エファンタジー/第八話「はいはいツンデレツンデレ」

Last-modified: 2023-03-02 (木) 06:17:25

第八話「はいはいツンデレツンデレ」



暗く哀しき過去を持つという設定をそろそろ忘れそうなアルカー!
実は彼はイーストウッドのシップを持つ銃使いだった!
しかし、格好付けた矢先、ヘルパニッシュによって弾丸を反射されて不様にのたうち回るという醜態を晒す!
そんな情けないアルカーを救ったのはヘルパニッシュの解除方法を心得るふえうだった!
そして、助力を得たアルカーは辛くもVieliを倒す事に成功したのだった!
ヘルパニッシュはHPを回復すると効果が切れてしまうんだ!
皆もそれらしい人に掛ける時には気を付けようね♪(人・ω-)^☆)ω'♯)


ぐつぐつぐつ・・・。
彼等は鍋を囲んでいた。
具はVieliが持っていたキノコや山菜、アイボールの目玉である。
「へへっ、こいつ、中々良い物を持ってやがったぜ。('ω'*)」
未だに気絶しているVieliに目をやってアルカーは御機嫌な口調で言った。
山中で鍋を作るのは彼にとって初めての事であったが、
数日前の同じ山での出来事を思い出し、見よう見真似でやってみた。
鍋は思いの他、鍋らしくなっていて彼は満足げにしている。
「レーションの味にも飽きて来てたしな。
たまには美味いもんも食わないとね☆('ω'*)」
「アイボールの目玉なんて入れちゃって大丈夫なんです~?グロテスクです~・・・。」
レーションに飽きていたのはふえうも同じであったが、
鍋の中に躊躇無くアイボールの目玉を入れられた事に不満気だ。
「おやおや?これだから素人は困るぜ。
アイボールの目玉ってのは鍋にすると珍味なんだぜ♪へ(゚∀゚*)ノ」
自らの発言を実践してみせるかのようにアイボールの目玉を口に放り込むアルカー。
あまりにも美味しそうにしてみせるので、ふえうも恐る恐る口にしてみる。
「あら?これは意外と・・・♪」
ふえうにも好感触だったようだ。
「ほらな?(゚∀゚*)」
ふえうの反応にアルカーは得意そうに言った。


さて、意外性やギャップというものには人の心を惹き付けるものがある。
不良が何かの気紛れであったとしても道端に落ちた空き缶を拾って、
ちゃんとゴミ箱に捨てる等して見せるとやたらと良い奴に見えるといった具合に。
こういったものを自然と醸し出しながら気紛れ等では無くやってみせる人間はどれほど好かれるのだろうか。


ヒュッ!ズバッ!
アルカー達が鍋を楽しんでいる場所から、たった一合前の場所で、
非情の女騎士の剣閃は読んで字の如く【血の雨】を降らせた。
「ヌゥワァァァァァッ!?!へ(゚∀、。;)ノ」
奇声を上げながらゾンビは倒れる。
そして、女騎士の愛用する剣は、炎の力を宿すソードオブインフェルノ、
次の瞬間に切り口から炎を噴き上がらせてゾンビを灰燼と化させた。


ほんの数秒前、突如として山中に現れたゾンビは女騎士に襲い掛かった。
しかし、女騎士はそんな不測の事態でも冷静さを欠く事無く、
その剣はゾンビを斬り裂き大量の血を噴き出させ、
それでいて刀身には一滴の血も付いていない。
その凄まじき剣技を披露し、後ろから見ていた幾多の騎士達に感嘆の声をあげさせる。
女騎士の名はEselin・・・。


「こんな山奥にゾンビが出るとはな。」
忌々しげに言うEselinに、
「まったくでありますね。」
「いやまさか、こんな所に出るとは。」
「例の女の仕業でしょうか?」
騎士達は口々に言葉をかけるが、
「・・・。」
Eselinは不満気な表情で騎士達を見やる。
「・・・如何されました?」
不安げに聞く騎士達にEselinは溜息混じりに、
「やれやれ、事の面妖さに驚く事は仕方が無いとしても、
それも一瞬、次には剣を構えているのが騎士というもの。」
そう言って、Eselinはそっぽを向く。
「「「も、申し訳ありません!」」」
騎士達は突然のゾンビの出現に驚き、たじろいていたばかりであった事を恥じ、一斉に謝罪する。
「うむ、以後は気を付けるようにな。
私とて事が起こって毎度、今回のように振舞えるとは限らない。
次はお前達が私を守ってくれよ?」
少し呆れたような笑顔と共にEselinは騎士達に振り返る。
「「「はっ!」」」
騎士達は安堵と共に一斉に敬礼する。
こういう所がEselinの上手い所である。


「今回の依頼をこなせばまとまった資金が手に入るのだ。失敗は許されんぞ。」
騎士達の士気を上げる為のEselinの言葉に、
「しかしながら我等の活動資金はまだまだ十分にありますが?」
反抗でもなく、純粋な疑問を騎士の一人が言い放つ。
「金などというものは幾ら持っていても困らないものだ。
それに、私について来てくれているお前達に、
その、なんだ、良い思いの一つもさせてやりたいしな・・・。」
Eselinは騎士達から顔を背けて少しばかりはにかみながら言った。
不遜な態度と淡々とした命令口調ではあるが、その心は騎士達への思い遣りに溢れている。
女騎士Eselinの良い所であるし、また、彼女に従う騎士達はそれをよく理解している。
「ヒャッホー!金を受け取った後は豪勢にパーティーですな!」
「我等が団長はツンデレすなぁ。」
「それがまた良いのではないか。」
「違いねぇ。」
「団長だ~い好き!」
騎士達の言葉にEselinの頬が赤く染まる。
「む、無駄話などせずに、とっとと行くぞ!(・ω・//)」
冷静で剣技鋭き女騎士も、この時ばかりは熱くなり言葉からすら鋭さ失われる。


Vieliの持っていた食材を奪い、ふえうと共に鍋を突付くアルカー!当初の目的を忘れてるっぽいぞ!?
非情の女騎士でありながらもツンデレなEselinは騎士団の人気者!
そして!さらばアニエッタ!来世で会おう!次回、乞う御期待!〆(・ω・´)