草紙会話9~10

Last-modified: 2015-07-07 (火) 21:32:59

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9

憧憬
綺麗な人に憧れる。いつかは自分も、と願って。
白嫦娥
 綺麗なお召し物ね。
端午 玄武
 ふぇっ!? び、びっくりしました…。
 あ、ありがとです。
白嫦娥
 ふふ、反応も可愛らしいわ。
端午 玄武
 そんなこと…!!
 お姉ちゃんは、とても綺麗です!
白嫦娥
 ありがとう。でも当然ね。
 日頃から外見には気を使っているもの。
端午 玄武
 ほぇ~…。
 綺麗になるには、努力が必要なんですね!
白嫦娥
 えぇ、そうよ。
端午 玄武
 玄武も頑張ったら、綺麗になれるのかなぁ…。
白嫦娥
 きっと、ね。
 せっかくだから、色々と教えてあげましょうか?
端午 玄武
 はい!
 …あ、そういえばお姉ちゃんの名前、聞いてなかったです。
白嫦娥
 白嫦娥、よ。
 嫦娥だと紛らわしいから、略さないで呼んでくれると嬉しいわ。
端午 玄武
 白嫦娥お姉ちゃん、ですね。覚えました!
白嫦娥
 ふふ、可愛いわね。
 それじゃあ、あちらに行きましょうか。
 道具も色々と見せてあげるわ。
 
白嫦娥:ふふふ、可愛い子だこと。
端午 玄武:玄武もいつか、綺麗になりたいです…。      
意外と…
着崩れているからこそ分かったこと。
端午 玄武
 むぅ…綺麗だけど、すぐに崩れちゃうです…。
 玄武が悪いのかなぁ…。
刑天剣姫
 わ、綺麗な着物!
 だけど動きづらそー。
端午 玄武
 あ、剣姫ちゃん。
 うん、直ぐに崩れちゃうから、ちょっと動きずらいです…。
刑天剣姫
 あたいそういうの絶対ムリー!
 動きづらいのとかヤダ! 勝負に負けちゃいそうだもん!
端午 玄武
 剣姫ちゃん、勝負好きだもんね…。
刑天剣姫
 そ!
 …それにしてもさぁ。
端午 玄武
 な、何ですか? 突然じっと見て…。
 
 あ! しょ、勝負はしないですよ!?
 これ以上崩れたら、脱げちゃう…!
刑天剣姫
 勝負は挑まないよー!
 ただ、結構着痩せしてたんだって思っただけ!
端午 玄武
 え?え?
 玄武、太ってるです?
刑天剣姫
 ちーがーうー!
 いいもんいいもん。あたいもいつか、
 蚩尤お姉ちゃんくらいにはなるもんね!!
端午 玄武
 ……?
 
端午 玄武:なんの事、だろう…?   
刑天剣姫:う~…あたいだって、そのうち…!       
屋根より高い
その風物詩は、蓬莱では馴染みがない様子。
申公豹
 あれ、ナタクさん。
 大きな布引き摺ってますけど、それなんですか?
 模様、みたいなのが描かれてますけど…。
ナタク
 これ? 鯉のぼりだってさ。
申公豹
 ……こい、のぼり?
ナタク
 おう! 前に喧嘩した高天原の奴が、
 あっちじゃ鯉のぼりってのを端午の節句に飾るって言っててさ。
 みたい!くれ!って言ってたら、くれた。
申公豹
 (凄い勢いでせがむナタクさんの姿が見える気が…)
ナタク
 飾るのは風をよくうける、高いところが良いってんだってさ。
申公豹
 あ、だからそれを持って歩いてたんですね。
 飾る場所を探して。
ナタク
 そうだぞ!
申公豹
 私、それを飾ったところ見てみたいです。
 ご一緒してもいいですか?
ナタク
 いいぞー!
 あ、ならついでに、そっちの尻尾の方持ってくれよ!
申公豹
 こっち、ですね。わかりました!
 
