バウンティブレイド

Last-modified: 2015-10-08 (木) 07:14:46

あのモニコが想い出のゲームでパロディを考えた!〆(・ω・´)
今回のテーマは渋い男のファンタジーもにい!
今日は?回!昨日で?回!合計で?回!何者かの来訪があったようだもにい!
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第零話「騎士」



モニコモニイ「サイキックウェイヴもにい!」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

敵軍「「「ぐわあああああっ!?」」」
モニコモニイと呼ばれる騎士の解き放った力の迸りが対峙する敵軍を呑み込みました。
ehu「流石だな!モニコモニイ!」
モニイ「モニイが凄いなんて分かり切った事もにい!それより次のチャージまでの援護を頼むもにい!」
アルカー「やれやれ、一発屋さんに付き合わされる方はたまったもんじゃないぜ!」
ざしゅっ!
敵兵「ぐわっ!?」
大技を放った後のモニイに斬り掛かろうとしていた敵兵。それよりも速く駆け付けて斬り付ける侍はアルカー。
ehu「おっと!俺の分も残しておいてくれよ!?」
だだだだだっ!ずどぉんっ!
巨大な矛と盾を構えた重騎士ehuはそう叫びながら、その巨躯からは想像も付かない速さで戦場を駆け巡り、敵兵達はまるで巨大な馬車にでも轢かれたかのように宙高く吹き飛ばされます。
べこられ「撃ち漏らしは俺が貰うぜ!轟き爆ぜる稲光!サンダーボンバー!」
ぴしゃーん!ばりばりーっ!
そして、賢者べこられの必殺の魔法が満身創痍の敵兵達への介錯と言わんばかりに降り注ぎました。
ぷしゅぅ~っ・・・!
敵大将「・・・!・・・!・・・!何だ・・・!何なんだこいつ等は!?」
少し離れた場所から指揮を執っていた敵大将。百から連なる連隊を五つも操る大将の前には有り得ない絵空事が広がっていました。
敵大将「たった四人の・・・、騎士団とも呼べぬ数の連中に我が軍がこうもあっさりと・・・!馬鹿な!馬鹿なーーーっ!?」
モニイ「魔法やらで広範囲を一気に吹き飛ばせるこの時代においては、唯の一人の人間が戦略に組み込まれる事もあるもにい。前時代的な数で押すだけの戦い方で粋がっていたのが運の尽きもにい。(どやきりぃっ!」
べこられ「と、範囲攻撃しか取り柄の無い一発屋が申しております。」
モニイ「うっせぇもにい!(*'ω')⊂彡☆))゚ω);、;'.・←べこられ」
ehu「まぁ、大体モニイの言う通りだな。地の利を活かす事も無く、数による力押しで五百はいただろう兵を只々消耗しただけだな。」
アルカー「まぁ、お陰さんでこっちは楽な戦いになったがな。」
そんなこんな言いながら、モニイ達の騎士団はじわりじわりと敵大将の構える陣地ににじり寄って行きます。
敵大将「くっ!ひ、引けっ!引けぇーーーぃっ!」
圧倒的な力を見せ付けられて顔面蒼白の敵大将。やっとこさと捻り出した叫び声も震え声で、一級品の様を見せるのは声あげる前に動き出した逃げ足くらいです。
モニイ「おっと、逃がさねぇもにい。モニイはお前みたいな偉そうぶって命令ばかりはするが自分では戦おうともしないとか、そういう絵に描いたような奴が大嫌いもにい。」
敵大将「ひっ!?」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

敵大将「うぎゃあああああっ!?」
断末魔と共に敵大将は爆ぜました。
モニイ「無駄なお喋りの間にちゃっかりチャージは完了という訳もにい。モニイは賢いもにい。」
ehu「流石だな!モニコモニイ!」
アルカー「しかし、もう前々から何度も口を酸っぱくして言ってる事だが、モニイも少しは護身の術を身に付けるべきだな。折角くれてやった刀を錆び付かせてくれるなよ?」
モニイ「刀ねぇ・・・。」
ちゃきり・・・、きんっ!
モニイは腰の後ろに携えた刀を抜いて、再び鞘に納めます。銀に輝くその刃は真新しいまま、全く使っていない事が簡単に見て取れました。
アルカー「こいつ・・・、折角やったのに全然使ってねぇ・・・!(^ω^♯)」
モニイ「やれやれー、モニイは肉体労働は苦手もにい。」
べこられ「まぁ、モニイは一発屋の分際で良くやってるだろう。それにこれ以上活躍されると俺達の活躍の場が無くなるぜw」
モニイ「そうそう、そうもにい。モニイは優しいから主役を映えさせる為だけに存在する貴様等モブにも光を当ててやっているのだもにい。」
モニイ以外「(^ω^♯)(^ω^♯)(^ω^♯)」
ぼこぼこぼこぼこぼこ!(*'ω')⊃)ω(⊂('ω'*)
モニイ「や、やめるもにい!痛いもにい!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最も輝かしい時代だったもにい。
理由は分からないけれども、生まれつき、超能力っぽい力を持っていたモニイは長じて騎士になったもにい。
自らを育んでくれた王国。そして、その王国の騎士として頼れる騎士仲間達と共に幾多の戦場を駆け抜けたもにい。
王様も民衆も皆、皆、モニイ達の戦果を褒め称えてくれたもにい。
王国の騎士である事を、何の疑いも無く、誇りに思っていたもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ehu「俺達は力を素直に見せ付け過ぎたのさ。」
モニイ「・・・。」
アルカー「王国の奴等、俺達に罪を被せるつもりなのかっ!?」
ehu「王国の統一は成された。後は全てを盤石に運ぶ為、不穏分子を取り除くってシナリオだな。」
べこられ「これが今まで王国の為に戦って来た俺達に対する仕打ちか!?」
モニイ「モニイは・・・、王国に戻るもにい・・・。」
ehu「!?待てっ!モニイ!今戻っても戦争責任の全てを押し付けられるだけだぞ!」
アルカー「そうだ!奴等は戦いの成果や結果の綺麗な所は全部自分達のものにして、戦いの汚い部分は俺達に押し付けて厄介払いする気だ!」
べこられ「虫唾が走るぜ!そんな所に戻る事は無い!」
モニイ「でも、王国はモニイ達の故郷もにい・・・。それにモニイ達がここで居なくなれば、別の誰かがモニイ達の役を押し付けられるもにい・・・。」
ehu「!行かせんぞ!モニイ!こんな下らない事でお前を死なせはせん!」
モニイ「すまないもにい・・・。」
ehu「・・・!?」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

三人「うわーーーっ!?」
モニコモニイは三人を力の波に呑み込みます。加減こそはあっても、熟練の騎士が暫くは起き上がれない程度に。
モニイ「モニイは王国に戻るもにい・・・。モニイが一人で全部罪を被れば、お前等の事を見逃して貰う事も出来るかも知れないもにい・・・。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後、王国に戻ったモニイは直ぐ様に戦争裁判を受ける事になったもにい。
既に準備されていたシナリオに従うだけ。着々と、手際良く、様々な罪状がモニイに被せられたもにい。
その間、モニイは仲間達に罪が及ばないように努めていただけだったもにい。
結果として、仲間達に罪が及ぶ事も無かったし、それまでの功績からモニイも死罪は免れたもにい。
もっとも、それすらもが器の大きさを誇示する為の王国のシナリオに過ぎず、そんな下らない理由でモニイは生かされたんだもにい。
これ程の侮辱は無かったもにい。
しかし、称賛から罵倒に転じた人々の声が、冷ややかな目が、モニイから怒りすらを奪っていたもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「KNIGHT」
END...〆(-ω- )

第一話「賞金稼ぎ」



モニコモニイは元聖騎士でした。
しかし、王国に裏切られて騎士の階級を剥奪されてしまい、以後十年、モニコモニイはバウンティハンターとしてだらだらとその日暮らしをしていました。
モニイ「今日も小銭稼ぎの為に野党をざっくざく斬り殺すもにい。モニイはシリアルキラーもにい。」
モニイは後ろ腰に携えた刀を逆手で掴むと、そのまま居合抜きの要領で引き抜きます。
ずばーーーっ!
野党「ぎょえーっ!?このゲス野郎!何て事しやがる!」
銀の閃きは一瞬にして野党に致命傷を負わせます。
モニイ「ははは、せいぜいと苦しむもにい。後、野党如きが人様に汚い言葉を吐くなもにい。身の分際ってもんを弁えるもにい。」
野党「クソッタレ・・・クソッタレがぁっ!しかし、この王国は既に帝国に侵攻されてる!俺もお前も終わりなんだよ!」
モニイ「はいはいわろすわろすもにい。」
ぐしゃーっ!!
モニイ「この国が如何なろうが、モニイには関係無ぇもにい。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
帝国からの侵略、王国の運命、そんな事は王国の騎士に任せれば良いもにい。
今のモニイはその日暮らしの賞金稼ぎ、バウンティハンターもにい。
モニイが求めるのは日々を生きる事だけもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


野党を始末したモニイは町の酒場に戻り、クライアントから報酬を受け取ります。
べこられ大臣「今日も御苦労だったな。これが報酬の5000G(1G=100円位)だ。」
十年前、モニイが全ての罪を被った事でお咎め無しとなったべこられ。それまでの功績から今では王国の大臣とまで昇り詰めていました。
モニイ「野党を一匹退治したに過ぎないのに随分と色を付けたものもにい。べこられ、十年前の事をまだ気にしているもにい?そんなに気負う事は無いんだもにい。」
べこられ「しかし、私のせいでお前は・・・。」
モニイ「それは言わない約束もにい。」
べこられ「・・・そうか・・・。悪いのだがまた一つ依頼を頼みたい。」
モニイ「金払いが良いなら受けるもにい。」
べこられ「近くの森に不穏な影があるとの事だ。多分に野党だとは思うが時期が時期だ。帝国からの侵攻かも知れん。様子を見て来てくれ。」
モニイ「分かったもにい。」
べこられ「こちらから騎士を送っておく。宜しくやってくれ。」
二つ返事で依頼を請けたモニイはそのまま件の森へと向かいます。


