草紙会話17~18

Last-modified: 2015-07-07 (火) 21:35:34

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17

肌のために
白く美しい肌のために
インドラ
 むっ…。
-
 小さな声で呟くと、インドラは天照大神を目で追っていた。
天照大神
 ちょっと、そんなに見つめられると気になるんだけど。
 何か用でもあるの?
インドラ
 あっ、すみません…。
 ええと、その…。
天照大神
 また、プリパスから伝言でも頼まれたの?
 いつもの事なのに、なんで緊張してるのよ。
インドラ
 いえ…、その…。
 改めて天照さんを見ると、肌が綺麗だなと…。
天照大神
 へっ?そ、そうかしら?
 私が綺麗だなんて、今さら言われなくたって知ってるわよ。
-
 自慢げにポーズをとり、
 天照大神はその場でクルリと回ってみせた。
インドラ
 どうすれば、天照さんの様に美しい肌になれるのでしょうか。
天照大神
 美容とかって詳しくないのよね。自分には満足しているし…。
 ああ、でも、詳しいのに言わせると洗顔とか保湿とか
 普段の生活に至るまで、色々あるらしわよ。
インドラ
 というと、天照さんの普段の生活が美容に
 いいのかもしれませんね…。
 その、普段はどんな風に過ごされているんですか?
天照大神
 そうね…。適度な運動と十分な睡眠でしょ…。
 そうそう、たまに温泉に入ったりもしてるわね。
インドラ
 温泉ですか…。
 やはり温泉はいいですか!?
天照大神
 そ、そんなに興味があるのね…。
 どうかしら、こっちじゃ気持ちはいいからみんな入ってるし、
 綺麗になったかと言われると分からないわね。
インドラ
 そうですか…。
 なら、今度、自分で試してみる事にします。
天照大神
 それが一番いいと思うわよ。
 そうそう、美容って訳じゃないけど、日焼けにだけは
 気を付けてるかしら。
インドラ
 日焼けですか?
 天照さんの力を考えると意外ですね。
天照大神
 私も大丈夫だと思ってたんだけど、
 前に焼け過ぎて、痛くて痛くて大変だったの。
 それ以来、日焼けには注意してるのよ。
 
 それにしても、インドラはそう言うのには興味が無いと
 思っていたけど、そうでもないのね。
インドラ
 わ、私だって、女の子ですから…。
天照大神
 可愛らしい所もあるじゃない。
 
インドラ:やはり、適度に籠るのが美容にはいいのですね…。     
天照大神:そうじゃなーい!     
最後の追い込み
徹夜をしてでも仕上げます
白虎
 はぁ、はぁ、ここまでくれば…。
玉藻前
 あれ、白虎じゃない。
 そんなに急いでどうしたの?
白虎
 はっ!!
 玉藻でしたか…。
 
