草紙会話5~6

Last-modified: 2015-07-09 (木) 17:47:39

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5

力持つ者の語らい
久しぶりにカッサパを訪ねたヴァルナ。
ヴァルナ
 フゥーハッハッハ!!!
 翁よ!!久しいな!!!
カッサパ
 フォッフォッ。
 ヴァルナか。
 相変わらず暑苦しいのう。
ヴァルナ
 ハッハッハッ!!!さすが我!!!
 この燃えたぎる心の熱を、
 隠すことができぬというわけか!
カッサパ
 フォッフォッ。
 そうかもしれんのう。
 ところでお主、少し見ぬ間に太ったかの?
ヴァルナ
 ブゥワカな!!!
 我に限ってそのような……。
 しかし、そう言われると……。
カッサパ
 フォッフォッ。
 ほれ、脇腹の辺りなんぞ危なそうじゃのう?
 これはいかんのう?
ヴァルナ
 むむむむぅ!!
 翁がそう言われるのであれば!!!
 そうなのであろう!!!
 
 フゥーハッハッハ!!!見ていろ翁よ!!!
 我にかかれば、戻すことなど容易いことよぉおおおおお!!!
 
 しばし待たれよ翁!!!
 すぐに眩き我が肉体をご覧に入れよう!!!
 
 では失礼する!
 フハハハハ!!!
 フゥーーーーハッハッハ!!!
カッサパ
 フォッフォッ。
 悪いヤツでは無いんじゃがのう。
 
 まあ、はっきり言うとめんどくさいんじゃ。
 
ヴァルナ:フゥーハッハッハ!!!             
カッサパ:フォッフォッ。  
仲睦まじく
いつも初々しい二人の前に、半裸の変態がやってきた。
須佐之男
 クシナダちゃん……、
 今日も可愛いぜ。
奇稲田姫
 そ、そんなっ、
 須佐之男様も、いつも通り素敵……です。
須佐之男
 クシナダちゃん……
奇稲田姫
 須佐之男様……
ヴァルナ
 フゥーハッハッハ!!!
 こそばゆい!!こそばゆいなあ若者よおおおお!!!
須佐之男
 ぬわあっ!!
奇稲田姫
 キャアッ!!!
須佐之男
 な、なんなんだテメエは……。
 ま、まさか奇稲田ちゃんに手を出そうと……。
ヴァルナ
 フゥーハッハッハ!!!
 よいよい。続けるがよぉおおおおい!!!
 
 むつみ合い、新たな命を育むことこそ
 生ある者の努め。
 何も恥じ入ることなどないわあああ!!!
奇稲田姫
 なっ!!
 なななななななにを言ってるんですか貴方は!!!
須佐之男
 そそそそそそうだ!!!
 俺と奇稲田ちゃんはそんな──
ヴァルナ
 フゥーハッハッハ!!!
 邪魔をしたな若者よ!!!
 
 ではさらばだ!!!
 フゥーハッハッハ!!!
須佐之男
 な、なんだったんだ……。
奇稲田姫
 須佐之男様……、
 あの…その…。
須佐之男
 な、なんだい奇稲田ちゃん?
奇稲田姫
 はっ、い、いえ。
 な、なんでもありません!
 忘れてください……。
須佐之男
 そ、そうか…。
奇稲田姫
 ……。
須佐之男
 ……。
 
 (き、きまずい…!!)
 
ヴァルナ:産み育てよ。それがお主らの役割だ。   
須佐之男:奇稲田ちゃんと俺は清い交際をだな──   
奇稲田姫:もう…、須佐之男様のバカ……。  
虎狩り
悪戯狐に目を付けられた白虎の運命は!?
玉藻前
 ねーねー。
 白虎ってさあ可愛い顔してるよねー。
蘇妲己
 うんっ!白虎ちゃん可愛いよね~。
 女の子みた~い♪
白虎
 また唐突ですね貴女たちは…。
 
 まあ、この顔で得をしていることも多いですし、
 否定はしませんが。
玉藻前
 ふ~~ん?
 というか、本当にアンタって男なの?
 ちょっと見せなさいよ。
蘇妲己
 あっ!
 蘇妲己ちゃんも見たい見た~い!
 でも何を見るの~?
白虎
 な、何を言ってるんですか貴女たちは!!
 脳みそが腐ってるんじゃないですか!?
 
