八雲 橙

Last-modified: 2019-01-22 (火) 20:00:43

橙「どうも、こんにちは」
藍「お久し振りです『八雲 橙』です」
橙「宜しくお願いします」
藍「頑張って行きましょう」
橙「橙様」
藍「ッン、なぁに?」
橙「私ですね、愛人が欲しいと思っていましてね」
藍「ど、どういうことなの……♂橙?」
橙「あ、すみません、私結婚してなかったです」
藍「当たり前でしょ?」
橙「すみません、忘れていました」
藍「『愛人が欲しい』じゃ無いよ、結婚する歳でも無いし」
橙「吃驚(びっくり)したでしょ?」
藍「吃驚したわよ」
橙「そんなネタ」
藍「そんなネタ、私聞いた事無いなと思って」
橙「『聞いた事無いな』と思ったでしょ」
藍「アドリブは止めましょう」
橙「止めましょう」
藍「紫(ゆかり)様に怒られるから」
橙「はい」
藍「ッン、さて、そういえば橙」
橙「はい?」
藍「寺子屋に通ってるけど、どう」
橙「先生も優しいし、友達も一杯出来たから、毎日楽しいですよ」
藍「そっかあ、それは良かったわね、ッンでもいつもマヨ()ガから通ってるから、(たま)には家に寄って、寺子屋の話を聞かせてくれたら嬉しいなあ」
橙「あ、そうですね」


藍「ああ、そろそろ来る時間かな」
橙《ただいま……》
藍「ああ、おかえり!きょう寺子屋はどうだった?」
橙《今日ね……》
藍「うん」
橙《寺子屋……》
藍「うん」
橙《行ってない》
藍「行きなさい!行かないで何してたの」
橙《終日……》
藍「うん」
橙《野良犬を……》
藍「うん」
橙《追いかけて来たよ》
藍「何してんの橙!」
橙《そしたら……》
藍「うん」
橙《見た事無い土地に出たの》
藍「ッン、何処よそれ」
橙《お土産……》
藍「なになに?」
橙《仙果だよ》
藍「天界まで行ってるじゃないの!ええ!?」
橙《帰りは……》
藍「うん」
橙《射命丸で帰って来たよ》
藍「よく居たわね、都合良く!ッン、違う違う、寺子屋行く子でお願い」
橙《はーい……》


橙《ただいま……》
藍「ああ、おかえり!きょう寺子屋どうだった?」
橙《楽しかった……》
藍「何が楽しかった?」
橙《3時間目の……》
藍「うんうん」
橙《測量の実習が……》
藍「工業高校でしょ!土木科でしょ!」
橙《あだ名は……》
藍「うん」
橙《「談合」だよ》
藍「いじめられてんのアンタ!?イメージ悪いわよ、誰が高校生くらいになって毎日話を聞きたいの、普通に来なさい普通に」
橙《はーい……》


橙《ただいま……》
藍「ああ、おかえり」
橙《きょう行って来たよ……》
藍「うん、行って来た?」
橙《寺子屋の2年生だし、わたし……》
藍「2年生だしね、うんうん」
橙《今日ね……》
藍「その話し方何とかなんない!?私の式はそんな子か?ちゃんと話し方変えて、寺子屋行って来なさい」
橙《はーい……》


