コズスク詰め合わせ

Last-modified: 2022-01-03 (月) 11:53:25

(順不同)

 

お風呂

 

フレデリカ「今日の議題は"お風呂"についてです」
静真「風呂だあ?」
ブレガ「公序良俗風紀に関わる事だ続けたまえ」
フレデリカ「こほん。ま、みんなも知っての通りボックスには展望大浴場があるの。それの使用についての話。男女の使用時間を決めてトラブルったりしないようにしようってエメリィたちと話し合ってたんだけどね…」
龍青「それがどうしたっぺ?」
フレデリカ「アルランくん、ギンイチくん、サイエンくんの三人は男風呂と女風呂のどっちに入るべきなのかと」
アルラン「えぇと、なんかすいません」
ギンイチ「お、おおお俺は男だ!」
サイエン「僕はどっちでもいけるよ」
エミー「…個室のシャワーを使えば良いんじゃないのか?」
フレデリカ、エメリィ「大浴場があるのに使わないとか正気!?」
エミー「知らないよそんなの!」c
ギンイチ「俺は男風呂に入るからな! 誰が何と言ってもそうする!!」
ブレガ「待ちたまえ。確かに君は男性かもしれないが今の君は女性の身体だ…そんな君が男風呂に入るなんて…こ、公序良俗に反する! 宇宙の風紀が乱れる…!」
リョーコ「ブレガくん赤くなってるの」
エイル「いったい何を想像してんだか」
リョーコ「ブレガくんの変態」
エイル「ブレガのケダモノ」
フレデリカ「ブレガの鬼畜」
モノ「ブレガの軍人」
ブレガ「あ、赤くなどなっておらん! 断じて違う! あと軍人って何だ!? 軍人だが何か問題でも!?」
龍青「ちゃちゃーと性別変えられる装置とか作ったり出来ないっぺか?」
グレッグ「トランスセクシャルには前々から興味があったし考えておくよ」
ギンイチ「グレッグ様!!」
グレッグ「でもそのままの方が楽しそうだけどなあ」
ギンイチ「グレッグ貴様!!」
エメリィ「というか女風呂に入ってもらうのもお断りですわよ。身体が女の子でも心は殿方なんでしょう!? そんなのが女風呂に入って来るなんて絶対に嫌ですわ! バカバカ! ケダモノ! マスカルポーネ!」
アルラン「マスカル…?」
エミー「この船はバカしかいないのか」
スクラップマン「…」
モノ「エディが、大浴場はどうでも良いけど、格納庫の洗車機、使いたいって…」
ジョナサン「良いんじゃないかな、その身体だとシャワールームにも入れそうにないだろうし」
龍青「いつも世話になってる礼に俺が背中流すっぺよ」
スクラップマン「…」
モノ「エディが、ありがとう、って」
龍青「気にすんなっぺ」
ジョナサン「ああ、同じ船で暮らす仲間じゃないか」
静真「あんたたちはオトナっすね」
キャーキャーワーワー

 

月の我が家

 

