エファンタジー/第七話「鉄壁!破壊死魔パニッシャー」

Last-modified: 2023-03-02 (木) 06:15:09

第七話「鉄壁!破壊死魔パニッシャー」



暗く哀しい過去を更新し続けるアルカー。
ふえうの手により男ながらに恥ずかしい写真をネタとして脅迫され、
熊に食われた可能性大のアニエッタを探すという無茶振りクエストを受ける羽目になる。
場所は危険な熊の山、謎の騎士団を率いるEselinが不穏な動きを見せる山である。


さて、人は神にはなれない。
当然の事であるのだが愚かである人間は限り無く神に近付こうとする。
腕力、知力、金力、権力、様々な形の力をどこまでも貪欲に欲しがるものである。
それらは持っていて損をするものではないが、
神によって世に散りばめられたものをこそぎ集めた所で神には決して追い付けない。
それは貪欲な人間の運命を弄ぶ為に神がわざと撒いたものなのだから。


険しき熊山を半分くらい登ってゲンナリしているアルカー。
精神的にも体力的にも疲労困憊の彼を奮い立たせる術をふえうは思索していたのだが、
そんな時、突如として炎の塊がアルカーに飛来し、彼の体をごうごうと焼く。
「あぎゃあああああすっ!?(゚Д゚;)」
「あら~♪日頃の行いが良いから神様が私の願いを叶えてくれたのですかね~♪」
この異常な事態に臆する事も無く、ふえうはそんな事を呟いた。
プスプスプス・・・。
しかし、アルカーを焚き付ける筈の炎は彼の命の蝋燭を溶かし尽くさんばかりだ。
「あらら・・・?大丈夫ですか~?」
一応心配する素振りをしてみせる彼女の口元は笑っている。
「大丈夫なわけねぇ・・・。」
美味しそうに焼けたアルカーは辛うじて答える。
「しょーがないですね~♪レゾナンスハーモニー♪ルルルー♪」
ふえうの謡う歌には不思議な力がある。
手駒を永延と従事させる為に覚えたレゾナンスハーモニーは、
味方の生命力を回復させるというふえうの最も得意とするテクニックだ。
「死ぬかと思ったわ。('ω';)」


「「「ちぃぃっ!あれで死なねぇなんて!しぶとい野郎です!忌々しいですよ!」」」
回復を終えて立ち上がるアルカーに聞き覚えの無い女の罵声が飛んで来る。
「誰だ!?」
炎の洗礼が神様からの贈り物では無かった事を告げた女がその姿を現す。
「このド腐れのスカポンタンがぁっ!」
現れて尚もアルカーに罵声を吐き付けるのはVieli。
「よくも私のクマたんを殺したですね!」
そう、放し飼いにしていたクマたんを鍋にされた女である。
「ぁん?どういうこった?(゚Д゚ )」
「おめぇと、後、ワケ分からん格好した二人が熊鍋にして食いやがったのは、
私の大事な大事なペットのクマたんだったんですよ!」
Vieliは悲痛な表情で叫ぶ。
「な、なんだとぉ?!てめぇの飼ってた熊だったのか!
俺は危うくあの熊に殺される所だったんだぞ!(゚Д゚♯)」
衝撃の事実を知ったアルカーの怒声がこだまする。
「知ったこっちゃねぇです!むしろ殺されてろです!」
アルカーに負けじとVieliも叫ぶ。
「意味分かんねぇ!なにこの子?(*'ω'*;)」
そんな女の狂気を見せられ、流石のアルカーもたじろく。
「兎にも角にも、このVieli様の大事な大事なクマたんを食った罪!
その身で贖わせるです!おめぇはぶち殺すです!」
Vieliの死の宣告に、
「おめぇ、【逆恨み】って知ってるか?」
アルカーは冷静に語り掛けたが、
「はぁ?知らんです!食った事ねぇのです!」
Vieliに言葉は通じない。返って来た返事は明快なまでにそれを教えてくれた。
「コイツも大概だな。(*'ω'*;)」
似たような女の事を思い出してアルカーは戦慄した。