 そもそも、こんな往来でする話じゃないでしょう!?
 玄武がいたらどうするんですか!?
玉藻前
 見せればいいじゃん。
 「がおー! 僕が白虎です。」
白虎
 …はあ。
 付き合っていられませんね。
 
 用件はそれだけですか?
 それなら失礼します。
蘇妲己
 あ~~、白虎ちゃん行っちゃった~。
 玉藻ちゃん、どうする~?
玉藻前
 つまんないヤツねえ。
 いいじゃない、減るもんじゃあるまいし。
 
 ……そぉーだっ!
 イイコト思い付いちゃった!
 
白虎:まったく。相変わらずこの人たちは…。
玉藻前:さあって、準備準備っと!
蘇妲己:白虎ちゃん、可愛いよね~♪
人助けの災難
困っている少女を助けた太公望だが……。
趙公明
 う~ん、どこなのだ~。
 どこいったのだ~~。
太公望
 おう、チビっ子!
 何か探し物でもしてるのか?
趙公明
 チビっ子じゃないのだ!
 趙公明なのだ!!
太公望
 わりぃわりぃ。趙公明だな。
 で、どうしたんだ?
趙公明
 丸ちゃんと遊んでたら、お財布を落としちゃったのだ…。
 たぶんこの辺にあると思って……。
太公望
 なるほどなあ。
 一人で探すのはしんどいだろ?
 オレも手伝ってやるよ。
趙公明
 ホントなのか!?
 ありがとうなのだ!!
 1時間後──
太公望
 お~~~い!
 財布を見つけたんだが、公明これか?
趙公明
 これなのだあああ!!
 見つかってよかったのだ!
 ありがとうなのだ!
太公望
 おう、よかったな。
 そんじゃあオレは帰るぜ。
 もう無くすなよ。
趙公明
 待つのだ!
 お財布を見つけてくれたお礼なのだ。
 一割あげるのだっ!
太公望
 いやいやいや。
 さすがにお前みたいな子供からは
 受け取れねえって……。
趙公明
 公明は子供じゃないのだ!偉いのだ!
 いいから受け取るのだ!!
太公望
 わかったわかった。
 そんじゃありがたくいただくよ。
 じゃ、またな。
趙公明
 バイバイなのだ!
 ホントに助かったのだ~!!
 数日後──
太公望
 はあ……。
 財布は無くすわ、駆けにはとことん負けるわ、
 ここ数日は最悪だな……。
 
 魚の食い付きも悪いし、一体なんなんだ…。
 四不像の呪いとかじゃねえよな……。
 
趙公明:う~~~ん。どこ~~、どこにいったのだ~~  
太公望:いったい何だってんだ……
青龍悩む
青龍の悩みを聞く白虎。
青龍
 う~~ん、う~~~~ん。
白虎
 どうしたんですか青龍。
 そんなにうなって。
青龍
 白虎兄ちゃん?
 いや、玄武とちょっと喧嘩しちゃってさあ。
 どうやって謝ろうかなあって。
白虎
 なるほど。
 いったいどういう経緯でそんなことに?
 玄武が喧嘩するということ自体が珍しいですが。
青龍
 あ~~、喧嘩っていうか、
 オレが一方的にっていうか…。
 からかってたら泣いちゃってさあ……。
 
 悪いのはオレだし、
 どうやって謝ろうかなあって。
白虎
 まったく……。
 何をやっているんですか貴方は。
 
 悪いと思っているなら、素直に謝ってきなさい。
 玄武ならそれで許してくれますよ。
青龍
 それは解ってるだけどさあ……。
 どんな顔して行けばいいのか……。
白虎
 こういうものは、時間を置けば置くほど
 言いづらくなるものですよ。
 
