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「あなたが考えているあなた」を知る
充実した人生を送ろうと思えば、まず絶対に達成できるという目標を設定します。それを、段階的に小さな目標に分けていきます。その小さな目標を一つずつ達成していきます。
そのつど達成して満足感を体験することになりますが、その間ずっと、最終目標を達成して満足している自分自身をイメージするのです。もちろん、その間に努力を惜しまないことが大事ですが、そうした一連の行動が「成功の仕組み」を動かし、「創造の仕組み」を働かせ、成功への道筋へと誘導するメカニズムが回転するのです。
換言すれば、目標達成への過程での小さな成功を積み重ね、あたかも成功への道を歩むことが当然のように振舞うことで、「成功への仕組み」が働くようにするのです。
「成功の仕組み」を活用する
- あなたがもっている「成功へのサーボ機構」は、目標をもったとき、効率よく働きます。目標は、達成可能で具体的なものにしましょう。
- あなたの「成功へのサーボ機構」は、目標達成のための手段を自動的に提供してくれます。方法や知識の組合せは、目標さえ与えられれば、自然と分かってきます。
- 失敗したり間違ったりしても、心配は要りません。目標を達成するまでには、行動は多かれ少なかれ、試行錯誤するものです。「成功へのサーボ機構」は、目標へのコースを間違えた行動を取ったときに、制御機能が働いて修正行動を起こすのです。
- 人間の脳と神経系は、過去に体験した間違いを忘れ、成功した行動だけを記憶します。そうすることで継続的に成功を経験することになるのです。
- 「なにか」を生み出す創造の仕組みは、あなたの意識下で働きます。あなたはそれを信頼するだけで十分です。その創造の仕組みは、「現在、必要とされること」に、自動的に作用します。あなた自身は、そのことを気にする必要はありません。
※「成功へのサーボ機構」(機械などが設計通りに作動するようにする制御装置)
ラルフ・ワルド・エマーソン「実行せよ、そうすれば力が与えられる」
イメージ訓練
充実した人生は、あなたがそれを想像することから始まるのです。何をしたいか、何になりたいかをイメージすることから始まるのです。
具体的にはどうしたらよいか。まず、一日に二〇分、だれにも邪魔されない時間を創って、リラックスした状態のなかで、「成功して満足しているあなた」をイメージするのです。ひたすら、成功しているあなたを想像する訓練をするのです。その二〇分間に、快活に振舞っているあなた、そうありたいと望んでいるように振舞い、感じているあなたをイメージするのです。「いまから二〇分だけ、これから先、このように振舞う自分自身を想像する」、これで十分なのです。かくありたいと願うならどう行動するか……を想像してみるのです。はにかみ屋で引っ込み思案の性格を直したいなら、微笑をたたえ、ゆったりした表情で友達と談笑しているあなたを想像すればよいのです。
この「イメージ訓練」を三週間続けてください。
誤った「思い込み」を見直そう
- 新しい習慣を身につけようとする場合、最も障害になるのは「そうしようと努力すること」
- 悪い習慣を直す最良の方法は「自分が達成したいと願う目標をもつこと、それを達成して満足感に浸っている自分の姿をイメージすること」
- 良い習慣を身につけるには、「具体的な行動の結果としての目標がはっきりわかっていることが、学習の成果を確実にします」
- 悪い習慣を直す場合、あるいは考え方を変える場合、努力しようとか強い意志力で達成しようとすることは「百害あって一利なし」です。
リラックス訓練
"心の安らぎ"を得ようとするなら、身体をくつろがせる訓練をするほうが賢明です。まず、安楽椅子にゆったりと腰掛けるか、ベッドに仰向けに寝ます。顎の力を抜き、手や足を弛緩させます。楽な気持ちで二〇分ほどあなたが達成したいと願う目標をイメージしてください。そしてそれを達成して満足しているあなたを想像してください。その間、過去に経験した心楽しい出来事を思い出すのも良いでしょう。