エメリィ「ふ、フレデリカぁああああ~~!」
フレデリカ「何よいきなり?」
エメリィ「月にはうさぎがいるんですの!?」
フレデリカ「はあ?」
エミー「月育ちのお前からこのバカに教えてやってくれ。月にうさぎがいるってのは古代人の迷信だって」
エメリィ「鳩が宇宙空間にいるんですもの月にうさぎぐらいいたっておかしいくないんじゃありません!?」
コクリポッポ「ポー」
龍青「これは鳩じゃなくてそういう生き物だっぺよ」
コクリポッポ「ヌポー」
フレデリカ「ごめん、エメリィ。月にはうさぎはいないよ」
エメリィ「じゃあカニは? ライオンは? かぐや姫は!?」
フレデリカ「どれも居ない」
エメリィ「じゃあ何が居ますの!?」
フレデリカ「月にはうさぎもかぐや姫も居ないけど、あたしのお父さんとお母さんがいる」
エメリィ「フレデリカ…」
フレデリカ「あと友達と学校と先生と、近所のクレープ屋さんと古着のお店と、デブリ回収業者の仲間がいて…あたしの家がある」
フレデリカ「月には何にも無いって思ってたけど、こうして離れてみて、あたしの育った世界があるんだって分かった。月にうさぎなんてロマンは無いけど、生きている世界があったんだ。…それなのに、なんでかな? あたし、なんでお父さんとお母さんにあんなこと言っちゃったんだろう? 月になんて生まれなきゃ良かった、あんたらの子供に生まれるんじゃなかったって…最低だ」
エミー「フレデリカお前…」
龍青「…そらフレデリカが悪い。全面的に悪いっぺよ」
エメリィ「ちょ、いくらなんでも言い過ぎじゃないですの?」
龍青「だから、謝るまでは死ねないっぺな」
フレデリカ「…うん」
エメリィ「…まー、うさぎが居ないのはちょっぴり残念ですけど、フレデリカの育った世界ってのはちょっぴり興味ありますわね」
フレデリカ「月に寄ったらうち来る? 狭いよ! うさぎ小屋並み!」
エメリィ「まあ野蛮!」
龍青「なんだっぺよその感想」
エミー「そんな事より次の目的地へワープ航法入るからさっさと持ち場につけよお前ら!…さっさと帰るんだろ?」
フレデリカ「…うん!」
エミー「ふ、ふん!」
コクリポッポ「ホゲー」

 

スモールサイズラージサイズ

 

フレデリカ「ごくらくごくらくー♪ 展望露天最高! 入らにゃ損よねー♪」
エイル「…あれ? そう言えばあのタカビーなお嬢様は?」
フレデリカ「いやー誘ったんだけど…『例え女の子と言えど見ず知らずの人間と一緒にお風呂なんて入れませんわこのケダモノ! バカバカ! ピテカントロプスー』とか言われちゃった」
エイル「なんじゃそりゃ」
リョーコ「……」
エイル「な、なんだよさっきからオレばっかり見て」
リョーコ「…エイルちゃん、おっぱい大きいの」
エイル「はあ!?///」
フレデリカ「確かに大きいわよねー! エイルはナイスバデーよね!」
エイル「こんなもん肩こりの原因になるだけだって」
フレデリカ「分かる。あたしも最近、大きくなっちゃって、結構来るのよねー」
エイル「オレ、肩こると頭痛も来るタイプなんだよ」
フレデリカ「うわーきっついねー」
エイル「かと言って無重力部屋に閉じ籠ってたら足腰悪くなりそうだし」
フレデリカ「うんうん。あと太りそうだし」
エイル「同感。それに比べて」
フレデリカ「ちっさくて羨ましいなあ」
リョーコ「リョーコちゃん何だか馬鹿にされてる気分なの」
モノ「リョーコリョーコ」
リョーコ「?」
モノ「だいじょうぶ…これはこれで…すてーたす……!」ガッツポ
リョーコ「全然嬉しく無いのよ!」

 

ハートドライバーキャノン発射シークエンス

 

ブレガ「スターフィッシュ隊に告ぐ! 射線から離れろ! フォーメーションHD!!」
グレッグ「セーフティロック解除、Eドライブ稼働率30…40%」
エミー「クァンタム・フラクチュエーション…! 力場固定に入るぞ、お前の出番だ! エメリィ!」
エメリィ「もっともっとハートシードに強い思いを…皆を守りたい…皆で一緒に帰るんだ…!」
グレッグ「ハートシードへのアクセスを確認! Eドライブ稼働率80%!」
エミー「コズミック・インフレーション開始!」
アルラン「スターフィッシュ隊、射線上からの退避を確認!」
リョーコ「いつでも撃てますの!」
ブレガ「よし! エメリィにトリガーを預ける!」
エメリィ「敵艦隊ロックオン!」
ブレガ「ハートドライバーキャノン! 発射あああ!!」
エメリィ「でぇすわよおおおおおおおお!!!」

 

虫歯

 