申公豹:なんだか楽しみです!
ナタク:良い場所ないかなー。           
勝利の方程式
強者が持つ秘密にガネシュが迫る!
ヴィシュヌ
 くっそー、何で勝てねーんだよ!
 いやっ! 次こそは絶対に勝つ!
ガネシュ
 フフフ、ミテイタゾ。
ヴィシュヌ
 誰だっ!
 ってガネシュか。
 
 インドラに負けたのを見られちまったか。
 まあ、次は勝つから期待しててくれよな。
ガネシュ
 イマノママジャ、ダメダ。
 タリナイモノ、アル!
ヴィシュヌ
 何だと! 今のままじゃ俺が勝てないってのか!?
 そこまで言うなら、何が足りないか聞かせてもらうぜ。
ガネシュ
 ワタシト、ヴィシュヌニナイモノ。
 デモ、インドラニアルモノ。
──
 そう言いながら、ガネシュは自分の胸を撫でる。
ヴィシュヌ
 ま、まさか……!
──
 ヴィシュヌもガネシュの発言と行動につられ、
 知らず知らずのうちに慎ましやかな己の胸に手を当てる。
ガネシュ
 ソウ……、ムネ、タリナイ!
 ツヨイヤツ、ミンナ、ムネアル!
ヴィシュヌ
 お、おおっ!
 確かにインドラもプリパスも胸が……。
ガネシュ
 ダカラ、ギュウニュウ、ノム!
 スタイルイイ、ツヨイアカシ。
ヴィシュヌ
 そうか、勝利のカギは牛乳にあったんだな。
 待ってろよインドラ、次こそは思い知らせてやるぜ!
 
 ……って、待てよ。
 シヴァはどういう扱いになるんだ?
ガネシュ
 ……シヴァ、トクベツ。
 シカタナイ……。
 
ヴィシュヌ:どうすれば勝てるんだ……。
ガネシュ:スゴイヒミツ、キガツイタ。     
いい体?
いい体をしていると聞いたある人物がやってきて…。
蚩尤
 おっ!
 そこのあんた、うちと勝負してみないか?
プリパス
 残念だけど、私は戦うのはあま……。
 いい! あなた、凄くいいわ!
蚩尤
 へっ? 何だよ急に。
プリパス
 体格もいいし、気性もよさそう。
 それに……。
蚩尤
 きゅ、急に触るなよ!
プリパス
 ふむふむ、なるほどなるほど。
 しなやかだけど、しっかりと鍛えこまれてる。
 なら、こっちは……。
蚩尤
 ひゃっ。
 おっ、おい! どこ触ってんだよ!
プリパス
 女性同士なんだし、気にしない気にしない。
 こっちもいい感じね。
 なら、そっちはどうなってるかしら。
蚩尤
 まっ、待ってくれ!
 そこは洒落になってないぞ!
プリパス
 いい、いいわ!
 あなた、思った通り最高よ!
蚩尤
 はぁはぁはぁ。
 こっちは最低だぜ……。
 いったい何だってんだよ。
プリパス
 あなた、私の部下にならないかしら?
蚩尤
 絶ッ対に嫌だ!!
 
蚩尤:いい喧嘩相手はいないもんかね。
プリパス:何処かにいい人材はいないかしら……。
その姿は……
ここでは噂も早く広まります。
須佐之男
 んひっひっひ。聞いたぞ、白虎。
 よくあんな格好を許したよな。
 やっぱり、自分がしてみたらさせたくなったのか?
白虎
 何の話をしているんですか?
 それに、僕があの格好になったのはあくまでも事故で、
 あれが良かったとか、誰かにあの格好をさせようなんて!
須佐之男
 悪かった悪かった、そう怒るなって。
 なら、玄武も女の子ってわけか。
 そう言うのに興味が出る年頃なんだな。
白虎
 玄武?
 玄武がどうしたんですか!?
須佐之男
 どうしたって、なんだかめかし込んでるって聞いたが、
 知らなかったのか?
白虎
 知りませんよ。
 どんな格好をしていたんです?
 玄武だし、可愛らしく花飾りとかですか。
須佐之男
 なんでも、着物を何枚も重ねてたとか言ってたな。
 クシナダみたいな格好だったんじゃないか?
 ただ、大きさが合わないから脱げそうだとかなんとか……。
 