 そんなに言いづらいのであれば、
 玄武の好物でも持っていけばどうです?
 それで話しに花が咲くかもしれないですよ?
青龍
 いいなそれ!
 さすが白虎兄ちゃん!!
 オレ、ちょっと行ってくるぜ!!
白虎
 はいはい。
 ちゃんと謝るんですよ。
 それと、暗くなる前に帰ってくるように。
青龍
 わかってるって!
 じゃ、行ってきま~す!!
白虎
 ……やれやれ。現金なものですね。
 まあ、子供らしいといえばらしいですが……。
青龍
 白虎兄ちゃ~~ん!!
白虎
 おや、どうしたんですか?
 忘れ物でも?
青龍
 オレ、全然お金持ってなかった!!
 白虎兄ちゃん貸してくんない?
白虎
 はあ…。
 まったく……、しょうがないですね。
 
青龍:マズいなあ。どうしようかなあ……。     
白虎:手のかかる子ほど可愛いとはよく言ったものですね。  
最高の仲間
趙公明と丸珠虎の出会い。
 それはとある山村──
趙公明
 ふ~、疲れたのだ~~~
 ちょうどいいところに村があって助かったのだ。
 
 せっかくだから、
 ご飯まで村をみて回るのだ!
 
 何か面白そうなことは──
 って、わあっ!可愛い猫ちゃんなのだ!
 可愛いのだ~~~!!
丸珠虎
 ぬあ?
 な、なんだテメーは!
趙公明
 私は趙公明なのだっ!
 ねえ猫ちゃん、一緒にお出掛けしよっ?
丸珠虎
 おい、俺様を誰だと思ってる?!丸珠虎様だっ!
 しかも猫じゃねーよ虎だよ。俺様に惚れちまったか?
 だが、俺様はココの頭だからな。行かれねーよ。
趙公明
 丸珠虎様?なら、丸ちゃんで決まりっ!
 丸ちゃん可愛いから気に入ったのだっ!
 それにね?そのお腹……絶対触りたいのだ!
丸珠虎
 なん……だとっ!?俺様のお腹が触りたいだと?
 おいっ、近づくんじゃねー!!
 やめろ、俺様の腹をさわ……ニャアア~
趙公明
 はい!
 趙公明と一緒にお出掛けしよっ!決まりなのだっ!
丸珠虎
 おい待て!
 わかったから尻尾を引っ張るな!
 待て!待てって言って…ニャアアアアア!!
 
趙公明:可愛い猫ちゃんなのだ~~!!           
丸珠虎:猫じゃねーよ虎だよ!!
二人の日常
太上老君と申公豹。いつもの光景。
太上老君
 だるい~、ねむい~、何もしたくない~
申公豹
 老君様!またごろごろして!
 もうお昼なんですから、いい加減に起きてください!
太上老君
 う~~~ん、あともう1時間だけ…
申公豹
 ダメです!!
 そう言って、いつもず~っとごろごろしてるじゃないですか!
 
 お布団も干さないといけないんですから、
 早く起きてください!!
太上老君
 じゃあこうしよう。
 申公豹ちゃんがチューしてくれたら起きる。
 むしろ起きざるをえない。
申公豹
 なななな、何を言ってるんですか!
 なんで私がそんなことを……!!
太上老君
 チューしてくれないと起きないも~ん。
 布団を干したいんでしょ?
 さあ!!
申公豹
 …布団を干せなくて困るのは老君様なので別に……。
太上老君
 マジすかそれは盲点だった……
申公豹
 はあ…。
 このまま起きなければお昼も抜きですね。
 寂しいですが、私一人で食べましょう。
太上老君
 ままま待って!
 起きる!起きます!!
 