ブレガ「Eドライブを動力機関にしてスターフィッシュの余剰パーツを組合わせ且つハートシードを制御に用いた虫歯殲滅マシーンだ! フォーメーションMSB!」
エミー「クァンタム・フラクチュエーション、患部固定に入るぞ」
リョーコ「セーフティロック解除なの!」
アルラン「麻酔投与確認!」
グレッグ「コズミック・インフレーション開始…!」
エイル「いつでも虫歯を撃てるぞ!」
エメリィ「ちょ、ちょっと待って死ぬ! 死にますわこれ! 死にますって! たかが虫歯にオーバーキルですの!?」

 

VS亡霊の方舟

 

ガイストアーク「この星は危険です、退避してください」
エメリィ「何を言ってますの、この星はどう見てもちきゅ・・・・」
ガイストアーク「・・・退避・・」
エメリィ「もう・・・仕方がないですわね」
ガイストアーク「地球は壊れ・・・」
エメリィ「一発集中零距離射撃ですわ」
ガイストアーク「・・・・」
リョーコ「爆発音・・エメリィの攻撃が外れた!?」
エメリィ「なんですの?・・・あっちも同じ攻撃をしかし!?」
ガイストアーク「この宙域からはなれてください」
リョーコ「エメリィ、相手が外してくれてよかったね」
エメリィ「いえ・・あれは私に攻撃したんじゃなくて・・」

 

死魚

 

トウオー「……以上がボックス号との戦闘データだ」
カルレルン「概ねの予測通りにHSR搭載機のパイロットは成長しているようですね。扉を抉開けたのまでは予想外でしたが」
トウオー「おかげでこちらのS型には損傷を与えることになったがな」
カルレルン「所詮あれは贋物です。使えなくなればパイロット共々破棄してしまえばいい」
トウオー「…何故お前はあれをあの者達に与えた。あれは何だ。ゼイゼムゼアとは何だ。何故あれは頒つのだ」
カルレルン「貴方は知らなくても良いことです。ですが、ただ一つ言うならば彼らの手にあるのは偶然ですよ。その流れは彼らが生み出したものですが」
トウオー「流れ…か」
カルレルン「そう、流れです。運命という名の奔流には誰も逆らえない」
トウオー「流れに沿って泳ぐのは死魚だけだ」
カルレルン「?」
トウオー「俺や、お前のような」
カルレルン「……引き続きボックス号の追撃を行いなさい。これで通信を終了する」
トウオー「…いつか思い知るさ、大人は。そして、敗れる。稚拙な子供の理屈にな」

 

ネタスク「色々とヤバい!」

 

※あくまでも天帝黄金龍“赤紅彩”と天帝黄金雙龍のバトルシーンです

エメリィ「お受けなさい! 愛と怒りと悲しみのぉぉ……」
キュートバン「あぁ! それ以上はアカン! アカンでホンマ!!」
エメリィ「ゴールデンフィンガーソォォォドッ!!」
キュートバン「あーーーっ!? 言うてもうた言うてもうた!」
エメリィ「死ぬほど痛くてよ!」
キュートバン「それもアカンてぇ~」
エメリィ「ユニバァァァス!!」
キュートバン「あらゆる物をりy……って違うわアホ!!」
エメリィ「成敗! ですわ」
キュートバン「ワイ、もう知らん」

 

じかいよこく

>こういうエピソードは日常コメディ回だろうから
フレデリカです! 突如現れた寄生生命体ローン・アイにモノが寄生されちゃってボックス号大パニック! 更にエンゼルのハートシードリアクターが起動出来ない緊急事態にゼイゼムゼアまで現れちゃって、エミーの「無能め」の言葉があたしの胸に突き刺さる…。あたしだってやろうと思えば操舵とか観測とか砲撃手とか出来るもん! あと炊事とか掃除とか洗濯とか! とかとかとか! まあ…掃除は苦手だけど…。次回、コズミック・ボックス! 「君が瞳に釘づけ」をお楽しみに! あたしは無能なんかじゃなーーい!!