 待てよ……。
 んひっひっひ。そんな服を着ていたってことは、
 もしかすると、気になる相手でもできたのかもな。
白虎
 なんですって!
 玄武は何処にいるんですか!
須佐之男
 そんな大きな声を出すなよ。
 俺も青龍から聞いただけなんだ。
 その青龍も真っ赤になってて、ありゃもしかすると……。
白虎
 青龍!?
 青龍が知っているんですね?
須佐之男
 ああ。
 ……って、もう行っちまったのか。
 相変わらず、過保護な奴だな。
 
須佐之男:んひっひっひ。ちょっと意外だな。
白虎:今日は青龍と玄武を見かけませんね。      
怠惰の中で
ダラダラし過ぎると大変な事に……。
トウテツ
 はぁ~。
 お腹一杯、幸せぇ。
太上老君
 まったりして幸せ……。
二人
 ゴロゴロ。
 ゴロゴロゴロゴロ。
トウテツ
 お腹が減っちゃいましたぁ。
 何か食べる物、くださぁい。
太上老君
 動きたくないし、自分でどうにかして……。
トウテツ
 食べ、食べるものぉ。
太上老君
 そんな声を出しても、私は絶対に動かない。
 動かないったら、動かない。
トウテツ
 ……。
太上老君
 そうそう、私を動かせようとするよりも、我慢すべきそうすべき
 。
トウテツ
 美味しそうな、お饅頭……。
 おっきくてぇ、二個もあるのぉ。
太上老君
 え、まさかそんなベタな展開。
 ありえない、ありえないって。
トウテツ
 あれぇ。
 お饅頭さん、逃げようとするなんてひどぉい。
 でも、トウテツからは逃げられないのぉ。
太上老君
 いや、ちょ、やめて、マジやめてくださいお願いします。
トウテツ
 いただきまぁす。
 
トウテツ:もぐもぐ、もぎゅもぎゅ。
太上老君:申公豹ちゃんいないし、やる気でなーい。     
いつもの蓬莱
(ちょっと長いです。)蓬莱ではいつものこと。
 Chepter1.
 【窮奇の紹介】
トウテツ
 ねぇねぇ、もしかしてトウテツたち~、迷子~?
桃胡
 ふっふーん。
 大丈夫、こんなこともあろうかと…(ごそごそ)
 じゃじゃーん!「風見花の種」!!
トウテツ
 風見花の~種?
桃胡
 そう。今まで来た道にこれをまいておいたのだ!
 術を使うと花が咲くから、それに沿って歩けば問題なし。
 