 それが…、って理由を説明しても面倒になる未来しか
 想像できないんですが…。
玉藻前
 その言い方だと、玉藻ちゃんが面倒を起こすみたいじゃない!
白虎
 実際、何時も面倒を起こしてるじゃないですか。
 もしかして、自覚がなかったんですか?
玉藻前
 ひっどーい。
????
 白虎さん…どこですか…。
 急がないと…、落ちて…しまいます…。
白虎
 ま、不味い…。今からじゃ逃げても…。
 ここに隠れるしか。
-
 そう言うと、白虎は服が汚れるのも気にせず
 近くの茂みに逃げ込んだ。
白虎
 玉藻、僕の事は見なかった。
 いいですね?僕の事は見なかった事にしてください。
????
 白虎さんの声が…聞こえます…。
-
 そう言いながら現れたのは…。
玉藻前
 あっれぇ?墨麟じゃない。
 どうしたのよ?
墨麟
 白虎さんが…手伝って…くれる…はずなんです…。
 私の…大切な…作業を…。
玉藻前
 へぇ、白虎が女の子との約束を破るなんて珍しいんじゃない?
 (何をやらせる気なんだろ)
墨麟
 玉藻さん…、白虎さんを…みませんでした…か?
白虎
 (僕はいません、いないんです)
玉藻前
 (この焦り方、きっと面白いわよねぇ)
 白虎なんだけど……。
 ほらっ!ここに居るわよ!
-
 隠れていた白虎に玉藻前が跳びかかり、
 その場にに押さえつける。白虎も必死にもがくが、
 体勢が悪いのか逃げる事ができずにいた。
白虎
 玉藻!離して!離してください!
墨麟
 白虎さん、見つけました…。
 探したせいで…時間がもっと足りなくなりました…。
 絶対に…手伝って…くださいね。
白虎
 それは…、それだけはもう嫌です!
墨麟
 遅くなると…もっと大変…ですよ…。
 それに…約束…してくれましたよね…。
 あの時の…情報と…引きかえって…。
玉藻前
 白虎ったら、必死になっちゃって可愛い~。
 じゃあ、頑張ってねぇ~。
-
 その場を去ろうとした玉藻前の手を
 白虎が必死の形相で掴む。
白虎
 墨麟さん、分かりました…。僕が悪かったです。
 遅れたお詫びとして、絵が上手い人を今、捕まえました!
玉藻前
 えっ!ちょ、ちょっと、何いきなり掴んでるのよ。
墨麟
 玉藻さんって、絵が上手いん…ですか?
 なら、是非…。
-
 白虎が掴んだ手と反対の手を、その体格からは
 想像できない力で墨麟が掴む。
墨麟
 行きましょう…。
玉藻前
 いたっ!誰も行くなんて言ってないし。
 そんな強く引っ張らないでってば。
白虎
 玉藻、諦めて自分の足で歩いた方がいいですよ。
 こうなったら、逃げられませんから…。
墨麟
 これで…落とさずに済みそうです…。
 ニフッ、ニヘ、ニヘヘヘヘヘ。
 
墨麟:これで、完成…です。お疲れ…様…。     
白虎:恐怖の夜が終わりましたね…。     
玉藻前:今回ばかりは、玉藻ちゃんも悪かったかも…。     
風の力で
嬉しい出来事が?
須世理姫
 全く、嫌になるくらい暑いわね。
 これだけじゃ全然涼しくならないわ…。
-
 須世理姫は手に持った扇子で、自分を扇いではいるが
 涼しくないようで、この気温に愚痴をこぼしていた。
須世理姫
 あら?
 「扇ぎ請け負います。1分で誰でも涼しく」
 って、随分と怪しいわね。
鴉天狗
 ガァガァ!
 ガーガーガ!
須世理姫
 鴉天狗じゃないの。
 なるほど、天狗の団扇で扇ぐからってことなのね。
 それなら確かに涼しくなりそうだわ。
鴉天狗
 ガー、ガガガ。
須世理姫
 商売熱心ね。
 なら、試しにやってもらおうかしら。
鴉天狗
 ガァガァ!
 ガガッ?
須世理姫
 ああ、確かにいい風ね…。
 もうちょっと強くして貰っていいかしら?
鴉天狗
 ガーガーガー!
須世理姫
 そうそう、いい感じいい感じ。
 でも、これだけ暑いしもっと強くしてもらってもいいわ。
鴉天狗
 ガガッ!
 ガーガーガガガ?
須世理姫
 ええ、そんなに心配しなくても大丈夫だから、
 強くして頂戴。
-
 鴉天狗は団扇を大きく構えると、力いっぱいに振り下す。
 団扇が生み出した強力な風が須世理姫に向かい、
 着物の裾を大きくまくり上げた…。
須世理姫
 キャーー!!
鴉天狗
 ガッガガッ!
須世理姫
 見た…。
 見た…わね?
 焼き鳥にしてやるううぅぅ!!
鴉天狗
 ガアアアアー!
 
