エファンタジー/第九話「モニコモニイコミュニティ」

Last-modified: 2023-03-02 (木) 06:19:31

第九話「モニコモニイコミュニティ」



暗く哀しい過去を持つアルカー!
彼は当初の目的も忘れて鍋で舌鼓を打っていた!
ふえうもアイボールの目玉をお気に入りに追加!
そんなこんなやってる間にEselin率いる騎士団は山を登り進んでいた!
果たして一体どうなるのか!?〆(・ω・´)


アルカー、ふえう、そして、Vieli。
三人は何処かへと走り去ったゾンビアニエッタの捜索を行っていた。


「ん・・・?あれれ?なんで私、縛られてるですか?('д-;)」
「ああっ?!私の食料が!?('Д';)」
「この泥棒猫ども!許さんのです!」
「【御馳走様】じゃねぇのです!なんですか!この鍋は!?」
「私の分はねぇのですかっ?!このいやしんぼ!」
「【お腹いっぱい夢いっぱい】とかふざけやがれです!」
「代わりにオメェらの食いモンよこしやがれです!」
「あん!?レーションとかいらねぇです!」
「そこの女!やめるです!そんなもん口に押し付けるなです!」
「なにこれ!意外とうめぇのです!('∀'*)」
目を覚ましたVieliの発言の数々である。
山菜ばかりの彼女にはレーションは新しい味覚だったらしい。
食べ飽きたレーションにも意外な使い道が見付かり、
レーション欲しさに口を滑らせるVieliは割と素直だった。
人間をゾンビに変える秘術があるのならば、その逆も然る筈。
そうしたふえうの考えは当たっていた。
ゾンビを人間に戻す薬とその扱いとを得るVieliを連行しながら、
再びゾンビアニエッタを探すという流れになり、今に至る。


【この山は魔の棲む山か?】
捜索開始から数分も経たずしてEselin率いる騎士団と出くわして、
悪魔のような少女と彼女に脅迫されるピエロはそんな事を思った。
忍者に、熊に、宗教女、復讐に燃える女も現れ、ゾンビが出たかと思えば、お次は騎士団御一行。
そして、それらと出くわした彼らもまた、混沌極まるこの山を彩る者であるのだ。


「む?その女は・・・!?」
意味不明の状況に一同呆然という中、口火を切ったは女騎士。
「はっ。例の男女の片割れだと思われます。」
騎士団の目は縄で縛られた女、Vieliに集まった。
「その女をこちらに引き渡して貰おうか。」
Vieliに視線集まる中、
「あん?何言ってんだ?(゚д゚ )」
ワケの分からない連中のワケの分からない申し出にアルカーは呆けてしまう。
「それはちょっと困ります~。この人にはやって貰わないと行けない事があるのです~♪」
すかさず、ふえうが割って入ったが、
「貴様等の都合など知った所ではない。」
その中身を知らなければ一見として好意的に取れるふえうの物言いも女騎士は冷淡に一蹴する。
「そりゃー、こっちにも言える台詞だっての。('ω' )」
その態度が気に入らなかったのか、してやったりな顔でアルカーが言い返した。
「・・・。」
どこぞの馬の骨に揚げ足を取られた程度で非情の女騎士は怒りはしなかったが半ば呆れたような表情をする。
「その女がどういう女か知っているのか?」
そして、やれやれといった口調で尋ねる。
「ん?どういうって?(゚д゚ )」
「その女は報奨金の掛けられた指名手配犯だ。」
「ま、マジか!?(゚д゚;)」
ヤバイ女だという事は重々承知の上だったが、
Vieliの危険度を上乗せで再認識するアルカー。