 これ、まずいから食べられる心配ないし。
 さすがうち!天才美少女!
 どこかの物語とは大違い!
トウテツ
 うん~おいしくなかった~
桃胡
 え!?
トウテツ
 桃胡ちゃん、どうしたの~?顔色悪いよ~?
 ねぇねぇ、次は他の種にしようよ~。
 花もおいしくなかったよ~。
桃胡
 ……
窮奇
 おお、そこにおったか!
 ん?なんじゃその顔、いじめられたのかの?
 わらわがなでてやろう。
桃胡
 うちは可愛くて強い四凶の天才美少女リーダー!
 苛められるわけないじゃない!
窮奇
 ず、ずいぶんと長い肩書きじゃの。
 まぁ、トウテツだけ満面の笑みで、お主だけがボロボロと泣きべ
 そかいてたら、心配するじゃろ。
桃胡
 な、泣いてなんてないし!
 それに、トウテツが悪いんだもん……。
窮奇
 カカッ。まぁ、そういうでない。可愛い顔が台無しじゃぞ?
 そうじゃ…、こういう時は、男でも誘ってみたらどうじゃ?
 ほれ、こいつなんかどうじゃ?
 そう言って、窮奇は似顔絵を見せた。
桃胡
 お、この服は…
窮奇
 そうじゃろそうじゃろ。
 お主とならピッタリだと思うんじゃが…
桃胡
 って、これ太公望じゃん!
 うちのピッタリってどういうこと!?
 ─ 一方そのころ ─
太公望
 いでっ!
 おい四不像、なんで叩くんだよ!
四不像
 今、誰かが太公望様の噂をした気がします。
太公望
 え、ぇえ?
四不像
 もう知りません!
太公望
 ったく、今日はとんでもない日だな…
四不像
 (今日は二人で太公望様と一緒に釣り日和。
  ありがとう蘇妲己さん…)
 Chepter2.
 【蘇妲己ちゃんのお手伝い】
四不像
 最近、太公望様と仲がよろしいらしいですね。
 どこで知り合ったんですか?
蘇妲己
 うーん?
 蘇妲己ちゃんと太公望が気になるの~?
四不像
 へ? い、いえ、ちょっと知りたいな、と思いまして。
蘇妲己
 この前、あの釣り場で出会ったんだよ~
 あ~? もしかして太公望の事好きなの~?
 蘇妲己ちゃん、手伝っちゃう!
 (蘇妲己が四不像をお化粧中)
蘇妲己
 ふんふーん♪かんせ~い!
 これできっと太公望もイチコロだよ~♪
四不像
 ほ、本当ですか!?
 (太公望様はあの釣り場によく行くのよね)
蘇妲己
 蘇妲己ちゃん、いっぱい練習したの~。
 綺麗になれば、あの人が、
 蘇妲己ちゃんを見つけてくれるかも~?って!
四不像
 蘇妲己さん…
蘇妲己
 あ、太公望いたっ!
 ほら、四不像ちゃん、直接好きかって聞いちゃえば~
 …って、逃げちゃった。
太公望
 うん?
 蘇妲己じゃねぇか、何か呼んでた気がするんだが?
蘇妲己
 う~ん…忘れちゃった~。あ、そうだ!
 さっきね、世界を旅する伝説の商売人
 っていう人に会ったの~
太公望
 ほー、それで?
蘇妲己
 なんか「伝説の壺」ってやつを出して、「お嬢さん、これスゴイ
 モノネ。かわいいから300でいいよ」
 って言ってきたの。
太公望
 ああ、随分と古典的な詐欺だな。
 …さすがに買ってないよな。
蘇妲己
 蘇妲己ちゃん、頭いいから分かっちゃう。高い物はいいものなん
 だよね!それでちょっとお金なくなっちゃったから…
 って、あれ~?行っちゃった~。
太公望
 ……ふう。
 あいつに関わるとロクなことないからな。
 それより仕掛けだ。でかいの釣れてるといいな。
申公豹
 ああああ、クロちゃんダメです~!
 こんなところに入っちゃ、
 それに、それは人様のお魚です~!
太公望
 「はっはっは!! 今回は人一倍苦労したからな!
 大物に決まってる!エビで鯛が釣れるかもな!
 ん?鯛で釣れるものは何だ?」
申公豹
 へ? 太公望…?
太公望
 なんだ?申公豹じゃねぇか。
 ここで何やってんだ?
申公豹
 ま、まさかこれはクロちゃんの習性を利用した太公望の巧妙な罠
 ですか!?私を捕まえて、な、ななな何をするつもりなんですか
 !?
太公望
 ……古人は良く言ったもんだ。
 「いかなる仙人であっても、好物を我慢することはできない。」
 ってな。
申公豹
 ひっ、ひっく…
太公望
 お、おい!冗談だ!今のは本当に冗談だ!流れだ勢いだ!いつも
 みたいに「ろーくん様にいいつけてやるー!」とか来ると思って
 たんだ!泣くな、頼むから!!
四不像
 太公望様…。
 …そう、だったんですね…。
太公望
 …ひでぇ巡り合わせだなおい…。
 いや、違うんだ。そうだよな、申公豹!
 
 …って、申公豹! あいつどっか行きやがった!
申公豹
 (び、びっくりしました…。四不像のあのすごい顔…、
 いったい何があったんでしょう…?
 太公望は気づいてないのでしょうか?)
太公望
 …四不像、泣くな! 話を聞け! 色々と違うんだ!
 せっかくのかわいい顔が台無だぞ!
四不像
 か、かわいい、ですか…。
 いつもならぶっ飛ばしているところですが、
 今回は話を聞いてあげます。
太公望
 ほ、ほら。涙を拭けよ。化粧を落とさないようにな。
 とりあえず今日は一緒に釣りでもしながら話をだな…。
 (しかし一体なんつう化粧してるんだ…今更言えねぇが…)
 Chepter3.
 【少し前のこと】
申公豹
 どうしましょう…
 今日はクロちゃんの遊び道具が作れません。
 いつもあの場所に材料いっぱいあったのに。
四不像
 私の太公望様のせいです。
 本当にすみません。
申公豹
 なんで太公望って分かるんですか?
四不像
 太公望様が朝、どっさり持ってきてたんです。
 