須世理姫:逃げるなぁぁあああ!!     
鴉天狗:ガァッ!ガァッ!ガア、ガー!(見てないです!黒だなんて知りません!)     
毎日が夏休み
素敵な響きです。
申公豹
 老君様、暑いからって毎日だらけすぎです!
 いい加減シャキッとしてください!
太上老君
 申公豹ちゃん、知ってる?
 暑い時期は、夏休みがあるんだよ。
申公豹
 老君様は暑くなくても毎日休んでるじゃないですか…。
 ほら、早く起きてください。
太上老君
 こういう時は逆に考えるべき。
 私がだらけているんじゃなくて、
 申公豹ちゃんが真面目だって。
申公豹
 まったく、なにいってるんですか。
太上老君
 そうだ!申公豹ちゃんも一緒にだらけよう。
-
 太上老君は、だらけていた様子からは
 信じられないような速度で起き上がると、
 申公豹に抱きつき押し倒してしまった。
申公豹
 きゃっ!
太上老君
 申公豹ちゃんいいにおーい。それに柔らかーい。
 でも、暑ーい…。
申公豹
 もうっ!
 二人がくっつけば暑いに決まってるじゃないですか!
 ほら、離してください。
太上老君
 やだー。
 暑いけど申公豹ちゃんと一緒だから、我慢するー。
 
申公豹:ふざけてたら、汗だくじゃないですか。ほら、お風呂に入ってきてください。     
太上老君:申公豹ちゃんも一緒にはいろー。     
ぷにぷに
柔らかくてついつい
蘇妲己
 城隍姫ちゃん、城隍姫ちゃん。
-
 蘇妲己が前を歩く城隍姫に声をかけながら肩を叩く。
城隍姫
 うん、その声は蘇妲己か?
-
 反応して城隍姫が振り返ると…。
 
 ──ぷにん。
蘇妲己
 わーい、城隍姫ちゃん引っかかったぁ。
 ホッペぷにぷにー、柔らかーい。
 もっと触ってもいい?
城隍姫
 ……はっ!
 こ、コラー!
 人の頬を無断で触るのは止めんか!
-
 突然の事にあっけにとられた城隍姫が声をあげるも
 蘇妲己がひるむ様子は一切ない。
蘇妲己
 えー。いいでしょぉ?
 蘇妲己ちゃんのも触っていいからぁ…。
城隍姫
 我に人の頬を触る趣味はないんじゃ!
 もう行くぞ!
-
 城隍姫は蘇妲己から逃げるようにその場を離れたが…。
 自らの長い帯を踏んづけてしまい…。
 
 ──バタン
城隍姫
 むぎゅっ!
 
 ……。
 痛いのじゃ…。
 お主のせいで痛いのじゃ!
蘇妲己
 あ、あのぉ。ごめんね城隍姫ちゃん。
城隍姫
 絶対に許さないのじゃ!
 「1週間、枝毛が増える刑」なのじゃ!
-
 涙目になりながら笏を振り回して抗議する城隍姫。
蘇妲己
 ええ~。
 ぎゅーってしてあげるから許してぇ。
 
城隍姫:わっぷ、圧力で苦しいのじゃ。     
蘇妲己:ごめんねぇ。     
大切な友達
そんな顔されたらね
ナタク
 城隍姫、遊ぼうぜ!
城隍姫
 ナタクか…、今は仕事で忙しいのじゃ。
 悪いが後にしてくれんか?
ナタク
 また仕事なのかよ~。
 たまにはサボってもいいだろー?
城隍姫
 今日の仕事は今日中に終えないと駄目なのじゃ。
 明日に回すと、仕事が増えてしまうからな。
ナタク
 ぶーぶー。
 剣姫も蚩尤と出かけてるんだよなー。
 あーあ、暇だなぁ…。
-
 大声で呟きながら、チラチラと城隍姫に視線を送るナタク。
城隍姫
 駄目じゃ駄目じゃ。
 今は駄目なのじゃ!
ナタク
 なんだよ…。そんな事、言うなよ…。
 分かった、今日はもう帰る。
 じゃあな。
城隍姫
 あっ…。
-
 ……。
 …………。
城隍姫
 ナタク、待つのじゃ!
 もう仕事は終わったのじゃ。
ナタク
 忙しいんだろ…。
 別に無理しなくても…。
城隍姫
 ナタクの方が仕事より大切なのじゃ!
 だから、一緒に遊ぶのじゃ!
ナタク
 お、おう!
 