エミール・クーエ「あなたの目標は、それが手の届くものであれば、努力しないでも達成できます」
プラス・イメージが成功をもたらす
- あなたがそうありたいと思うことをイメージし、それが達成できて満足している自分を想像する、この言葉を肝に命じてください。そうありたいと強く望むのです。それを頭のなかで繰り返すのです。この点さえ理解すれば、問題解決は簡単です。望ましい未来を想像し、成功して満足している自分の姿をイメージするのです。ひとつ注意すべき点は、その目標があなたにとって"達成可能な目標"でなければならない、ということだけです。
ナイト・ダンロップ博士「プラス・イメージを描く習慣を身につけるためには、考え方をプラスの言葉で埋め尽くすことが肝心です。人は、その心のなかで考えたとおりの人として存在しているのです」 エミール・クーエ「あなたがしなければならないことは、"簡単にできると思う"ことです。そうすれば事は容易になる」
幸せの習慣を身につける行動
- 今日一日、陽気に振る舞おう。
- 他人には好意的に接しよう。
- 他人の失敗や過ちには寛大になろう。
- そうありたいと思っている人になったつもりで行動しよう。
- 自分の意見で事実を悲観的にゆがめないようにしよう。
- 今日一日、少なくても三回は笑うようにしよう。
- 何が起きようと、冷静に対処するようにしよう。
- 変えようのない悲観的な事実は、忘れるようにしよう。
心を解き放つ訓練
- 言おうとする前に、どうしたらうまくしゃべれるか、などと考えてはいけない。
自然にしゃべり始めて、話しているうちに修正すべきことが生じたら即席で修正すれば良い。 - 明日のことを思い煩ってはいけない。行動する前に考えてもいけない。
魚雷と同じように、標的に向かって行動を開始し、コースを外れたら修正すれば良いのです。A・N・ホワイトヘッドは「私たちは考えてから行動するようにできていないのです。生まれた瞬間から行動し、行動のなかで考えながら行動をうまく導いているのです」と述べていますが、これが大事なのです。 - 自己批判は止めよう。
「間違っていたなか」とか「こう言うべきではなかった。どうも誤解されたようだ」などと考えて悩むのは止めよう。適切なフィードバックは、心の「成功へのサーボ機構」の働きの一つです。過去の行動に「ああすれば良かった」などと考えるのは敗北的行為なのです。過去と戦って勝った人は一人もいません。 - いつもより大きな声で話す習慣を身につけておきましょう。
自制心のある人は、物静かに話す傾向がありますが、意識的にいつもより大きめの声ではっきりと話すようにしてください。何か重い物を持ち上げるとき、大声で気合をかけると、一五%は余計に力がはいると云われますが、これも同じ原理が働いて、抑圧が解かれるからです。 - 好感がもてたら、遠慮せずに言葉で表現しなさい。
自己抑制の強い人は、嫌悪感を表すことに消極的ですが、好感を表現することにも控えめです。ご機嫌をとっているようで気が引けるかも知れませんが、そんなことを思い煩わずに少なくとも毎日、三人の人を褒めなさい。あなたが結婚しているなら、少なくとも一日に二回は「愛しているよ」と奥さんに言うようにしましょう。
生活をリラックス・モードへ
- 心のなかに「静かな部屋」を
- 気分の繰り越しをしない
- 「何もしない」効用
リラックスは自然の精神安定剤です。リラックスする方法を身につけ、日々活用するのは有益です。「静かな部屋」を心の中に創るのです。具体的には、こうします。静かに座り、電話のベルを鳴らしっぱなしにしている自分をイメージするのです。ベルの音に身体が動きそうになったら、こう言い聞かせるのです。「私はベルを鳴らしっぱなしにしている自分を楽しんでいるのだ」と。
この「何もしない」方法は、いろいろな局面に使えます。たとえば、同僚が怒鳴っているとしましょう。あなたはその間、多忙な時間を落ち着いて処理している自分をイメージするのです。周囲のことには無頓着にマイペースで目標達成へ向けて努力している自分をイメージするのです。こうした「イメージ訓練」を積み重ねると、やがて現実の状況に対しても、落ち着いて行動できるようになります。