辿り着くと其処には一人の騎士の姿が。
恐らく、べこられの言っていた騎士でしょう。
エシュネア「私は王国聖騎士エシュネア。貴方が元聖騎士のモニコモニイさんですか?」
モニイ「そうだけれども、その名前は剥奪されたもにい。今はその日暮らしのモニコモニイもにい。」
エシュネア「随分と謙(へりくだ)っていますね。味方殺しのモニコモニイの名で呼ばれるのが嫌ですか?」
十年前、様々な罪を被せられたモニイに人々が付けた名がそれでした。
特に同じ王国騎士達の間では十年経った今でもその汚名は根強く色濃く残っていたのです。
モニイ「!」
モニイはぴくりを眉を顰めましたが何も言い返す事はありませんでした。
ざっざっざっ。
無言のまま、モニイは歩を進めました。
エシュネア「言い訳はしないのですか?」
そんなモニイについて行きながら、尚も意地の悪い問い掛けを繰り出すエシュネア。
モニイ「やれやれ、そうもにい。モニイはその汚名で呼ばれるのが嫌だったんだもにい。・・・これで満足もにい?」
エシュネア「へぇ、素直な人なんですね。人の噂もアテにはならないものですね。」
モニイ「・・・?」
エシュネア「貴方に対する悪い噂話を好んでするのは大抵下卑た輩でしたから。」
がさがさっ!
そんなこんなをやっていると森から人の影が飛び出して来ました!
モニイ「!?」
それは武装した三人の男達。
野党にしては身形が整っているし、それでいて、こちらに対して殺気立った視線を向けて見せています。
エシュネア「帝国の手先ですね!」
エシュネアの言葉に呼応するかのように男達も口を開き、
帝国尖兵A「ちっ!矢張り、王国の奴等に気取られていたか!」
尖兵B「面倒な事になったな。」
尖兵C「相手は二人だ。さっさと殺して口封じするぞ!」
モニイ達の前で自分都合の話をし始め、言いたい放題です。
既に殺すと決めた相手の前だから何を言っても気にする事も無いという事でしょう。
エシュネア「帝国の密偵ですね。ここで(ry」
モニイ「ははは、つまんねぇ冗談もにい。で、誰が誰を殺すもにい?」
ざざざっ!
剣を引き抜き構えるエシュネアでしたが、それを余所にモニイは尖兵達に向かって行きます。
尖兵A「ん!?こいつ、何処かで見た事があるぞ!」
尖兵B「こ、こいつはモニコモニイだ!」
尖兵C「な、何だってー!」
モニイ「気付くのが遅かったもにい。そら、授業料もにい。」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

尖兵達「ぐえええええっ!?」
次の瞬間には力の迸りが帝国の尖兵達を包んでいました。
エシュネア「これは・・・!?一体何が起こったのですか!?」
一瞬で尖兵達を全滅させたモニコモニイにエシュネアが驚愕の声を上げました。
そして・・・、
尖兵A「ぐぐぐっ・・・!何故、貴様が・・・こんな所に・・・。傭兵等に身を窶(やつ)している・・・?」
今際の際にそう問う尖兵。
モニイ「・・・そいつはモニイが知りたいもにい。」
冥土の土産にもならない返答で応じて、モニイは一息吐きました。
モニイ「やれやれもにい。」


モニイ「さてさて、このまま海を目指すもにい。」
エシュネア「ん?何故です?」
モニイ「敵の正体は帝国の尖兵。ともすれば、ここから先の海辺から入り込んで来ている可能性が非常に高いもにい。今の内に叩いておくもにい。」
エシュネア「ふむ、成程。でも、貴方の仕事はここまででは無かったのですか?」
モニイ「べこられオジサンのお使いもにい。モニイみたいな子をわざわざ使うからには、これくらいの事を期待しているんだもにい。」
エシュネア「しかし、敵が居たとして、その戦力がどれ程のものか。いたずらに飛び込むのは危険だと思いますが。」
モニイ「やかましい奴もにい。じゃあ、貴様は先に戻って、べこられにこの事を伝えて来るもにい。援軍が到着する頃にはモニイが奴等の首を抱えて持って来るもにい。」
エシュネア「・・・。」
エシュネアは色々と考えましたが、このままモニイと一緒に行く事にしました。
エシュネア「さっきの手品は何だったんです?」
モニイ「手品もにい?」
エシュネア「帝国兵を一瞬で消した手品の事ですよ。」
モニイ「何の事は無いもにい。モニイの恐るべきモニイ力で敵を木端微塵にしただけもにい。」
エシュネア「魔法か何か?それにしては詠唱も無かったし・・・。」
モニイ「・・・やれやれ、手品師にタネを聞いても答えはしないものもにい。おまんまのタネを明かす程、モニイはお人好しでは無いもにい。」


そんなこんなで海に到着しました。
予想通り、この国のものではない怪しげな船が二隻、停まっていました。
エシュネア「あれですね。さて、如何しますか?船が二隻ともなれば、敵の数も相当。こっそりと奇襲をかけるか、それとも矢張り戻って援軍を呼ぶか(ry 」
モニイ「出て来いもにい!この密入国の三国人共がー!」
エシュネア「ちょっwww何してんの!?wwwww」
敵を確認出来たし、これから作戦を練ろうという場面で、モニイはそれを台無しにするかのように敵の前に出て大声で挑発を行いました。
帝国兵「なんだなんだ!?」
その声に釣られて帝国兵達がぞろぞろと出て来ました。
モニイ「ひぃふぃみぃ。ふむ、敵の数は二十。正面に十二、左右の物陰に四ずつもにい。」
帝国兵「王国の手先か!?」
モニイ「まぁ、そんな所もにい。そら、貴様等、一人一人ぷちぷちと潰してやるから武器なんて捨てて素手で掛かって来いもにい。」
帝国兵「この数を相手にたった二人で、随分と余裕だな。」
でも余裕を見せているのはモニイだけ。
エシュネア「やっぱり、ついて来なければ良かった・・・。」
隣に居る無茶振りの被害者は後悔の真っただ中に居ました。
モニイ「おや?そんな事言いながらしっかり戦う準備はしているもにい。思ったより骨のある奴もにい。」
ちゃきりっ!
エシュネア「奇襲なり増援なりで、もっと楽に確実に、そんな戦い方も出来る場面だったから残念に思っているだけですよ。」
そう言いながら剣を構えるエシュネア。
モニイ「おおー、凄い自信もにい。折角だから御手並み拝見もにい。」
エシュネア「やれやれですね。」
帝国兵「我々を相手に一人で来る・・・?御手並み拝見・・・?」
モニイ「やれやれ、ここまで挑発しても近付いて来ないなんて、チキン野郎ばかりもにい。さっさとそのお船に乗って故郷に帰りやがれもにい。」
帝国兵「どこまでも愚弄しおって!全員突撃ーっ!」
わー!わー!どんぱち!どんぱち!


そして・・・、
帝国兵「馬鹿な・・・!馬鹿なぁぁぁっ・・・!」
ばたりっ!
現王国の現聖騎士の名も伊達では無く、二十の帝国兵をエシュネアは一人で全滅させました。
エシュネア「ふぅ・・・。」
モニイ「いやはや、流石は王国の誇る聖騎士もにい。一回の斬撃で纏めて三人斬り殺す所とか凄かったもにい。」
一息吐くエシュネアにモニイが称賛の言葉を贈りました。
モニイ「お陰さんでモニイも楽が出来たもにい。」
そんなモニイにエシュネアは不敵な笑みを浮かべ・・・、
エシュネア「ふふふ、これで分け前は3:20ですね。」
どぎゃーん!
意地の悪い事を言い始めました。
モニイ「ゲェーッ!貴様っ!?一人で随分頑張るなと思っていたら、それが目的だったもにい!?」
エシュネア「高みの見物料は高く付きましたねぇ。」
モニイ「やれやれ、こいつは一本取られたもにい。」
エシュネア「あら?殊勝ですね。本当にその取り分で良いんですか?」
モニイ「?モニイより敵をいっぱい倒したのは本当もにい。」
エシュネア「王国の聖騎士が金に汚い事を言っているのに?」
モニイ「んー?」
エシュネアの不自然な言葉に疑問を抱くモニイ。ふと考えてピンと来ます。
モニイ「ははぁん、成程もにい。エシュネアは騎士団の中でそんな感じで鼻抓み者なんだもにい?」
エシュネア「!」
モニイ「王国の誇る聖騎士であって、そして、実際かなり強い、だのに、こんな仕事を押し付けられているって所で分かったもにい。」
エシュネア「・・・。」
そこでエシュネアは嫌な記憶を呼び起こしたのか暗い表情になりましたが、
モニイ「まぁ、国の為とか人の為とか言ってる奴程、信用出来ねぇもんもにい。その点だとエシュネアは信用に値する人間だと思うもにい。」
モニイは飄々としながら言って見せて、
エシュネア「そうですか・・・。」
そんなモニイの何でも無いといった言い方が妙に気に入ってエシュネアは少し笑いました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
十年前の王国統一戦争。
その戦いに於いて戦果を上げた筈なのに人々から忌み嫌われる聖騎士モニコモニイ。
その元聖騎士と一緒の依頼を受けた時、少なからず心が躍ったのを覚えています。
憧れ等では無く、自分と同じような境遇の人間と逢える事に。
満たされないのは自分だけでは無いと思いたかった私は、矢張り人が言うように卑しい存在だったのでしょうか?
今、分かる事は目の前の元聖騎士が人々の言うような人間では無かったという事でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「BOUNTY HUNTER」
END...〆(・ω・ )