城隍姫:終わらないのじゃ。仕事が全然終わらないのじゃ!     
ナタク:城隍姫は何してるかなー。     
高天原の人気者
評判が知りたくなって
天照大神
 それで、白虎は何で呼ばれたか分かってるわよね?
白虎
 予想はつきますが、分かりたくありません。
 大方、信仰については分かったから、
 他の人たちが自分をどう思っているか知りたいとかですよね?
天照大神
 なんだ、分かってるじゃない!
 それじゃあ、よろしくね。
白虎
 お断りします。
天照大神
 えっ!?
 行ってくれるんじゃないの?
白虎
 お断りさせて頂きます。
天照大神
 白虎が冷たいって玄武と青龍に相談しちゃおっかな…。
白虎
 天照さん、流石にそれはズルいですよ!
天照大神
 相談するだけよ。
 それもダメっていうの?
白虎
 クッ、僕の天照さんへの評価は『ズルい』でつけておきます。
天照大神
 そう?
 それじゃあ、よろしくね。
-
 ……。
 …………。
白虎
 という訳でして、須佐之男さんと月読さんは
 天照さんのことをどう思っているんでしょう?
須佐之男
 ンッヒッヒ。
 天照も相変わらずだな。
月読
 白虎も巻き込まれて災難でしたね。
白虎
 はい…。
 それで、どうでしょうか?
月読
 私としては、友人を増やしてくれればと。
須佐之男
 それは確かに。
 俺としてはもう少し籠らないでもらいたい。
 アイツが籠るたびに呼ばれるのがな…。
白虎
 なるほど…。
 あれ?天照さんって自分で岩戸を開け閉めしてますよね。
 そんなに力があるんですか?
須佐之男
 ンッヒッヒ。
 天照の力なのか術なのか解らんが、
 あれはかなり重いぞ。
白虎
 そうだったんですね…。
 
 ありがとうございます。
 それでは、他の方々にも聞いてきます。
須佐之男
 まあ、頑張れよ。
月読
 天照には、私からも一言言っておきます。
-
 ……。
 …………。
玉藻前
 また面倒そうな事やってるのね。
白虎
 こういう面倒事を頼みやすい相手が
 限られるという事かと…。
 それで、玉藻は天照さんのことをどう思ってます?
玉藻前
 ここで素直に答えると、玉藻ちゃんらしくないんじゃない?
白虎
 あっ、そういうのはいいです。
 特に無いなら、無回答って書いておきますから。
玉藻前
 それを見た天照に、玉藻ちゃんが絡まれることが解って言ってる
 わよね?
白虎
 さて、なんのことだか?
 では、解答をお願いします。
玉藻前
 白虎も相当よね…。
 天照はノリもいいしからかいやすいから、
 嫌いじゃないかもねー。
白虎
 なんというか、らしい解答ですね。
玉藻前
 ほらほらっ、これで満足でしょ。
 玉藻ちゃんも忙しいんだから、行った行った。
白虎
 はいはい、分かりましたよ。
 玉藻もありがとうございました。
-
 ……。
 …………。
出雲
 それで、何の用なのよ?
 まさか、恋愛相談じゃないでしょうね!
白虎
 僕なら恋愛の悩みは、自分でどうにかしますよ。
出雲
 そう、話しが分かるみたいで何よりね。
 なら、他の用があるっていうの?
白虎
 それが、天照さんのことを皆さんがどう思っているのか聞いてこ
 いという話になりまして…。
出雲
 天照も相変わらずね…。
 そんなどうでもいい事を気にするなんて。
白虎
 そこを何とか、僕のためにお願いします。
出雲
 はぁ…。
 私からはひとつだけね。
 あのバカップルをとっととくっつけろ!
 