 ごそごそと、何か大掛かりな仕掛けを作っていたので、
 その素材に使ったのかもしれませんね。
申公豹
 あれ?太公望の家ってすごく遠いんですけど、
 どうして朝にそんな光景を目にしたんでしょうか?
四不像
 ちょ、ちょうど朝早く起きて。太公望様の家付近にある屋台をう
 ろついていた時ですね。
申公豹
 近くの屋台?
 太公望の周辺って誰も住んでいませんし、屋台なんてないはずな
 んですが…
四不像
 ええっっと、そ、その、べ、別に太公望様に朝食を作って届けに
 行ったとかそういうわけじゃありません~!
申公豹
 行っちゃいました…
 
トウテツ:やっぱり~おいしいものが食べたいの~
桃胡:うち悪くないもん。みんながおかしいんだもん…
窮奇:カカッ、きっと照れ隠しかの?
太公望:あ~、どうしてこうなるんだ…
四不像:また一緒にしたいです。ふふ♪
蘇妲己:四不像ちゃん、ふぁいと~!
申公豹:今日はなんだか疲れましたぁ…        

10

入手元
元々の目的は…。
カーリー
 へぇ…。
 実際に着るとこうなるのか。
花嫁 奇稲田姫
 あ、あの、私に何か御用でしょうか…?
カーリー
 お前に、ってよりはその服に、だな。
 
 元々はシヴァに着せようかと思って、
 クリシナに頼んでたんだがよォ。
 シヴァの奴、やだって言って逃げやがったんだ…。
花嫁 奇稲田姫
 そ、そうだったのですか…。
カーリー
 アタシが持ってても意味ねぇし、クリシナに返したんだが…。
 
 ま、シヴァじゃあんま見栄えしない大きさだし、
 お前に渡ったのは丁度良かっただろうよ。
花嫁 奇稲田姫
 大きさ…? ……!!
 あ、あまり見ないでください…!
カーリー
 あぁ? 良いじゃねぇか。
 どうせ減るもんじゃねぇしよぉ。
花嫁 奇稲田姫
 た、確かに、減りはしませんけど…。
 その、恥ずかしいのです……!!
カーリー
 別に触らせろって言ってるわけじゃねぇんだ。
 そんなに恥ずかしがるもんでもねぇだろぉ?
花嫁 奇稲田姫
 貴女のように、普段から肌を見せていないので…!
 か、価値観が違います…!!
 
カーリー:へぇ、中々…。
花嫁 奇稲田姫:何故、平然と肌を見せられるのでしょう…。 
視線の先
ついつい向いてしまう。
花嫁 奇稲田姫
 あ、あの、どう、ですか…?
 似合ってます…?
須佐之男
 あ、あぁ…!
 その……とても、綺麗だ。
花嫁 奇稲田姫
 あ、ありがとうございます…。
──
 頬を赤らめて微笑む奇稲田と、
 あちこちへと視線を動かす須佐之男
 
 周囲から向けられる生暖かい視線や、
 嫉妬混じりの視線に気付く余裕は、お互いにない様子。
花嫁 奇稲田姫
 まだ、見慣れません、か?
須佐之男
 え…いや、その、何だ…。
 
 思っていたよりも、大きくて、だな。
 め、目のやり場が…!
花嫁 奇稲田姫
 っ、須佐之男様の、馬鹿あああっ!!
──
 その日、頬に咲いた季節外れの紅葉に、
 須佐之男は多くの神仙にからかわれたという。
花嫁 奇稲田姫
 何故皆さん同じところばかり…!!
 