 申公豹ちゃんに、
 そんな寂しい思いをさせるわけにはいかないでしょ!
申公豹
 もう…、やっと起きてくれましたね。
 何か食べたい物はありますか?
太上老君
 申公豹ちゃんを食べたいです!!!
申公豹
 なに言ってるんですかあああ!!!
 
申公豹:酷い日常ですね……。
太上老君:老君家の日常です。               
御三家楽屋裏
天照が抑えきれない胸の内を明かす。
太上老君
 やっほー。
 天照からお呼びがかかるなんて珍しいね。
シヴァ
 シヴァもいるよ~~!
 今日はみんなで何を壊すの?
天照大神
 二人ともよく来てくれたわね。
 シヴァ、ちなみに今日は何も壊さないわよ?
シヴァ
 え~~~!!!
 そんなのつまんないーーーー!!
 何か壊そうよ~~!!
天照大神
 いいからまずは話を聞きなさい。
 今日集まってもらったのは他でもない、
 私の扱いについてよ。
太上老君
 なにそれ。
天照大神
 なにそれじゃないわよ!!
 最初こそメインの扱いを受けていたけれど、
 今の状況は何よ!?
 
 広告バナーからも消えて、
 某所では老君と入れ替えられて、
 立ち絵すら無いのよ!?
太上老君
 まあそれは大人の事情があるんじゃない?
 クリック数とか。
天照大神
 何よそれ!知らないわよ!!
 なんであなたばっかり扱いが大きいのよ!?
太上老君
 一番人気だから?
シヴァ
 太上老君は一番なの?
 シヴァはシヴァは?
太上老君
 よくわからないけど、
 結構人気はあるんじゃない?
シヴァ
 へえ~、そうなんだ!
 ところで人気って何?
 壊していい物なの?
太上老君
 いや人気を壊しちゃダメでしょ……
 
 まあほら、何かあるんじゃない?
 「天照覚醒…、彼女の岩戸が遂に開かれる!!」
 みたいな強化イベントとか。
天照大神
 そ、そうかしら?
 というかいいわねそれ。
 気にいったわ。
太上老君
 まあ無いと思うけど。
天照大神
 むかああああ!!!
 もういいわよ!
 そうやって二人して私を笑ってればいいじゃない!!
 
 もう岩戸から二度と出てこないんだから!!
 引きとめても無駄なんだから!!
 
 ひ、引きとめても無駄だからね!
太上老君
 (うわ、めんどくさ。引き止めて欲しいんだろうなあ…。
 はあ…、しょうがない。)
 
 うん、わかった。
 じゃあ私も疲れたし帰る。
 じゃあね。
シヴァ
 太上老君は帰っちゃうの?
 何も壊さないならシヴァも帰るね~~。
天照大神
 え、ちょっと!?
 あれ?ね、ねえ待ちなさいよ!
 
 この私が頼んでるのよ?
 待つのが普通でしょう?
 ちょっと、本当に帰るの?
 
 ……
 
 待ってってばああああ!!!!
 
天照大神:いったいどういうことよ!!
太上老君:そんなこと言われましても……。
シヴァ:シヴァだよ! 今日はみんなで何を壊すの? 

6

月読の技術
須世理に絡まれた月読だが…。
須世理姫
 月読!
 私と勝負しなさい!!
 今日こそは貴方に勝ってみせるわ!!
月読
 須世理、また貴女ですか。
 こりない人ですね。
須世理姫
 うるさいわね。
 今まで受けた屈辱、何倍にもして返してあげるわ!
月読
 やれやれ。そんな顔をしては、
 せっかくの奇麗な顔が台無しですよ?
須世理姫
 はんっ!
 そんなことで私が引くとでも?
 ウブな女じゃあるまいし、舐めないで欲しいわね。
月読
 とんでもない。
 貴女は本当に魅力的な女性ですよ。
 