「へぇ♪」
「ぅお!?この女、私を見る目が変わりやがったのです?!
舌なめずりとかするなです!キモいのです!Σ('∀';)」
宜しくない事を考え始めて目を闇色に光らせるふえう。
身の危険を感じたVieliは後ずさるが縄で繋がれている。
「ふんふんふーん♪」
ふえうは更に縄を取り出して鼻歌混じりにVieliをグルグル巻きにする。
「売り渡す気満々!?この人でなし!Σ('∀';)」
「いやです~♪危険人物に対して然るべき処置をしているだけなのです~♪
そして然るべき場所に送るだけの事です~♪」
如何にも正論っぽい台詞を吐く少女の目には$マークが浮かび上がっていた。


ふえうとVieliのコントを横目にアルカーは続ける。
「なるほど、指名手配犯ね。
それでこいつを引き渡せってのか。
だが、しかし、こっちにも事情ってモンがある。
こいつには熊に食われてゾンビになった女を、
人間に戻して貰わねぇといけねぇ。('ω' )」
「ゾンビ?やはり先程の汚らしいゾンビはその女が仕向けたものだったのか。」
「えっ?ゾンビアニエッタと会ったのか?(゚д゚ )」
「む?剣を担いだゾンビの事か?」
「ああ。(゚д゚ )」
「それならば斬り捨て灰にしたぞ。」
何の感慨も無く、さも当然と言わんばかりの口調で女騎士は語った。
「ちょっ!おまっ!(゚Д゚;)」
手掛かりらしきものを掴んだと思ったら既に死んだとの知らせ、
「あらららら♪(・∀・ )」
友達の悲報を聞いてショックを受けるふえうの筈だったが、
楽しげな口調で、むしろ、笑い出さんばかりだ。その理由を知るものはここには居ない。
「詳しい事は知らんが目的のゾンビはもう灰だ。
そちとらの用事とやらも無くなったのではないか?」
戸惑うアルカーの様子にも御構い無しに女騎士は尋ねる。
「そういう事になるのか・・・?(゚д゚;)」
質問をふえうに受け流してみると、
「済んでしまった事はしょーがないです~♪」
ふえうはあっけらかんとして答えた。
釈然としないアルカーだったが、とりあえず面倒事からは開放されたようだった。


「では、女を引き渡して貰おうか。」
Vieliを必要としなくなったアルカー達に女騎士は言った。
「やたらとこの女を欲しがるな。そんなに金になるのか?('ω' )」
一見として冷淡で、故に執着心の薄そうな女騎士だがVieliに件に関してはしつこい。
それに違和感を感じたアルカーは尋ねた。
「指名手配犯を捕らえたとなれば、名声も上がり、活動資金も手に入る。これは当然の事ではあるがな。
その女に賭けられた報奨金は特に我等の名を馳せさせてくれるだろう。」
騎士団の都合など、アルカー達の知った事では無いがEselinは何故かそこだけ丁寧に語る。
「へっ!この御時世に指名手配犯一人を御用にした所で幾らになるよ。
大体どこから金が払われるんだ?
落ち目のビスクか?それとも貧乏エルガディンか?
どっちにしろ景気が良さそうでおめでてぇこった。(゚ω。)」
「どちらも違うな。」
アルカーの予想を下衆の勘繰りと言わんばかりに、ふんっと鼻で笑う女騎士。
「じゃあ、何処よ?('ω'♯)」
やや怒気を帯びた声でアルカーが尋ねる。


「【モニコモニイコミュニティ】だ。」


非情の女騎士が出した名に、
「「「!?」」」
アルカー達は驚愕と同時に戦慄した。


VieliとVieliの使役していたゾンビアニエッタの齎した縁により遂にアルカーとEselinの物語は繋がった!
二つの物語が交錯して顕わとされた新事実はVieliが報奨金付き指名手配犯だったという事だ!その罪とは!?
果たしてVieliはこれからどうなるのか!?金に目の眩んだふえうによって売り渡されてしまうのか!?
皆して「「「!?」」」とかなっちゃうモニコモニイコミュニティとは一体!?次回、乞う御期待!〆(・ω・´)