花嫁 奇稲田姫:見ていただきたいのは、そこではないのに…!
須佐之男:い、意識しているわけではないが…その、つい、だな…。 
口喧嘩
お互いに煽り合い、言い合う二人と傍観者。
須世理姫
 あら、何故白無垢なんて着てるのかしら?
 あなたにお相手がいただなんて、
 聞いたこともなかったのだけれど…。
花嫁 出雲
 私だって好きで着てるわけじゃない!
 そんなに私が白無垢着てるのが気に食わないなら、
 天照から私の服取り返して来なさいよ!
 
 こういう時に限って、
 いつものドジをやらかさないんだからあのバカテラス…!
須世理姫
 お断りよ。
 何故私があなたの為に動かなければいけないのかしら。
花嫁 出雲
 だったらその話には触れないでくれる!?
須世理姫
 ぎゃんぎゃんと煩いこと。
 そんなだから、お相手がいないのではなくて?
花嫁 出雲
 あんたねぇ…っ!
 そういうのは、自分にも相手を作ってから言いなさいよ!
須世理姫
 っ、なんですってぇ!?
花嫁 出雲
 何よ? 本当のことでしょ?
 私だって、あんたにお相手がいるだなんて聞いたことないわよ。
須世理姫
 ふ、ふん、それはあなたが噂話に疎いだけでしょう?
花嫁 出雲
 あんたがまた月読に負けた、あしらわれた、
 という話はよく耳に入ってくるけど?
須世理姫
 私の前であいつの話を出さないで!
花嫁 出雲
 触れてほしくない話に最初に触れたのはあんたよ!
──
 ──言い合いを続けるお嬢様2人から、少し離れた場所にて。
月読
 …流石に、あの仲裁には入りたくないですね。
 
須世理姫:あぁもうイライラする!     
花嫁 出雲:それはこっちの台詞!!     
月読:あのお二人はまたやっているのですか…。     
その意味
白無垢に隠されたその意味とは。
太公望
 へぇ、高天原じゃ、婚姻の時に身に纏うのは白なのか。
花嫁 出雲
 その言い方じゃ、そっちじゃ違うわけ?
太公望
 蓬莱じゃ深紅だな。
 白は…まぁ、死やら悲しみを表すとか言われるからなぁ。
花嫁 出雲
 ちょっと、死装束みたいな言い方しないでくれる?
 ……まあ、意味を考えたら近いかもしんないけど。
太公望
 へえ? てっきり相手の色に染まる、かと思ったんだが。
花嫁 出雲
 詳細は面倒だから省くけど。
 生家としての娘は死に、婚家の嫁として新たに生まれる。
 そういう意味があんのよ。
 
 いざという時は自分の身は自分で守るって、
 懐剣を忍ばせてたくらいなんだから、そんな軽い覚悟じゃない
 …って、私は何語ってんだ…。
太公望
 いやいや。良い話を聞かせてもらった。
 そんな溜息吐くなって。
 だが、それにしても…。
花嫁 出雲
 何よ?
太公望
 お前さん、そういった方面は嫌いだ何だ言ってた覚えがあるが、
 意外と詳しいんだな、と。
花嫁 出雲
 っ、うっさい! ほっとけ!!
 
太公望:意味知ってるってことは、興味あるってことか?
花嫁 出雲:偶然、知ってただけで、別に、興味なんて…!! 
尽くす?尽くされる?
普段とあまり変わらない二人の関係。
百花仙子
 わぁ、黒嫦娥様、素敵です…!!
花嫁 黒嫦娥
 あらあら、仙子じゃないの。
 うふふ、今日は何をしてほしいのかしら?
 それとも、私に何かしたいのかしら?
百花仙子
 !! しても良いのですか!?
花嫁 黒嫦娥
 今は気分が良いんだもの。
 貴女の望み、叶えてあげましょうか?
百花仙子
 はぁん…♪
 どうしましょう、いつものように尽くしたいですけど、
 折角の機会ですし、尽くしてもらうのも…!
花嫁 黒嫦娥
 さぁ、どうしてほしいのかしらぁ?
百花仙子
 あぁん、色々と考え過ぎて…!
花嫁 黒嫦娥
 その表情、良いわぁ。
 ぞくぞくしちゃう。
 