 貴女が何度もこうして会いに来てくれるのは、
 もしや私を好いてくれているのでは…、
 と思ってしまうほどには。
須世理姫
 はあっ!?
 そんなわけないでしょう!?
 自意識過剰も大概にしなさいよ。
月読
 それは失礼しました。
 ですが、それもいたしかたなきこと。
 
 私も男です。こう何度も足しげく通われては、勘違いするなとい
 うほうが無理な話でしょう。貴女は、それほど魅力的ですから。
須世理姫
 …貴方、頭でも打ったの?
 前からおかしな奴だとは思っていたけど、
 今日は輪をかけて酷いわね。
月読
 貴女の美しさがそうさせるのでしょう。
 私がおかしいというのであれば、
 それ以外にはありえません。
須世理姫
 はあ…。興が冷めたわ。
 今日のところは引いてあげるけど、
 次に会うときは覚悟しておくことね。
月読
 行ってしまわれるのですか?
 それは残念です。
須世理姫
 もういいわよそんな小芝居。
 はいじゃあね。
 
 …ふん、どうせ他の女にも
 同じような言葉を吐いてるくせに……。
月読
 ……
 
 さて、次はどうかわしたものでしょう……?
 
月読:彼女には困ったものです。   
須世理姫:月読…、本っ当に気にくわない男だわ。      
天然の破壊力
悪戯の標的が白虎になった理由とは…?
可憐 白虎
 まだ他にも被害者がいるのであれば、僕だって少しは我慢します
 けど…何で、何で僕だけなんですか!
蘇妲己
 だってだって、白虎ちゃん以外に似合いそうな人いないんだもん
 。
可憐 白虎
 僕以外にもいるでしょう!
蘇妲己
 ええ~?
 でもでも、須佐ちゃんがそういう服着ても似合わないと思うよ?
可憐 白虎
 何でそこで須佐之男を出すんですか、貴女は…。
蘇妲己
 だめなの? ならヴァルナちゃん? 名前は可愛いけど…。
可憐 白虎
 ……。
蘇妲己
 太公望ちゃんもあんまり似合わなさそうだし…。
 カッサパおじいちゃんも…。
 やっぱり、可愛くて似合うのは白虎ちゃんだけだよ?
可憐 白虎
 名を挙げられないことに同情するべきなのか、それとも被害に合
 いそうにないことを恨むべきなのか…。
蘇妲己
 え? え? 他にだれかいた?
 …あっ、思い出した!
 
 渾沌ちゃんだ! でも、渾沌ちゃんって男の子? 女の子?
 ねえねえ白虎ちゃん、どっち~?
可憐 白虎
 はぁ…。僕だって知りませんよ。
 
可憐 白虎:何で僕だけが…。   
蘇妲己:だって可愛いんだもん~。              
続く受難
女装だけでは終らない。
百花仙子
 だから殿方は、信じられません…!
どこからどう見ても女の子じゃないですか!!
可憐 白虎
 僕は男です! もう放っておいてくださいよ…。
百花仙子
 こんな可愛らしい方を放っておくことなんてできません!
…ああ、でも殿方なのですよね…。
百花仙子
 そうだ! この機に女の子になりませんか!?
可憐 白虎
 さも名案かのように言わないでください!
脳みそ腐ってるんじゃないですか!?
百花仙子
 ふふ、ある意味では腐ってるかもしれませんね。
さあさあ、女の子になって、花園を作りましょう?
可憐 白虎
 なりませんし作りません! 何なんですか貴女は!?
百花仙子
 あらあら、私としたことが。名乗っていませんでした?
可憐 白虎
 そういうことではなく…!
ああもう、非常に不本意ではありますが…っ。
百花仙子
 逃げ出すだなんて…。
ふふふ、萌えますわ♪ 絶対、女の子にしてあげます!
 