第二話「少女との出会い」



帝国兵をやっつけたモニイ達。
そのまま帰路に着こうとしたのですが、波打ち際に女の子が倒れているのを見付けます。
モニイ「こんな所に女の子が落ちているもにい。」
エシュネア「これはとんだギャルゲー展開ですね。」
エシュネアは訳の分からない事を口走りました。
モニイ「見た所、十歳くらいかもにい。」
少女「ん・・・?」
そんなこんな言ってると少女が目を覚めして立ち上がりました。
少女「あれ・・・?兵達は・・・?」
エシュネア「悪い兵達は私達がやっつけましたよ。お嬢さん。」
少女「!」
モニイ「お嬢ちゃん、何故こんな所に居たもにい?」
少女「そんな事は如何でも良いですー。それより、見た所、貴方達はこの国の傭兵のようですねー。お金は出すので私を町まで護衛してくれませんかー?」
モニイ「これまた随分な御挨拶もにい。」
少女「貴方の感想など聞いていませんー。護衛をやるのかやらないのか、さっさと答えて下さいー。」
モニイ「やれやれ、護衛も何もこんな所に女の子を置いて行く訳にもいかないもにい。お家まで送ってやるもにい。」
エシュネア「お嬢さん、名前は?」
ふえう「名前なんて如何でも良いですが、そうですね、ふえうとでも勝手に呼んで下さいー。」
モニイ「ま、名前なんてそんなもんもにい。誰かと分かればそれで良いもにい。」
そうして、三人は街へ戻ります。
ですが・・・、
再び通りかかった森にそれは待ち構えていました。
何者かの声「ここは通さん!」
三人「!?」
がさがさがさっ!ざざざっ!
叫び声が上がったと同時に森の影から無数の帝国兵が現れました!
エシュネア「こんな数の敵が侵攻しているなんて!」
モニイ「ざっと見て百は居るもにい。この国も長くはなさそうもにい。」
ざざざざざっ!帝国兵達は慣れた動きで直ぐ様にモニイ達を囲み込みました。
帝国兵「さて、その少女をこちらに引き渡して貰おうか。」
モニイ「・・・?」
エシュネア「如何いうつもりですか?」
帝国兵「この数を相手に刃向かう等、利口な人間のする事では無いと思うが?黙ってその少女を引き渡せ。」
そう言いながら帝国兵の視線はエシュネアからふえうに移ります。
ふえう「・・・。」
ふえうはその視線から逃れるようにモニイの影に隠れ、モニイの服の袖をきゅっと掴みます。
モニイ「・・・。」
エシュネア「こんな少女を付け狙うとは変態共め!貴様等如きに王国聖騎士が遅れを取るとでも思うのか!?」
抜いた剣を突き付けてエシュネアが叫びます。
すると・・・、
?「「「よくぞ言った!」」」
モニイ「!?この声は・・・!?」
ゴッペ&チロル「加勢に来たぞ!」
ばばーん!
敵の大群に囲まれた三人を援護する為にゴッペとチロルが増援に来てくれたのです。
エシュネア「何かの為に伝書鳩を送っておいて正解でしたね。」
モニイ「ほほう、そんな事をしていたもにい?中々気が利くもにい。」
ゴッペ「橋を渡ってこちらへ!後続の増援が近付いて来ています!ここまで逃げ切れば敵も追っては来れません!」
モニイ「ここは逃げた方が良さそうもにい。足手まといも居るしもにい。」
ふえう「足手まとい・・・?私の事ですかー?生意気ですねー?」
モニイ「じゃあ、剣でも持って戦うもにい?」
ふえう「嫌ですー。重いですしー、私はお箸より重い物を持った事がありませんー。」
モニイ「それじゃ、モニイにしっかり掴まっているもにい。」


ずしゃしゃしゃっ!
帝国兵三人「ぐわっ!?」
モニイ「おー、必殺の三人纏め斬りもにい。」
エシュネア「さぁ!こちら側から敵の包囲を脱しましょう!」
だだだだだっ!
剣を構えたエシュネアが敵を薙ぎ払いながら橋の方へ向かい、ふえうを抱えたモニイが後に付いて行き、更にそれを敵の群れが追い掛けて来ます。
帝国兵「逃がさんぞ!」
先回りしていた帝国兵達が横からモニイに飛び掛かろうとします!
しかし・・・、
帝国兵「!?」
後一歩といった所で帝国兵達が動きがぴたりと止まります。
モニイ「ふぅむ?只ならぬものを感じていたけれども、やっぱりこういう事をされると困るもにい?」
ぎらっ!
帝国兵「き、貴様・・・!」
モニイはふえうの首筋に刃を添えていました。
ふえう「人質扱いですかー?お里が知れますねー。」
首筋に刃を突き付けられながらじっとりとした目でモニイを見やるふえう。
モニイ「もしかしてと思って、何と無くやってみただけもにい。本当に効果があるとは思わなかったもにい。」
ふえう「ふぇー。」
モニイ「まぁ、効果があるってんのなら、お嬢ちゃんには悪いけれども、もう少しの間、人質になって貰うもにい。」
ふえう「やれやれですねー。」
そうしてモニイは敵から追撃される事も無く、さっさと橋の向こうへ辿り着きました。
モニイ「さてさて、後は誉れ高きこの国の騎士達に任せるもにい。モニイはお先に失礼するもにい。」
だだだだだっ!
そう言いながらモニイはそのままその場を後にしました。
三人「ちょwwwおまwww」
わー!わー!どんぱち!どんぱち!
迫り来る帝国兵達にエシュネア、ゴッペ、チロル達は応戦を余儀無くされました。


街で宿をとったモニイとふえう、同じ部屋でお話が始まります。
モニイ「ふぅ、やっと一息吐けるもにい。お嬢ちゃん、さっきは刀を突き付けて悪かったもにい。怖くは無かったもにい?」
ふえう「今更ですかー?それは如何でも良いですが、その子供扱いした呼び方はやめて下さいー。」
モニイ「やれやれもにい。それで、何故ふえうは帝国の兵に狙われていたもにい?」
ふえう「そんな事は如何でも(ry」
モニイ「良くないもにい。」
ふえう「・・・。」
モニイ「まぁ、話したくないなら聞かないもにい。でも、依頼主が目的を話してくれないと、それを請け負う側も困るもにい。」
ふえう「え・・・?じゃあ、私の依頼、受けてくれるんですねー?」
モニイ「ま、そういう事もにい。このままふえうを放っておいたら、死んだあの三人に化けて出られるもにい。」
がちゃっ。
エシュネア「死んでないですよw」
ゴッペ「死に掛けましたがねー。」
チロル「こちらの増援がもう少し遅ければ、危ない所でしたねぇ。」
何処から聞き付けたのか、三人が後を追って部屋に入って来ました。
モニイ「お?おめぇら、まだまだこの世にへばり付いてたもにい?」
エシュネア「ですねぇ。仲間を放っておいて敵前逃亡した外道を刺すまでは死ねませんよ。」
モニイ「やれやれ、あの場は仕方が無かったんだもにい。子供の保護が優先されるべきもにい。」
チロル「何という出任せ。」
モニイ「決して、面倒臭くなって投げ出した訳では無いんだもにい。」
ゴッペ「辞世の句はそれで終わりですか?><」
モニイ「やれやれ、こいつらマジでモニイのタマ(命)を取る気もにい。分かった分かった、酒場で驕ってやるもにい。それで機嫌を直すもにい。」
三人「わーい!」
モニイ「ちょろいもにい。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それにしても、帝国兵達は何故、こんな小娘を追っていたもにい?
人質として成り立つのならば、それは帝国兵にとって、死なれては困る存在という事もにい。
当の本人はだんまりだから、モニイは頭の中で様々な推測を巡らせてみたもにい。
しかし、よくよく考えてみれば、その日暮らしの賞金稼ぎとなったモニイにとっては如何でも良い事もにい。
そう、後は何時ものように酒でもかっくらって、心行くまでベッドで眠るもにい・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


酒場で飲み明かした次の日。
ふえうの依頼によって、隣の大陸の街に同行し、そこでふえうを待っているという人物の所まで無事に届ける事になったモニイ達。
港町で船を借りる事になりました。
ゴッペ「残念ながら、私達はここまでですねー。」
チロル「今この国は危機にある、私達がここを守らねばなりません。」
モニイ「エシュネアももにい?」
エシュネア「いえ、私はモニイさん達に同行します。何故だか分からないけれども、そうしないと行けないような気がするんです。運命ですかね。」
モニイ「?よく分からないけれども、付いて来るのなら勝手にするもにい。」
港町で武器や道具を揃え、準備を整えたモニイ達は船に乗りました。
お船に揺られて一時間、特に何もする事の無いモニイは海の広がりを眺めていました。
モニイ「船に乗るのも久しぶりもにい。」
エシュネア「船とか仲間とはぐれるフラグですよねぇ。」
エシュネアはよく分からない事を言いました。


そんなこんなしていると・・・、
びゅーーーんっ!ばさっばさっばさっ!
モニイ「!?」
突然として船を陰らせる無数の影!
モニイが空を見上げて見ると、
リラン「ふはははは!帝国空戦部隊登場!」
ででーん!
飛龍に乗った騎士の部隊が船の上空に現れたのです!
エシュネア「やれやれ、ドラゴンナイトの群れのお出ましですか!」
ちゃきりっ!
剣を抜いて構えるエシュネア。
戦闘開始!と思われましたが・・・、
リラン「あれは・・・!姫!矢張りこの船に乗っておられたか!」
帝国空戦部隊の隊長らしき男が突然叫び出しました。
モニイ「・・・姫?」
男の視線の先を追って見ると、その先にはふえうが居ました。
リラン「姫!どうか国にお戻り下さい!娘が父を討つなど、あってはなりませぬ!」
ふえう「力を手にした父は狂ってしまいましたー。その父の業を祓うのは私の務めですー。」
リラン「むぅ!こうなれば無理にでも連れ帰りますぞ!」
エシュネア「そうはさせません!ファイヤーボール!」
ぼーん!
リラン「ぐえっ!おのれっ!邪魔をするか!?」
エシュネアの放った火の球が迫り来る隊長の足を止めます。
モニイ「おや?エシュネアって騎士じゃなかったっけ?」
エシュネア「こっそり魔法の勉強もしています。こんな時代ですからオールマイティでないと。」
モニイ「それは結構な事もにい。」
リラン「全軍突撃だ!但し!姫様に怪我でもさせては皇帝に申し訳が立たぬ!各自、姫に配慮せよ!」
姫奪還の邪魔者にその矛先を変えて帝国空戦部隊が迫ります!
モニイ「こいつで纏めてぶち落としてやるもにい!」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

モニイの超能力が解き放たれ、帝国空戦部隊を呑み込みました。
エシュネア「出ましたね。モニイさんの必殺技。」
リラン「こ、これは!?奴はまさかモニコモニイか!?うっ!うわあああっ!?」


リラン「姫・・・、御父上が心配をしております・・・。どうか・・・、お戻り下さい・・・。」
撃墜され、偶然にも船の上に落下した帝国空戦部隊の隊長、今際の際にもふえうに同じ事を繰り返します。
ふえう「何度・・・、何度嫌と言えば良いのですかー?とうに決心は済ませたのですー。この手で必ず父を討つとー。」
リラン「哀しいですな・・・。実の娘が・・・、父を討つ・・・な・・・ど・・・。」
ふえう「そう仕向けたのは誰だと思っているのですかー!」
癇癪混じりにふえうが叫びます。
リラン「」
その声は果たして届いたのか、返事が返って来る事はありませんでした。
ふえう「・・・。」