 仙子が遅いから、私が決めたわ。
 その熟れた果実みたいな顔…。
 どろっどろに、溶かしてあげる。
百花仙子
 あぁ、黒嫦娥様ぁ…♪
 
百花仙子:あぁ、素敵すぎます…!
花嫁 黒嫦娥:うふふ。まだまだ、これからよ。     
やっぱり合わない
お互いの趣味。
白嫦娥
 貴女が綺麗に着飾ってるなんて、
 と思ったけれど、何この酒臭さ。
 
 折角の着物が台無しじゃない。
 貴女、どれだけ飲んだの?
花嫁 黒嫦娥
 どれくらいだったかしらぁ?
 うふふふ。
白嫦娥
 ……気持ちが悪いくらい気分が良さそうね。
花嫁 黒嫦娥
 えぇ、とっても良いわぁ。
 もっと罵っても良いのよ?
白嫦娥
 貴女、酔うと属性が変わるのね…。
 はじめて知ったわ。知りたくもなかったけれど。
花嫁 黒嫦娥
 貴女の下につくだなんて、普段なら屈辱的だけれど、
 今はそれですらも気分が良くなりそう…♪
白嫦娥
 気持ちの悪いことを言わないでもらえるかしら。
 鳥肌が立ちそうだわ…。
花嫁 黒嫦娥
 その目、良いわぁ。
 もっと冷たいのを向けて欲しくなっちゃう…。
白嫦娥
 っ、酔っていてもいなくても、貴女とは趣味が合わないわね。
 失礼するわ!
 
花嫁 黒嫦娥:何をしてもされても、気分が良くなるわぁ…♪   
白嫦娥:素面でもだけれど、やっぱり趣味は合わないわ…!       
宴前の一騒動
出雲を無理矢理着せ替え。
出雲
 離しなさいって言ってるでしょ!
 突然なんなのよ!?
天照大神
 い、良いから観念しなさい!
玉藻前
 そーそー。今回は良い悪戯してあげるから!
出雲
 悪戯って聞いて、大人しくすると思うわけ!?
 ふっざけんなー!!
天照大神
 もー!
 玉藻、どうにかして大人しくさせなさいよ!
玉藻前
 そこで玉藻ちゃんに投げるのぉ?
 まー、今回は乗るって言ったからやるけどさぁ。
 …ってことでそれー!
出雲
 あんた、それっ…むぐっ…。
天照大神
 それ、かなり強いお酒じゃなかった…?
玉藻前
 そこまで弱い方じゃないし、大丈夫じゃなーい?
 どうせなら酔ったところも見たいし。
 
 ちょーっと一気にいきすぎて、意識朦朧としてるみたいだけど。
 直ぐに復活するでしょ!
天照大神
 …………そうね。
 (協力させる相手、間違えたかしら)
 
出雲:はーなーせえええっ!!
天照大神:ちょっと、暴れないでよ!
玉藻前:宴会で大人しくさせるならこれよねー♪     
相性だけに非ず
負け続けの憂さ晴らしに勝負を挑んだが。
女帝魃
 オレ様の火術を、
 そんな水滴で消せるなんざ思ってんじゃねぇぞ!
ヴィシュヌ
 蒸発…って嘘だろ!?
女帝魃
 雑魚が! 無様に這いつくばりやがれ!
ヴィシュヌ
 うわああぁっ!?
女帝魃
 水と火じゃテメェの方が有利だと思って挑んできたんだろうが、
 甘ぇんだよ。
ヴィシュヌ
 いってて…ちくしょー、コイツにも負けるだなんて…。
 なんで勝てないんだよ…。
女帝魃
 テメェの攻撃はゴリ押しの一辺倒で、次の手が読みやすい。
 だから避けやすいし、反撃もしやすい、対策もとりやすい。
 術の属性の相性以前の問題だろ。
ヴィシュヌ
 う……。
女帝魃
 あんだけ術で押そうとすんだから、
 テメェが術に自身を持ってるってのは分かるがな。
 だったらそれを上手く使う為の戦法を考えろっての。
ヴィシュヌ
 戦法……例えばどんな?
女帝魃
 何でオレ様がそこまで面倒見なきゃなんねぇんだ。
 テメェのことはテメェで考えやがれ!
 
女帝魃:ハッ、オレ様に勝てると思ってんのか?
ヴィシュヌ:憂さ晴らしだ! 勝負しろ!