百花仙子:わぁ…すっごくかわいいです!
可憐 白虎:全っ然、嬉しくないです!
不運はどちら?
タイミングが悪いと、お互いに…。
パルヴァ
 あの、シヴァ!
シヴァ
 あー、パルヴァだ! ねーねー、一緒に遊ぼうよ!
パルヴァ
 遊ぶのは良いんですけど…その、シヴァ。
シヴァ
 どうしたの?
パルヴァ
 え、ええと…あの、その…。パ、パルヴァと、一緒に…。
シヴァ
 一緒に? …あっ、ガネシュだ! ガネシュも一緒に遊ぼー!
パルヴァ
 ……。
ガネシュ
 エ……エエ、ト…。
 (ナンダカ、パルヴァ、コワイ。マズイタイミング、ダッタカ…
 ?)
パルヴァ
 なんでいつも、邪魔が入るの…!
シヴァ
 ? パルヴァ、何か言った?
パルヴァ
 ! な、何も、言ってない、です。
 ……シヴァは、ガネシュも一緒の方が楽しいんですか?
シヴァ
 うん! みんなで一緒に遊んだ方が楽しいよ!
パルヴァ
 そう、ですか…。
ガネシュ
 ソノ…パルヴァ、スマナイ。
 コンドハ、ジャマシナイヨウ、チュウイスル。
パルヴァ
 ……シヴァが楽しいなら、我慢します。
 だけど、次に邪魔したら、絶対に許しません…!
シヴァ
 二人とも、なに話してるのー? 早く遊ぼうよー!
 
パルヴァ:また、邪魔が入る…!   
シヴァ:みんなで遊ぼー!    
ガネシュ:ジャマスルツモリハ、ナカッタ…。         
不憫な子
好きじゃないと言いつつ、パルヴァの前に現れるカーリー。
パルヴァ
 また、カーリー…!
カーリー
 シヴァのところに行くつもりだったんだろう?
 残念だったなぁ。アタシに見つかっちまって。
パルヴァ
 っ、どうしていつもいつも、パルヴァの邪魔するの!?
カーリー
 そりゃあ、アタシが楽しいからに決まってるだろう?
パルヴァ
 パルヴァは全っ然、楽しくない…!どこかへ、行って…!
カーリー
 なんでアタシがどこかに行かなきゃいけねぇんだ。パルヴァが道
 を変えりゃあ良いだろ。
パルヴァ
 きらいきらいきらい、カーリーなんて…!
 絶対に、シヴァは渡さないんだから…!!
カーリー
 ……。
 
 …クハハッ、良いねえ。シヴァの前じゃ大人しくて、他の奴等に
 対しては興味すら抱かない癖にさあ。
 
 このアタシにだけ、嫌悪むき出しにして、思いっきりつっかかっ
 てくるんだ。
 
 まだまだ、アタシを楽しませてもらわないと。
 なぁ…パルヴァ。
 
パルヴァ:カーリーなんて、だいっきらい…!         
カーリー:ハハッ楽しいねえ!       
ライバルと主と
インドラを見つけ、いつものように勝負を挑むが…。
ヴィシュヌ
 見つけたぞインドラ! 今日こそ俺が勝つ!
インドラ
 また貴女ですか。わたくしは忙しいのです。
 邪魔をしないでください。
ヴィシュヌ
 忙しいっていったって、どうせプリパスの修行計画が
 狂ってないか見回るだけだろ。
インドラ
 プリパス様の命は、わたくしにとって何よりも優先すべきこと。
 貴女との勝負をしている暇はありません。
ヴィシュヌ
 だーもー、相変わらず頭固いな!
 こうなったら問答無用だ!
インドラ
 ですから、邪魔をしないでくださいと言っているのです…!
ヴィシュヌ
 へへっ、甘…って、どぅわああああ!?
プリパス
 …あら、綺麗にあしらったわね。
 流石はインドラ、と言ったところかしら。
インドラ
 !! プリパス様…み、見ておられたのですか?
 申し訳ございません、まだ見回りが終わっていないのです…。
プリパス
 構わないわ。貴女の良い動きが見られたもの。
インドラ
 そんな、わたくしなどまだまだです。
プリパス
 謙遜しなくても良いわ。貴女は私の自慢の部下。
 今後も期待しているわよ。
インドラ
 はい…!
 