そして・・・、
ふえう「・・・。」
戦いの後、モニイとエシュネアはふえうの前に立ち、視線を送り続けていました。
ふえう「・・・。」
このままだとずっとだんまりを続け兼ねないと思ったモニイが切り出しました。
モニイ「さてさて、昨日は聞きそびれてしまったが、そろそろ話して貰うもにい。ふえう姫?」
ふえう「・・・お察しの通り、私は帝国の第七王女ふえうですー。」
流石にもう隠し通せる事では無いと観念したのか、ふえうが遂にその正体を明かしました。
エシュネア「ええっ!?あの最近ブイブイいわせて他国をどんどん侵略している帝国のお姫様がなんでこんな所に!?」
ふえう「全ては古代兵器の発掘から始まりましたー。」
モニイ「・・・。」
ふえう「それまでの帝国は小さな島国の小国に過ぎませんでしたが、強力な古代兵器を発掘し、それを運用する事に成功し、その強大な戦力で各国に侵攻を開始したのですー。」
エシュネア「帝国が強大な力を得たという噂はこちらにも届いていましたね。その正体が古代兵器というのは初耳ですが。」
ふえう「古代兵器の力に魅入られた父、つまりは帝国の皇帝ですが、その強引なやり口は侵略と恐怖政治そのものですー。」
モニイ「・・・。」
ふえう「父を討たなければ、この世に地獄がやって来ますー。だから、どうか、私を父と戦う為の反乱軍の所まで送り届けて下さいー。」
モニイ「反乱軍・・・、隣の大陸でそんなのが組織されているという話は聞いていたもにい。」
ふえう「私が組織したのですー。」
モニイ「!?」
ふえう「そして、私はその反乱軍の旗頭として立つ為に帝国を抜け出して来たのですがー・・・。」
エシュネア「成程、連れ戻そうとする帝国の追手によって、王国の海辺に漂着していたという訳ですね。」
ふえう「はいー。だから、どうか、私を反乱軍の所まで送り届けて下さいー。」
モニイ「本当にそれで良いもにい・・・?」
エシュネア「子が父を討つ、そんな残酷な話・・・。」
ふえう「もう決めた事ですー。それに放っておけば、もっと酷い残酷が世に広まりますー。」
エシュネア「モニイさん、如何します・・・?」
モニイ「・・・依頼主には従うもにい。」


その夜、船上でモニイは相変わらず外を眺めていました。
昼間と違って暗いので、海の代わりに月を眺め続けていました。
ふえう「モニイさん。」
モニイ「ん・・・?ふえう?まだ起きていたもにい?子供は寝る時間もにい。」
ふえう「私が自分の正体を隠していた事、やっぱり、怒っていますかー?」
モニイ「う~ん・・・。」
→①そうだな。 ②気にしていない。
モニイ「そうだな、怒っていないと言えば嘘になるもにい。」
ふえう「だったら、もっと私の事を詰(なじ)ったり、船から放り出すなりしたら如何ですー?」
モニイ「そういう事が無かったから気を悪くしてしまったもにい?それとも、昼間の出来事を思い出してやけっぱちになっているもにい?」
ふえう「・・・。」
なでなで。
ふえう「!」
モニイはふえうの頭を撫でました。
モニイ「もう寝るもにい。風が冷えて来たもにい。」
ふえう「もうー!子供扱いしないで下さいー!」
ぷんすかぷんぷん!
ふえうはぷりぷりと怒りながら部屋に戻って行きました。
モニイ「やれやれ、元気な御姫様もにい。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほんの小さな気紛れだったのかも知れないもにい。
兎も角、モニイはふえうの依頼を請け負ったもにい。
でも、それがモニイの人生の中で二度目の大きな転機になろうとは・・・。
モニイ自身も予想していなかったもにい・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そして、お船に乗って一日。
隣の大陸の港町に到着しました。
モニイ「それで、その反乱軍とやらは何処もにい?」
ふえう「おかしいですねー。ここで合流する約束だったのですがー。」
エシュネア「何だか、町が騒がしいですよ。」
モニイ「むむっ!?既に帝国の兵が入り込んでいるようだもにい!」
ふえう「そんな!それじゃあ反乱軍の人達はー!?」
エシュネア「帝国軍が砦を囲んでいますね。ここでの合流が確かならば、おそらくはあそこに立て篭もって戦っているのでしょう。」
モニイ「さて、お嬢ちゃん、如何するもにい?」
ふえう「その子供みたいな呼び方はやめて下さいー。勿論、反乱軍の加勢をしますー!手伝って下さいー!」
モニイ「やれやれ、戦うのはモニイ達なのに、手伝う、かもにい。」
ふえう「私が出れば帝国軍の士気は下がり、反乱軍の士気は上がりますー。ぐちゃぐちゃ文句を垂れるばかりの傭兵よりは役立つのですー。」
モニイ「ははは、良い返事もにい!さ、行くもにい!」
三人は砦に向かいます。


砦の中では無数の帝国兵相手に、戦士風の男と僧侶風の女がたった二人で籠城していました。
ティルミナ「くっそー!もう少しで本隊と合流出来たのに!」
Eselin「もう駄目ですね。」
ティルミナ「嫌だぁ~!死にたくなぁ~い!」
敵大将「ふはははは!諦めろ!貴様等に未来は無い!」
ちゃきっ!ひゅんっ!
既に相手を追い詰めた敵大将。とどめとして、その非情の剣が戦士風の男ティルミナに振り下ろされます。
モニイ「残念ながら未来が無いのは貴様もにい。不意打ちー!」
そこにモニイが突如として現れて不意打ち!
ぐさりーっ!
敵大将「ぐわーーーーー!?」
敵大将は一撃で葬られました。
敵軍「大将がやられたぞ!引け!引けっーーー!」
不意打ちによって大将をやられた敵軍は蜘蛛の子を散らすように撤退しました。


ティルミナ「た、助かったぁ~!」
Eselin「ふえう様!」
ふえう「ティルミナさんにEselinさん、無事で良かったですー。それで他の反乱軍の人達は・・・?」
ティルミナ「ここで合流する予定でしたが、幸か不幸か、雪のせいで移動が遅れ、我々だけが先に到着していたのです。」
Eselin「そこを敵軍に突かれて追い詰められていたのです。」
ふえう「戦力が整っていなかったのは幸いだったかも知れませんねー。下手にぶつかり合って疲弊せずに済みましたしー。」
エシュネア「やれやれ、結果論ですがね。」
ティルミナ「して、そこの二人は何者ですか?」
ふえう「私をここまで送り届けてくれた傭兵さんですー。」
モニイ「さてさて、モニイへの依頼はこれで果たされた筈もにい。約束の20000ルピーを銀行に振り込んでおいてくれもにい。」
ふえう「あの・・・。」
モニイ「ん?」
ふえう「これからも一緒に戦ってくれませんかー?勿論、報酬は出しますしー。」
Eselin「敵大将を一撃で葬った力、我々が欲するものですね。」
ティルミナ「へっ!そんな奴いなくても、俺っちがいれば十分だぜ!」
エシュネア「如何します?モニイさん?」
モニイ「敵は巨大な帝国。そんなん相手にする商売なんてやってらんないもにい。お断りもにい。」
ふえう「・・・そうですかー。無理も言えませんし、ここでお別れですねー。短い間でしたが有難うございましたー。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうして、モニイとエシュネアはその場を後にしたもにい。
正直、もう面倒事は御免だったもにい。
他国に侵攻する帝国と、それを討ち果たさんとする反乱軍。
その反乱軍の旗頭が帝国の御姫様と来たもんだもにい。
とてもじゃあないが直視出来ない出来事もにい。
でも、この時、モニイは心の何処かに引っ掛かるものを感じていたもにい・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「ENCOUNTER」
END...〆(・ω・`)

第三話「再会」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その日の夜もモニイは夢を見たもにい。
それは十年前の輝かしいあの頃の夢もにい。
夢の中のモニイはあの頃のまま、王国の聖騎士としての誇りを持って戦っていたもにい。
何故、今になってこんな夢を見たもにい?
いや、本当は理由を分かっているもにい。
十年経った今ですら、モニイはあの頃の輝かしい日々を想い続けているのだもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ふえう達の反乱軍から離れたモニイとエシュネアの二人はその辺をうろうろしていました。
モニイ「もう少しで次の街に着くもにい。」
エシュ「この大陸では一番大きな街らしいですね。そこなら大口の仕事もあるでしょうし、稼いで行きますか。」
モニイ「しかし、この御時勢もにい。帝国兵討伐の依頼が多そうもにい。」
エシュ「確かに。嫌でも関わる事になりそうですねぇ。」
そんなこんなしていると・・・、
からんっ!
モニイ「ん?何か音がしたもにい。」
エシュ「こ、これは警音機!」
ざざざざざっ!
帝国兵「侵入者発見!ただちに殲滅せよ!」
直ぐ様に号令と共に無数の帝国兵が姿を現しました!
モニイ「ちっ!こんな所にも帝国軍もにい!」
エシュ「やるしかなさそうですね。手裏剣しゅしゅしゅっ!」
しゅしゅしゅっ!
帝国兵「ぐわっ!」
エシュネアの投擲した手裏剣が帝国兵の眉間に刺さったのを合図に開戦です。
わー!わー!どんぱち!どんぱち!
モニイ「よくよく考えたらモニイ達はこの国の人間でも無いのにいきなり襲い掛かられているもにい!」
エシュネア「まったく!面倒な連中ですね!」
帝国軍も大層な数でしたが、基本的にチートな二人ですので、時間と共に押して行きます。
わー!わー!どんぱち!どんぱち!
帝国兵「隊長!奴等バケモノです!撤退しましょう!」
臆病風に吹かれた帝国兵の一人が自陣に戻り、隊長に進言しましたが、
帝国軍隊長「我が部隊をこうも押すとはな。侍の血が騒ぐ。俺が出よう。」
隊長は逆にさも面白いと言った表情を浮かべ、愛刀を携えて戦場へ向かって行きました。
その勇猛さに焚き付けられ、臆病風に吹かれていた帝国兵も趣旨返しを起こし、
帝国兵「隊長御自ら出撃なさるぞ!続けぇーーーっ!」
だだだだだっ!
自陣で温存されていた兵達も続きます。


モニイ「!?」
獰猛な獣を思わせるような鋭さで敵に迫る帝国軍隊長でしたが、相手と対峙した時、その勢いはぴたりと止まりました。
アルカー帝国軍隊長「お、お前はっ・・・!?」
自軍の隊長の只ならぬ異変に帝国兵達も動きを止め、固唾を飲んで様子を窺う事になります。
モニイ「あ、アルカー・・・!?」
エシュネア「アルカー!?もしかして、モニイさんと同期の聖騎士アルカーですか!?」
アルカー「・・・!」
王国統一戦争の後、聖騎士団から離れ、行方不明となっていたアルカー。
モニイはもう生きて会う事は無いだろうと半ば諦めていました。
そんな旧知の友が再び、自分の目の前に現れたのです。
ですが・・・、
モニイ「アルカー!如何してお前が帝国軍の隊長なんてやっているもにい!?」
再会を祝する事も無く、モニイはアルカーを責めるかように問い質します。
アルカー「国に裏切られた事と十年の歳月がそうさせたんだよ。」
モニイ「矢張りそれが理由かもにい・・・。」
そして、アルカーから返って来たのは予想通りの言葉でした。
アルカー「モニイよ。こんな再会になってしまったが如何だ?お前もこっちに来ないか?隊長にしてやる。いや、お前と俺が組めば、もっともっと高みを目指せるぞ。」
モニイ「・・・。」
→①話に乗る。 ②話に乗らない。
モニイ「それも良いかも知れないもにい。」
様々な感情が渦巻いて居ましたが、結局、モニイの選んだ答えはそれでした。
モニイは現在の姿よりも昔の想い出の中のアルカーを信じる事にしたのです。
アルカー「そうか!一緒に俺達を裏切った王国の連中を叩き潰してやろうぜ!」
モニイ「!」
アルカー「召し物を見る限り、苦労して来たみたいだな。こっちは何の心配もいらないぞ。飯も美味い。」
モニイ「・・・それは魅力的もにい。ついでに・・・。」
アルカー「ん?何だ?」
モニイ「そっち側には自分のやってる事に誇りを持ってる奴は居るもにい?」
アルカー「!」
モニイ「アルカー。おめぇは変わっちまったもにい。国に裏切られても、国を裏切り返すような奴じゃなかった筈もにい。」
アルカー「・・・。」
モニイ「何であんな子供の事が気になるか。少し分かった気がするもにい。アルカー。やっぱりモニイはそっち側には行けないもにい。」
アルカー「・・・そうか。ならば、最早口先での語らいはここまで、後はこの剣で語り合おう!」
モニイ「一騎討ちもにい!」