 

なぜなにコズ箱『ハートドライバーキャノン』

 

3・2・1! どっか~~ん!!
エメリィ・フレデリカ「なぜなにコズ箱ー!!」
フレデリカ「このコーナーはコズ箱世界に関する疑問質問をあたしうさぎのフレデリカとエメリィおねえさんが、大きいお友だちに分かりやすくお答えしまーす!」
エメリィ「ですわ!」
エミー「…なんだこの騒ぎは」
フレデリカ「あっ、説明おにーさん!」
エミー「誰が説明お兄さんだ誰が」
エメリィ「ではまず第一回は、何か説明したようなしてないようなボックス号のハートドライバーキャノンについてですわ!」
フレデリカ「ボックス号の切り札だねおねえさん!」
エメリィ「このハートドライバーキャノンは、正式名称をコズミック・インフレーション砲撃システムと言うのですわ。略称のci砲だけが設定に出てましたわね。では、うさぎちゃんこのci砲はどんな兵器か分かる?」
フレデリカ「うーん、フレデリカはうさぎだからよくわかんない!」
エミー「さわりだけ説明すると、ci砲はGC社によって理論構築された兵器だ。ハートシードによる制御が不可欠な為、長きに渡り机上の空論として存在していた。ボックス号に施されていた違法な改造の一つがこのci砲シーケンサーの搭載で、砲とは銘打たれているが砲身は必要無い。発射時にはボックス号の艦首前方に魔方陣の様なものが顕れ、偽の真空を作り出して発射する。銀河連邦の艦載兵器として一般的なエネルギー準位の高い状態から低い状態へ相転移させる事でエネルギーを取り出すフェイザー(位相エネルギー砲)とは異なり、偽の真空を空間に維持する事で時間の矢を正方向に傾けて量子揺らぎを加速し負の圧力から正の圧力へ膨脹させ」
フレデリカ「ふ、フレデリカうさぎだからよくわかんない」
エメリィ「まあ、要は『敵に向かって真っ直ぐに飛ぶビッグバン』ですわね」
エミー「お前にしてはなかなか的を射てるな。そうだ、ビッグバンのエネルギーを取り出そうというのがフェイザーで、ビッグバンを直接当ててしまえというのがci砲だ」
エメリィ「なんだか豪快というか脳筋というか」
エミー「どちらもインフレーション理論に基づくものだが、ci砲は制御にハートシードを使う特性上、力場の固定が感情に左右されて思わぬ事で発動出来なくなったりする欠陥兵器だ」
エメリィ「そんなじゃじゃ馬ハートドライバーキャノンが使えるのはわたくしのおかげですわ!」
エミー「認めたくは無いが"理想的な"ci砲であるハートドライバーキャノンは、モノ以外だとこのバカぐらいしかまともに撃てる代物じゃない。僕たちの戦闘記録から再設計小型化されたアル・ファラクとか第二世代型ci砲は、安定性は向上してるがハートドライバーキャノンほどの威力までは再現出来ていない。それでも最大出力はスーパーノヴァフェイザーに匹敵するがな」
フレデリカ「へー、ちなみにハートドライバーキャノンってどれくらいつよいの?」
エミー「最大出力時にはプランク温度に達する。摂氏で説明すると1420000000000000000000000000000000℃だ」
フレデリカ「そんなに」
エミー「いわゆる、絶対熱だ。これ以上の熱は物理的に意味が無い故に熱エネルギー的兵器の中では最強と言っても良いだろう。ちなみにスーパーノヴァフェイザーは55000000℃だ」
フレデリカ「フレデリカうさぎだからよくわかんない」
エメリィ「つまり、ハートドライバーキャノンを扱えるわたくしは凄いということですわ!」
フレデリカ「おねえさんすごい!」
エメリィ「もっと! もっと誉め称えるのですわ!」
フレデリカ「おねえさんうるとらすごい! まーべらす! ふぁんたじっく!!」
エメリィ「ワンモアセイっ! ワンモアセイッ!」
エミー「バカばっか」

 