ヴィシュヌ:勝つまで諦めねーからな!
インドラ:わたくしは忙しいと、何度も言っているのですが…。 
プリパス:良いタイミングで通り掛かったようね。
旅行会議
どこかへ観光に行こうと思った窮奇は、渾沌に問う。
窮奇
 渾沌や、どこへ行けば面白いものを見られると思う?
渾沌
 またどこかへ観光しに行きたくなったんですか?
窮奇
 そうじゃ。だが、どこへ行こうか迷っておってのう。
渾沌
 前回は確か、随分と南の方へ行ったんでしたっけ。
窮奇
 うむ。見慣れぬものが多く、中々に面白かったぞ。
渾沌
 なら、今度は北の方に行ってみては?
窮奇
 しかし、この時期に北へ行くというのものう…。
渾沌
 あ、冬が終わったばかりでしたね。
 では東に行っては?
窮奇
 その理由は?
渾沌
 適当に言いました。
窮奇
 カカッ、お主らしいのぅ。
 しかし行き先を迷っておったところじゃ。
 なれば次はお主の言うとおり、東に行くとしよう。
渾沌
 お土産、期待してます。
窮奇
 共に行くと言わぬのがまた、お主らしい。
 行き先を決めてもろうた礼に、何か見繕うとするかの。
渾沌
 食べ物はやめてくださいね。
 トウテツ姉さんが嗅ぎつけますから。
窮奇
 カカッ、案ずるでない。
 トウテツのことは、わらわもよぉく知っておるからのう。
 
窮奇:もはやこれは衝動じゃな。
渾沌:お土産、楽しみです。
夜明け前
あの人に逃げられたところへ通り掛かったのは。
四不像
 またどこかへ…っ、
 太公望様の、ばかああああっ!!
月読
 おや、どうされました?
四不像
 あ、いえ、すみません。
 お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ございません。
月読
 いえいえ、構いませんよ。
 このような時に通り掛かったのも、一つの縁。
 私で宜しければ、愚痴くらいは聞きましょう。
 
 事情を存じてはいませんが、だからこそ、
 溜めて込んでしまったものを吐き出しやすいと思いますし。
四不像
 そう、ですね…。
 ではお言葉に甘えさせていただきます。
──
 ───1時間経過───
四不像
 ──というわけで、
 あのように叫ばずにはいられなくて…。
月読
 そうでしたか。…貴方の話を聞く限りでは、
 最初から避けられていた、というわけではないのですね。
四不像
 はい…。
 ですが何故急にそのような態度を取られるようになったのか、
 原因が分からなくて…。
 
 …私は、あの方に嫌われてしまったのでしょうか。
月読
 私は憶測でしか事を言えませんが。
 その方にも何か考えていることがあって、
 そのように行動しているのではないでしょうか?
四不像
 考えている、こと…。
月読
 流石に何を考え、そのように行動しているのかまでは、
 分かりませんが。ですが…少なくとも、その方が貴女を
 嫌いになった訳ではないと思いますよ。
四不像
 だと、良いのですが……。
 でも、何かあるのならば、どうして話して下さらないのでしょう
 …。
月読
 …月が出ていようと出ていなかろうと、
 関係なく、夜は明けるものです。
 
 まだ時期ではないが故の行動であるならば、
 どのような晩でも必ず夜明けが来るように、
 その方が貴女と向き合う時も、来ると思いますよ。
四不像
 そう、ですね。…私も、そう思いたいです。
 
 ……なんだか少し、楽になった気がします。
 話を聞いて下さって、ありがとうございました。
 
 では、これで失礼します。
月読
 ……彼女の夜明けは、まだ先になるのでしょうかね?
太公望
 …………当分は、な。
 
四不像:何故いつもいつも私をから逃げるのですか…! 
月読:何かを考えているが故、の気がしますが。
太公望:……。