「おめぇを食い千切るのはゾンビアーミー!行くですよ!」
言葉と同時に召喚を済ませるVieli。
「アニニー!へ(゚∀、。)ノ」
召喚されたゾンビも主人と同じく如何にも言葉が通じそうに無い感じだ。
「グワッ!(゚Д゚;)」
ゾンビ特有の悪臭に、歩きながら食べて来たレーションが込み上げて来るアルカー。
「えっ?!そ、そんな・・・!アニエッタ・・・ちゃん・・・ですか・・・!?」
悪臭放つゾンビ相手にそれまで黙していたふえうが口を開く。
「何っ!?もしかして、このゾンビ野郎が探してたヤツなのか?」
「え、ええ、そうです~。でも、なんでゾンビに!?」
「ゥワニェッター?へ(゚∀、。)ノ」
ふえうの問い掛けもゾンビアニエッタには理解出来ない様子だ。
「ふひひ!愛しのクマたんが食い殺した人間をゾンビにしてくれたのですが、
なんですか?おめぇ等の友達かなにかだったですか?ざまぁみろです!」
狼狽する二人の様子から察したか、Vieliが愉悦に満ちた表情で言う。
「な、なんてヤツだ・・・!n(゚Д゚n;)」
「くひひ!すぐにおめぇ等もお仲間にしてやるです。
ゾンビにしてめちゃんこコキ使ってやるですよ!」
Vieliはサディスティックに高笑いする。


「セイクリッドレクイエム♪ルルルー♪」
勝利を確信して調子付くVieliを尻目にふえうはゾンビアニエッタに対して不思議な歌を謡った。
「ヒョエ!?ノホホーン!ノホホーン!へ(゚∀、。)ノ」
ふえうの歌を受け、ゾンビアニエッタは素っ頓狂な声を挙げながら、
何処かへ走り去ってしまった。
「な、なんですか!?今の歌は!?こんなん卑怯です!」
早速として手駒を失ったVieliが頭を抱えながらヒステリックに叫ぶ。
「セイクリッドレクイエム♪死霊やゾンビ等のアンデッドを無力化する歌です~♪」
最高潮に調子付いた人間をドン底に突き落とす。
Vieliに輪を掛けてサディスティックな笑みをみせるふえうの表情は悪魔のそれだった。
「お、おのれぇです!」
Vieliは一本抜けた歯を軋らせて悔しがる。
「さて、オシオキの時間だな。(`・ω・)┳」
Vieliを弄ぶ会話に、アルカーもこれみよがしに参加する。
「なにぃです!?」
怨敵たるアルカーをVieliが睨み付けると彼は銃を構えていた。
懐中電灯に取っ手と引き金をくっ付けたような不恰好な銃ではあるが、
そのふとましい形状とそれを握るアルカーの自信に溢れた様子に流石のVieliも危険を感じた。
「う、撃てるもんなら撃ってみろです!おめぇなんか怖くねぇですよ!」
それでも引かず相手をなじるのがVieliらしい所だ。


「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!!(っ'ω')┳* 三 三 三 ●」※http://matome.naver.jp/odai/2128350019688730501
我等がアルカー。例え女が相手でもまるで躊躇が無い。
彼はここに至るまでに溜め込んだ鬱憤の全てを吐き出すかのように銃撃を放った。


ゴシャアアアアアッ!
硬い鉛玉がめり込む鈍い音と、
「ぎょえぇぇぇぇぇっ!?」
鉛玉のめり込む激痛に叫ぶ悲鳴が山にこだました。
「アバッ、アバババババ!へ(゚Д、。;)ノ」
強く硬く速く、そんな三点揃った鉛玉を受けて立っていられる人間は居ない。
鉛玉が顔にめり込んだ【アルカー】は不様にのたうち回りながら悲鳴を上げ続ける。