アルカーはモニイとの一騎討ちに臨む為、部下である帝国兵達を全て下がらせようとしたのですが・・・、
がしっ!
アルカー「!」
号令の合図をしようと動かしたその腕を帝国兵に掴まれました。
帝国兵「我々に恥を掻かせないで下さい。心行くまで決着を付けて下さい。」
そう言って、帝国兵達は言われずとも下がって行きました。
アルカー「俺は・・・、あいつの言った通り、自分のやっている事に誇りすら持っていなかった。」
帝国兵「・・・。」
アルカー「帝国に対する忠義では無く、王国に対する憎悪で動いていた。」
帝国兵「それでも、アルカー隊長。どんな事を考えていようと、貴方はこれまで私達を引っ張って来てくれました。」
アルカー「!」
帝国兵「この一騎討ちで貴方の迷いを払って下さい。」
アルカー「すまないな。こんな我儘に付き合わせて。それが出来た時には一緒に酒でも飲もう・・・。」


アルカー「てやっ!」
しゅばっ!
アルカーの素早く重い斬撃。
モニイ「くっ!」
ぎぃんっ!
対するモニイは後ろ腰に構えた刀を引き抜き、受け止めますが、ぎりぎりの所でした。
アルカー「ほぅ?その刀、まだ持っていたんだな。」
ぎりぎりぎりっ・・・!
そう、あれから十年。
モニイもアルカーから貰った刀を駆使して戦う術を身に付けていました。
しかし、それでも刀を己の魂として扱う侍が相手では分が悪いと言えた所にすら届きません。
ぐぐぐっ・・・!
鍔迫り合いで徐々に押されて行くモニイ。
このまま行けば、その先に待つのは間違い無く、死。
モニイ「このっ!」
アルカー「!」
ばっ!ばしゅぅんっ!
モニイは咄嗟に刀を持って居ない方の手からサイキックウェイヴ(小)を放ちました。
ですが、そう来る事を読んでいたアルカーはそれより先に後ろに飛び退いていました。
モニイ「ちぃっ!読まれていたもにい!流石はアルカーもにい!」
どーんっ!
既にかわされた位置に遅れて迸る念動波。
一瞬、互いの視界が遮られる状態となりました。
そして、そのたった一瞬の間隙を突き・・・!
ずぉっ!ずがっ!
モニイ「!?ぐわっ!?」
魔力の迸りの中から現れたアルカーの鋭い突きがモニイの肩に突き刺さりました!
アルカー「くっ!僅かにブレたか・・・!」
敢えて死中に飛び込む事で必殺となる筈だったその突きでしたが、
魔力の迸りの中を掻い潜るという無理が崇り、モニイの心の臓を捉えた筈のそれはモニイの左肩を斬り掠める結果となっていたのです。
アルカー「ふんっ!」
気迫と共に刀を払い、体に絡み付いた念動波を斬り払うアルカー。
それと同時に後ろに飛び退くモニイ。
アルカー「ははは!何だろうな!モニコモニイ!今、俺はこの十年の中で一番充実しているよ!」
モニイ「モニイはこの十年の中では一番嫌な気分もにい。今、死に掛けているしもにい。」
左肩の傷に応急手当を施しながら、モニイは減らず口で応えました。
アルカー「やっぱり俺は侍なんだな!小難しい事なんて如何でも良い!強者と戦う事に充実を感じている!」
一撃一撃繰り出す毎にアルカーはその昔に失った何かを取り戻すような気持ちでした。
モニイ「やれやれもにい!付き合わされる側はたまったもんじゃないもにい!」
それはモニイも同じで、返す言葉は目の前に居る相手が、十年前に自分によく言っていた台詞でした。
不思議と二人は、同時にふんと笑みが零れました。
アルカー「そろそろ楽にしてやる!さらばだ!モニコモニイ!」
そして、アルカーの小細工も無ければ加減も無い、全身全霊の踏み込みと刃の閃きがモニイに襲い掛かります!
それに対してモニイは刃にサイキックウェイヴを迸らせ・・・!
モニイ「でやぁっ!」
ざくぅっ!
アルカー「ぐぅっ!?」
モニイ「・・・!」
モニイの念動力の刃と化したそれは通常の何倍もの長さをもって、彼我の圧倒的な技量差を埋め合わせました。
互いの刃が閃いた後には、紙一重で刃をかわしたモニイと、心の臓に刃の突き刺さったアルカーという結果が残りました。


アルカー「ふふふ・・・、何だか安心しちまったよ。お前は十年前と何も変わってないんだな・・・。」
モニイ「・・・。」
アルカー「俺が十年前に失くしちまったもんを、お前はまだ持ち続けている。良い奴だよ。お前は・・・。」
モニイ「アルカー・・・、モニイは・・・。」
アルカー「この十年が・・・ここに辿り着くまでの日々だったのなら、悪くない・・・死に方だ・・・。」
そして、アルカーは穏やかな表情を浮かべ、そのまま・・・。
モニイ「アルカー・・・!」
モニイはアルカーの体を抱き上げると、強く強く抱き締めました。
エシュネア「モニイさん・・・。あの・・・。」
いたたまれなくなったエシュネアが声を掛けます。
モニイ「・・・すまないもにい。もう少しだけ、このまま二人だけにしておいて欲しいもにい。」
その声も体も震えていました。
その様子を離れた場所から窺っていた帝国兵達が静かに退散して行きました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その日の夜もモニイは夢を見たもにい。
それは十年前の輝かしいあの頃の夢もにい。
ん?この刀、くれるもにい?
モニイはインテリだから肉体労働とか嫌もにい!
痛いもにい!叩くなもにい!侍の魂が如何とか知った事じゃ無いもにい!
やれやれもにい。
そこまで言うなら貰っておいてやるもにい。
アルカー・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その夜、帝国軍のキャンプにて・・・。
こぽこぽこぽっ・・・、きぃんっ・・・!
帝国兵「約束の酒です。貴方はきっと迷いを払われた筈だ・・・。」
一人の帝国兵がアルカーのグラスに酒を注ぎ、乾杯しました。


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「MEET AGAIN」
END...〆(;ω; )

第四話「反乱軍」



ふえうの率いる反乱軍組織は戦力を集め、遂には帝国軍の駐屯区に攻め入り、激しい戦いを繰り広げていました。
わー!わー!どんぱち!どんぱち!
ふえう「この戦いに勝利して私達反乱軍の旗を掲げるのですー!」
ティルミナ「敵を倒して我等の名を挙げれば、志を同じくとした同志が集まる!これはその為の戦いである!俺は後ろからの攻撃に備えて構えてるから、お前らは前に出て思う存分戦って来い!」
Eselin「私も安全な後方からヒールを飛ばすします!皆さん!存分に前で戦って下さい!」
ふえう「・・・。(駄目ですねー。この二人、早く何とかしないとー。)」
しゅんっ!
帝国軍暗殺者「こんな子供を旗頭にして反乱軍とは笑わせる。如何やら帝国の王女らしいが、そんな身の上で何故こんな事をするのやら。」
最後尾で陣を構えていたふえうの所に帝国軍の暗殺者が突如として飛び込んで来ました!
ふえう「!?」
暗殺者「さっさと諦めて降伏してくれると大助かりな訳だが。その様子じゃあ、聞き入れて貰えそうにも無いな。」
ふえう「・・・。」
ゆっくりとにじり寄る暗殺者、近付かれた分だけ距離を取りながら睨み付けるふえう。
暗殺者「やれやれ、それでいて生きたまま捕らえよとの命令だ。面倒臭い事この上無い。」
友達が居なくて話し相手でも探していたのかと思わせる程に口数の多いこの男。
暗殺者「如何だろう?俺を助けると思って降伏して貰えないだろうか。どうせこの戦の勝敗は決まっているしな。」
ぎらりっ!
しかし、そこは矢張り暗殺者。切っ先鋭いナイフを構えて、それより鋭い眼光を放って見せると、軽やかな口先も鋭く刺さるかのようです。
ふえう「くっ・・・!」
ティルミナ「ふえう様!」
そんなこんなしている内にティルミナ達が駆け付けて来ました!
暗殺者「げっ!また面倒臭い事になりそうだな。」
無駄に気さくな暗殺者の長話はティルミナ達を駆け付けさせるに十分でした。
ティルミナ「ここまで辿り着くとは敵ながら天晴れ!しかし、このティルミナ様が来たからには好きにはさせん!」
Eselin「ティルミナさん!私は後ろからヒールで援護します!存分に戦って下さい!」
ティルミナ「ふえう様に良い所を見せるチャンスだぜ!おらー!くらえー!天空×(ぺけ)字剣!」
どひゅーん!
さっ!
暗殺者は軽くかわします。
そして・・・、
暗殺者「アサッシンナイフ!」
ずばばばばーっ!
ティルミナ「ぎょえー!?」
Eselin「ヒール!」
ぴろろーん!
ティルミナ「た、助かった!」
暗殺者「スナイパーナイフ!」
すここここっ!
ティルミナ「ぎょえー!?」
Eselin「ヒール!」
ぴろろーん!
ティルミナ「助かっ(ry」
暗殺者「ポイズンナイ(ry」
べちょりん!
ティルミナ「ぎょ(ry」
Eselin「ヒー(ry」
ぴろろーん!
ティルミナがヒール地獄によって死ねない生き地獄を味わいます。
暗殺者「ぜぇぜぇ・・・!しぶといな、っていうか好い加減そっちのヒーラー、邪魔だな。影縫いナイフ!」
ずきゅんっ!
暗殺者がEselinの影にナイフを突き立てます。
Eselin「か、体が動かない!」
暗殺者「おらー!寝てなー!━━╋⊂(*'ω') 彡 スパッ! (・∀| |.)」
Eselin「ぎゃばらばっ!?」
Eselinは行動不能に陥りました。
暗殺者「さてさて、これでヒーラーも暫くは動けまい。俺も好い加減疲れたからお前を倒して、ワガママ御姫様を躾けさせて貰うぜ。」
ティルミナ「嫌だぁ~っ!死にたくなぁ~いっ!」
暗殺者「死ぬんだよ!━━╋⊂(*'ω') 彡 スパッ! (・∀| |.)」
ティルミナ「ぎゃばらばっ!?」
ティルミナも行動不能に陥りました。
そして、ふえうににじり寄る暗殺者。
ふえう「くっ!こんな所で・・・!」
暗殺者「まぁ、人生そんなもんだ。諦めが肝心だ。」
モニイ「良い心構えもにい。それなら今からけちょんけちょんにされても後悔もなかろうもにい。」
暗殺者「!?」
ずばーーーーーっ!
暗殺者「ぎょえー!?」
突如として現れたモニイの斬撃によって暗殺者は倒れました。