なぜなにコズ箱『ゼイゼムゼア』

3・2・1! どっか~~ん!!
エメリィ「なぜなにコズ箱ー!」
エミー「…」
エイル「…」
エメリィ「なぜなにコズ箱ーッ!!」
エイル「な、なぜなにコズ箱~」
エミー「…え、またやんの?」
エメリィ「このコーナーはコズ箱世界に関する疑問質問をわたくしエメリィおねえさんとわんこのエイルが、大きいお友だちどもに分かりやすくお答えしますですわー!」
エミー「おい人の話を聞け」
エイル「ううう、なんでオレがこんな格好…スカート短い…首輪きつい…」
エメリィ「第二回の今回は、これもなんだかいまいちよく分かってないゼイゼムゼアについてですわ!」
エイル「ぼ、ボックス号の敵だな、お、おねえさん」
エメリィ「神出鬼没、機動兵器を乗っ取り襲いかかってくるこの宇宙における生命の天敵。OWだけでなく人間の姿や惑星サイズの軍用艦やらに姿を変えて、ボックス号もこの旅路で何度も交戦してきたのですわ!」
エイル「…だけど、かなり謎に包まれてるというか」
エメリィ「ぶっちゃけ正体に関してほとんど言及されてないですわね、うふふ。というわけで説明おにいさんカモンですわ!」
エミー「やれやれ。まあ、軽くさわりだけ説明するとゼイゼムゼアとは組織や個体を指す言葉ではなく『現象』だということ。その正体にはこの宇宙の構造が関わってくる。この宇宙は生命情報を内包したエネルギーであるハートシードで満たされているのは知っているな?」
エメリィ「イエスですわ」
エミー「そして、このハートシードが何らかの要因によって減少し続けている。そんな宇宙空間において『ハートシードが満たされていない空間』が、ゼイゼムゼアの正体だ」
エメリィ「どういうことなの」
エイル「…このままだとゼイゼムゼアが増えていくって事か?」
エミー「その通りだ。具体的な対処法はまだ無い。ハートシードは減るだけのものだからな、最終的にこの宇宙そのものがゼイゼムゼアという個にすり代わる」
エメリィ「ちょっと待つのですわー!」
エミー「…なんだ?」
エメリィ「だから、ゼイゼムゼアってなんですのよ? 具体的に答えるのですわー!」
エミー「首を絞めるな! ……俺たち人類、いや、この宇宙における有機物無機物を問わず存在する全てのものはハートシードによる情報からデザイニングされたものだ。ゼイゼムゼアはその真逆だと言うことだ。情報の外側、つまり非実在性存在」
エイル「有り体に言えば『幽霊』みたいなものか?」
エミー「その認識で間違いは無い。ゼイゼムゼアは生命の真似をする肉体を持たないエネルギー、故に空っぽの人形…廃棄されたアウターウェアなんかを使って顕現する。その乗っ取り対策に、銀河連邦の正規軍なんかはパイロットの生命活動の停止を確認した時点で機体を爆破する機能をOWに取り付けに掛かっているそうだ」
エメリィ「ゼイゼムゼアに対して有効な手段はありませんの?」
エミー「無い。と言いたいところだが、モノとフレデリカの乗るエンゼルがゼイゼムゼアの撃退に成功している。シードウイングの展開の際に、ハートシードへの情報層へアクセスした事で『波』が起きた。ゼイゼムゼアはハートシードの満たされていない空間だ、そこにハートシードが偶然侵入したことで顕現するだけの力を得られなかった。だが、あくまでも偶然だ。それにハートシードは常に減り続けている。水槽の中の水が少なくなってしまえば、大きな波を起こす事が出来ないし、どんなに波を起こしても何も無い空間の体積は減らないのと同じ理屈だ」
エメリィ「なんだかお先真っ暗になってくるお話ですわねー…」
エイル「ところで」
エミー「なんだ?」
エイル「これ設定あきが考えた元設定から膨らませるだけ膨らませてるが…大丈夫なのか?」
エメリィ「まあ…違うわボケェ! と怒られたらもうアレですわ、全裸で土下座してコンビニに行っておでん買うくらいはやぶさかではないですわ」
エミー「それはもう全裸になりたいだけだろ」
エメリィ「では、次回があるか分からないけどまた見てくれなのですわ!」