「ひっひっひっ!掛かったですねぇ?
死の魔法ヘルパニッシュ!あらゆる物理攻撃を反射する魔法ですよ。
おめぇがボケっとしてた間にこっそり掛けておいたのですよ。
ふひひ!自慢の鉄砲弾を自分で受けた気分はどうですかぁ?」
「オゴゴゴゴッ!へ(゚Д、。;)ノ」
Vieliはこれみよがしにアルカーを挑発するが本人はそれ所ではない。
「本当、仕方の無い人ですね~♪レゾナンスハーモニー♪ルルルー♪」
情けのないアルカーに呆れたといわんばかりの口調だが、
ふえうの表情は妙ににこやかだ。
不様に転げ回る彼の姿に、彼女のサディスティックな何かが刺激された為だろう。
「ちぃっ!その歌は回復するヤツですか!鬱陶しい女です!」
同じようにアルカーのもがき苦しむ姿を楽しんでいたVieliは不愉快そうな顔をした。
「あらら~、お気に触りましたか~?ごめんなさいです~♪
さて♪私も不様に転がるアルカーさんを楽しみたいのは山々なのですが~、
早くアニエッタちゃんを連れて帰らないと行けないんです~♪」
Vieliの憎々しげな言葉に天使の微笑をもって悪魔は応え、
「その邪魔をした貴女にはちょっとオシオキです~。」
そのふとましい腕をVieliに振り上げる。
「わっ!?」
ヘルパニッシュによって物理攻撃を反射するとは分かっているものの、
びっくりして反射的に目をつぶってしまうVieli。
「えい~。スパルタンフィストです~♪」
しかし、ふえうのふとましい腕から放たれたのは優し気な生命の光。
戦いの場に似つかわしくない暖かで穏やかな光がVieliを包み込む。


「なっ!?なに敵を回復してるです!?今更媚びても許して上げないですよ!」
笑顔の裏に狂気を隠す少女のワケの分からない行動に流石のVieliもたじろいてしまう。
「ふふふ~。生の力と死の力ってお互いに反発相殺して相容れないものなんですよ~。」
そんなVieliの様子をほくそ笑みながら諭すようにふえうは言う。
「どういう意味ですか?難しい言葉とか使って頭良いフリするなですよ!」
なんとなく馬鹿にされている事を悟ったVieliはプリプリ怒って言った。
「でわ~、アルカーさん♪もう一度、彼女を撃って下さいです~。」
「ちょっ!物理攻撃は反射されるって言ってるじゃない!
しかも敵を回復するとか、君って意外と頭弱い子なの!?('ω';)」
死になさいと言っているも同義の悪魔の言葉にアルカーが騒ぎ出す。
「ちっ!・・・私の言う事はちゃんと聞いて下さい~♪」
頭弱い発言に憤慨したのか、愚図るアルカーに苛立ったのか、
ふえうは一瞬物凄い形相で舌打ちをし、
直後、懐から出した写真をチラつかせながら笑顔で言った。
「ドちくしょおおおおお!(っ;ω;)┳* 三 三 三 ●」
ジョーカーを切られたアルカーは半ベソかきながら渾身の一撃を放つ。
「ヘルパニッシュの前にそんな攻撃は・・・うぎゅっ!?三●)Д)゚゚スポーン」
すると不思議な事に弾丸は反射される事無くVieliのドタマ(頭)にめり込んだ。
直撃を受けたVieliはその場で倒れ、気絶。体中をぴくぴくと痙攣させている。
「おおっ!?当たったぞ!?」
何が如何なっているのか分からないがとりあえず喜ぶアルカーの傍ら、
「ほらねです~♪アルカーさんは私の言う通りにしてれば良いんです~♪」
ふえうは飛び切りのデビルスマイルで言ってみせた。


ふえうとの連携によりなんとかVieliを倒す事が出来たイーストウッド・アルカー!
散々調子に乗っていたVieliはこれからどんなオシオキタイムを体験するのか!?
クマたんに食い殺されてゾンビとなった若き剣士アニエッタは何処へ行ったのか!?
前回やたらと意味深な登場をしておきながら、
今回出番の無かったEselinは熊山の何合目にいるのか?!次回、乞う御期待!〆(・ω・´)