ふえう「モニイさん!?」
モニイ「やぁ、お嬢ちゃん、元気にしてたもにい?」
ふえう「その呼び方、やめて下さいー!」
エシュネア「やれやれ、相変わらずですねぇ。」
ふえう「依頼は受けないのでしょう?何故ここに来たのですかー?」
ふえうはちょっと前のモニイの冷たい言葉を根に持っていました。
モニイ「う~む・・・。」
エシュネア「モニイさんはふえうさんの戦いにお金の如何こうで参加したくないって言ったんですよ。」
ふえう「え・・・?」
エシュネア「モニイさんは人が良いからふえうさんの事が気になってここまでホイホイやって来たんですよ。つまり損得勘定無しでこれから一緒に戦ってくれるとの事です。」
モニイ「・・・。」
エシュネア「あ、私は勿論そんな気は無いのでモニイさんと違ってお金はしっかり頂きますが。」
ふえう「そうなんですか?」
モニイ「む・・・、そうだな。多分、そういう事もにい。」
ふえう「気の無い返事ですねー。」
ふえうはモニイの返答に不満気でしたが、
ふえう「・・・でも、有難うですー。」
ぽつりとそう呟きました。
モニイ「・・・。」
ふえうのその言葉にモニイはそっぽを向いて黙ったままです。
エシュネア「あれ?ひょっとして照れちゃってるんですか?モニイさん?」
モニイ「!・・・やれやれ、齢三十一を数えるモニイがこんなちんちくりんの娘に何を照れるもにい!モニイはお子様の相手なんかしてらんないもにい!あっちでやっこさん共と死のデートして来るもにい!」
だだだだだっ!
そう言ってモニイは帝国軍の溢れる戦場へ向かって行きました。
エシュネア「あれは間違い無く照れ隠し。ああいう人だったんですねぇ。」
ふえう「そうなのですー?」
エシュネア「しっかり手綱を握って上げて下さい。」
ふえう「分かりましたー。」
エシュネア「私達も向かいましょう!」
ふえう「はいー。」
Eselin「あばばばば、待って・・・!へ(゜Д、。)ノ」
ティルミナ「くかかかか・・・!か、体が・・・。へ(゜Д、。)ノ」
ふえう「あ、すっかり忘れてましたー。重症みたいですが大丈夫ですかー?」
Eselin「か、回復を・・・。」
エシュネア「はいはい、ヒール、ヒール。」
Eselin「ふぅ、九死に一生を得た・・・。」
ティルミナ「ふひー、助かったぜぇ・・・。」


わー!わー!どんぱち!どんぱち!
モニイ「サイキックウェイヴもにい!」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

モニイの乱入によって反乱軍の戦いは有利に傾き、ふえう達は当初の目的だった敵の打倒と、同時の反乱軍の旗揚げを果たしました。
帝国の侵攻に反抗心を抱いていた者達は多く、反乱軍が帝国の駐屯区を壊滅させたという実力の証明も相まって多くの志願兵が集まりました。
いよいよ、反乱軍達の本格的な戦いが始まろうとしていました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遂に面倒事に首を突っ込んでしまったもにい。
強大な帝国を相手取って戦うなんて気紛れとしてやるにはあまりにも馬鹿げた事だったもにい。
けれども、何時の間にか吸い寄せられるように其処に居たもにい。
初勝利で士気高まり、息を巻いて見せる反乱軍の連中と酒を酌み交わしながらも、
本当に馬鹿な事をしたものだと思っていたのだけれども、不思議と其処に居る事に嫌な気持ちはしなかったもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「RESISTANCE」
END...〆(・ω・ )

第五話「地獄の門」



それからの反乱軍の反逆ぶりは凄いものでした。
最初の戦いの勝利を切っ掛けに帝国憎しと奮い立つ人々が加わり、
それまでには無関心と構えていた傭兵やバウンティ―ハンター達も良い稼ぎ話として加わり、
その流れはこれまでの帝国の悪辣ぶりとそれに耐え続けて来た分だけ強まり、
大きな流れとなって大陸に入り込んだの帝国兵達を次から次に洗い流します。
反乱軍は既に侵略された土地の八割を取り戻していました。順風満帆です。


Eselin「順調、順調。正直、ここまでの戦果を上げられるとは思いませんでしたよ。」
ティルミナ「なんてったって俺がいるからな!」
エシュネア「でも、町で雇った傭兵100人、先の戦いで全滅しましたねぇ。」
ふえう「最前線に出しましたからねー。」
エシュネア「彼らは傭兵、金で動く人間です。実力はあっても志はない。反乱軍に必要なのはまず大義ですからねぇ。」
Eselin「適度に使い潰しておけば金も払わずに済みますしね。」
モニイ「こ れ は ひ ど い ('ω';)」
明日は我が身やも知れぬ。モニイは背筋が冷えると同時に反乱軍に入った事を尚も後悔し始めます。
エシュネアも金で動く人間でしたが、モニイの相棒という事と、反乱軍の参謀の座を得ていたので疲弊前提の戦いでは決して前に出ず生き延びていました。
というか、この傭兵戦法を思い付いたのはエシュネアでした。お里が知れますね。


そんなこんなで反乱軍は通称<門>と呼ばれる場所に到着しました。
ここは本来は他国の人間の侵入を防ぐ為の国境の壁だったのですが、
帝国に侵略されてからはそっくりそのまま利用されて、更には強力な武装を施され強化された鉄壁の牙城へと変貌していました。
多くの帝国兵がこの門をくぐってやって来る。それは正に地獄の門とも言えるでしょう。
帝国が一度は侵略した土地を八割も奪還されているのにも関わらず、大陸の攻略を諦めないのはこの門の存在に依る所が大きいのです。
そんな門に遂に反乱軍達は挑むのです。


モニイ「こちらの戦力も整っているもにい。そして、ここを攻略すれば全ての帝国軍はこの大陸から居なくなる筈もにい。」
エシュネア「正々堂々の正面突破で攻略するべきですね。反乱軍ここにありと名を響かせる事も出来ます。」
ふえう「というか、地形的に正面からしか行けないんですよねー。」
ティルミナ「俺の力を見せてやるぜ!」
ふえう「おー、元気良いですねー。」
ティルミナ「そりゃあもう、なんたって俺はこの反乱軍のリーダーですからね!俺が元気にしてないと士気に関わりますよ!」
ふえう「じゃあ、今回の配備は問題無しですねー。」
ティルミナ「ん?」
エシュネア「ティルミナさんには士気を高めて貰う為に一番先頭の隊を率いて貰います。」
ティルミナ「( ω)三゚゚」
Eselin「ははは、今まで後ろに逃げ続けて来たツケが回って来たんだね。さようなら、ティルミナ。」
モニイ「あれ?Eselinも一緒の部隊じゃなかったもにい?」
Eselin「ゑ?(゜Д、。)」
ティルミナとEselinは生き残れるのかーーー!?


そんなこんなでいよいよ戦闘開始。
ティルミナ「ちっくしょー!全軍突撃ー!」
Eselin「私は後ろからヒールを・・・うわ!押すなーーー!」
どどどどど!
<戦果を上げた者には特別の報酬>
戦闘前にエシュネアの放った言葉は勝ち戦ばかりで好調の傭兵達の勢いを尚も増させ、それに呑み込まれるティルミナとEselin。
欲望丸出しで我先にと突撃して来る反乱軍の傭兵達。それに対するは帝国軍門番。
敵門番「来たか!帝国に刃向ける愚かな反乱軍よ!このドラゴンを改造して作ったハイパードラゴン<ヨッジー>の力を見せ付けてやる!」
ごごごごご!
それはまるで聳える山に足が生えて歩いて来るような圧倒感と現実味の無さ。
ティルミナ「うわ!?何だありゃ!?」
Eselin「なんて巨大なドラゴン・・・!」
これこそが帝国が大陸攻略を諦めない理由。そして、自信だったのです。
この強大なドラゴンの力をもってすれば、大陸の再攻略も容易であると考えていたのです。
そして、巨大なドラゴンの登場に反乱軍は浮足立ってしまいます。
その様子をふんと鼻で笑いながら門番が叫びます。
門番「ゆけぇ!ヨッジー!ブレスで焼き払え!」
ヨッジー「ごわーーー!」
ぼぼぼぼぼー!
ヨッジーの口から吐き出された火炎はまるで直線のレーザー光線。
周りの大地を削り取りながら直進します。
流石に後方で構えていたモニイ達の部隊にまでは届きませんでしたが、たったの一撃で複数の小隊が焼き払われてしまいました。
ティルミナ「こんなの勝てる訳が無い!俺ぁ、逃げるぜ!」
すたこらっさっさー!
Eselin「あ!ティルミナの野郎!臆病風に吹かれやがった!」
ふえう「撤退して下さいー!」
ふえうのその一言で今まで勝ち続きで意気揚々としていた反乱軍が初めての敗退を喫する事になりました。