 

なぜなにコズ箱『トポロジー保存』

3・2・1! どっか~~ん!!
エメリィ・リョーコ「なぜなにコズ箱ー!」
エミー「…もう好きにするがいいよ」
エメリィ「とかなんとか言っちゃって本当は楽しくなってきたんじゃないですのぉ?」
エミー「そんな訳は無い、だがお前らだけでは到底説明など出来ないだろうから仕方無くだ」
リョーコ「うるさいなのよオカッパ」
エメリィ「このコーナーはコズ箱世界に関する疑問質問をわたくしエメリィおねえさんとにゃんこのリョーコが、大きいお友だちどもに分かりやすくお答えしますですわー! 」
リョーコ「にゃのよー!」
エミー「人の話を聞け!」
エメリィ「第三回は、リクエストのあったトポロジー保存についてですわ! もう名前からして意味不明ですわ!」
リョーコ「リョーコちゃんトッポギなら知ってるのよにゃー」
エメリィ「これも度々設定の中で出てきましたが、具体的な説明はまるで無しでしたわね…と言う訳で説明お兄さんカモン!」
エミー「やれやれ…で、どれくらいのレベルから説明すれば良いんだ? 位相幾何か? アフィン空間からか?」
リョーコ「だから分かりやすくって言ってるのよこのカッパ」
エミー「せめて、おを付けろおを! それだと頭頂部に一抹の不安が残る! ったく…じゃあ、まず質問をするが、何のへんてつも無いヒヨコをミキサーでかき混ぜた時、失われるものは何だ?」
リョーコ「モラル」
エミー「そうだな、モラルだな。間違ってはいないが、質問の意図が違う。ヒヨコを構成していた物質から何が失われた?」
エメリィ「???」
リョーコ「質問の意図が分かんないにゃのよ」
エミー「では、このヒヨコは生きている? 死んでいる?」
エメリィ「そんなの死んでいるに決まってますわ」
エミー「このミキサーの中には、ヒヨコを構成していた物質は全て存在している。しかし、ヒヨコから命だけが失われた。何故だ?」
エメリィ「そりゃミキサーのスイッチをオンにするからですわバカバカオートミール!」
リョーコ「…リョーコちゃん何となく分かって来たにゃのよ」
エメリィ「ええ!?」
リョーコ「牛丸ごと一頭使ったハンバーグは牛じゃ無いのよ。血や骨まで使ったとしても、一度でもバラバラになってしまえばそれは食肉なのよ。ハンバーグを作る時は一度冷やしてから混ぜた方が良いにゃのよ」
エミー「何か話が別方向に逸れてしまったが…そうだ、ヒヨコはミキサーによって力を加えられて、バラバラになって命が失われた。結合が解かれたとも言える。結合を解かずにヒヨコをヒヨコのまま別の形に変形させる技術を、トポロジー保存技術と言う。要はその生物を折り畳めるやわらかい多面多包体であると認識している訳だ」
エメリィ「まったく着いて行けませんわ」
リョーコ「牛そのものをハンバーグに出来るってことにゃのよ」
エメリィ「そんなの牛じゃ有りませんわ! ただのハンバーグですわ!」
リョーコ「でもハンバーグがモーッて鳴くにゃのよ?」
エメリィ「妖怪! 妖怪の仕業ですわそんなの!」
エミー「落ち着け、理解し難いのは認める。このトポロジー保存技術は銀河連邦を創った超越者により築かれたが、今では失われた。所々の文献では、質量保存の法則すら無視して人間を別の物に変えていたそうだ。まるで見た目の違う生物に変形させるのは勿論、密度を高めれば人間をダイヤより硬い鉱物の様な物にすら変形させられるだろうな」
エメリィ「まるで魔法の様な話ですわね…」
エミー「さて、ここからが問題だ」
リョーコ「問題が多いにゃのよ」
エミー「このトポロジー保存技術で右腕に変えられた人間を、別の人間に移植した場合それは、人間か?」
エメリィ「…人間でしょう」
リョーコ「何名かと言われたら困るけどにゃのよ」
エミー「では、トポロジー保存技術で『細胞の様に機能するもの』に変えられるとする。人体の保有する細胞の約37兆2000億個が全て、この細胞の様なものに変えられた人間で構成された身体を持つ人間がいたとしたらそれは、人間か?」
エメリィ「…分かりましたわ! モーッと鳴くハンバーグはまだ息が有りますわ! ドーンってするべきですわ! ドーンって!!」
リョーコ「たくさんの魚を練っても魚力が上がる訳じゃないから、ちくわは泳がないなのよ!!」
エミー「うん、良い感じに混乱しているな。では、今回のなぜなにコズ箱はこの辺で」
エメリィ「トドメを刺すべきですわ!!」

