています。
「どうしてこんな悪い事をするのです?お陰でお手々が痛くなったじゃありませんか。」
ふえうちゃんは悪びれる事も無くアニエッタちゃんに言いました。
「ううう・・・、えっとね・・・。」
涙を拭きながらアニエッタちゃんは応えます。
「イカした国の姉妹姫様のご命令で、ふえうちゃんを毒殺しろと言われたの。
私もふえうちゃんの事を妬ましいと思っていたから、丁度良いと思って、こんな事をしたの。
命令だから仕方が無かったの。寧ろ私は被害者だと思うの。」


パーン。
「痛い痛い~。」
パーン。
「腫れちゃう~。」
パーン。
「もうしません。許して~。」
パーン。
ふえうちゃんはお仕置きにアニエッタちゃんのお尻をペンペンします。
その音は次の朝まで止まなかったそうです。


オッホン!如何だったであるか?
エファ女性陣の美しさ、聡明さ、気品、そして、時に棘のように刺さる強かさ。
そういった美しくも鋭き剣のような淑女達の魅力を描き切れたと自負するのであーる。〆(゚∀゚o)
でわでわ!我輩はエファ女性陣に見付かる前にこっそりとお暇させて貰うのであーる♪三三三(oノ゚∀゚)ノ


ふえう.jpg