モニイ「とんでもないバケモンもにい。」
エシュネア「今回ばかりは肉壁戦法も使えませんねぇ。一瞬で溶けますし。」
ふえう「困りましたねー。」
モブ傭兵A「あんなん勝てる訳ねぇよ。俺は抜けさせて貰うぜ!」
モブ傭兵B「俺もだ。」
ティルミナ「おい!お前等!何を言い出すんだ!諦めてその先に何がある!?」
モブ傭兵C「一番に逃げ出したお前が言うな!」
ティルミナ「!う、うるせぇ!俺は一時退避して奴を倒す算段をだな!」
モブ傭兵D「私の計算によると反乱軍が勝てる確率は0.001%にも満たないですね。」
Eselin「所詮は金で雇われた人間か。この国の出身でも無ければ尚更の事か。」
モブ傭兵E「何とでも言ってくれや。」
モブ傭兵F「あーあ、やっぱ帝国に楯突くなんて無理だったんだよ。」
モブ傭兵G「まぁ、命あっての物種ってな。下手こいて死ぬ前に気付けた分にはラッキーだったと思うぜ。」
モブ傭兵H「違ぇねぇ。」
拠点に逃げ帰った反乱軍は敗退ムードでした。
ふえう「ふぇー。困りましたねー。」
珍しく沈むふえう。
ふえう「・・・。」
今までが上り調子だっただけに、今回の事は堪えたようです。
モニイ「・・・。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とうとう子供の時間も終わりのようだもにい。
夢見がちな子供が現実を突き付けられた、多分、そういう事なんだと思うもにい。
でも、この娘は何も間違っちゃいないんじゃないかもにい?
何か無性に腹立たしいもにい。
娘がその父親を討つなんて覚悟で事に臨んでいるのに、きっと色々なものを対価として払っているのに、
何でそんな願いがこんなにも簡単に打ち砕かれるのだもにい?
腹立たしいもにい。
でも、モニイにはふえうを慰める術が無いもにい。
そんな術を沢山持っていた筈なのにもにい・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


エシュネア「諦めてはいけませんよ!」
どぎゃーん!
モニイ「!?」
静寂を破り割き、ついでに敗退ムードも掻き消してやると言わんばかりのエシュネアの声!
エシュネア「まだ打つ手はあるかと。むしろ今こそがチャンスなのかも知れません。」
モニイ「む?如何いう事もにい?」
エシュネア「あのドラゴン戦車のパワーは確かに圧倒的です。ですが、それ故に見えて来る事もあります。」
モニイ「・・・!成程もにい。あれだけの力があれば大陸の侵略も容易もにい。でも、帝国はそれを今までやらなかったもにい。」
ふえう「詰まる所、それが出来ない理由があるという事ですねー?」
エシュネア「ええ、そうです。強力な分に稼働時間が短いとか、何処か脆い部分があってそれを隠す為の出し惜しみなのかも。」
モニイ「時間が経てば弱点を改善されるかも知れない、だから今がチャンスって訳かもにい。」
ざわざわざわ・・・!
エシュネアの進言によって沸々と湧き上がる希望、戦意。
それまで空間を支配していた暗い霧は少しずつ晴れて行きます。
エシュネア「対ドラゴン戦、初戦はこちらも浮足立ってしまいましたが、それは突然の事ゆえ。」
Eselin「既に敵の手の内は分かった。ともすれば覚悟も出来ている。二度、浮足立つ事は無い!」
エシュネア「次は敵の弱点を探りながら戦いましょう。」
ティルミナ「部隊を分けて散開して様々な方向から仕掛けてみるか!」
それまで黙り込んでいたティルミナやEselinも希望の光に手を伸ばします。
モニイ「・・・。」
空元気で言い放つ様子は暗闇を怖れて光に縋る弱い人間の姿にも見えました。
しかし、モニイはその様子に何かを重ねていました。
そして、それはリアリストの冷気では無く、何者かの熱。


エシュネア「それにあのドラゴンを操る帝国兵は言っていました。<ヨッジ―>と。」
ティルミナ「ふむ?」
エシュネア「あの兵器には名前がある。それなら、どんなに恐ろしい異様を放とうが、所詮はこの世の物という事です。」
すらっ!ちゃきんっ!
エシュネアは剣を抜き構えます。
エシュネア「ならば、剣で斬る事も出来る筈です。」
ひゅひゅんっ!
その剣で十文字に空を斬ります。その切っ先はドラゴンの聳える門の方角。
ふえう「ふぇー。」
ちらりっ!
そして、最後にエシュネアの視線はモニイに送られました。
モニイ「!」
モニイは何時の間にかエシュネアに羨望とも望郷とも言える眼差しを向けていました。
はっと気付いたモニイ。でも、その眼を逸らす事は無く、エシュネアを見据えます。
〆の言葉は屁理屈に限り無く近く、でも、それを言って見せる姿は勇敢で妙に頼もしくもあり、
モニイ「ははは!そう、そうもにい!怖れる事は何も無いもにい!」
遂にモニイも暗闇を払う光の中に飛び込みました。
モニイ「敵は強大、山と聳える竜が待つもにい。されど、それが何するものぞもにい!」
エシュネア「敵の正体、既に知り、尚も向かう我等の団結!正に大海の流れの如し!竜如き一呑み!」
モニイ「我等が向かうは地獄の門もにい!しかし、其(そ)は彼奴等(きゃつら)の屍(かばね)のくぐる門もにい!」
びしぃっ!
壇上に上がった二人が口上と共に妙ちきりんなポーズをキメます!
ふえう「おー!カッコイイですねー!」
反乱軍「「「うおーーーーー!!」」」
反乱軍の反撃が開始されます!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すっかり忘れていたもにい。
この騎士然としたる姿、十年前にモニイが失ってしまったものもにい。
苦しい戦いの時にはこうして皆で励まし合ったものだったもにい。
何の根拠も無いその場凌ぎの夢想で生み出す空元気。
でも、それはきっと、モニイ達が過去に上げた戦果なんかよりもっと価値のあるものだったんだもにい。
有難うもにい。エシュネア。お陰でふえうも元気になったようだもにい。
腐ってしまったモニイには今更の事だけれども、せめて、その隣で騎士の真似事をさせて貰うもにい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「HELL GATE」
END...〆(・ω・ )

第六話「竜退治」



なんかドラゴンを倒す話
○あの男に折られる刀
○過去との繋がりでもある刀を折って見せるそれはまるで過去との決別
○聞こえて来る謎の声


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「DRAGON HUNT」
END...〆(・ω・ )

第七話「帝国にて」



なんか帝国の話
○姫の幸せを考えるならば、帝国側に付けば良い。賢い選択をすれば良い。
○目を閉じて、耳を塞いで、それで生きているとは言えません。
○その思うままの選択が、何だかとても嬉しい。


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「EMPIRE」
END...〆(・ω・ )

第八話「影との戦い」



帝国から脱出し、船を手に入れ、大陸に戻るモニイ達。
モニイ「うっ・・・!」
ふえう「モニイさん?どうしましたー?」
モニイ「脳がーーーっ!脳に虫がーーーっ!モニイの意識を乗っ取るつもりもにいーーーーーっ!」
船の中、突然としてモニイが頭を抱えて叫び出しました。
モニイ「うっ!?」
かと思えば、気絶。
ふえう「モニイさんー?モニイさんー!」
モニイ「・・・。」


ここはモニイの夢の中。
神「モニイ・・・、モニイよ・・・。目覚めるのだ・・・。」
モニイ「矢張り貴様の仕業だったもにい?モニイは今忙しいんだもにい。とっとと夢から覚めるもにい。」
神「待つのだ。約束の力を与える時が来たのだ。」
モニイ「約束なんかしてたもにい?」
神「帝国に挑む勇気を買い、我が汝に力を与えよう。」
モニイ「やれやれ、その話かもにい。アメちゃんでもくれるもにい?」
神「報奨の刃、バウンティブレイド。この力をもってすれば、帝国の操る古代兵器に対抗し得るだろう。」
モニイ「へいへいもにい。そんな便利なもんがあるなら、さっさと出すもにい。出し惜しみしてんじゃねぇもにい。」
神「(^ω^♯)」
神「汝に力を与えん。」
びゅわーっ!
モニイの目の前に不思議な形をした剣が出て来ました。
モニイ「なまくらもにい。」
神「(^ω^♯♯)」
モニイ「ま、くれるって言うなら貰っておくもにい。」
そう言ってモニイがその剣に手を伸ばすと、
ぱしゅんっ!
神「待て。」
剣は弾けて光となって消えてしまいます。
神「その剣の強大な力は世界すらも揺るがす。最後に汝がそれを扱うに相応しい人間かを確かめさせて貰う。」
びかーっ!
ダークモニイ「も゛に゛い゛!」
弾けた光が再び集まり、別の形を取り、それは姿を現しました!
モニイ「こ、こいつは・・・!」
神「こやつは貴様の影・・・。」
モニイ「十年前のモニイと同じ姿をしているもにい!」
神「自らにすら打ち勝てぬ者に剣を操る資格無し。見事討ち果たして見せよ。」
モニイ「・・・!」


対峙するモニイとダークモニイ。
ダークモニイ「ふふふ、モニイは貴様の影もにい。貴様の暗黒面が詰まったダークサイドのキャラもにい。うわぁおれのみぎてがうずくもにいー。」
モニイ「やめるもにい!恥ずかしいもにい!」
自らの姿をして、戯れてみせるダークモニイ。
ダークモニイ「しずまれーしずまるんだーもにいのなかのあくまよーまだそのときではないもにいー。」
モニイ「戯れるなもにい!」
どぎゅーん!
自らの恥部を見せ付けられたような気持ちになったモニイ。苛立ち混じりの念動波をダークモニイに放ちます。
ばちっ!しゅうん・・・!
しかし、十年前の絶頂期の姿をしたダークモニイ。十年後のモニイの衰えた念動波はいとも簡単に掻き消されてしまいます。
ダークモニイ「やれやれ、十年前と何が違うもにい?むしろ弱くなっているもにい。」
モニイ「くっ・・・!」
ダークモニイ「お前はみっともない生き物もにい。十年前、国に裏切られて戦う事から逃げ出したんだもにい。」
モニイ「!」
ダークモニイ「名誉も夢も失って、でも、死に切れなくて、その日暮らしのバウンティハンターとして生き続けて来たヘタレもにい。」
モニイ「違うもにい!モニイは・・・!」
ダークモニイ「ちょっとばかり力があるから、それを頼りに、自分より弱い相手ばかりを倒して賞金稼ぎ。力を振り回して見せ付けるのはさぞ気分が良かった事だろうもにい。」
ダークモニイ「お前は自分を特別だと思っているもにい。確かにちょっとばかりは人と違う力があったかも知れないもにい。けれども、それに溺れて見せる分には性根の腐った最低レベルの人間とも言えるもにい。お前はクズもにい。」
モニイ「ち、違うもにい!」
ダークモニイ「お前はあの時、王国に戻った自分の選択をずっとずっと、後悔して過ごしていたもにい。誇りをくれた国がその誇りを打ち砕いた時、お前には何も残っていなかったもにい。」
ダークモニイ「けれども、それを認めたく無いお前は自分の行いを正当化したもにい。自分のやった事は決して間違っていない、自分の犠牲によって仲間は救われた筈だ。こんな風に考えたもにい。」
ダークモニイ「お前は自分を嫌いながら愛しているもにい。お前が最も醜いと思う人間と全く同じ事をしているもにい。又、それを認めずに自分だけはまともに生きているつもりになっているもにい。」
モニイ「・・・!・・・!・・・!」
ダークモニイ「本当は何一つも満足出来ていないし、その癖、再び後悔を味わいたくは無いからと本当に辿り着きたい場所に向かう事も無かったもにい。戦わなければ負ける事も無い、でも、戦えば自分は勝てる筈。こんな風な事を考えて逃げ続けて来たんだもにい。」
モニイ「違うもにい!違うもにい!」
子供の癇癪にも似た様子でモニイは叫びます。
しかし、それにも御構い無しにダークモニイは淡々と続けます。
ダークモニイ「そんなに落ちぶれても、お前は未だに十年前の夢を見ている。思い出を抱き続けている。そう、女々しく、まるで少女のような心の持ち主もにい。」
ダークモニイ「そんなもんだから、ふえうみたいな少女に気を取られるんじゃあないもにい?」
ダークモニイ「お前がふえうの傍にいる本当の理由、それは・・・。」
モニイ「!?」
ダークモニイ「ふえうを助けたいとか、ふえうの望みを叶えたいとか、そういう崇高な感情で無く・・・。」
ダークモニイ「只々、お前は自らですら自分を認める事の出来ない弱い人間だから、他人に自分の事を認めて欲しいだけなんだもにい!」
モニイ「黙るもにいーーーーーっ!」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__