 

バレンタイン①

ブレガ「ば、バレンタインなんてそんな不埒な催し物は禁止禁止禁止だ!! うら若き乙女が人前で男にこここ好意を伝えるなどははは恥を知れ! そういうのは二人の気持ちが高まってしまえばもはやどこもかしこもプレイスポット! そして来月のホワイトデーには三倍返しを要求され」
エイル「…めんどくせえよな、お前」
フレデリカ「あのねー、義理よ義理。いつもお世話になってるからそのお礼。今は女の子同士でもチョコ贈るんだから、友チョコとか知らない?」
モノ「モノもー…貰ったのー…」
リョーコ「要らないなら回収するのよー。後でギブミーチョコレートしても知らないのよ」
ブレガ「待て待て待て! どうしてもと言うなら貰ってやろうチョコレートはカロリーが高く、かつては兵士の命を繋ぎ止める非常食として」
リョーコ「そーれいっ! 取ってくるのよーブレガ号ー!」
ブレガ「わわっ! 何処に向かって投げて…」
リョーコ「さあ次に行くなのよこれが終わったら夕食の準備が待ってるのよ」
フレデリカ「リョーコちゃんさん…」
エイル「逞しくなったよなリョーコ…」

 

バレンタイン②

静真「ああ、ありがとう。そうか…今日はバレンタインだったか」
アルラン「ええ、こういう催し物は季節感を思い出すのに重要ですから」
静真「とか何とか言って、ただ騒ぎたいだけだろう」
サイエン「それもありますけどね。ぼくとしては純粋に、大切な仲間に贈り物をするって、すごく新鮮な気持ちです」
静真「そうか…しかし、俺が聞きたいのはそういうことじゃなくてな」
サイエン「?」
静真「何で俺の所には性別不明ズだけが来るんだ?」
ギンイチ「お、おおおオレは男だ!」
静真「だったら尚更チョコなんて渡しに来るなよ!」
ギンイチ「フレデリカたちに無理矢理作らされたんだよ!!」
アルラン「あ、僕は彼女たちに請われてチョコの作り方を教えただけです」
静真「アルランプロデュースなら安全か、まあ、ありがたくいただくよ」パクッ
ギンイチ「ど、どうだ…? ちゃんと出来てるか…?」
静真「上目遣いで見るのは止めてくれ、何か変な気分になるわ」

 

バレンタイン③

エミー「…チョコ? ああ、そこに置いといてくれ」
エメリィ「…あのですね」
エミー「ん? まだ何か用か?」
エメリィ「せめて、ありがとうとか、よくやったエメリィこれから貴女の言うことを何でも聞きますとかそう言うのは無くって!?」
エミー「僕はチョコをくれだなんて一言も言って無いぞ。むしろ食べて貰えるだけ感謝して欲しいぐらいだ」
エメリィ「きぃーっ! なんて言いぐさですこと!? この日のために皆で手作りしたというのに!!」
エミー「手作りだと…それは本当か?」
エメリィ「そ、そうですわよ…?」
エミー「…後で検査機にかけてから食べるよ、怖いから」
エメリィ「こんの…毛深いシェフの気まぐれラタトゥイユ!! あなたなんか宇宙のもずく酢になってしまえですわ!!」
エミー「あ、おい! …さすがに言い過ぎたか」