 昨日だって別々にきやがって…。
 こっちは聞いてねえっつーの!
白虎
 はっ、はい。ご協力ありがとうございます。
 僕はこれで…。
出雲
 そもそも、何度も話しに来てご利益が無いんだから
 いい加減分かれって…。
 って、白虎、どこ行ったのよ!
-
 ……。
 …………。
白虎
 というアンケートになりました。
天照大神
 ねぇ、これって私への好感度が分かる内容が
 玉藻とウズメくらいで、ほとんどが愚痴じゃないの!
白虎
 玄武や青龍に産土神さん、おつうさんも好意を示してると
 思いますが…。
天照大神
 その4人が嫌う相手がいたら会ってみたいわよ!
白虎
 僕も聞いた事が無いですね…。
天照大神
 これってみんな私がどうでもいいってことじゃない!
 もういいわよ!
 
天照大神:ふんだ!みんなが私の事をどう思ってるかわかったわよ!     
白虎:みんな、天照さんのことを好きだから言うんですよ…。クッ!岩戸って、本当に重いですね…。     
須佐之男:ほら、早く出てこいって。みんな待ってるぞ。くそっ、天照の奴、後ろから押さえてるな!     
月読:友人もきてくれてますよ。天照、もう出て来てください。     
玉藻前:あーあ、結局こうなるんだから。     
出雲:そういう所を直さないのはなんでかしらね。     
(未)新人デビュー?
草紙説明
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 セリフ
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 セリフ
 
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18

(未)消えない
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(未)最短記録
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(未)お礼
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お悩み相談
月読のお悩み相談室
申公豹
 すみません…。突然こんなお話をしてしまって…。
月読
 いえいえ、聞くくらいで宜しければいくらでも構いませんよ。
 悩みを溜め込み続けるのはあまりよくない事ですし。
 
 しかし、からかわれない様にする方法ですか…。
申公豹
 はい…。今より少しだけでいいですからまともに扱ってもらえる
 方法が何かあればと思いまして…。
月読
 そうですね…。方法はあったりもしますが、私は今のままの方が
 良いと思いますよ。
申公豹
 え!?な、なんでですか?
月読
 からかうのは愛情表現の1種とも言われますし。
 とても好かれているからこそ、よくからかわれると思えば今のま
 まで良いと思えるのではないでしょうか?
申公豹
 あ、愛情表現…ですか。
 愛情表現…。
月読
 だいたいそんなものだと思いますよ。
 悩みは解消されましたか?
申公豹
 いえ…別の悩みが増えた気がします…。
 
月読:愛の形も様々です。     
申公豹:これは解決…なのでしょうか…?          
食欲の秋
おいしいものも、ほどほどに。
トウテツ
 ねぇねぇ、秋っておいしいの~?
桃胡
 ちょっと、びっくりしたじゃない!
 突然何よ!
トウテツ
 食欲の秋って言うじゃな~い?
桃胡
 秋になると、色んなものが実ったり、おいしくなったりするから
 、食欲の秋って言うの!うち物知り!
トウテツ
 じゃぁ、おいしいものがいっぱいあるの~?
桃胡
 もっちろん…
 って、あんたさっきから何食べてるのよ!
トウテツ
 もぐもぐもぐ…
 えー?これ、おいしくないよ~?
 そこのお庭に植えてあったの~。
桃胡
 そ、それ…うちが育ててた…
 ダイエット用の仙術薬草じゃない…!
 やっと手に入れたのに…
 
 しかも、あんた太らないから、
 薬草意味ないじゃない! ひどい!
トウテツ
 ごめんね~?
 でも、桃胡ちゃんかわいいから、大丈夫だよ~。
 だから泣かないで~?
 