モニイは持てる力の全てを目の前の影にぶち当てました。
それは自らの恥部を隠す為のようでもあり、過去を払拭する為のようでもあり、
そこには弱々しく怯え続けるモニイの姿がありました。


しかし、そんなモニイの渾身の一撃もダークモニイには通じませんでした。
ダークモニイ「ふふふ、効かないもにい。お前にモニイが倒せる訳が無いんだもにい。」
ダークモニイ「だって、モニイはいつもお前の傍に居て、お前と対峙し続けて来たのだからもにい。」
ダークモニイ「そして、お前は何時もモニイを倒す事は出来なかったもにい。」
モニイ「お、お前は・・・!まさか・・・!」
ダークモニイ「モニイはお前の心そのものもにい。十年前の輝かしい時代を想い続けるお前の。そして、そればかりで後悔し続けるだけの心の弱さそのものもにい。」
モニイ「・・・。」
それを聞いて、モニイはそっと目を閉じました。
ダークモニイ「諦めたもにい?まぁ、それも仕方が無いもにい、そう、仕方が無いで逃げ続けて来たのがお前もにい。」
ダークモニイ「さっきのでパワーも尽きただろうし、このまま生き恥を晒すくらいならば、お前の望む輝かしい時代のモニイがお前を楽にしてやるもにい!」
ごごごごご!
そう言うとダークモニイは全パワーを迸らせ、モニイにぶつけて来ました!
ダークモニイ「サイキックウェイヴもにい!」

         .-ニ ̄ニ-.
       /          \
=二 ̄/   チュドーンッ!  ヽ ̄二=
__从ニニ从――从二ニ从__



しゅう~・・・。
ダークモニイ「むむっ!?」
モニイ「・・・。」
ダークモニイはモニイを倒したつもりでしたが、モニイは全くダメージを受けていませんでした。いえ、むしろ・・・、
モニイ「ふはははは!素晴らしい!素晴らしい力もにい!これがモニイの全盛期のパワーかもにい!」
ダークモニイ「!?」
モニイは溌溂(はつらつ)とすらしているではありませんか!
ダークモニイ「き、貴様!何をしたもにい!?」
モニイ「ふふふ・・・!」
じわじわとにじり寄るモニイ。
ダークモニイ「そ、そこから動くんじゃねぇもにい!近付くなもにい!」
モニイ「モニイは、ダークモニイ、十年前の貴様のパワーを吸収したんだもにい!」
ダークモニイ「吸収だと・・・!?そんな!モニイはそんな力、知らないもにい!」
モニイ「そうもにい。これは今得た力だからもにい。十年前のモニイのお前が知る訳も無いもにい。」
そう言いながら尚もにじり寄るモニイ。
ダークモニイ「ひっ!?来るなもにい!」
ダークモニイはすっかり狼狽して後ずさりを繰り返します。
モニイ「怖がる事は無いもにい。お前と直に話してモニイは色々気付いたもにい。そして、考えも変わったもにい。過去を引きずる事ばかりじゃなくて、過去を受け入れる事をもにい。」
ダークモニイ「・・・。」
モニイ「ダークモニイ。お前の言った事は概ね正しいもにい。モニイはふえうに認めて欲しいとか、こんな自分でも重宝がってくれるとか、そんな程度の感情で動いていたのかも知れないもにい。」
ダークモニイ「・・・。」
モニイ「でも、それで良いんだと思うもにい。好きな娘の為に自分の出来るだけの事をするんだもにい。それが今のモニイにとっての精一杯のささやかな戦いもにい。」
モニイ「剥離した十年前のお前も受け入れて、モニイは再出発するもにい。さぁ、元の一つに戻るもにい。」
ダークモニイ「十年は無駄じゃなかったんだもにい。」
モニイ「モニイは無駄に過ごしただけもにい。でも、周りの気の良い奴等がモニイを動かして変えたんだもにい。」
ぴかーん!
そして光と影は交わり、一つになりました。


モニイ「スーパーモニコモニイ!」
神「なにいってんだこいつ。(゚ω゚ )」
モニイ「今はそういう気分もにい。」
(モニイ的には)格好の良い決めポーズを取っていたら再び神を名乗る者の声が。
神「ともかく、汝の力と覚悟、しかと見届けた。約束通りバウンティブレイドを授けよう。」
モニイ「何処の誰かは知らないけれども、おめぇにも一応感謝するもにい。お陰さんでモニイは自分を見詰め直す機会に恵まれたもにい。」
神「(^ω^ )」
そして、モニイは目覚めました。


モニイ「脳に虫がーーーーーーーーーーっ!」
エシュネア「あ、起きましたね。」
ふえう「(おつむは)大丈夫ですかー?」
モニイが飛び起きるとふえうとエシュネアが直ぐ傍に居ました。
二人とも素っ気無い素振りをしていますが、傍らに居た分、心配してくれていたのだろうとモニイは悟ります。
モニイ「大丈夫もにい!ちょっと夢の中で自分と戦って来たもにい!超強かったけれども、モニイの四十八の殺人技で完封して来たもにい!」
ふえう「自分と戦うですかー?」
エシュネア「自分っていうのは自分であるが故に最大の敵でもありますねぇ。」
モニイ「そうもにい!それに打ち勝ったモニイは強い子もにい!」
ふえう「私はいつも自分と戦ってますよー?」
モニイ「ん?」
ふえう「朝、二度寝したくなる自分、嫌いな野菜を退けようとする自分、何かに付け、面倒がる自分。毎日毎日そんな自分と戦っているんですー。」
モニイ「・・・ふ、ふふっ・・・!そうか、ふふふ・・・!」
エシュネア「如何しました?モニイさん?」
モニイ「成程もにい。モニイはこんな歳の離れた女の子にすら負けていたんだもにい。」
ふえう「何のお話ですー?」
モニイ「秘密もにい。」
ふえう「むぅ~。」
モニイ「さ、大陸も見えて来たもにい、帝国に対抗する為、レジスタンスを再結成するもにい!」
声高らかにそう言ったモニイの手には不思議な形をした剣が強く強く握られていました・・・。


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「SHADOW」
END...〆(・ω・ )

第九話「決戦」



なんか決戦する話
○折られた刀は反乱軍が回収して二本のナイフに打ち直されていた。
○折れて尚、誰かの手で形を変えて、再び鋭さを取り戻した刃。それは今までの旅の象徴にも思えた。
○十年の歳月に決着を付ける時が来る。でも、そんなものは二の次だ。
○彼は駆ける。敵味方の入り混じる戦場を。それこそが本当の姿だった。


BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「DECISIVE BATTLE」
END...〆(・ω・ )

第十話「聖騎士」



なんかラストっぽい話


○頼みの綱の剣は無い。でも、それで良い。
○そんな鉄の塊から降りられない弱い男に負ける筈もない。
○全ては泡沫の夢の如く。
○特別な力を持った主人公が神の加護までを受け、世界を救うという偉業を成す英雄譚では無い。
○一人の弱々しい男が旅を経て、様々な人々に助けられ、それでも足りぬと神にすら助けて貰い、やっと人並みになれただけの物語。
○思い起こせば苦笑い。でも、心は以前より晴れやかだった。

「絶望したか?モニコモニイ。」
「この程度で絶望する訳も無いもにい!そして、この程度を絶望等と評するならば、貴様も随分と弱くなったものもにい!」
「お前のその減らず口を支えているものは何だ?」
「この戦いで出会った多くの人間達もにい!」
「ふん。何を言い出すかと思えば月並みの詰まらん戯言か。他人に依ったお前にはそれが限界だ。既にそれを超越した俺に勝てる筈が無いのだ!」
「逆上せるんじゃあ無いもにい!貴様は人の輪にすら怖れをなした臆病者に過ぎないもにい!」
「人という愚者の輪廻の外側にいるからこそ真実が見えるのだ。下らんレジスタンスに絆(ほだ)されたお前には分からぬ事だろうがな。」
「黙るもにい!あいつらの事を侮辱する事はモニイが許さないもにい!」
「<何かの為に>。そんな言葉で飾って、人は何度過ちを繰り返して来た?お前自身、何度裏切られたと思っている?それで心折れたお前が。」
「うるせぇもにい!人が裏切ってもモニイは人を信じるモニイ自身を裏切らないもにい!」
「そうした独り善がりや、在りもしない幻想に酔っては人は愚かさを繰り返す!それが真理だ!その過ちの連鎖を俺が終わらせてやると言っている!」
「でかい口を叩くなもにい!愚かだろうが間違っていようが、それでも人っていうのは生きて来たんだもにい!」

BOUNTY BLADE THE FIRST
EPISODE 「HOLY KNIGHT」
END...〆(・ω・ )

BOUNTY BLADE THE FIRST
IT ENDED HAPPILY
BUT TO BE CONTINUED
BOUNTY BLADE SAGA
NEXT STORY 「DOUBLE EDGE」...〆(・ω・´)

モニコモニイに対する苦情感想等の受付コーナー

  • … いや 何も言うまい… 言った所で殴られるだけだしな… -- Eselin 2015-04-26 (日) 19:27:49
  • 言わなくても殴る。何故なら、私が殴りたいからです。(*'ω')⊂彡☆))゚ω);、;'.・←Eselin -- モニコモニイ 2015-04-27 (月) 00:42:22