橙《ただいま……》
藍「うん、何とかならないのねもう!ううん、仕様が無い、もう……うん、寺子屋行って来た?」
橙《行って来た……》
藍「うん、どうだった?」
橙《今日ね……》
藍「うん」
橙《楽しかったよ……》
藍「ッン、何が楽しかった?」
橙《休み時間に……》
藍「うんうん」
橙《ルーミアとね……》
藍「うんうん」
橙《「こっくりさん」をした》
藍「暗いねえ何か!?駄目よ、そんなことしたら」
橙《どうも……》
藍「うん」
橙《霊に取り憑かれたらしく……》
藍「うんうん」
橙《喋り方がずっとこんな感じなの》
藍「ッス、その所為で!?お祓いしないといけないよ橙!ちがうもっと、明るい話をしてよ『寺子屋でこんな事あった』とか」
橙《今日、寺子屋に》
藍「うん」
橙《犬が入って来たよ》
藍「ああ!そんな事あるわよね、ッン、どうした、どうしたそれで」
橙《だから皆で》
藍「うん」
橙《給食の後に》
藍「ああ、ッンご飯あげた?」
橙《石をぶつけたよ》
藍「ッン何してんの橙!?可哀想でしょ」
橙《そしたら》
藍「うん」
橙《そのケルベロスが怒って》
藍「ケルベロスだったの!?」
橙《私の》
藍「うん」
橙《両腕を》
藍「うん」
橙《目一杯咬んだんだ、痛いよー、痛いよー》
藍「それ、ランドセル持ってるんじゃ無かったの!?怪我!?」
橙《これ、怪我だよ》
藍「大変よ、両腕を咬まれるとか貴方」
橙《骨が見えるほど、咬まれたよ》
藍「大変じゃん!大怪我よそれは」
(橙、腕を抑える手を放し、おそらく骨が見えている傷を見せようとする動作をとる)
藍「チラチラ見せないで!楽しく無いわよ、ちらちら見せられても……ちらち……」
橙(間を置いて、再び傷を見せる)
藍「チラ、じゃないよ!チラ、じゃないよ橙!楽しい話を聞かせてよ寺子屋の」
橙《今日》
藍「うん」
橙《体育の時間があったよ》
藍「おお、体育の()か、ッンどうだった」
橙《「かけっこ」をしたの》
藍「おおー!何位だった」
橙《私、2等賞だったよ》
藍「ああ、頑張ったじゃないの」
橙《1位はチルノだったよ》
藍「チルノは走り速いもんね」
橙《私、悔しいよ》
藍「うん、悔しい気持ちが大事よ」
橙《私、悔しいよ!》
藍「うん、良い良い」
橙《だから……》
藍「うんうん」
橙《石を投げつけたよ》
藍「石投げるなって!橙、石好きだね」
橙《チルノは……》
藍「うん」
橙《羽に(ひび)が入っていたよ》
藍「酷いじゃないの、橙!?」
橙《私は、チルノに駆け寄り……》
藍「うんうん」
橙《唾を吐いて、こう言ってやったのさ》
藍「うんうん」
橙「『お嬢ちゃん』」
藍「うん」
橙「『テメーはおっぱいでも吸って寝てな!』って」
藍「ハリウッド映画か、橙!?日本では言わないよそんなん、アンタもお嬢ちゃんだからね?チルノに謝らないと駄目よそんなん」
橙《その後の授業で……》
藍「うんうん」
橙《チルノと……》
藍「うん」
橙《楽しく、お喋りをしていたよ》
藍「もう仲直りしたの!?チルノは器が大きいわね」
橙《霖之助先生から……》
藍「うん」
橙《怒られたよ》
藍「そりゃあ怒られるわよ、授業中に話してるんだから」
橙《だから、霖之助先生に謝ろうと思って……》
藍「うん、謝らないと」
橙《放課後……》
藍「うんうん」
橙《尾行したよ》
藍「ッン、何で尾行するの?すぐ謝れたでしょ」
橙《すると、霖之助先生は……》
藍「うんうん」
橙《ラブホテルに入っていったよ》
藍「っはぁー!?教職者の癖に、放課後すぐに?」
橙《待つ事3時間》
藍「大分(だいぶ)待ったね!?」
橙《ホテルから出て来た霖之助先生の横にいたのは》
藍「うん」
橙《うちの紫様だったよ》
藍「本当(ほんと)か橙!?っはぁー!?」
橙《髪をアップし》
藍「うん」
橙《真っ赤なルージュをひいて》
藍「うん!」
橙《露出度高いドレスを着ていたよ》
藍「勝負じゃないかー!」
橙《普段、家では見せない様な、屈託の無い、無邪気な笑顔をしていたよ》
藍「ゆかりさまー!?」
橙《私は頭に来て》
藍「うん!」
橙《霖之助先生に》
藍「うん!!」
橙《石を投げつけたよ》
藍「やったー!ぃよっしゃ、そして?」
橙《先生の眼鏡が割れていたよ!》
藍「ッン、ナイスでーす♂」
橙《私は先生に》
藍「うん」
橙《唾を吐き掛け》
藍「うん!」
橙《こう言ってやったのさ!》
藍「おう、言ってやれ!」
橙「『テメーはおっぱいでも吸って寝てな!』って!」
藍「いやさっきまで吸ってたよー!」
橙「クッフフ……ンッヒゥーwww」


橙「藍様、こんな話を聞きたいんですか」
藍「聞きたく無いわよ、いい加減にしなさい」
橙「有難う御座いました」