トウテツ:薬や術に頼っちゃだめだよー?     
桃胡:前にもこんなことがあったじゃない! ひどい!     
必要分
これがないと動けないの?
太上老君
 あ~動けない~…。
 申公豹ちゃん分が足りない~…
 このままじゃ干からびる~……。
蘇妲己
 申公豹ちゃん分ってなぁに~?
太上老君
 私の栄養分、必須です。
蘇妲己
 えぇぇ?
 申公豹ちゃんが栄養?
 おいしい~の?
太上老君
 申公豹ちゃんはおいしい
 申公豹ちゃんはおいしい!
 申公豹ちゃんはマジおいしい!!
蘇妲己
 本当に~?
 蘇妲己ちゃんも味見した~い~!
太上老君
 嫌。
 私の独占だから。
蘇妲己
 え~、ケチ~。
 ちょっとぐらいいいじゃない!
太上老君
 あんたには玉藻や華陽がいるじゃん。
 私には申公豹ちゃんしかいないんです!
 
 あ~…こうしちゃいられない、うずうずしてきた!
 もう、申公豹ちゃんを探しにいこう~!
蘇妲己
 あ~、待って~!
 蘇妲己ちゃんも行くの~。味見~!
申公豹
 …なな、なんでしょう…季節の変わり目だからでしょうか…
 さっきから悪寒がします…しかも…嫌な感じの…
 
太上老君:申公豹ちゃんはマジだから!     
蘇妲己:動けないんじゃないの~?     
静かな月夜
秋の夜長に風情あり。
月読
 うーん。
出雲
 何よ、あなたらしくもない。
月読
 月を見ているのです。
 多くの人はこの月を見て、歌を作ったり、
 お祭りを行ったりしたものですよ。
出雲
 ふーん
月読
 時に月を見ては誰かを想う、不思議なものですね。
出雲
 あー、はいはい。私そういうの苦手。
 まさかあなたからそういう言葉が出てくるとは思わなかったわ。
月読
 ははは。それは失礼しました。
 それでは、私はもう少し月を見ています。
出雲
 はいはい、くだらない事が好きなのね。
月読
 ははは、お手厳しい。
 少しあなたも空を見上げて、落ち着いてみてはどうでしょう?
出雲
 あー、もう、うるわさいわね!
 ほっといてよ!
月読
 そうですか、失礼しました。
 (と、言いつつ、ちょくちょく空を見上げるあなたは、何を思っ
 てるのでしょう?)
 
出雲:こんな月が何よ!     
月読:静かな夜に浮かぶ月を見るのも良いものですよ。     
豹変
女心は…といいますが、こちらはちょっと違うようです。
座敷童子
 きゃっ!!
須世理姫
 ちょ、ちょっと大丈夫?
座敷童子
 痛たたた…なの…
 また転んじゃったの…
須世理姫
 ほら、これ貸してあげるから、
 さっさと拭きなさい。
座敷童子
 ありがとなの…
 今度会った時にちゃんと洗って返すの!
須世理姫
 別にいいのよ。
 それより、ケガとかは大丈夫?
座敷童子
 大丈夫なの!
 お姉さん、月読さんみたいに優しいの!
須世理姫
 へ!?
 …つ…く…よ…み?
座敷童子
 うん!
 この前遊んでくれて、とっても優しかったの!
須世理姫
 きぃぃぃぃ!
 私の前で月読の話はやめて!!
座敷童子
 ひっ!
 お姉さん…急に怖くなったの…
 
須世理姫:月読…あんなに人を苛立たせる男もいないわ。     
座敷童子:お茶…あげるから機嫌直してほしいの…