 

2016.8/13 ペルセウス座流星群の日

 焦燥感があった。物心がついてから、ずっと、絶えず胸の中に。何かにもたれたまま、このまま体重を預けて、何も気づかぬよう生きていくのではないか。そんな焦りがあった。
 2016年の8月13日の天気予報は晴れ。彼らはいつも笑う。日にちを告げる時に、年を付けるあたしの癖に。現実感が無いんだ。自分では無いものの中に自分を押し込められている気がして、それが言い様の無い不安を生み、触れているもののその温かさも嘘だと思い込む。
「着いたよ」
 言葉と一緒に、離された左手の汗が風を受けてひやり、とする。仰いだその先に左右に揺れる光が三つ、近づいてきた。
「久しぶりじゃん!」
「急にガッコ休んでそれきり夏休みだからびっくりしたよ!」
「大丈夫?」
 何度か頷くあたしの頭の上に、手が乗せられて、髪をくしゃっとする。
「大丈夫、大丈夫。おじさんおばさんの許可も取ってきたから」
「つーかよ、言い出しっぺはお前なんだから欠席は困るぜー」
 人懐こそうな男の子が、手にした懐中電灯で自分の顔を撫でるように照らしながら言う。
「あたしが…言い出しっぺ?」
「そうだろ、みんなで流れ星見たいって言うからこうして」
「ハイハイ、ブサイクな顔照らしてないでちゃっちゃと望遠鏡セッティングしてよ」
 気の強そうな女の子が、男の子のお尻を叩く。男の子は悪態を垂れながら、光を揺らしている。
 流れ星。確かにこの場所なら、開けていて遮るものもなく、空を見上げられそうだった。顔を上げると名前の知らない星が見下ろし、瞬きをすると、まぶたに足跡を残す。
「大丈夫? 元気してた?」
 女の子が先程とは打って変わり、優しい声で問いかけて来た。大丈夫、とは何にかかる言葉なのか分からないまま、あたしは大丈夫、と言った。あなたはだれですか、なんて言えなかった。
 今日は数年に一度の、ペルセウス座流星群の観測日和だと知らない彼は言った。手を引かれ、知らない人間の集団の輪の真ん中に据えられる。しばらくして、歓声が上がった。みんな、夜空を見上げている。導かれるように、あたしも顔を上げていた。
「きれい…」
 夜空に無数のシュプールが、走る。ひとつ、またひとつ、と走る度に歓声が上がった。たくさんの人の願いを叶えるために、神様がおもちゃばこをひっくり返した様な騒ぎだった。
 涙が溢れて止まらなかった。あたしは、知っていた。この光景を知っていたからだ。
「ねえ、みんな知ってる? 惑星ナラルには青い月があって、一年に一度、空がフリオム彗星で満たされるんだよ? すごくきれいで、あの時みんなで見たよね、あの時あたしたち誓ったよね、みんなで帰ろうって」
「なに言ってんだお前…?」
 あたしの知っている「みんな」はここにはいない。それに気づいた瞬間、心を縛っていた焦燥は、涙になった。そう、あたしはずっと生きてきた。偽りの世界を、偽りの命を。
 泣き叫ぶあたしを知らないみんなが囲む。口々に大丈夫、落ち着いて。言葉を振りほどきながら、逃げようとするあたしを、力強い手が掴んだ。
「落ち着け多比良! 大丈夫だ!」
 はち切れそうになる心臓が急停止して、膝から崩れた。知らない彼が、溶けそうなほど優しい声で語りかけてきた。
「思い出したところでどうにもならないんだからさ」
 唇を噛んで見上げた、彼のその瞳は黒く、ひどく、曖昧だった。

 

来月までに何かやります
終わらせたいコズ箱を。